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【東京ゲームショウ2024】オーディオメーカーのFOSTEXや日本初上陸のNB ERGONOMIC、ODMサプライヤーの六聯智能など、珍しいメーカーも登場のゲームショウまとめ

先週開催された東京ゲームショウ2024。当ブログでも日本初展示のARグラス「ASUS AirVision M1」を展示したASUSブースや、日本上陸を果たしたばかりのディスプレイメーカーのKTCなど注目のメーカーのブースをご紹介してきました。今回はそんな東京ゲームショウで気になったブースを一気に紹介。これから日本展開を図っていくメーカーや、異色のオーディオメーカーまで、多くのメーカーが登場していました。

49インチでも余裕の耐荷重を実現するNB ERGONOMICのモニタースタンド

まずご紹介するのはゲーミング向きのモニターアームを展開するNB ERGONOMIC。日本での知名度は皆無のメーカーですが2006年創業の意外と歴史の長い会社。ゲーミング向けのモニターアームはもちろん、TVのスタンド、アーム、といったとにかくモニターマウントを製造している会社です。日本ではNB North Bayouというブランドで数製品を展開しています。

ブースで特にアピールしていたのが32インチ〜60インチに対応する製品。製品名は特に記載されていませんでしたが、耐荷重は最大20kgまで対応する製品。会場では49インチの大型ディスプレイを載せてその実力をアピールしていました。ガススプリング式のため、スムーズな高さ調整が可能な製品です。

NB ERGONOMICのモニターアームは、マウント部分の柔軟性の高さも確保しており、左右には±90度、上下チルトは±50度という広さも特徴。上下の昇降は25cmの範囲で可能です。最大アーム長は63cm、最小アーム長は20~90cm。なんと、これだけの性能でAmazonで1万円ほどで発売する予定だとか。これはなかなかコストパフォーマンスの面で良さそうな製品に仕上がっています。

オーディオメーカーのFOSTEXからは、ゲーミングにも使えるヘッドフォン「T5-RPmk4」や体感音響の展示も

これまでのゲームショウでもヤマハなどが簡易防音室を展示していることはありましたが、今回はゴリゴリのオーディオメーカーであるFOSTEX・フォスター電機がブースを展開。ブースの入口にはFOSTEXのメイン製品のスピーカーのデザインが大きくあしらわれていました。

今回ゲームショウで出展していたのは、ヘッドフォンのT50RPmk4。FOSTEXのRPテクノロジーを採用した全面駆動形平面振動型ドライバーを搭載したT50RPシリーズの製品で、本製品は第4世代目。平面振動板の振動領域の拡大と均一化を実現したことで、振動板内の不要共振を抑えた歪みのない音を実現した製品。平面振動板を採用していることで、音の立ち上がりと質下がりのレスポンスの高さを実現しているとのこと。

今回ゲームショウに出展した理由を聞いてみると、このT50RPmk4の音の立ち上がりの良さが、単純なオーディオのリスニングだけでなくゲーミングにも向いているのでは?となったからだとか。当然私のようなオーディオ好きもT50RPmk4のような製品を見るとき、音楽を楽しむ観点で試聴しますが、この性能はそのままゲーミングの性能にも直結すると言われるとそのとおりかも、という感じ。細かい音も聞き取れる上に、スピード感、音像の表現も抜群なため、ゲーミングに平面振動板ドライバーは確かにアリ。

会場では、通常の音楽を視聴するだけでなくゲーミング風の効果音を聞くコーナーも展示。音楽でいえば、解像度と音場の表現力の高さは言うまでもなく、正確な音に加えてほどよい厚みのある低音もあってリスニングヘッドホンとしてなかなか楽しめるものという印象。ゲーミング風の効果音を聞いてみると、周囲の音の聞こえる方向の正確さ、アクションをしたときの音の粒度の細かさに驚かされました。

どの方向からどんな音がしているのか、というのを正確に聞き分けることはゲーミングヘッドホンにおいてはかなり重要。また、小さな音であっても聞き分けられるという面においてもこのFOSTEX T50RPmk4は魅力的でした。

FOSTEXのブースでは単純にヘッドフォンを展示するだけでなく、新たな視聴体験の提案として「体感音響」が楽しめるデスクトップをイメージした個室ブースも設置。ここではフォスター電機が開発している「振動アクチェーター」を利用して単純に音を聞くだけでなく、重低音を体感できるようにするもの。

ブースではこの振動アクチュエーターを椅子の背面に8個、座面に8個の合計16個を搭載。ローパスフィルターを通して低音部分を抜き出してこのアクチュエーターを振動させることで音に加えて振動で音響を体感できるというもの。実際に映像を見ながら聞いてみるとその臨場感の高さに驚かされました。ヘッドフォンのT50RPmk4が良いというのもありますが、ジェット音の轟音を体全体で体感できるというわけ。デスクトップでホームシアターを楽しむのに新たなソリューションとして面白そうでした。

ARグラスだってOEM・ODMで生産OK!世界のゲーミングハードウェアを支える六聯智能(Sixunited)

中国の都市には多くのOEM・ODMを手掛けるメーカーが存在しており、先日の東京ゲームショウの記事でもご紹介したディスプレイメーカーのKTCもそんなOEM・ODMで伸びたメーカーの一つでした。そういったOEM・ODMメーカーが多くのブランドの影の功労者としてゲーミング業界を支えており、今回のゲームショウにはそんな自社ブランドを持たないメーカーも参加。個人的に気になったのが六聯智能(Sixunited)。

六聯智能(Sixunited)は中国・上海に拠点を置く消費者向けの電子機器、ノートPCやタブレット、ミニPCやサーバーにIoT機器を設計、開発しており自社ブランドを持たずに各種機器の開発、製造の黒子として活躍している会社。1,100人以上の従業員を擁しその60%以上が研究開発に従事するという、研究開発を重視した人員配置となっています。100カ国以上で製品提供をしており、日本でもよく聞く量販店のPCメーカーなどに製品を卸しているとのこと。特許も220以上、製造工場も20万㎡を超える面積で、あらゆる製品の開発・製造に長けている会社です。

ブースに設置されていた中で、一番手前にあったのが小型のゲーミングPCとARグラスのセット。当日はASUSのブースでASUS AirVision M1を触ったばかりで、同じような製品がOEMメーカーでも製造され、展示されていたというのは衝撃でした。画面のみやすさについてもASUSや他社のそれと遜色なく、USB Type-Cで動作できる点も同じというもの。ODM品として供給されるもののため、価格はロットなどによって異なり伝えられないとのことでしたが、中国のODMメーカー恐るべしというものでした。

ノートPCは2機種を展示。メーカー型番”MTN39″は展示機はIntel Core Ultra 5 125H(3.6Ghz)に8GB RAM、Windows 11 Proを搭載した実力モデル。展示では自社製造する外部GPUも組み合わせて展示する気合の入れ具合。というよりもこの会社、なんと外部接続型のGPUまで製造しているとか。本当になんでも作れてしまうというわけです。

もう一つ展示されていたモデル(メーカー型番xN39-156H-SCD)はIntel MTL-H、AMD RMB-Hに対応した製品。15.6インチのディスプレイ部分は最大4Kのパネルも取り付けられるようになっていることで、ハイエンドなノートPCをすぐに販売できるようになっています。バッテリーも11.55V/7100mAH_82Wというゲーミング仕様をすぐに実現できますしね。

これらの六聯智能(Sixunited)のノートPCを触っていて感じるのが、筐体品質の高さ。一昔前のそれこそ謎のOEM・ODMメーカーが製造した山塞メーカーの製品というのは、たとえばノートPCやタブレットであれば筐体の端の作りが雑だったり、端子周りの構造に隙間が空いていたりと大手メーカー製のものに比べて品質面で不安を覚えることがありました。SixunitedのノートPCの作りは非常に丁寧で、その品質の高さを感じさせられました。

この他にも小型PCやミニタワー型のノートPCの製造も行っているとか。マザーボード自体も自社で設計、製造しているためPCを製造するために必要な部品の多くを自社で供給してしまうわけ。タブレット端末もAndroid・WIndowsのどちらも製造することができるため、PC周りの製品ならなんでも製造できるのがSixunited。まさに世界のゲーミングハードウェアを支えているのがこの会社というわけです。

ゲーミングを支えるメーカーが集合するのもゲームショウの魅力。来年もぜひお楽しみに

他にも東京ゲームショウの会場では、SixunitedのようにOEM・ODM製品の製造を手掛けるサプライヤーや、ゲーミングチェアのメーカー、WD(ウエスタン・デジタル)のようなストレージメーカーまで、ゲーミングのハードウェアを支えるメーカーも多く出展していました。ゲームショウの一番の魅力は各ゲームブランドがゲームの世界観を盛り込んだ展示や新発売のゲームの試遊をできることですが、未知なるハードウェアメーカーとの出会いも楽しいもの。

2024年の東京ゲームショウの会場は、前回よりも広くなって幕張メッセの全館を完全に貸し切るという気合の入れよう。昨年は見た記憶のない羽田空港、成田空港、横浜駅、東京駅への臨時高速バスの運行もあり、アクセスの面でも改善が図られていたのも嬉しいところ。(今年は灼熱でもなかったですしね)

来年の東京ゲームショウもきっと日本全国だけでなく、中国、世界中から多くのゲームブランドやハードウェアメーカーが出展してくれるはず。来年もどんな出会いがあるかが楽しみです。また、今回のゲームショウでは魅力的な製品を多く紹介。ぜひ、もう一度各レポート記事をチェックしてもらえれば。

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銀行をやめて人材系のHRテックらしいメガベンチャーにいたかと思えば、今はSIerで企画とかしています