【OPPO Pad 3 Matte Display Edition】反射を抑える144Hz駆動マットディスプレイとMediaTek Dimensity 8350で快適に使えるタブレット、OPPO Pad 3レビュー【PR】

日本国内で正規販売されているAndroidタブレットは、当ブログでも多くレビューしている謎の中国メーカーの製品だけでなく、先日レビューしたXiaomi Redmi Pad 2のような大手メーカーまで多くのメーカーが製品を投入。生粋のAndroidユーザーとしては製品の選択肢が多くてとても嬉しいところ。最近はハイエンドな製品の投入も増えており、ただのエンターテイメントだけでなく仕事や、ゲームにも使える性能を持ったものも登場。
今回はOPPOから登場した、OPPO Pad 3 Matte Display Editionをレビュー。OPPOのタブレットの中では初めて反射を抑えるナノテクスチャーディスプレイを採用し、光の反射を抑えて見やすい画面を実現した製品。進化したOPPO AIやHolo Audioによる臨場感あふれる音響、MediaTek Dimensity 8350搭載によってスムーズな動作を実現したハイエンドタブレットです。今回はメーカーより製品をお借りしてレビュー。79,800円と高価ではあるものの、かなり魅力的な製品でした。
OPPO Pad 3 Matte Display Editionのスペック
項目 | 内容 |
---|---|
ディスプレイ | 11.6インチ LCD(LTPS)、2800×2000、最大144Hz、296PPI、500nit(標準)/700nit(日光下) |
CPU | MediaTek Dimensity 8350(4nm)、オクタコア 最大3.35GHz |
GPU | Arm Mali-G615 MC6 |
OS | ColorOS 15(Android 15ベース) |
RAM + ROM | 8GB(LPDDR5X)+ 256GB(UFS 4.0) |
カメラ | アウト: 800万画素(F2.0)、イン: 800万画素(F2.0) |
Bluetooth | Ver 5.4(SBC, AAC, LHDC, LDAC対応) |
USB | USB Type-C |
バッテリー・充電性能 | 9,520mAh、67W SUPERVOOC急速充電 |
重量 | 536g |
大きさ | 258mm × 189mm × 6.3mm |
Wi-Fi | IEEE 802.11 a/b/g/n/ac/ax(2.4GHz/5GHz) |
薄型デザインと高い質感を実現したデザイン



パッケージは他のOPPO製品と同じように、製品名と、灰色の背景に数字で大きく”3″と第三世代であることを示すデザイン。先日レビューしたOPPOのフラグシップスマートフォンであるOPPO Find X8(レビュー)と同じような仕上がりです。同梱品はシンプルで画面のクリーニングクロス、説明書、USB Type-A to Cケーブルのみ。充電アダプターは付属しません。




OPPO Pad 3 Matte Display Editionは、厚さ6.3mmという薄型設計を採用しており、OPPOのタブレットシリーズの中でも最薄を実現したモデルです。重量は実測値で546gとハイエンドタブレットとしては標準的な水準ながら、薄型設計により取り回しの良さを重視した仕様になっています。背面にはミレニアムシルバーカラーのブラッシュ仕上げを採用し、高級感のある質感を実現しています。
ディスプレイ周りのベゼルは上下左右ともバランス良く配置されており、11.6インチという大画面を効率的に活用できる設計を採用。画面占有率は88%で、アスペクト比7:5の白銀比に近い特徴的な画面形状により、従来の16:10や16:9のタブレットに比べて短辺部分が長くなっていて正方形に近い形状。このアスペクト比により、WEBサイトの閲覧時や、電子書籍の閲覧において情報量を増やし、優れた視認性を実現してくれます。




側面部のデザインも確認。前述のようにOPPO Pad 3 Matte Display Editionは、厚みわずか6.3mmと非常に薄くなっているのが特徴。写真でもその薄さが分かるかと。全体的に側面は丸みを帯びたデザインになっており、手のひらで支えるようなときに手に優しくあたるようになっています。
本機は外と接続できる端子はUSB Type-C端子と純正キーボードケースと接続するための端子が用意されているのみ。イヤホンジャックは用意されておらず、USB Type-C経由での音声出力のみに対応します。本体を横向きで利用した際の左側側面の上部に電源キー、そして上部の左側にボリュームキーが来る一般的なタブレットの端子になっています。生体認証は顔認証のみに対応し、指紋認証は非搭載です。
MediaTek Dimensity 8350とUFS 4.0ストレージでハイエンドモデル並みの性能を実現

OPPO Pad 3に搭載されているMediaTek Dimensity 8350は4nmプロセスで製造されたハイエンド向けSoC。最大3.35GHzで動作するオクタコア構成のCPUに、GPUにはArm Mali-G615 MC6を搭載し、高負荷なゲームや動画編集まで対応できる性能を確保しています。8GBのLPDDR5X RAM(最大16GBまで拡張可能)と256GBのUFS 4.0ストレージにより、マルチタスク環境でも快適な動作を実現している印象です。


Antutuベンチマークでの総合スコアは1,379,126点という結果で、ハイエンドタブレットとして十分な性能を実現。CPUスコアは296,093点、GPUスコアは535,179点、メモリスコアは308,828点、UXスコアは239,026点という構成で、特にGPU性能の高さが際立つ結果になっています。高いGPU性能により、高品質なゲームプレイや動画編集作業においても十分な処理能力を発揮できる仕様です。ベンチマーク中は28℃から34.1℃まで6.1℃の温度上昇でベンチマークでは発熱も低い印象です。ただ、Antutuベンチマークでのバッテリー消費は8%で他の機種に比べると高い印象でした。

ストレージテストの結果では、シーケンシャルリードで3,715.7MB/s、シーケンシャルライトで2,974.0MB/sという優秀な数値を記録。UFS 4.0の採用により、大容量ファイルの転送や読み込み処理において高い性能を確保。ランダムアクセス性能も1,504.0MB/s(リード)、1,016.0MB/s(ライト)と高速で、大容量のゲームの起動も十分高速でできるはず。
実際の使用感としては、WEBブラウジングや動画再生といった日常的な用途では全くストレスを感じることなく、複数のアプリを同時に起動するマルチタスク環境でも快適に動作します。ただし、AI機能の利用やゲームプレイ時には本体の発熱が気になる場面があり、特に長時間の高負荷作業では温度上昇に注意が必要な印象でした。ベンチマークでは発熱少なかったはずですが、某別の機種に比べても熱くなる印象です。

搭載するOSはOPPOオリジナルのColorOS 15。Android 15ベースでOPPOオリジナルのパフォーマンスブースターのTrinity Engineによって5年後であってもサクサク使えるような最適化を図っているとか。


ColorOS 15では画面を上から下にスワイプしたときに通知とクイック設定を表示する機能については、クイック設定と通知のそれぞれを分割することも、スクリーンショットのようにまとめて表示することもどちらにも対応。個人的にはまとめて出てくれたほうが、ミスなく利用できるのでどちらも選択できるのはありがたい印象です。

標準で搭載するRAMは8GB。フラグシップ級のスマートフォンのRAMが12GBまたは16GBという時代なので、8GB RAMはそれに比べると少し少なめ。ただ、WEBブラウジングや動画視聴、ゲーミング程度なら十分な容量の印象です。PCのように数十タブをブラウザで開きながら画像編集を同時にしたりしないですしね。
中国系のタブレットでは当たり前のように搭載されている、本体ストレージの一部を仮想RAMとして利用する拡張RAM機能にも対応。最大8GB追加して、16GB RAMとして利用することも可能です。個人的にはわざわざ拡張するほどでもないのではないかとも思っています。

スクリーンショットを取り忘れていますが、本機のWideVineセキュリティレベルはL1。Amazonプライムビデオでは1080Pでの動画再生ができることも確認できました。本体ストレージは256GBあるので、高画質の動画をダウンロードして移動中に楽しむというのにもぴったりです。
反射防止マットディスプレイで屋外でも快適な視認性を確保

OPPO Pad 3 Matte Display Editionの最大の特徴は、ナノテクスチャー反射防止コーティングを採用したマットディスプレイです。97%の光反射を低減する技術により、従来のタブレットでは課題となっていた屋外での視認性や映り込みの問題を大幅に改善。11.6インチの大画面に2800×2000の高解像度を実現し、296PPIの高精細表示により文字や画像の細部まで鮮明に描写できる仕様になっています。

マットディスプレイの効果は特に屋外や明るい環境で実感することができました。今回のレビューは実質5日程度しか利用できなかったため、あまり多くの場所で試せたかといえばそうではないのが残念なのですが、外出先で利用した際にも周囲の映り込みを気にすることなく画面の内容を確認することができました。タブレットは1人で使うだけでなく、誰かに画像やWEBページを見せるという使い方もありますが、そういったときにも角度をあまり気にせずに使えるのはなかなか便利。
これまでもノートPCではアンチグレアディスプレイが一般的でしたが、Androidタブレットでは一部のペンタブ系や、Lenovoが発売した以外ではアンチグレアディスプレイを採用した製品はありませんでした。これは、アンチグレア処理をすると、表面の拡散処理によって光が散乱し色が白っぽく見えたり鮮やかさが低下してしまう傾向があったため。また、ディスプレイとタッチセンサーの視差も発生してしまいタッチ感度が減少するということもありました。

OPPO Pad 3 Matte Display Editionではナノレベルの微細な凸凹を施した特殊なコーティング層を追加することでこの問題を解決。これまでのアンチグレアディスプレイでは難しかった鮮やかさと、タッチ精度の高さの両立を図り、従来のグレア(光沢)ディスプレイと遜色ない発色を実現したわけ。DCI-P3カバー率97.4%、NTSCカバー率96%という高い色域再現性により、動画視聴や写真編集においても十分な品質を確保。最大144Hzの可変リフレッシュレート対応により、画面スクロール時の滑らかさも向上しており、電子書籍の閲覧やWEBサイトの閲覧において快適な操作感になっています。


実際に映像作品を視聴してみてもあざやかな発色で十分満足できるクオリティに。この画質なら移動中などに動画コンテンツを楽しむ際には、周りの景色の反射も気にせず、きれいな画質で楽しむことができそうです。

画面のリフレッシュレートについては、設定画面からモードを変更可能。標準では”自動選択”になっており利用するアプリなどに応じて最適なリフレッシュレートを自動で選択してくれます。144Hzのリフレッシュレートを体感したいなら設定から”高”を選ぶことで利用が可能に。GPU性能を多く使うことからか、本体が発熱しやすくなることには注意が必要です。

ただし、斜めから画面を見た際の視野角については改善の余地があり、角度によっては画面が白くなる現象も。某別の機種も同じタイミングでお借りすることができたため比較しながら利用していましたが、角度によってはこのように白くなってしまいました。実使用時にそこまで気になる場面があるかといえばそうではないですが、あくまでも反射低減であって完全に反射を抑えてくれるわけではないという感じでした。
7:5の白銀比のアスペクト比でWEBサイトの閲覧にぴったりなディスプレイ

OPPO Pad 3の11.6インチディスプレイは白銀比と呼ばれる7:5のアスペクト比を採用。これはA判やB判の用紙や書籍などで用いられる比率とほぼ同じで縦画面と横画面の療法でバランスの良い、従来の16:9や16:10のタブレットに比べて資料などを見やすいデザインを実現しています。WEBサイトの閲覧時には縦方向の情報量を増やすことができるため、一度に見れる範囲が拡大。スクリーンをスクロールする頻度を減らせるわけ。

また、縦向きのときには横幅が広いことでPC版サイトを表示しても文字サイズの大きさを確保することが可能。縦横どちらの向きで利用してもWEBサイトや資料を見るのに便利なのが白銀比を採用したOPPO Pad 3 Matte Display Edtionのポイントというわけです。実際にWEBサイトを多く閲覧してみると、縦向き横向きのどちらでもパッと見たときの情報量が多いのが嬉しいところ。

動画視聴については、一般的な16:9のコンテンツでは上下に黒縁が表示される仕様になっており、画面サイズを最大限活用できない点は留意が必要。Amazonプライムビデオなどの主要な動画配信サービスでは黒縁が目立つ印象で、没入感の面では従来のアスペクト比に劣る部分があります。ただし、11.6インチという画面サイズの大きさもあって、個人的には十分な大きさ。写真のようにそんなに気になるものでもない印象でした。
OPPO AIによる文書作成支援と写真編集機能で生産性向上を実現

OPPO Pad 3 Matte Display EditionにはColorOS 15に統合されたOPPO AI機能が搭載。画面右上からスマート機能を呼び出すことで表示している画面の内容を要約したり、AIスピーク機能で自然な発音での読み上げをしてくれる機能も搭載しています。このほかにも文章作成支援から写真編集まで幅広い用途でAIをフルに活用することが可能です。

AIサマリー機能を利用すれば、表示しているWEBサイトの内容を簡単に要約。当ブログのモバイルバッテリーINIU P51Lのレビュー記事をAIサマリー機能に読み込ませてみましたが、あっという間に要点だけをまとめてくれました。レビュー記事を要約したらあまり意味がなくなってしまいますが、長いニュースなどをサクッと要約できるのは時間がないときには便利な印象でした。


文章作成に特化したAI機能は、メモ帳アプリで利用が可能。記載しておいた内容をブラッシュアップしたり、書きたい内容を打ち込んでそれをもとに文章を作成することも可能。メールの原稿を読み込ませてそれをもっとフォーマルな表現に、としたら上のように一気に生成してくれました。


個人的に注目しているのが標準でインストールされているドキュメントアプリ。Wordファイルなどを開いて簡易的に編集できるアプリですが、これにもAI機能が統合。写真のように英語で作成されているファイルをそのまま翻訳するなんてことも可能。もちろんAIライター機能で内容をブラッシュアップすることも、内容を詳しくしたり、続きを生成することも可能。
Androidタブレットにプリインストールされているメーカー標準のオフィスアプリでAIをそのまま使えるのはかなり良いなと感じます。(本機も他社と同じようにWPSオフィスもプリインストールされています。ただ、WPSオフィスについてはKingsoftということもあり忌避感のある方は多いとも思うのでOPPOのオリジナルオフィスが入っているのは個人的には嬉しいです)



写真編集機能についても、AI消しゴム2.0を中心とした自動編集機能により、専門知識がなくても高品質な写真編集を行うことが可能。実際にウズベキスタンのアミール・ティムール広場で撮影した写真を使用してAI消しゴム機能をテストしたところ、写真に写り込んだ人物を自動的に認識して除去することができ、観光地での記念撮影において実用性の高い機能であることを確認できました。


実際にAI消しゴム機能で映り込んでいた人影を削除したのがこちら。パット見た分には、違和感なく人がいなくなっている印象です。ホテルウズベキスタンの下にある看板部分が、ちょうど文字の部分に人が被っていたためちょっと不自然になっていますが、十分なクオリティに感じました。芝生の色合いに若干の不自然さが見られる印象もあり、完璧ではない点はご留意を。
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ゲーム性能は高いもののフレームレート安定性に課題あり

MediaTek Dimensity 8350とMali-G615 MC6の組み合わせにより、OPPO Pad 3は高いゲーム性能を実現。ただ、実際のゲームプレイにおいてはフレームレート安定性に課題を感じる場面がありました。Antutuベンチマークでの高いGPUスコアにも関わらず、原神を最高画質・60FPS設定でプレイした際には、通常のフィールド移動では滑らかな動作を確認できるものの、戦闘シーンのような高負荷時にはフレームレートの低下が発生する印象です。


本機には自動的にゲームモードが起動する機能が搭載。自動的にパフォーマンスの最適化やタッチ感度の調整を行ってくれるようになっています。HyperBoost機能によりAIを活用したパフォーマンス管理も行われており、システムレベルでのゲーム最適化は充実している印象。この他にもゲーム以外の通知をシャットアウトするゲームフォーカスモードや、画面録画、不意に画面が回転することを防ぐ方向ロックなど多くの機能を搭載しています。


実際に戦闘シーンなどをプレイすると、一瞬フレームレートが落ちるような場面を感じることが複数回あった印象。ゲームモード側でFPSを見てみても、グラフがガクッと下がっている場面があり、この点は単純なベンチマークのスコアとは異なる印象でした。ただ、楽しめないほどではなく、絶対にフレームレートが落ちてはいけない!という方は気になる程度という印象です。
発熱についても、長時間のゲームプレイやAI機能の利用時には本体温度の上昇が気になる場面があり、特に夏場の使用では注意が必要な印象です。6.3mmという薄型設計の制約もあるのか、放熱性能については改善の余地がある印象でした。軽めのゲームや短時間のプレイであれば十分快適に動作しますが、長時間の高負荷ゲームを主目的とする場合には、冷却できるようなアクセサリーなども検討すると良いかもしれません。
マットディスプレイで見やすい画面が嬉しい。快適に使えるハイエンドタブレット

OPPO Pad 3 Matte Display EditionがMediaTek Dimensity 8350に11.6インチの144Hz駆動、Anti-Reflective ナノテクスチャーマットディスプレイを搭載したハイエンドなタブレットでした。周囲の反射が簡単に映り込んでしまうグレア画面に対して、反射を抑えることで周りの光が入りこまず没入感の高い画面描写を実現した製品でした。実際の動作も十分快適。ヘビーゲーマーにとっては若干気になる点もありましたが、日常利用では白銀比の画面の見やすさも合わせて使いやすい製品に仕上がっています。
今回は専用キーボードやスタイラスペンはお借りできなかったため、本体のみでのレビューですが、文章生成、修正、要約といった豊富な文章作成支援AIや、画像編集機能などのOPPO AIの使い勝手も上々。マルチメディアを楽しむだけでなく、オフィスユースにも使える万能モデルと言えました。販売価格は79,800円となかなか高価格帯。ただ、楽天のポイント還元などを駆使すれば実売は68,000円ほどと購入しやすい価格も魅力的。パワーも画面描写も妥協できない方にはぜひおすすめしたい製品です。