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【Xiaomi Redmi Book Pro 16 2024】Intel Core Ultra 7 155Hに3.1Kディスプレイを搭載した16インチノートPC、Xiaomi Redmi Book Pro 16 2024レビュー

オフィス用途でも外出先でのクリエイティブな活動にも、自宅での作業においてもノートPCの果たす役目は大きく、ノートPCを1台も持っていないという方はほとんどいないのではないかと。私も個人で所有しているPCだけでなく会社で利用しているPCも含め複数台のノートPCを利用しています。一眼レフで画像を撮影し、編集したりそれをブログの記事に掲載をする、という活動をしていると出先に持ち運ぶノートPCにもそれなりの性能と画面の大きさを求めたくなるもの。ただ当たり前ではありますが高性能なPCは値段も張ることもありなかなか好みの製品に出会うことができませんでした。

最終的に私が熟考して選んだのがXiaomi Redmi Book Pro 16 2024。16インチの大型ディスプレイ(16:10・3,072×1,920・最速165Hz)にIntel Core Ultra 7 155H、32GB RAMに1TB SSDを搭載したハイエンドノートPC。実売価格では16万円ほどで購入することができ、日本国内で同じようなスペックの製品を探すと20万円を超えてくるためお値頃価格な製品。購入してはや1ヶ月ほど利用したのでレビューします。

Xiaomi Redmi Book Pro 16 2024のスペック

プロセッサーIntel® Core™ Ultra 7 155H
グラフィックスIntel® Arc™ Graphics
メモリ32GB LPDDR5x 7467MT/s
ストレージ1TB PCIe 4.0 2242 SSD
ディスプレイ16インチ 16:10, 3072×1920, 165Hz, 500nits, 100% DCI-P3
OSWindows 11 Pro
ネットワークWi-Fi 6E, Bluetooth 5.3
ポートUSB-A 3.2 Gen1 x 2, USB-C, Thunderbolt 4, HDMI 2.1, 3.5mm コンボジャック
バッテリー99Wh
サイズ354.98 x 247.95 x 15.9mm
重量1.88kg
オーディオデュアル2Wスピーカー, Dolby Atmos, クアッドマイク
カメラ1080p ウェブカメラ
セキュリティ指紋認証

今回購入したのはCore Ultra 5 125H版とUltra 7 155H版のうち後者のCore Ultra 7版。実売価格が2万円ほどの差で性能面での差がそれなりにあったこと、せっかく購入するなら長く使えるものをということで奮発して購入しました。ノートPC市場では32GB RAMモデルはまだ少なく、32GB RAMと1TB SSD、そしてsRGBカバー率100%のディスプレイを搭載しているというのが本機購入の決めてになった感じ。スペック表だけを見てもRedmi Book Pro 16 2024がどれだけ高性能なのかはわかるはず。

実際に同じような性能のノートPCを日本国内市場で探すと、DELL XPS 16シリーズが該当してくることになるかと。ただ、XPS 16は31万円する製品でありRedmi Book Pro 2024が2台分購入できてしまう価格。Redmi Book Pro 2024を選んだもう一つの理由がテンキーなしのキーボード。ノートPCではホームポジションが崩れるテンキーは不要と思っており、この条件でいくとASUS Zenbook Pro 16も条件を満たせず、Xiaomi Redmi Book Pro 2024一択でした。

オールメタルボディで16インチでも1.88kgの軽量さ。薄型サイズで持ち運びのしやすさも魅力

今回はAliExpressにてオーダー。本来Redmi Book Pro 2024をはじめとする中国で販売されているノートPCはWindows 11の中国版がインストール。通常のWindows OSに比べて表示できる言語に制限があり、日本などでの利用には向いていません。AliExpressのセラーで出荷時に一度Windows 11の言語表示を英語に変更したうえで発送してくれるため、パッケージは開封され、またセラーからのおまけ(キーボードのシール、USBハブ、マウスパッド)が付属していました。

本来の同梱品は非常にシンプルで、本体の他には140W出力の急速充電器、充電ケーブルとクイックスタートガイドのみ。ノートPCに付属品をあれこれ求める、ということも今ではないと思いますのでこれで十分かと。なお、セラーでの出荷前作業で開封された上に、税関でも開封されているため税関によるシールも貼られていました。輸入消費税は7,000円ほど支払っています。

Redmi Book Pro 2024は最大140W入力での急速充電に対応。ハイエンドノートPCの一部の製品はUSB PDでの充電に対応しない製品もありますが、本機はUSB Type-C端子でUSB PDでの充電に対応。付属している140W充電器を利用することも、社外品の充電器も利用することが可能です。付属の充電器の出力は

  • 5V/3A=15W
  • 9v/3A=27W
  • 15V/3A=45W
  • 20V/5A=100W
  • 20V/7A=140W

という感じ。最後の20V/7A出力はUSB PDの規格とは異なっており、中国メーカー独特の出力になっています。本来のUSB PD 3.1は140W出力は28V@5Aで、140W部分が違うわけ。この出力はLenovoのノートPCにもあるようで、中国の企業はUSB PDを無視して設計したいのかもしれません。(28V/5Aの何が悪いんだよ)

Redmi Book Pro 2024の天板はメタル仕上げ。ただ、2018年に購入したXiaomi Mi Notebook Proの頃のように一切のロゴがない超シンプルデザインとは異なり、Redmiのロゴが大きく鎮座。また写真では分かりづらいですが、若干天板の塗装は今風のつや消しになっています。裏面についてはデザインが変わっていて全体的に丸みを帯びた形に。以前はMacBookコピーの側面が強かったのが、シンプルなデザインのWindowsノートPCになった、という印象です。

裏面の両側面にスピーカーを搭載。デュアルスピーカーになっており、Dolby Atmosに対応します。以前のXiaomiのノートPCはHarman Kardonの監修を受けている時期もありましたが、本機はこの提携の対象外の様子。ただ、個人的には十分な音質になっている印象でした。

最近のノートPCはUSB Type-A端子を省略したり、HDMIを搭載しないという製品も増えていますが、Redmi Book Pro 2024は基本的な端子は一通り搭載。USB Type-A×2に、USB Type-C×2、HDMIに3.5mmステレオミニプラグを搭載しており十分な性能を確保。USB Type-Cのうち1つはThunderbolt 4になっており最大40Gbpsのデータ接続に対応しています。ただ、SDカードスロットは非搭載のためUSB Type-C接続のアダプターを用意しておくと良さそう。

本体の公称の寸法は354.98 x 247.95 x 15.9mm。2018年のMi Notebook Proと比べると本体部はやや厚みが増しているように思えますが、技術の進歩なのかディスプレイ部が薄くなっており最終的な厚みはほぼ同じ印象に。ゴム足を装着した状態の厚みはだいたい1.7cmほど、横幅は35.4cmほどで概ね公称通りという感じのサイズ感。16インチのノートPCではありますが、ディスプレイの上下左右のベゼルが狭くなったことで実質的には15.6インチのノートPCとほぼ同じ寸法に収まっています。

重量は1.7kgと16インチのノートPCとしては軽量な部類に。同じ量りでMI Notebook Proを計測したら2kgを超えていた(換装したSSDなどの重量アップもあると思われる)ため、300gほど、つまりスマートフォン1台分くらい軽くなっていました。これならどこに持っていくにもちょっと重いPCというレベルで、持ち運びに困ることはなさそうです。

ディスプレイは16:10の通常のノートPCによくある16:9にくらべて少し縦長になった構造。3072×1920と一般的なフルHDに比べてかなり精細な3.1Kに。sRGBカバー率100%、かつ、DCI-P#カバー率100%で見たままの映像表現が可能となっているのもポイントです。Dolby Visionにも対応しています。ディスプレイのヒンジはほぼフラットな状態まで開いて利用することが可能です。

キーボードはフルサイズのバックライト付き、英字キーボードを採用。キーピッチは19mm、キーストロークは1.3mmと適度な打鍵感を確保。カチャカチャ言うことなく、ちょっと沈み込む打鍵感のお陰でブログの執筆や文章の入力を続けていても疲れづらい仕上がりになっています。

マウスに当たるタッチパッドは他のノートPCに比べてかなり大型サイズに。一度にマウスを広く動かすことができるため、外付けのマウスなしでも使い勝手が高まっているのもポイントです。右上には丸型の電源ボタン兼指紋認証を備えており、キーボードとは別に用意していることで間違って押すこともなく安心して利用できるようになっていました。

カバンに入れてよく持ち歩いていますが、写真のように15.6インチのノートPC用のポケットにすっぽりと収まるサイズ。リュックによってはそもそも15.6インチのノートPCを入れると少し飛び出すようになっていることもあり、傷が心配な場合には別途ケースなどを用意すると良いかもしれません。

中国版Windows 11は一度削除してクリーンインストールが必須

先ほど触れたようにXiaomi Redmi Book Pro 2024には中国版のWindows 11がインストール済み。Windows 10以降のWindowsではlanguage featuresをダウンロードしてインストールすることで中国版でも不完全ながら日本語化が可能ですが、すべてインストールして日本語設定にしてもスタートメニューも英語のまま、という結果に。日本語化を完全に行うことはできませんでした。

日本版のWindowsに入れ替える方法は非常に簡単。一応PowerShellでプロダクトキーを確認してそれはどこか外部ストレージにバックアップを取っておくとベター。プロダクトキーの確認方法はマイナビなどでも紹介されているので割愛。MicrosoftのWEBサイトでWindows 11をダウンロードして外付けのUSBに格納、そのままWindows上でインストーラーを起動して引き継ぎ項目を【何もしない】にしてインストールするだけ。今回は外付けのUSBメモリにインストーラーを格納しましたが、USBを利用しなくても大丈夫な気もします。

今のWindowsは大変優秀でRedmi Book Pro 2024が利用しているネットワークアダプターからキーボード、指紋認証センサーまで自動的にドライバーをインストールして利用が可能に。Windows 11のインストールウィザードの中でWi-Fiへの接続も、指紋認証のセットアップもすべて完了してしまいました。もうこれであとは普通のWindowsのノートPCです。

Intel Core Ultra 7 155Hの圧倒的パワーを感じる。どんな作業でもストレスのない環境を実現

Xiaomi Redmi Book Pro 2024はCPUにIntel Core Ultra 7 155Hを搭載。このCPUは2023年にIntelが発表した最新世代のプロセッサー「Meteor Lake-H」でこれまでの13世代Core i7に比べ異なるアーキテクチャを採用。コアに関しては今までのPコア、Eコアの組み合わせに加えて低消費電力版のE-Coreを搭載しアイドル時の電力消費を減らしたのもポイント。AI専用のプロセッサーのNPUの採用や、Intel Arc GPU搭載でグラフィック性能についても向上しているのがこれまでの製品と異なります。

Core Ultra 7 155Hは論理コア数16コアと多いのも特徴

本機が搭載するCore Ultra 7 155HはCore Ultraシリーズの上位シリーズのHシリーズに該当する製品。HシリーズにはUltra 9 185H、Ultra 7 165H、155H、Ultra 5 135H、125Hの5製品があり、Ultra 7 155Hはその真ん中に位置する製品。Pコア最大クロックは4.8Ghz、Eコアでも3.8Ghzと高い性能を実現しています。

実際に今回はベンチマークテストも実施。CINEBENCH 2024ではマルチコアで865pts、シングルコアで101ptsという結果に。当ブログではPCのレビューは少なく、まったくスコアの蓄積がないため、この値についての比較は他のサイトなどをご参照いただければ。PCMARK 10では6067点。あくまでベーシックなオフィス性能のテストで目標スコアの4,500点は優に超えている結果でした。

これもまた参考程度ですが、スマートフォンのベンチマークとしておなじみのAntutuベンチマークもWindows版で実施。101万点というスコアになり先日レビューしたASUS Zenfone 11 Ultraの213万点よりも低い結果に。スマートフォン版との比較はおそらく意味がないと思われるため、以前構築した自作PCのCore i7 12700FのAntutuスコアと比較。12700Fでは1,004,829点でちょっと性能が高いという感じでした。CPUのスコアだけを見ても2世代前のデスクトップPCのCore i7よりスコアが上、と考えるとなかなかすごい結果とも言えます。

Redmi Book Pro 2024は1TBのSSDを標準で搭載。YMTC PC300というリテール向けに直接販売がされていないSSDが採用されています。PCIe Gen4×4接続に対応したモデルでかなりのハイスピードでのデータ伝送に対応しているはずのモデル。CrystalDiskMarkではシーケンシャルリードで3925MB/s、シーケンシャルライトで3008MB/sという結果でした。ランダムリード、ランダムライトは1700MB/sと非常に早いのですが全体的にはちょっと遅いかなという印象。必要に応じてSSDだけ換装しても良いかもしれません。

Wi-Fi 6eに対応しているのも本機のポイント。IntelのWi-Fi 6eアダプターであるAX211を採用しています。自宅のWi-Fi 6e対応のWi-FiルーターであるTP-Link Archer AXE5400のアクセスポイントに接続して計測してみると実測920Mbps/sのダウンロード速度となるなど非常に高速。有線接続と変わらないパワーを確保することができます。

バッテリーの持続時間の長さもポイント。本機は99Whの大型バッテリーを搭載。アイドル時、低負荷時のバッテリー持続時間の省電力性も確保したIntel Core Ultra 7 155Hと組み合わせてロングバッテリーライフを実現しています。参考に様々なシチュエーションでのバッテリー消費量や持続時間についてもテスト。一般的に各メーカーで統一の基準でテストされているJEITA 3.0に基づく計測(動画再生時)では10時間34分の脅威のバッテリー持ちを実現しました。

この他、実際にブログをカフェで執筆していたときのバッテリーの残量変化もBBenchでログを計測。77分間作業した際は、100%から83%まで17%進んでいました。ブログの執筆時にはWEBブラウザを起動しているのはもちろんのこと、参考資料を見るためにPDFを開いたり画像の閲覧、インターネット検索をしておりそこそこの消費電力はあったと思われますが、単純計算でいえば6時間以上はゆうにバッテリーが持つ計算。これなら外出時でも安心して利用できそうです。

Redmi Book Pro 2024は最大140WのUSB PDを利用した充電に対応。ただし、140W充電に関してはUSB PD 140Wの規格である28V/5Aではなく20V/7Aの独自の充電規格を採用。この140W入力はLenovoなどの一部メーカーも採用していますが、USB PDの規格には存在しない出力であり規格を準拠した充電器では出力することはできません。私自身が愛用しているAOHiの140W充電器AOHi 140W Youthも140W出力はUSB PD 140Wに準拠するため、本機に対しての最大出力は20V/5Aの100Wになっています。

実際にAOHi Youthを接続して充電してみると、Wチェッカー上でも100W入力になっていることが確認できました。先ほどのJEITA試験の続きで空っぽになったバッテリーを100W入力で充電した際の100%までの時間もWindowsを立ち上げた状態で計測。0%からスタートして113分で満充電が完了しました。Xiaomiは140W給電で30分で50%まで充電と謳っていますが、100W充電の場合は30分で34%だったので0%から充電する場合はもう少し充電時間は確保したいところです。

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Adobe Lightroomもサクサク動作。500nitsの明るさのDCI-P3カバー率100%のディスプレイが嬉しい

Redmi Book Proは16インチの3072×1920解像度の3.1Kディスプレイを搭載。通常のノートPCのフルHD(2K)を大きく超える高精細なディスプレイで文章を読んだりする上でも見やすく、また、画像編集の際には細かいディテールもズームせずに確認できるのが魅力的。ディスプレイの明るさは500nitsと明るく、DisplayHDR 400認証も取得し表現力にすぐれた品質も確保しています。

ディスプレイは最大165Hzでの駆動が可能。通常のWindowsでは120Hz駆動ですが従来の60Hz駆動のディスプレイに比べて滑らかな画面描写を実現しているのもポイントです。ディスプレイはDCI-P3カバー率100%、sRGBカバー率100%と色表現能力の高さも魅力的。実際にLightroomを起動して写真の現像もしてみましたが、まず起動がサクサクな上に見たままの色で確認することができ外出先での現像にも耐えられる性能でした。

Redmi Book Pro 16 2024はとにかくどんな場所でも最高のパフォーマンスを発揮してくれる印象。高いCPUとSSDの性能でWindowsもすぐに起動し、WEBブラウザで作業をすることも、画像編集を空港の待合室でするというのにもストレスのない作業環境を実現してくれました。若干暗い場所であってもキーボードのバックライトでみやすさも確保されており、大きなトラックパッドでマウスなしでも快適な操作が可能でした。

持ち運べる作業PCとして最高のパフォーマンスを実現するモデル。クリエイターにオススメしたい一台

今回レビューしたXiaomiの最新のノートPC、Xiaomi Redmi Book Pro 2024。Intel Core Ultra 7 155Hに32GB RAM、1TB SSDに16インチ・3.1KのDCI-P3カバー率100%の高解像度ディスプレイを搭載したまさに2024年の正統派ハイエンドノートPCと言えるモデルでした。これだけのスペックでありながら重量は2kgを切るレベルでリュックに入れて持ち運んで最高のパフォーマンスをどこでも実現できる、そんな製品と言えます。

日本国内市場で普通に販売されているノートPCでは、このRedmi Book Pro 2024のレベルは20万円強となっていく印象。それに対して本製品は16万円ほどで購入することができる価格の安さも魅力的。これまで利用していたXiaomi Mi Notebook Proは2018年から5年以上利用できており、XiaomiのノートPCは十分数年間安心して戦える性能を持っていました。ぜひ、長く使えるクリエイティブPCとしていかがでしょう?

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銀行をやめて人材系のHRテックらしいメガベンチャーにいたかと思えば、今はSIerで企画とかしています