昨日から開催中の東京ゲームショウ2024。すでにASUS・ROGのブースのレポートをお送りしていますが、本記事でも引き続き気になったブースをご紹介。今年はゲーミングハードウェアについては離れ小島の9~11ホールに集約しており各メーカーがこれまでよりも大きなブースで展開している様子。本記事では中国のミニPCメーカーの雄であるGPD(Shenzhen GPD Technology)の日本代理店である株式会社天空のブースをレポート。
日本初展示であるデュアルスクリーンを搭載したノートPCであるGPD DUOを始め、ゲーミングにも、クリエイティブにも、オフィスユースにも十分なパワーを実現したGPDの製品群を試してきました。
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上下2画面のデュアルスクリーン構成!OLEDパネル採用のGPD DUOが登場
GPDブースで一番の目玉は、上下2画面のデュアルスクリーン構成を実現した最新モデルである「GPD DUO」。上下にディスプレイが並ぶことで作業環境を大幅に拡大できるのが魅力的なモデル。13.3インチのそれなりの大きさでありながら上下に2画面を搭載することで作業環境を単純に2倍にしたモデル。AMD Ryzen AI 9 HX370(上位モデル)を搭載し最大64GB RAMにも対応した超実力派の製品です。
気になるのがこのディスプレイ部分。縦に2画面を表示しているときにはバランスを保つために下の画面の裏に簡易スタンドを用意しこれで上下2画面を支えて表示。1画面しか使わないときにどうするかといえば、上の画面を外向きに折りたたむことで収納できるというもの。こうすることで1画面だけをシームレスに利用できるようになっています。
ちなみに両方の画面を表示したまま折りたたんでしまうことも可能。自分の手元の画面で操作しつつ、反対側の画面で向かいに座っている人に何かを見せるという事が可能。ワークスペースを広げる使い方だけでなくプレゼンテーション・モードとして利用できるのは2画面をフレキシブルに使えるからこその使い勝手です。
この2画面目(セカンダリディスプレイ)については外部入力にも対応しているので驚き。単純に同じPCの画面を表示させるだけでなく他のPCやゲーム機、スマートフォンの画面をUSB Type-Cポート経由でこのセカンダリディスプレイに映像を入力し、下の画面ではPCで作業をしつつ、上の画面ではゲームをするなんていう使い方も可能です。
Adobe RGBカバー率100%、sRGBカバー率 133%、色差ΔE<1のクリエイターも満足のOLEDスクリーン
GPD DUOはポータブルできるゲーミングPCとしての性能を持っているだけでなく、ディスプレイの画質の高さも魅力のモデル。色域はsRGBカバー率で133%、Adobe RGBカバー率は100%という圧倒的な色表現力を実現。なんと全台出荷前に色のキャリブレーションも実施していて色差をΔE<1以下に抑えているんだとか。以前レビューしたINNOCNの4Kディスプレイ、INNOCN 27C1U Superもキャリブレーションを実施していますが、こちらはΔE<2でありΔE<1に色差を抑えに行くGPD DUOの色表現は異次元の水準です。
デュアルスクリーンとして利用した場合には、18インチの大きさになるんだとか。解像度としては2880×1800となり圧倒的な作業環境の広さを確保します。1msの応答速度に加え、1,000,000:1のコントラスト比、500cd/m²のピーク輝度で色鮮やかで繊細な映像表現も可能。AMOLEDディスプレイらしい色の表現力に加えて、応答速度の速さでゲーミングでもクリエイティブでも最高の映像を実現しています。
GPD DUO Dual-Screen スペック表
項目 | 詳細 |
---|---|
製品名 | GPD DUO Dual-Screen |
画面サイズ | 13.3インチ Aurora OLED デュアルスクリーン |
解像度 | 2880 × 1800 (WQXGA+), 255 PPI |
アスペクト比 | 16:10 |
タッチスクリーン | 10点マルチタッチ対応 (デュアルスクリーンタッチ対応) |
色空間 | 100% Adobe RGB, 133% sRGB |
コントラスト比 | 1,000,000 : 1 (OLED特有の超高コントラスト) |
最大輝度 | 500 cd/m² |
色深度 | 10bit (10.7億色) |
プロセッサ | AMD Ryzen™ AI 9 HX 370 (12コア/24スレッド, 最大ブーストクロック 5.1 GHz) |
グラフィックス | AMD Radeon™ 890M (16 CU, 1024シェーダーユニット) |
メモリ | LPDDR5x 7500MT/s, 16GB/32GB/64GB |
ストレージ | 2 × M.2 NVMe ポート (PCIe 4.0 × 4) 最大16TB (8TB + 8TB)対応 |
外部グラフィックス拡張 | Oculink ポート (PCIe接続, 63Gbps) |
冷却システム | デュアルファン、デュアルヒートパイプ |
スタイラス対応 | Microsoft MPP対応 (4096段階の筆圧感知) |
接続ポート | USB-C (DP Alt Mode対応), Oculink (eGFX用) |
GPD Duoは2024年の「早くても12月頃」に発売予定。日本での発売も予定はしており、価格は最小構成で20万円ほどの予定。この価格の理由は、当然ハードウェアに良いものを使っているというのはありますが、前述したディスプレイの全台キャリブレーションによる色差補正(ΔE<1)を行っているという手間の面もあるんだとか。ただ、その価格を納得させるだけの性能と機能性を持っている、と思っても良さそうでした。
世界最小クラスのeGPU、GPD G1も展示。AMD Radeon RX7600M XTを採用
会場には外付けGPUである「GPD G1」も展示。AMD Radeon RX7600M XTを採用したことで、ゲームやクリエイティブでも高いパフォーマンスを実現できるもの。6nmプロセス技術のRDNA3アーキテクチャで製造され、ゲームやレンダリングでのパフォーマンスの高さを実現しています。
PCとの接続二関してはOculinkインターフェースで最大63Gbpsの帯域幅での接続、もしくはUSB 4で最大40Gbpsでの接続に対応。最大3つの外部ディスプレイへの接続に対応しており、ゲーミングだけでなくノートPCや小型PCで一気に多くの画面を使いたい、というニーズにも対応できるのも魅力。静音モード(60w)と通常モード(100w)の2モードで利用でき、ワンタッチで動作中にも切り替えが可能という利便性の高さも実現しています。
会場での展示ではどこから電源の給電を行っているのかは分かりませんでしたが、USB 4 Type-Cを利用して接続した場合、帯域幅は最大40Gbpsに制限される代わりに、接続先のPCに対しての電源供給にも対応。最大65Wでの給電が可能なためミニPCなどでは十分な電力を供給できるようになっているのもポイントです。SD 4.0カードスロットも備えており、USB 4で接続時にはSDのリーダーになるというオマケ機能もついていました。
GPD G1 スペック表
項目 | 詳細 |
---|---|
GPU | AMD Radeon RX 7600M XT |
アーキテクチャ | RDNA 3.0 |
プロセス | 6nm |
クロック(ベース/ゲーム/ブースト) | 1500 MHz / 2300 MHz / 2615 MHz |
メモリ | 8GB GDDR6, 2250 MHz, 128-bit, メモリ帯域幅: 288.0 GB/s (18Gbps) |
ストリームプロセッサ | 4096 |
RTコア | 32 |
TMUs | 128 |
ROPs | 64 |
キャッシュ | L0: 512KB, L1: 512KB, L2: 2MB, L3: 32MB |
TGP | 60W〜100W |
理論性能 | FP32: 21.42 TFLOPS, FP16: 42.84 TFLOPS |
ピクセルレート | 166.9 GPixel/s |
テクスチャレート | 334.7 GTexel/s |
Oculink(SFF-8612) | PCIe 3.0 x4 接続, 最大63Gbpsのデータ転送速度 |
USB4 | 最大40Gbpsのデータ転送速度、PD 65W充電対応 |
HDMI 2.1 | 最大8K解像度、60Hzまでの映像出力対応 |
DisplayPort 1.4a ×2 | 8K解像度 (60Hz) または 4K解像度 (120Hz)の映像出力対応 |
USB 3.2 Type-A ×3 | 最大5Gbpsのデータ転送速度 |
SD 4.0カードリーダー | 高速UHS-II SDカード対応 |
TGPトグルキー | パフォーマンスモード(100W)と静音モード(60W)を切り替え可能 |
機能性と見た目、ロマンを最大限に発揮したGPDのブースをチェック
本記事ではポータブルゲーミングPCのパイオニアであるGPD・国内代理店の株式会社天空のブースをレポート。サラッとおいてありましたが、縦にデュアルスクリーンを搭載したノートPCであるGPD DUOはかなり魅力的な製品という印象でした。2024年12月末発売予定で価格はそれなりにしますが、真のゲーミング好きの方なら買える価格なのではないかなとも。ぜひ、今後東京ゲームショウにいかれる場合はチェックしてみてください。
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