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【ガジェ獣】CHUWI HiPad Proから悪徳せどりマンまで、悪意のある投稿や商品、マーケティングに溢れた2021年。来年のインターネットに希望はあるのか

お久しぶりです。ChinaR(ちなーる)のあーるです。先日のベストバイガジェットや、手に入れて良かったものの記事を書くのに一生懸命になり、それ以降の記事の更新が途絶えてしまいました。気がつくと年末まで本当にすぐそば。遅刻してしまいましたが、ガジェ獣アドベントカレンダー、17日目の記事です。
 
2021年は昨年に引き続き、ガジェット系でも様々な話題が溢れていました。特に、今年はメーカー主導の大規模な詐欺や、人気商品に留まらずカメラの中古品でもせどり販売者による価格のつり上げ、そして、悪徳クラウドファンディングの増加など、様々な事例が多かったように感じます。本記事では、2021年に目立ったいくつかの悪意に満ち溢れた事例を振り返ってみます。
 
本記事は完全に理解した星影さんが主催するガジェ獣2021アドベントカレンダー17日目の記事。昨日は当ブログの手に入れてよかったガジェット特集。翌日分はic_lifewoodさん「ガジェ獣 Advent Calendar 2021 今年買ったガジェット 12/18」でVRをご紹介いただきました。
 
 
 

メーカー主導の大規模詐欺案件。スペックも、品質も偽ったCHUWI HiPad Pro

 

 
2021年を語る上で忘れてはならないのは、中華タブレットメーカーのCHUWIから登場したタブレット、CHUWI HiPad Pro。発表から予約注文開始時点まで、画面の解像度が異なったり、Amazon PrimeビデオのHD再生に対応を謳いながら非対応だったり、挙げ句にはディスプレイの品質が通常利用困難な水準だったりと、「低品質」というよりは、悪意を持って詐欺を行った製品だったもの。
 
事の顛末については、すでに当ブログ内でもご紹介しておりますが、HiPad Proを巡ってはCHUWI社や、実機レビューを受け取ったウインタブ、そして、提灯記事を書いたメディアにこのような問題がありました。
 
 

CHUWI社:虚偽のスペックを掲載

 
・当初のスペックでは、画面解像度を2,560×1,600としていたが、実際には1,940×1,212だった
・Amazon PrimeビデオでのHD再生対応を謳ったが、実際には非対応だった
・ディスプレイの表示が、全体的にぼやけた状態で出荷した(改善できなかった)
 

ウインタブ:異なる解像度のまま掲載。かつ、画面のぼやけた状態を指摘しない

 



レビュー記事魚拓より

CHUWI HiPad Proの日本での被害者拡大の原因となったのは、近年はWindows製品以外のレビューも多く手掛けるガジェット紹介サイトのウインタブによる実機レビューも挙げられます。日本では唯一、実機提供を受けてレビューを掲載していましたが、
 
・画面の解像度が発表スペックと異なることを無視し、誤ったまま掲載を続けた
 (ただし、実機レビュー品で画面解像度が異なることに気づけるかといえば、困難だと思いますのでこの部分は致し方ない面があると感じます)
・明らかに画面がぼやけているにも関わらず、一切触れなかった   
 
という点で製品の販売のために不都合な点を無視したように捉えられても無理がない記事を掲載していました。また、その後のコメント欄での対応、記事削除後の謝罪などについても後手後手の対応となり、被害者救済の手を打たなかったことも挙げられます。
 
ガジェットブログ、特に老舗のブログは一定程度新興ブログによるPV減、収益減少の圧力に晒されていることは推測できます。現に本ブログもPVベースでは過去の1/10以下です。ただし、それだからといって不適切な記事の掲載が許されるわけではないはずです。
 

事案以降も記事の修正を行わず、詐欺事案に加担したメディア

 
CHUWI HiPad Proは、発表時点ではその高いスペックと、デザイン、そしてAmazonプライムビデオのHD再生対応などの情報から、数多くのメディアで紹介記事が展開されました。これは、CHUWIによるスポンサー記事もあれば、純粋にブロガー自身による紹介もあったもの。当ブログも、実際に購入前に紹介していますしね。
 
実際に購入した、製品の提供を受けたかどうかはさておき、CHUWI HiPad Proの詐欺事案はマイナビニュースでも紹介をされるほどに一定程度の世間の注目を集めました。そこまでの注目を集めながら、現在もスペック表記の修正すら行わないメディアが残っているというのは驚きでしかありません。
 
また、ここまで大規模な事案を発生させておきながら未だにCHUWIからの製品提供を受け、提灯記事を量産しているブログ、メディアが存在するというのは、メディアとしての良識がないといっても良いのではないでしょうか?
 
 

 

参考:記事執筆時でも異なるスペックのまま掲載しているサイト

 

まだまだ続く。ただの転売悪徳クラウドファンディング

 



CINEMAGE mini
 
 
すでに中国などのメーカーが開発し、OEM向けに販売を行っている製品を仕入れて販売するだけの、ただの転売ビジネスを行うクラウドファンディングについては、当ブログでは過年度から警鐘を鳴らしてきました。2021年はようやく一部の大手メディアでも「クラファンで1万円のガジェットが、アリババでは1000円で…。高額転売なのか業者を直撃」というように少しずつ悪徳クラウドファンディングが世間的に注目をあびるようになってきました。
 
しかし、その中でもまだまだ自社開発とは名ばかりに、ロゴだけを付けた製品が溢れているのも事実。最近気になった事例で言えば、それなりに日本国内での販売量も多いCINEMAGEのCINEMAGE miniとか。上のようにクラウドファンディングで34,880円、現在は49,800円で販売中の製品ですが、中国メーカーから同デザインの製品がより低価格で登場中。
 
 
同じデザイン、スペックのプロジェクター
 

Alibaba上を探すのは手間だったので、中華通販サイトのBanggoodから。全く同じデザイン、かつ、同じくAndroid 9.0を搭載したプロジェクターが192ドルで販売中。製造元から仕入れたらもっと安価であることを考えれば、一台に付き約2万円のプレミアムを乗せているというわけ。リスクの少ないクラウドファンディングで2万円も上乗せ出来れば楽な商売ですよね。
 
このように、実際には全く自社での開発を行わず、ロゴを付け替えただけであとはブロガーやYouTuberに製品を提供、一部のEngadgetなどのメディアにばら撒いて提灯記事を書かせるだけで、大きな利益を得ることができるビジネス。このような不適切なクラウドファンディングを後押しするプラットフォーマーも、また、販売者も、それを看過する消費者の誰もがモラルに欠ける状況、2022年はやめにしませんか?
 
 

 

ビジネスとは程遠いせどりが、カメラ市場にも到来

 



せどりを行っているアカウントによる出品画面

転売ヤーと呼ばれる、人気になりそうな新発売品や、チケットを大量購入し、高値でヤフオクやメルカリといった個人売買のプラットフォームで販売する人が問題になってはや数年。小売店での販売方法で対策がとられ、徐々に目立つ事例は減ってきました。
 
対して増えてきたのが中古品などを安く仕入れ、少し手入れ(補修ではなく、清掃程度)を行い高値でヤフオクなどで販売する事例。特に悪目立ちしつつあるのが、カメラなどをマップカメラの中古部門などから購入し、10%以上の粗利を付けて販売する行為。専門的な作業は行わず、アルコールなどで清掃の上、白飛ばしで写真を撮影し美品のように見せて販売するというのが端的な手法。
 

     


Twitter上でも、カメラの転売を行うことで利益を高く挙げていると自称するアカウントが多々見られるのも特徴。自身がせどり販売で稼ぎ、法人化したあと、その手法を高額なnoteなどで販売することでさらに収益を挙げていくという手法を取る場合も。彼らはこのせどり販売を「ビジネス」と称していますが、ただの転売行為はビジネスとは程遠い、他人の褌の上で小銭を稼いでいるだけ
 

 



Amazonの評判ページには苦情のコメントが記載
 
また、このように転売を重視することで、「美品」と謳いながら傷だらけの商品を送ることで顧客とトラブルになる事例も発生しているわけ。法律上違法な行為をしているわけではなく、あくまでも商売上不誠実なだけのため、基本的にはやったもん勝ちなのが現実。このため、今後も参入障壁が低いままであれば、中古市場は健全とは言えない状況が続いていくと考えられます。
 

 

悪意のある出品、製品を駆逐せよ。「買わない、関わらない、宣伝しない」の意識を

 
こうやって振り返ってみると、2021年もガジェット関係で消費者を取り巻く環境が全く良くなっていないどころか、悪質かつ、悪意に満ち溢れた商売やメディアが増えているようにさえ感じます。メーカー主導の詐欺事例もそうですし、未だに改善の兆しの見えないクラウドファンディング、そしてせどり販売と、どんどん利益のために他人を顧みない事例が増えています。
 
我々消費者やブロガーのような発信者側として重要なのは、そういった悪意のある出品、製品を市場から駆逐するためにも、「買わない、関わらない、宣伝しない」ことを徹底すること。いくら欲しい製品が売られていても、高い報酬を提示されても、関わってしまったら最後、加担したといっても過言ではないわけ。消費者も高いリテラシーを持って、2022年以降はもっと健全なインターネットを目指していきたいものです。
 
本記事は完全に理解した星影さんが主催するガジェ獣2021アドベントカレンダー17日目の記事。昨日は当ブログの手に入れてよかったガジェット特集。翌日分はic_lifewoodさん「ガジェ獣 Advent Calendar 2021 今年買ったガジェット 12/18」でVRをご紹介いただきました。
 
 

 

 

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銀行をやめて人材系のHRテックらしいメガベンチャーにいたかと思えば、今はSIerで企画とかしています