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高画質なディスプレイが今まで以上に手頃な価格で手に入るのは今では当たり前になってきており、当ブログでも2万円台の4Kディスプレイなど、多くの製品をご紹介してきました。そういった廉価なディスプレイを製造しているのが、中国のメーカーたち。以前東京ゲームショウで超高画質なディスプレイを展示していたKTCもその一つです。
そんなKTCはOLEDを採用した超高画質なディスプレイを多く展開しており、日本でのハイエンドモデルについても投入を開始中。今回は27インチのOLEDディスプレイ、KTC G27P6を提供していただいたのでレビューいたします。KTC G276PはKTCが手掛けるハイエンドモデル。sRGBカバー率は136%、Adobe RGBカバー率も101%、コントラスト比は1,500,000:1の驚異的な画質に240Hz駆動を実現した製品です。
KTG G27P6Sのセール情報
2024年11月29日から12月6日までのブラックフライデーセール期間中は、後継機種であるKTC G27P6Sが通常価格96,000円のところクーポンコード”10ELKTCO”で10%オフ86,400円にセール!G27P6SはパネルがLG OLEDの第2世代にグレードアップ。さらに中心輝度が450cd/m2(APL25%)/275cd/m2(APL25%)に変更になった製品。無印G27P6は日本未発売で、日本ではグレードアップ版のG27P6Sが最初からお得に登場です。
- クーポンコード:10ELKTCO
- 割引率:10%オフ
項目 | スペック |
---|---|
ブランド | KTC |
モデル | G27P6 |
サイズ | 27インチ |
パネル | LG OLED(第一世代) |
解像度 | 2560×1440 (16:9) |
リフレッシュレート | 240Hz |
コントラスト比 | 1,500,000:1 |
輝度 | 450 cd/m² (APL 25%) |
応答時間 | 0.03ms (GTG) |
色域 (ボリューム) | sRGB 136%, AdobeRGB 101%, DCI-P3 100% |
HDR対応 | HDR10 |
Adaptive Sync | FreeSync & G-Sync対応 |
インターフェース | 2x HDMI2.0, 1x DP1.4, 1x Type-C (65W PD), 3x USB3.0 |
内蔵スピーカー | あり (2x 5W) |
スタンド調整 | チルト (-5°~20°), スイベル (±15°), ピボット (±90°), 高さ調整 (110mm) |
VESA対応 | 75x75mm |
特徴 | KVM機能, 低ブルーライト, フリッカーフリー |
驚きの薄型デザインで超スタイリッシュ。次世代のディスプレイを感じさせる仕上がり
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パッケージはゲーミングディスプレイらしく、かなりかっこいいイラストがあしらわています。パッケージ内には、HDMIケーブル、DisplayPortケーブル、USB Type-Cケーブル、電源コード(日本向けの3ピン)、電源アダプターが付属。加えてカラーキャリブレーションの報告書も付属。KONICA CA-410を利用して計測した色収差を確認が可能です。
このキャリブレーションテストの結果がかなり驚異的。sRGBでは色収差を示すΔEは0.55、DCI-P3でもΔEは0.97という結果に。通常のディスプレイではΔE<2であれば色収差の少ない高画質製品と呼ばれΔE<1で人間の目ではほぼ違いを認識できないレベル。本製品のsRGBでのΔE=0.55というのはかなり驚異的な高画質といえます。映像制作、映像編集、デジタルコンテンツ制作で十分な画質を実現しています。
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ディスプレイは27インチのデスクに置くにはちょうど良い大きさのサイズ。これ以上大きい場合にはそれなりのスペースを取りますが、27インチだと日常的なPC利用にも、動画などを楽しむ上でも程よい大きさと言えます。ベゼル部分は上下左右ともにかなり狭く、上の写真の映像では黒い縁の部分がどこか分かりづらいレベル。高い没入感を実現してくれます。
純正の専用スタンドが付属しており、モニターとのアダプター部分を背面の穴にカチッと嵌めることですぐに取り付けが完了します。ディスプレイスタンドの組み立ては2,3分もあれば完了してしまう手軽さも嬉しいポイント。アーム部分はディスプレイの向きを上下に変えることも、高さを調整することも可能です。
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とにかく驚かされるのがこのディスプレイの薄さ。これまで多くのディスプレイをレビューしてきましたが、どこの製品も一定の厚み(2cmくらい)があり、ちょっとした小物くらいなら置こうと思えば置ける厚みがありました。対してKTC G27P6は超薄型。ディスプレイをスタンドに取り付ける際に持つ場所が少なくて困るくらいには薄型でした。
背面のデザインもかなりスタイリッシュ。真ん中の部分にディスプレイの制御部品をコンパクトにまとめ、各種端子類は下部のケース内に収納し雑然とした印象にならないように工夫されていました。
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電源がONになっている際には、背面のKTCのロゴマークがほのかに点灯し、色のグラデーションがかかるようになっているのもポイント。明るすぎることなく強調しすぎないこのデザインが個人的には好みに感じました。
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接続端子に関してもかなり豊富なのも嬉しいところ。HDMI端子(HDMI 2.0・2560×1440@144Hz)×2、Display Port 1.4(2560×1440 @240Hz)、USB Type-C DP Altモード(3840×2140 @144Hz・USB PD 65W)、USB 3.0×2(USBハブ機能)、3.5mmステレオミニプラグに対応。どのポートを利用しても本機の最大スペックの144Hz駆動に対応します。また、後述するKVM機能のためにUSB Type-B端子も備えます。
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USB Type-C端子からは最大65WのUSB PD出力に対応。デスクトップPCでも今ではUSB Type-C端子を搭載しDP Alt対応のマザーボードが増えてきていますし、ノートPCでは多くの製品がUSB Type-C一本での映像伝送に対応。対応機種であればUSB Type-Cケーブル一本で電源供給も映像伝送も済んでしまうので、メインでノートPCを使っている場合なら、外出先から持って帰ってきてすぐにType-Cで接続して充電しながら使うということが簡単に可能です。
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専用のスタンドを利用しない場合には、75mm×75mmのVESAマウントでモニタースタンドを利用可能。ただ、VESAネジは少し奥まった場所にあるため、スペーサーを別途用意する必要があります。
OLEDパネルの実力を感じる超高画質。青や黒の表現力の高さに驚き
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ディスプレイのレビューというのは、実際に読者の方に読んで頂く前にカメラのセンサーと、皆様が利用しているディスプレイの画質の2つのフィルターを通してしまうため、言葉を尽くしつつ、あとは「ノリ」で理解してもらうものになってしまいます。なので、あくまでも私の主観と、可能な限り撮影条件を揃えた写真で本機の画質については理解をしていただければ。
上記の前提を踏まえても、KTC G27P6の画質は正直なところ圧倒的。画面をつけてデスクトップを開いただけでその鮮やかさに舌を巻きます。とにかくこれまで見たことがあるディスプレイの中で最も色鮮やかで、そして青色の表現力が高いわけです。
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可能な限り恣意的にならないように条件を近づけて撮影したこの青空をバックに、影になった女性(マケイン)の画像を比較してみて欲しいもの。上の写真がKTC G27P6、下は先日レビューしたINNOCN 27C1U Superです。この影の部分の濃い青色、青空、雲の影の表現力が非常に秀逸。何度か見るこのシーンですが、こんなにコントラストのあるシーンだったのか、と驚かされました。
OLED・有機ELの採用によって超高コントラスト比の映像を実現
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OLEDを採用していることで、圧倒的な黒さの表現力を実現しているのが本機の魅力。液晶ディスプレイにおいてはミニLEDという、バックライトに超小型のLEDを配置し、その点灯を制御することでディスプレイの映像における黒浮きを防ぐ発想の製品が多く登場してきていますが、本機が採用するOLED(=有機EL)は画素自体が自ら発光することで高画質を実現しているわけ。
もう少し深堀りすると、OLEDの採用によって映像の黒い部分はその部分の画素がそもそも発光しないため完璧な黒を再現可能。バックライトがいらないことでコントラスト比は理論上無限大に近づき、映画やゲームにおける暗いシーンで深みのある映像を実現。ミニLEDはバックライトゾーンを細かく分割することで暗部表現を高めているものの、ゾーン間の光漏れであるハロー現象を避けられず暗部表現ではOLEDに利点があるわけ。
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OLEDを採用したことは視野角の広さでも利点があり、どの角度から見ても色変化やコントラストの低下を防ぐことが可能。視野角は120°で実際にほぼ真横から写真を撮影してみても、ディスプレイに表示されている内容が読めるくらいはっきりと見ることが可能。厳密な色表現を必要とするクリエイティブな現場においてもどこからみても同じ色を表現できます。
ゲーミングでの性能は今回試せていないものの、本製品のリフレッシュレートは240Hz、応答時間はわずか0.03ms(GTG)と、ゲーミングモニターとして最速クラスの性能を備えています。OLEDパネルの特性により、MiniLEDを含む液晶パネルでは難しい高速応答が可能で、動きの速いFPSゲームやスポーツ映像でもモーションブラーを最小限に抑えます。
とにかく鮮やかな映像で映画や動画を見るのが楽しい
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レビュー中はノートPCを接続して、映画やアニメ、自身で撮影した映像など、様々な映像を見てみました。語彙力が少なくて申し訳ないですが、とにかく映像が鮮やか。青、黒色の表現力の高さはすでに記載していますが、それだけでなく黄色がかかった夕焼けの景色も筆舌に尽くしがたい美しさ。最初からKTC G27P6で映画を見ておけば、と思うくらいに美しい映像を堪能することができました。
なお、映像を楽しむ上で気になるのがスピーカーの性能。他のディスプレイもそうですが、この薄型のボディに内蔵したスピーカーでは音質の面では期待できず、ステレオ感も含めてあまり高くない印象。Xiaomi Redmi Book Pro 16 2024と比べてもPCのほうが良いスピーカーに感じたので、大人しく別のスピーカーを用意すると良さそうです。
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映像作品を楽しむだけでなくオフィスワークにおいても本機は十分な性能を発揮。当ブログでは最近は4Kディスプレイをレビューすることが多く、「4Kの精細さ、最高!」と書いていました。しかし、4KディスプレイはCPU・GPUへの負荷は高く、また、文字はそのままでは小さすぎるため縮尺を変更する事が多く実際にその性能をフルで使っているかと言われると微妙。
KTC G27P6の解像度は2560×1440のフルHDと4Kのちょうど中間にあたる映像を実現。これによって、小さい文字を表示させたときに縮尺を変更せずともちょうど良いサイズ感を実現。Adobe Lightroomで写真を現像するというときにも、ズームなしでは等倍表示にはならないもののフルHDに比べたら高精細なほどよい使い勝手を実現してくれていました。
設定項目の多さも魅力。KVMモードにも対応
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KTC G27P6の設定メニュー類はすべて日本語化が実施済み。入力元の切り替えやゲーミング設定(タイマーやFPSカウンターの表示機能)はショートカットメニューから実施することが可能です。
また、KVM機能も搭載しており、ディスプレイに接続しているマウス、キーボードを切り替えられるというもの。このKVMを利用するためにはUSB Type-Cに1台、USB Type-Bに1台PCを接続することで、2台のPCそれぞれでKTC G27P6に接続した機器を切り替えて使うことが可能です。
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この他の設定メニューは写真の通り。設定メニュー上では、現在の解像度やHDR、Adaptive-Sync機能のON/OFFの状態、加えて現在のFPSについてもひと目で確認できる仕様になっています。明るさ、コントラストといった一般的な設定に加えてブラックイコライザも搭載しているのも特徴的かもしれません。
その他の設定は写真の通り。OLED Pixel Refresher機能を搭載し、OLEDディスプレイで発生してしまう焼き付きを防止する機能。PCに接続をしている場合、タスクバーや画面の端の部分は同じ内容を表示したままになってしまうことがあり、これが焼き付きの原因になってしまうことも。本機能によって画素を定期的にリセットし、パネルの劣化を最小限に抑えることも可能になっています。
映像やゲームの画質を妥協できない方へ。至高の画質を実現するOLEDディスプレイ、KTC G27P6
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今回レビューしたKTCのOLEDディスプレイ、KTC G27P6。有機ELを採用したことで1,500,000:1という超高コントラスト比の完全な黒色を実現した高画質を実現したディスプレイでした。sRGBカバー率は136%、Adobe RGBカバー率でも101%という脅威の色表現力、ΔE<1の色収差の低さで、動画やゲームを楽しむ際の映像表現力を圧倒的に高めた製品。
ゲーミング性能の面でも応答速度0.03ms、240Hz駆動を実現し他のミニLEDのディスプレイなどの追従を許さない性能を実現したモデル。これまでのPCディスプレイの色表現に満足できなかった方、もっと上の画質を目指したい方、映画を最高の画質を楽しみたい方にこそおすすめしたい製品です。現在はディスプレイ性能をパワーアップさせた第2世代のLG OLEDを採用したKTG G27P6Sが登場。有機ELの超高画質を楽しみたい方は是非体感していただければ。
KTC G27P6Sのセール情報
2024年11月29日から12月6日までのブラックフライデーセール期間中は、後継機種であるKTC G27P6Sが通常価格96,000円のところクーポンコード”10ELKTCO”で10%オフ86,400円にセール!G27P6SはパネルがLG OLEDの第2世代にグレードアップ。さらに中心輝度が450cd/m2(APL25%)/275cd/m2(APL25%)に変更になった製品。無印G27P6は日本未発売で、日本ではグレードアップ版のG27P6Sが最初からお得に登場です。
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