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【深圳訪問記】140W出力のモバイルバッテリーから超薄型充電器まで。技術力の高い充電器が魅力のAOHiを訪問取材

当ブログでも何度か製品を取り上げているガジェットメーカーがAOHi。140Wの大出力を実現したUSB PD充電器や、超薄型・コンパクトサイズを実現したAOHi Future 65W充電器など多くの意欲的な製品を登場させています。そんなAOHi社は以前の記事で取り上げたように中国・深圳に本社をおいているメーカー。日本では充電器を数モデル販売するのみですが、アメリカなどの他国向けにはモバイルバッテリーや、240W対応の充電ケーブルなど意欲的な製品を販売しています。

今回はそんなAOHiの深圳にある本社を電撃訪問。日本未発売の製品やこれから展開する製品についてじっくり触ってきました。前回のBlackviewの訪問レポートと同様、日本ではまだまだマイナーなメーカーであるAOHiについて本記事で知っていただければ。最近はAnkerが日本で高級モデルを多くリリースし、話題になりましたがAOHiの技術力の高さも皆様にはぜひ見ておいて欲しいところ。

AOHiはどこの国?中国・深圳に本拠地を置く2004年設立の老舗メーカー、AOHi

まずはAOHiについて解説。AOHiは中国・広東省・深圳市に位置する深圳市奥达电源科技有限公司(AOHi)。ブランド名であるAOHiとメーカー名も同じでこのAOHiシリーズの充電器の展開がメインプロダクトです。日本での知名度はほとんどないものの、海外でも積極的に販売を行っており最近は高性能製品の一部はクラウドファンディングを展開し、昨年末に実施したAOHi StarShipは6,300万円もの資金を集めるほどの人気に。

日本向けにはAmazonでの直販を一部製品で実施するのみでさみしいところ。ただ、実際にはOEMでの製品提供も行っており日本のメーカーで販売されているUSB電源利用機器のAC電源を供給してもいるとか。意外と日本向けのビジネスも手広くやっている様子。

AOHiは技術力の高さも他メーカーに比べて際立っており、他社に先駆けて超薄型のUSB PD充電器を登場させたり、140W出力のできるポータブルバッテリーをリリースしているのもポイント。AOHiには深圳証券取引所上場の東莞市奥海科技(AOHAI)という持株会社があり、株式市場から集めた豊富な資金力で先進的な製品を開発しているというわけ。

実際の設立の順番は、まず最初にAOHiブランドを展開する深圳市奥达电源科技有限公司が2004年に設立。その後持株会社の東莞市奥海科技(AOHAI)を2012年に設立している順番。AOHAIグループでは600件以上の特許を取得しており、全世界で7,000名以上の従業員数を誇っているんだとか。実は結構すごいのがAOHiと思ってもらえると。

技術力が光るAOHiのFutureシリーズ。140W出力のモバイルバッテリーも

AOHiの技術力はなかなか高く充電器やモバイルバッテリーにおいて革新的な製品を多く登場させています。今回の訪問時に見せてもらった中でAOHiの技術力の高さを実感したのは「AOHi Starship 2-in1 40,000mAhモバイルバッテリー」。日本では未発売の製品ですが、日本でも発売開始されました。海外のクラウドファンディングでの評価は高かったというらしく、実際に製品を見ても性能の高さ感じるもの。140WのUSB PD出力を備えたパワフルなモバイルバッテリーの製品です。

【AOHi The Future Starship】最大入出力140Wで圧倒的なパワーと40000mAhの大容量を確保したモバイルバッテリー、AOHi The Future Starshipレビュー

Starship 2-in1 40,000mAhバッテリーは、USB Type-A×1、USB Type-C×2を備えたモバイルバッテリー。USB Type-A端子は最大18W出力、USB Type-C端子は片方で28V/5A=140W、同時に利用する場合でも65W×2の出力が可能。140W入力に対応する製品の超急速充電が可能で、MacBook Pro 16なら30分で56%まで一気に充電することができるというもの。圧倒的なパワーが魅力の製品。

製品の日本での販売は未定ではあるものの、PSEについても技術基準適合と、その自主検査を実施して丸型PSEが印字済み。売ろうと思えばそのまま日本で売れる様になっています。40,000mAhのバッテリー容量を実現するため、内部には5,000mAhのバッテリーを8個搭載しており、一気に充電をする急速充電機能も確保。モバイルバッテリーでよくあるのが、入力のW数が少ないパターンですが、本製品は140Wでの入力・充電に対応しており、わずか1.5時間での満充電が可能となっています。

実際にこのバッテリーを利用しながら、ノートPCとスマートフォンを充電してみると一気に充電。W数チェッカーを持っていったわけではないものの、ノートPC、スマートフォンともに急速充電ができており、そのスピードの高さを感じました。

当日試させてもらったプロトタイプはディスプレイ部分の調子が悪く、きちんと動作を見ることができなかったのですが、側面部には入出力状況を示すディスプレイも搭載。バッテリーの残り残量はもちろんのこと、充電状況、出力の状況などをひと目でわかるようになっています。

Futureシリーズで忘れてほしくないのが、超薄型の65W充電器。先日Ankerも似たようなデザインの65W充電器を発表して話題になっていましたが、1ポートの薄型、かつ、コンセント部分を回転させられる製品はAOHiでも発売済み。しかも安くてすぐに手に入るのだから衝撃的。こちらはすでにレビューをしているので、ぜひご覧いただければ。

【AOHi THE FUTURE】わずか14mmの超薄型設計でどこにでも持ち運べる。AOHiの65W急速充電器AOHi THE FUTURE 65Wレビュー

240W対応、自由に長さを調整できるUSBケーブル。AOHi The Future Range Cable Set

日本のAmazonでも販売中なのがAOHi The Future Range Cable Set。240Wの電力の送電が可能なUSB Type-CとType-Aのケーブルを組み合わせて利用できるケーブルセット。USB Type-C to CとType-A to Cの13cmのショートケーブル、そして87cmのエクステンションケーブルの合計3本。ショートケーブルは単体で利用することも、エクステンションケーブルを組み合わせて1mとして利用することもでき、外出先でモバイルバッテリーとつなぐときは13cm、電源に繋いで作業をするときには100cmにするといった使い方が可能というわけ。

USB Type-Cのケーブルは最大240Wの電力伝送に対応。(Type-Aは最大60W)140W出力のモバイルバッテリーや、AC充電器からの電力を余すことなく伝送し急速充電ができるようになっているのがポイント。また、データ伝送についてもUSB 4.0対応で最大40Gbpsの通信(A to CはUSB 3.2 Gen 2、10Gbps)、映像伝送はThunderbolt 3と互換性を確保することで最大8k@60Hzの伝送に対応しているとか。

持ち運びも考慮してエクステンションケーブルとショートケーブルの両方をまとめて収納できる収納ケースも付属。これに入れて持ち歩いておけば接続したい機器や、場面に応じてすぐにケーブルを組み替えて使えるのでなかなか便利そうです。”The Future”と歌って先進さを謳っている割に意外と実用的になっているという感じの製品でした。

廉価価格で登場した140W充電器や、超小型の65W充電器も

その他、すでに日本での発売もされている製品も多かったのも印象的。最近発売を開始して「コストパフォーマンスの高さが抜群」と担当者が語るのがAOHi 140W Youth充電器。中国メーカーは、従来の高性能品に対して廉価版をリリースした際に「青春版」というネーミングをすることが多く、この140W Youthも以前レビューしたAOHi MagCube 140Wの廉価版。

最大140W出力に対応することでゲーミングPCを始めとする高W数での電源入力を必要とする機器であっても十分な電力の供給が可能となっているのが特徴の製品。USB Type-C×2とUSB Type-A×1の合計3端子を配置しています。MagCube 140Wでは2つ搭載するUSB Type-C端子の両方が140W出力に対応していましたが、Youth版は上の1つだけが140W対応になったというもの。これでいいじゃんという感じのモデルですがなぜかかなり値段が抑えられていて5,000円台で購入できます。

【AOHi MAGCUBE 140W】ノートPC、スマホ、周辺機器の3機器を同時に急速充電可能。最大140W出力に対応したUSB PD充電器AOHi 140W充電器レビュー

日本発売品でもう一つ取り上げるならAOHi MagCube 65Wも見逃せません。Futureシリーズの超薄型65Wのほうが個人的には好きなところではありますが、この王道の65W小型充電器というのも注目すべきかと。4.1cm×4.2cm×3.65cmの超小型サイズながら最大65W出力に対応しておりスマートフォンの急速充電やノートPCの充電に対応。ちゃんと超小型製品を作れる、かつ、執筆時点(8月11日)のAmazon販売価格は4,299円と手頃な価格で購入できるようになっています。

モバイルバッテリーもUSB PD対応モデルの多さが目立つ。30,000mAhモデルも

ポータブルで持ち運ぶ充電ソリューションとして欠かせないのはモバイルバッテリー。現在AOHiは日本ではモバイルバッテリー製品を販売していませんが、一時期は日本での販売も実施。また、海外向けには販売を継続しており、日本”だけ”バッテリー販売はしていないのが現状。最初に取り上げた40,000mAhのモデルも良い製品なのですが、日本での注目度合いの少なさがネックのようです。

バッテリー製品のなかでひときわ目を引いたのが30,000mAhのモバイルバッテリー、AOHi 30.000mAh 100W。製品名からもわかるように30,000mAhという大容量さに加えて最大入出力100Wの急速充放電に対応しているのがポイント。530gと重量級ではあるものの、外出時に持ち運べばノートPCであろうが、スマートフォンだろうが何でも急速充電できるパワーを実現しています。

入力は15W、27W、36W、45W、100Wの最大100W入力。出力についても最大100Wなのは変わらずPPSにも対応しており接続先の機器に合わせて最適な出力に自動的に変更できるのもポイント。実質通常のAC充電器と同じ挙動ができるようになっているというわけです。USB Type-A端子はQuick Charge 2.0対応で最大18W出力。日本でも終売にならずに購入できればと思うと残念でなりません。

他にも定番といえば定番ですが、20,000mAh・65W出力のノートPC充電に対応したMagCube 20,000mAhや、持ち運びしやすい小型サイズでスマートフォンの予備バッテリーとしてちょうど良い10,000mAh・30Wの製品も。4,0000mAh、30,000mAh、20,000mAh、10,000mAhの4つのサイズのモバイルバッテリーをほどよく展開しています。

他にもMagSafe対応で対応するiPhoneであれば背面にぴったりくっつけてワイヤレス充電ができる20W Magsafeも展開。最近はこの手の製品を見かけることはん日本でも少なくなった気もしますが、便使い勝手の良い製品を多く展開している印象です。

もっと注目されても良いメーカー。これを機に商品を見てみても

今回訪問した中国の充電器メーカー、AOHiは日本での知名度はまだまだであるものの、使い勝手の良い製品を多くラインナップしている、実は老舗のメーカーだということが訪問を通じても実感。本記事の執筆時点でレビュー中の製品もありますが、どの製品も高出力に対応して手元にある多くの製品を急速充電する上で十分な性能を持つ製品でした。

日本国内で販売しているモデルはまだまだ少なく、かつ、モバイルバッテリーは国内で終売してしまったのが残念。ただ、ぜひ本記事などをきっかけに実はコストパフォーマンスに優れている隠れメーカーであるAOHiの製品を手にとって見ていただければ幸いです。

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銀行をやめて人材系のHRテックらしいメガベンチャーにいたかと思えば、今はSIerで企画とかしています