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【Amazfit Cheetah】超高精度なGPSにオフラインマップ機能にも対応。24時間の心拍数計測・血中酸素飽和度測定機能を備えたスマートウォッチAmazfit Cheetahレビュー

連日の気温が30℃はおろか30℃台後半という常軌を逸した暑さを観測する季節。今年の暑さは私にも応えており、十分な睡眠を取っていても昼間は眠気と集中力の低下に悩まされ夏バテ気味。動きたくないからと言ってダラダラしていると、さらに体力が落ちていく悪循環になってしまうため、適度な運動、ランニングなどは重要です。日によっては夜は涼しくなっており、ランニングをすると意外と心地よいですし。
そんなランニングのモチベーションを維持する上でも、そして本当にそのランニングに効果があったのか、どのくらい走っていくべきなのか、ということを管理していくソリューションは意外と少なめ。それこそAdidas Runningなどのスマートフォンアプリを利用しているという方も多いのでは。
今回は圧倒的なバッテリー持ちと高機能さを満たしたスマートウォッチを多くリリースする、Amazfitからランナー向けのスマートウォッチ「Amazfit Cheetah」が登場したのでご紹介。個別のプロフィールに合わせてトレーニングを提案してくれるAI「Zepp Coach」を搭載し、日々のランニングの内容の提案から、その成果の記録、蓄積ができるというもの。高精度なGPS・心拍数等のセンサーで正確に記録できるのも魅力的な製品です。
※本記事はメーカーより製品の提供を受けて執筆しています。

スポーツに情熱を持つすべての人のための、Amazfit Cheetahシリーズ

    Zepp Healthセールスマネージャー・Manni Xu氏
今回はレビューに先立って東京都内で開催されたAmazfit Cheetahシリーズの新商品発表会にも参加。Amazfitの開発・製造元であるZepp  Healthのセールスマネージャー、Manni Xu氏のコメントと、国内代理店であるアースリボーンの担当者の言葉を借りつつAmazfit Cheetahシリーズについてご紹介。
Xu氏によれば今回のAmazfit CheetahシリーズはこれまでのAmazfitの「スポーツに情熱を持つプロの方から愛用できる」製品の中で特にエントリーレベルのランナー向けの製品として仕上がっているんだとか。昨年発売の最上位モデルであるAmazfit Falconで実現した高い機能性をCheetahシリーズでは引き継ぎながらデザイン性の高さ、価格の安さを実現したとのこと。
Amazfit
Cheetahの開発にあたっては、エントリーランニングユーザーのニーズを調査
Cheetahのネーミングはその名の通り、Amazfit Cheetahをユーザーが利用して計画的なトレーニングを行うことで、動物のチーターのような早くてしなやかなランニングをできるようになって欲しい、というところから。そのための充実した機能を多く搭載しているわけです。
ランナーのための機能でAmazfit Cheetahが特筆すべき点は、そのGPS性能。業界初のデュアルバンド円偏波GPSアンテナ技術「MaxTrack™ GPS Technology」を採用することで、他の競合製品と比較しても高層ビルの多い場所であっても正確な位置情報の測定が可能になるとか。もちろん、日本の準天頂衛星システムである「みちびき」にも対応しています。
また、オフラインマップ機能にも対応。地図データ自体はOpenStreetMapのため詳細さに難がある部分もあるものの、WearOS採用のTicWatchのようにGoogle Mapを使えない独自OSの製品でありながら、あらかじめダウンロードした地図を開けるというもの。日常のランニング時はもちろん、登山の際にもルートと地図をスマートウォッチ上で通信環境なしで確認できるというのは心強い味方になるはず。

もう一つの特徴的な機能が、スマートフォンアプリのZepp App側で搭載になったZepp Coach 2.0。もともとZepp App上に搭載していたAIコーチング機能をよりパワーアップし、ユーザーの目標に合わせて中長期的なランニングのスケジュールを組んでくれる機能も搭載。AIの力を活用し、現状のトレーニング状況から予測されるランニングのタイムも出してくれたりと結構てんこ盛りな機能を搭載しています。

大型画面と圧倒的に軽量な本体を実現。スタイリッシュなデザインも魅力的

     

今回はAmazfit Cheetahシリーズのうち廉価モデルにあたるAmazfit Cheetahを提供していただき、その実力を試していく。パッケージは、過去にレビューしたAmazfit GTR 3に似ているデザイン。モデル名のCHEETAHが目を引きます。同梱品はシンプルで説明書と充電ケーブルのみでした。

     
製品のデザインを確認。これまでの黒色ベースの製品が多いAmazfitのスマートウォッチの中では珍しい、白ベースの明るいデザインが魅力的。バンドとの接続部には黄色のアクセントカラーもあって、チャーミーなデザインに仕上がっています。男性でも、女性でも似合うのはユニセックスに利用できそうです。
Amazfit Cheetahは1.39インチのAMOLEDディスプレイを搭載。解像度は454×454、PPI(画素密度)は326と非常に高精細な画面を実現しています。明るさは最大1000nitsで、明るい場所でも高い視認性を確保しました。Panda強化ガラスに指紋防止コーティングで頑丈な仕上がりで、ランニングなどの日々の運動でも傷かつかないようになっているのも特徴。
向かって右側に回転式のクラウンとマルチファンクションキーを搭載。本機はボタンモードも搭載しており、ディスプレイを触らずに物理キーだけで操作を完結することも可能。ランニング中や、水泳中、もしくはグローブを付けていてタッチ操作をしづらい場面でも快適に操作をできるわけです。
Amazfit Cheetahは運動中の負荷を極限まで軽減するため、徹底的な軽量化も実現。スマートウォッチでは珍しく50gを切る46gという軽量さを実現しています。本体のベゼルを繊維強化ポリマーを利用したこと、そして無段階でのストラップ長の調整を実現した多孔質構造のバンドで軽くて、かつ、通気性がよく快適に使えるデザインを実現しているとか。
Amazfit Cheetahの充電器でGTR 4も充電できた
充電はこれまでのAmazfit製品と同じく背面に充電器を装着する形。頑なに無線式にすることなくあくまでも有線接続というのには何らかの意志を感じるほど。なお、充電アダプターはAmazfit GTR4・GTR 3シリーズと同じ端子構造のためすでに所有している場合は流用が可能です。

スマートフォンのZeppアプリから設定から機能拡張まで簡単に実現

     

本体の電源をONにしてセットアップ。最初に言語設定メニューが表示され、日本語を選択すれば以降のセットアップはすべて日本語で進めていけます。スマートフォンとの接続設定はおなじみのZepp Appから実施。Amazfit Cheetahに表示されたQRコードを読み込むことでスムーズに接続を行っていくことが可能です。

     
     

Zeppアプリ上では、過去にAmazfitのスマートウォッチを利用していればその設定を引き継ぐことが可能。24時間心拍数測定や睡眠計測の設定(高頻度で記録するなど)についてもそのまま反映することができるので、設定はかなりスムーズに進められます。

最新のアップデートも配信されており、即座にアップデートが可能。現状、私が利用しているAmazfit
GTR
4に対しても定期的にアップデートが配信されており、より機能や動作がブラッシュアップされていくのも嬉しいポイントです。
    
設定メニューについても確認。AmazfitのスマートウォッチはCheetahも含めて画面の明るさから心拍数計測の頻度まで大抵の設定を母艦となるスマートフォン側から設定ができるのも特徴。いくらスマートウォッチの中では大きいといっても、小さい画面で設定を切り替えるのは難儀するため、スマートフォン側から設定変更できるのは良い感じ。
   
SMSやLINEなどでメッセージを受信した際に、画面タップだけで返信ができる簡易返信機能も搭載。あらかじめ設定しておいた単語、もしくは文章をそのまま返信できるため、待ち合わせの際やちょっとした用事の際にスマートフォンを出さずに返信できるわけ。キーボード入力や、音声入力は非対応のためそこまで求めるのであればWearOS搭載のTicWatchシリーズを検討しても良いかも。
     
Amazfit Cheetah側でのダウンロード画面
Amazfit Cheetahの特徴の一つであるオフラインマップ機能も、Zepp Appから設定。ダウンロードしたい範囲を選んでダウンロードリストに追加することで、Amazfit Cheetah側からダウンロード可能になります。なお、ダウンロード時には母艦となるスマートフォン側のネットワーク状況が良くないと中途半端なダウンロード結果になってしまうため注意が必要です。
     

文字盤についても多くの種類が公開中。Cheetahからの新機能として文字盤側に表示したクイックスタートアイコンでを押すこと(上の写真だと「GO」ボタン)でそのままあらかじめ設定しておいたスポーツモードを開始できる機能も搭載。頻繁にトレーニングをしているという場合には便利な機能なはず。

     

これまでのモデルと同じくミニアプリのインストールにも対応。人気のランキングはGoogle Mapの案内表示を見やすく表示してくれるアプリや計算機が主ですが、その他にも便利そうなアプリが以前よりも多く登場しています。独自OSのスマートウォッチの欠点の一つが拡張性の低さですが、それを良い形で補えている印象。あとは日本語IMEが登場すれば完璧かも。

ランニング時の運動計測能力の高さを実感。トレーニング内容を決めてくれるZeppコーチも

Amazfit Cheetahはその名の通りユーザーが動物のチーター(Cheetah)のように早く走れるようになるトレーニングのパートナーになることを目指した、ランナーのためのスマートウォッチ。前述したような高度なGPS計測や、AIを利用して各自のランニングの目標に応じたトレーニングの内容を決めてくれる「Zeppコーチ」も搭載して、日々のトレーニングを助けてくれます。

     
Amazfit CheetahでZeppコーチ機能を利用するには、まずはZeppアプリ側からの設定が必要。設定画面からZeppコーチにアクセスすると、トレーニング内容を決めるためのウィザードが起動します。なお、最初の設問で上の「心拍機能を向上させる」を選択した場合は、これまでのAmazfitシリーズと同じ簡易的なトレーニングの設定に移行するので注意。
    
 
ここからはAIが起動して自身の目標について質問をしてきます。自身の1週間のランニングの距離やどの程度のトレーニングを、いつまでにしたいのかといった点を回答していくことで自動的に計画を作ってくれるというもの。
     
今回は便宜的に9月に大会があることにして設定。そうすると、大会までの残り日数やそれまでのランニングの距離、そして今後のトレーニングするべき内容を示してくれるように。今回は毎週火曜日~木曜日は軽くランニングをして、日曜日に5kmのランニングをするという計画になりました。(忙しさにかまけて、日曜日しか走ってないのが現実でしたが…)
また、過去のランニングの履歴を踏まえてアチーブメント予測も利用可能。最大酸素摂取量や体調、ランニング履歴から、今後どの程度のペースでランニングや、マラソンができるかを予測してくれるというもの。現状、フルマラソンで4時間20分と結構早い気もしますね。
     
ランニング中には、データページというランニング中の各種指標を確認できる画面が表示。標準では運動時間・距離・ペース、そしてケイデンスやカロリー消費量、リアルタイム心拍数を確認可能。このデータページに表示する内容は自身でカスタマイズすることも可能です。
      
運動開始時に毎回の距離や消費カロリーといった目標を設定することも可能。今回は5kmのランニングを目標に設定したため、3km地点ではだいたい60%の達成率というのを数字でも、また、画面に表示された円形の表示でも確認できます。
そして、前述していたオフラインマップについてもこのデータページの並びで表示。オフラインマップを表示した状態でクラウン部分を押すと、地図の縮尺や表示範囲の上下左右での調整ボタンが表示され、見たい範囲で地図を表示できるようになっています。
     
画面を右側にスワイプすると、音楽コントロール画面も表示。Amazfit Cheetahは本体の内部ストレージに音楽を保存してBluetoothで接続したイヤホンから再生することと、スマートフォンで再生している音楽の曲名を表示しながら再生内容を変更することの両方に対応。最近では、ランニング中はランニングバックを背負っているため、スマートフォンを中にしまって走っておりスマートフォンの音楽コントロール機能は結構便利に利用できました。
また、ランニングの記録は簡単に一時停止・再開することが可能。Cheetahでは自動での一時停止・再開機能を高精度で利用することができ、ランニングで利用した際も信号待ちで止まったらすぐに一時停止、青信号で走り出したら数秒足らずで再開するという精度の高さが魅力的でした。
      
計測した後の地図をZeppアプリで確認してみても、かなり正確に記録できている印象。一時停止から再開をする際は、横断歩道であればその途中で記録を再開するくらいの高さ。また、みなとみらいから横浜駅にかけてのビルの多いエリアを走っていましたが、ずれることもなく測位できているのはGPS性能の高さを謳っているAmazfit Cheetahだからこそという感じ。
    
運動を完了するとZeppアプリ側に自動的にデータを連携。アプリ上でその走ったルートを一目で確認できるほか、その運動時間やペース、心拍数の推移も簡単に確認可能。Amazfit
Cheetahの新機能として、心拍数の回復状況を記録する「運動後の心拍数」機能も搭載。ランニングなどを終えてから2分間の心拍数を計測し、実際にどの程度心拍数を回復できているのかを監視できます。心機能のレベルを確認できるというわけ。
     
     
Amazfit GTR 4と比較して見るともう一つ、「リアルタイムパフォーマンス」という項目も追加。これは、過去の運動の最大酸素摂取量(VO2 MAX)と比較した現在の最大酸素摂取量の偏差値比を示したもの。これが高いほど身体状況が良好ということであり、この指標を見ながら今後のトレーニングの内容を調整できるのも、ランナー向けという感じ。
その他には実際のランニングの際の高度推移や、ケイデンス、ストライド、有酸素運動、無酸素運動としての効果も確認できます。都度のトレーニングの成果と、過去のトレーニングと比較した結果、そして、その積み重ねも総合的に分析できるのがAmazfit Cheetahの強みと言えます。

がっつり運動した後は、特に夏場は汗が気になるところ。防水性能は5ATM(水深50mにも耐えうる防水性)で、ランニング後に水洗いをしてしまっても平気なのも嬉しいところ。汗を一気に流して、シャワーを浴びている間に充電をすればほぼ満充電できてしまいます。

バッテリーの持ち具合も他のモデルと同様に優れており、体感では丸一日利用しても20~30%しか消費していない感じ。数日程度の旅行であれば充電器なしで問題ありません。GPS受信時でも最大54時間(省電力GPS)と長時間の利用に耐えることができ、登山などでも重宝するはずです。

日々のウォーキングの自動計測も。24時間の心拍数、血中酸素飽和度測定機能も健在

Amazfit Cheetahには、利用者が運動をしていることを自動的に検知した上でその記録をとる自動記録機能も搭載。標準でウォーキング、ランニング等に対応しており、例えば日々の通勤で駅まで歩いたという際や外出時に移動した分もトレーニングの一環として記録できます。
     
実際の記録を見てみると日によってはウォーキングの記録だけで運動記録が埋め尽くされていることも。ウォーキングで計測した場合でもGPSでのルート記録はもちろん、心拍数や運動の成果も通常のトレーニングと同じように記録できます。このあたりの仕組みは、運動へのモチベーションを高める点でもよくできているなと言う感じ。
     
     
その他の日常的な健康状況の記録もAmazfit Cheetahならお手の物。過去7日間の運動強度を示すPAIや歩数、睡眠の状況に心拍数やストレスの度合いも計測できます。詳細な計測結果はAmazfit GTR 4と同じイメージで、睡眠の規則性までも確認されるというもの。
     
心拍数測定であれば一日の中での推移だけでなく、一週間・月単位での心拍数の推移も確認可能。年単位で確認して平均心拍数が変化(例えば増加傾向だったり)している場合には、何かしらの問題が起きている可能性を考慮できる、など、データを蓄積することの効果が得やすいのも特徴。
    
   
睡眠計測ではその日毎の睡眠を規則性や、深い眠りの割合などから100点満点でスコアリング。実際の眠りの間の状況はもちろん、たとえば呼吸困難な状況がどれくらいあったのか、心拍数はどのように推移していたのか、といったより健康にダイレクトにヒットする部分も計測。
Amazfitでは、睡眠の入眠・起床時刻の規則性についても重要視しているようで過去の平均就寝・起床時刻と比較して規則的かどうかも確認してくれます。このあたりは、以前レビューし たTicWatch Pro 5も同じようなイメージでした。

スマートウォッチとしての機能性の高さも確保。通知の視認性の高さは魅力

    
Amazfit Cheetahはランニングなどのアクティビティの際や、日々の健康管理の面で高い性能を持っていることはご理解をいただけたはず。そして忘れてはならないのは「スマートウォッチ」としての使い勝手。すでに書いたようにサードパーティ製のアプリも利用できることで拡張性が向上しているのはもちろん、見やすいショートカットカード機能で、天気やカレンダーの情報を簡単に確認できるのも便利でした。
     
スマートフォンアプリに届いたSNSや、他のアプリの通知はアプリごとにグループ化されて表示。LINEやTwitterで複数の通知がまとめて届いた、という場合でも他のアプリの通知を埋めずに確認できます。どんなアプリであっても、そのアプリのアイコンをスマートフォン側から取得して表示してくれるためどのアプリからの通知かもすぐに分かるのも嬉しいところ。

個人的にはJR東日本アプリなどですぐに遅延情報が手元に届くのが良い感じ。通勤時や外出時に遅延の情報を早く知れれば、それをもとに時間や移動方法を調整できますし。プッシュ通知をAmazfitに送るかどうかはZeppアプリから調整ができるため、不要なプロモーションは排除することが可能です。

ランナーだけでなく運動を愛するすべての人のためのスマートウォッチ

今回レビューしたAmazfit Cheetah。開発のコンセプトであるランナー向けとして嬉しい高度なGPS計測、オフラインマップ、そして運動中からその後の健康状況までもを記録できる運動を管理してマネジメントしたい方には最高の製品でした。AIによって日々のトレーニングまで作れる、というスマートウォッチはなかなかないはず。

そして、その高い運動管理機能に加えてスマートウォッチとして通知のみやすさや簡易返信、そしてアプリを利用した拡張性といった利便性も両立。スポーツを愛するすべての人にとって最高のスマートウォッチに仕上がっています。Amazfit Cheetahは現在4.9万円で販売中。ぜひ、これからの運動の最高のパートナーにしてもらえれば。

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銀行をやめて人材系のHRテックらしいメガベンチャーにいたかと思えば、今はSIerで企画とかしています