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【Amazfit Helio Ring】指輪型デバイスHelio Ringの日本投入や、Zepp Healthの日本法人設立を発表。Amazfit発表会レポート

当ブログでも多くのスマートウォッチをレビューしてきたAmazfit。ほぼ全機種で心拍数センサーや血中酸素飽和度センサーを搭載し、GPS搭載のモデルであればスマートウォッチ単体で高度な運動計測もできる高機能さが魅力的な製品が多く登場しています。最近では睡眠の質に対してフォーカスした「Zepp Aura」という睡眠分析・改善するAI搭載のサービスも登場し、ただスマートウォッチで計測するだけでなくその計測したデータを利用して健康になれるための分析を行うことにもフォーカスしているのが特徴です。

そんなAmazfitから今度はスマートリングのAmazfit Helio Ringが発表。今回日本の正規代理店であるアースリボーン社で日本発売前の実機を見てきたのでそのレポート。また、本発表会では新しく日本法人「Zepp Health Japan」を設立することもゼネラルマネージャーの薗部氏より発表。スマートウォッチの価格改定からプロモーション戦略まで、今後のAmazfitの進化も気になるラウンドテーブルについてレポートします。

腕時計をしない人でも健康管理を。スマートリングAmazfit Helio Ring

まず最初に発表されたのはスマートリングのAmazfit Helio Ring。最近ジワジワと参入が増えているスマートリングに今回Amazfitも進出。日常のライフスタイルの運動や睡眠の計測といったライトな活動の収集から、スポーツに取り組むアスリートにも十分な計測機能を実現することを意図したスマートリングで、スマートウォッチなしでも運動時の心拍数や歩数といったアクティビティの計測ができる製品。

すでに米国での販売が開始されており、Amazfitの予想以上の売上になっているんだとか。そんなこともあり日本での発売開始時期については「2024年の秋頃」の発売で調整中。これまでは手首につけることが必須のスマートウォッチ・スマートバンドを展開していたAmazfitですが、より着けている感覚の少ないスマートリングでより多くの人に使ってもらえるような製品にしていくとのことでした。

Amazfit Helio Ringについては、設立予定の日本法人「Zepp Health Japan」のゼネラルマネージャーの薗部晃二郎氏と、日本正規代理店であるアースリボーンの担当より製品の特徴について説明。Amazfit初のスマートリングとなる本製品は、一般的なライフスタイルの中で使用するに留まらず、アスリートが求める高い計測性能の両方を実現した製品になっているとのこと。

Helio Ringの基本的な機能については、これまで展開してきたAmazfitのスマートウォッチと大きく変わらない印象。これまで手首で計測していた心拍数や血中酸素飽和度、睡眠の状況をリアルタイムで収集し続けてくれるデバイスになっています。Amazfit Activeなどで実装されている睡眠時の呼吸の質の追跡機能などを組み合わせて体の回復状況である「レディネス」を算出し表示してくれるのもスマートウォッチと同じです。

ただ、スマートリングの特徴はその小ささ。チタン合金で作られたリングは耐久性とデザイン性、そしてどのサイズでも4g以下という軽量さを確保。また、最大100mの水圧に耐えられる耐水性も確保しておりどんな場所であっても着けっぱなしにしておける点は使い勝手の良さに直結しているように感じました。

レディネス機能については、スマートウォッチで提供されてきた「レディネス」よりも踏み込んだデータを提示が可能になったのはポイント。次のアクションに向けて精神的、肉体的にどれだけリチャージされたかを示す「レディネス」に加えて、睡眠スコア、睡眠時の心拍変動(HRV)、睡眠時安静心拍数(RHR)でどれだけ体の準備が整っているのかをひと目で確認できるようになっています。

Amazfitのスマートウォッチと組み合わせて利用することで、Helio RingとスマートウォッチのデータをZepp Healthアプリで統合して分析をすることが可能。昼間はスマートウォッチ、Helio Ringの両方で計測してデータを二重化。計測の精度を向上させることが可能に。就寝時はスマートウォッチを外して快適に、かつ、睡眠時の計測もHelio Ringで確保、という使い方が可能です。

Helio Ringは指につけていることでより多くの身体データの収集が可能なのもポイント。特に気になったのがEDA(皮膚電気活動)センサーを搭載した点。皮膚と汗の反応をリアルタイムで皮膚電気活動センサーで収集することで、体のストレスレベルを測定できるというもの。これまでのスマートウォッチでもストレスレベルの計測機能は心拍数の変動(HRV)で計測していましたが、Helio RingではEDA(皮膚電気活動)を測定に利用するようになっています。

HRVとEDAでのストレスレベルの計測については、システム制御情報学会の“ストレス識別のためのウェアラブルセンサで計測可能な生体信号の評価”(若林 直哉, 島川 博光, 原田 史子,2022 年 35 巻 9 号 p. 217-227)を参照すると、本機の搭載する皮膚電気活動を用いた計測のほうがストレス計測において重要であることを示唆しているよう。Amazfit Helio RIngのEDAセンサーでこれまで以上に精密なストレス計測ができると期待できそうです。

スポーツモードはランニング、ウォーキング、サイクリング、トレッドミルの4種類に対応。Helio Ringにはスポーツモードを開始するためのボタンは当然搭載していないので、スマートフォンのZepp HealthアプリからONにする仕組み。対応モードが少ないので、私が嗜む乗馬などを計測したい場合は、スマートウォッチが必須になります。

会場では数は多くないものの実機も用意。Helio Ringは8号、10号、12号の3サイズ展開で通常の指輪に比べるとサイズのバリエーションは少なめ。すでにスマートリングで先行しているOura Ringは6〜13号のサイズに調整できるようになっており、Helio Ringのバリエーションの少なさは目立つ印象。これは、特に本機について競争的な価格で展開するためには必要だったこととのこと。手に取りやすい価格にする上ではサイズ展開はどうしても少なくなってしまうようでした。

実際のところ多くの私を含めた成人男性にとっては真ん中のサイズに当たる10号がちょうどよい感じ。8号では指の第2関節の手前でつっかえてしまうような印象でした。外から見たデザインとしては、指輪と比べるとかなり太くゴールド色のリングが着いているというのは傍から見ても分かるレベル。シンプルなデザインではあるものの、ただのオシャレアイテムというよりかはじゃっかんガジェット感は抜けきらない印象でした。

このリングの内側には所狭しとセンサーが並べられており、心拍数、血中酸素飽和度センサーに加えて前述したストレスレベルの計測に利用する皮膚電気活動(EDA)センサーも搭載。このサイズにおさめているというのはなかなか驚きでした。なお、つける際には上下があるようで、正しく装着しないときちんと計測ができない様子なのは注意が必要です。

パッケージについてはこれまでの他のAmazfit製品と近い白地に製品写真がプリントされたもの。充電は専用の充電器の上にリングを置くことでワイヤレスで充電できるようになっています。充電時間は1時間40分、標準的な利用で約4日間利用できるとのこと。ちょっと充電時間が長いため、実際に利用するときにはどのタイミングで充電するかというのは悩ましいかもしれません。

Amazfit Helio Ringのスペック

製品名Amazfit Helio Ring
チタン合金
寸法幅 8mm
厚さ 2.7mm
重量4g未満
ボディ素材外側リング – チタン合金
内側リング – 樹脂
指輪の号数(サイズ)8号、10号、12号
防水性能グレード10 ATM (水深100mに相当する圧力に対応)
バッテリー容量サイズ8 – 16.5mAh
サイズ10 – 18.5mAh
サイズ12 – 20.5mAh
充電方法ワイヤレス充電
理論充電時間約1時間40分
標準的な使用4日間
センサー健康: BioTracker™ PPG心拍センサー (デュアルカラーLED + 2PD)、温度センサー、EDAセンサー
動作: 3軸加速度センサー、3軸ジャイロスコープ
接続方法BLE (Bluetooth Low Energy)
セット内容リング、ワイヤレス充電器、取扱説明書
対応デバイスAndroid 7.0以降、iOS 14.0以降
対応アプリZepp App

Zepp Health日本法人の立ち上げと値下げも発表

今回の発表会(ラウンドテーブル)では、Amazfitを展開するZepp Healthの日本での今後の施策についても説明。Zepp Healthのブランドビジョン、ミッションや日本法人を通じた販売拡大施策、スケジュールについても説明がありました。

まずは新たに日本のゼネラルマネージャーに就任した園部氏について。園部氏はもともと外資系メーカーであるデロンギやオーディオのSHUREなどの日本法人のマネージャーを努め、海外メーカーの日本での販売拡大に取り組んできたとのこと。

Zepp Healthについては、ただスマートウォッチを始めとするウェアラブル端末を販売するだけでなく、この機器を通じてより人々に健康になってもらえるようになるのがミッションなんだとか。全世界ですでに2億台以上が出荷され、毎日4700万人以上のアクティブユーザーを抱えておりすでに利用者の多くのデータを収集。このデータを利用して健康のために活用できるようにしていくことが目標になっているようです。

世界的にもZepp Healthは大きな成長を遂げており、2016年から比べると2021年で740万ドル以上の売上増になっているとか。特に健康意識が世界的に高まった2020年から2021年にかけての成長は著しく、より健康的な生活を送ろうとする方に選ばれているようです。

日本に目を向けてみると、まだまだAmazfitの拡大の余地があると見ているとか。これまでAmazfitシリーズの展開ではHuami社時代の日本代理店であるTJC、そして現在のアースリボーンと日本国内代理店による展開が行われてきていました。広報活動についてはZepp HealthのAPAC(アジア太平洋地域)地区担当からの指示で実施し、販売展開も同じように本社からの指示で動いていたこともあり、なかなか日本向けに特化したプロモーション戦略を打てていなかったとのこと。

2024年下半期からはいよいよ日本の市場においてAmazfitの市場拡大に向けて取り組んでいくとのことで、日本法人の立ち上げやブランドアンバサダーを起用したマーケティング、主力5製品の値下げに今回のスマートリング「Helio Ring」の投入、そして世界初の生成AIを活用したウェアラブルOS向けAI「Zepp Flow」のローンチと矢継ぎ早に施策を展開するとのこと。

実際のスケジュールについても提示されましたが、すでに展開をしている「Zepp Flow」から価格の値下げ、新商品投入と盛りだくさん。現在日本におけるAmazfitの市場シェアは1桁台前半、とのことですが「手頃な価格帯、かつ、高クオリティの製品が頑張ることで消費者の選択肢増」につなげていくとのこと。「一部のメーカーだけのシェアが高いというのは、市場として健全ではない」とし、Amazfitがちょうどよい選択肢として日本でのシェア拡大を目指していくということでした。

Amazfitの主力5製品が最大37%(1,5000円)割引に。大幅な値下げを実施

モデル名称旧価格(税込)新価格(税込)ZeppFlow対応状況販売ページ
Amazfit Balance39,90034,900対応https://amzn.to/4dmRJ24
Amazfit Cheetah Pro44,90029,900対応https://amzn.to/46tYrkQ
Amazfit Cheetah39,90024,900対応https://amzn.to/46tYq0g
Amazfit T-Rex Ultra59,90049,900対応
※別ワイヤレスマイクが必要
https://amzn.to/3yqvMR4
Amazfit Active Edge19,90017,900非対応https://amzn.to/4dpoATX

今回のAmazfitの日本施策で特徴的だったのが、すでに発売済みの製品のうち5製品を一気に値下げしたこと。最大の値下げ幅になったのはランニング向きの製品であるAmazfit Cheetah ProとAmazfit Cheetah。両方とも15,000円もの値下げに踏み切り、これまで高価格に感じてしまう値段のネックを一気に解消しに行っているのも特徴。今回の値下げを機に、高精度なGPSを搭載したAmazfit Cheetah(レビュー)を購入してランニングデビューしてみても良いかもしれません。

今回ご紹介したAmazfit初のスマートリングであるAmazfit Helio Ringや、日本でのマーケティング活動の拡大、そして大幅な値下げなどを通じZepp Health、Amazfitの日本での製品展開が大幅に加速していくことを感じました。今後秋にかけてアウトドアに向いているモデルも投入することも予告されたAmaziftの今後の日本展開から目を離せなく楽しみになるラウンドテーブルでした。

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銀行をやめて人材系のHRテックらしいメガベンチャーにいたかと思えば、今はSIerで企画とかしています