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【OPPO Reno11 A】MediaTek Dimensity 7050に6400万画素カメラを搭載し、高画質な写真撮影やAI消しゴム機能も使えるスマートフォンOPPO Reno11 Aレビュー

日本では10月10日にXiaomiがLeica搭載の新型スマートフォンXiaomi 14T Proを登場させたり、FCNTが5年ぶりににSIMフリーモデルであるarrows We2 Plusを発売したり、ASUSも大型サイズ化させたZenfone 11 Ultraを日本投入するなど、日本でのSIMフリースマートフォン市場が以前にも増して活性化しています。ガジェットブログの管理人としても、使いやすい製品が多く登場しているというのはとても嬉しいところ。

日本向けに製品展開を続けているメーカーといえば、OPPOも欠かせません。OPPOは以前から日本専用モデルとしてReno Aシリーズを展開しており、わざわざグローバルとは違うモデルを製造、日本で販売をしています。そして今年もOPPO Reno11 Aを発売。MediaTek Demensity7050に5,500mAhの大容量バッテリー、6,400万画素のカメラを搭載した実力モデルです。メーカーよりお借りしてレビューします。

OPPO Reno11 A (CPH2603) スペック

項目スペック
ディスプレイ6.7インチ FHD+ (2412×1080), OLED, 最大120Hzリフレッシュレート, 394 PPI
CPUMediaTek Dimensity 7050, オクタコア (2.6GHz × 2 + 2.0GHz × 6)
OSColorOS 14 (based on Android 14)
RAM + ROM8GB RAM (最大16GB拡張), 128GB ROM, microSDXC対応 (最大2TB)
カメラアウトカメラ: 6,400万画素(広角) + 800万画素(超広角) + 200万画素(マクロ), インカメラ: 3,200万画素
BluetoothVer. 5.2 (SBC, AAC, aptX, aptX HD, LDAC対応)
USBUSB Type-C 2.0, OTG対応
バッテリー5000mAh, 67W SUPERVOOC急速充電対応
重量177g
大きさ縦: 162mm, 横: 75mm, 厚さ: 7.6mm
Wi-FiIEEE 802.11 a/b/g/n/ac/ax
ネットワーク5G: n1/n3/n28/n41/n77/n78
4G FDD LTE: Band 1/2/3/4/5/7/8/12/13/17/18/19/20/26/28
4G TD LTE: Band 38/39/40/41/42
3G WCDMA: Band 1/2/4/5/8/19
2G GSM: 850/900/1800/1900MHz

OPPO Reno11 Aは、6.7インチFHD+(2412×1080)の最大120Hz駆動のOLEDディスプレイとMediaTek Dimensity 7050プロセッサを搭載したスマートフォンです。8GB RAMは最大16GBまで拡張可能で、128GBストレージに加えて最大2TBのmicroSDに対応。6400万画素の広角カメラや3200万画素のインカメラで、多彩な撮影モードに対応するのもポイントの機種。5000mAhバッテリーと67W急速充電により、長時間使用でも安心です。SIMフリー版は4万円台で購入できる購入しやすい価格帯も魅力の製品です。

6.7インチなのに177gの軽量さ。手荷物とわかる軽さと持ちやすいデザインが嬉しい

OPPO Reno11 AのパッケージはこれまでのOPPO Renoシリーズと同じように、製品名・ロゴを大きく記載しただけのシンプルなもの。同梱品も非常にシンプルで本体の他にはクイックガイド、安全ガイドとSIMピンのみ。67Wの急速充電を売りにしていますが、充電器については付属せず必要な場合は自身で購入が必要です。

今回お借りしたのはコーラルパープル色。華美になりすぎない落ち着きのある色合いが特徴的です。背面のデザインは「サンゴやダイヤモンド」をイメージした質感のデザインで、一手間かけた美しさがポイント。個人的にはこの上品さは所有欲を満たしてくれる良い感じでした。

カメラは大型のメインカメラ(6,400万画素)と他のマクロ・超広角カメラを2つの円形の中に収納した形状。カメラの数が増えてもコンパクトなカメラ部分に仕上げています。カメラ部分のデザインに関しては各社趣向を凝らしていますが、本製品のような片側にカメラを寄せるようにしている方が個人的には好み。とはいっても、二重枠があるのでちょっと目立ちすぎている印象は否めませんでした。

カメラ部分は写真のように出っ張ったデザイン。長方形になっている部分と、カメラの2つの円形のそれぞれが盛り上がったデザインになっており、すこし高さがある印象。このため、ケースなどを付けずに利用する場合には置き方によっては傷つきやすいかもしれません。

各側面についても確認。接続端子は非常にシンプルで下部にUSB Type-C端子を1つ備えるのみ。スピーカーも下部に一つでモノラル構成になっています。ステレオミニプラグや赤外線センサーは非搭載です。右側の側面にボリュームキーと電源キーを備えていました。

SIMスロットは左側の側面部に配置。nanoSIM+nanoSIM or microSIMの構成になっており物理SIMを2枚入れてデュアルSIMとして利用することが可能。OPPO Reno11 AはeSIMにも対応しているため、nanoSIM+microSDを差し込んでeSIMを有効化することでmicroSDを利用しつつデュアルSIM構成で利用することも可能。回線接続についての自由が効くのは嬉しい点です。

本体重量は実測値で179g(公称177g)。6.7インチの大型画面のスマートフォンは190gから200gほどの重量があることが多く、本機の重量はかなり軽量な印象。手に持って使う機器としてはたかが20gの違いであっても重さの印象は異なっており、手に持った瞬間に「軽いぞ!」と思ったほど。ディスプレイの角の部分を角ばった仕上げにしていることで握りやすくなっているのもあわせて、ずっと手に持っていられる印象でした。

指紋認証の精度も良好。使いやすいColor OSオリジナル機能やおサイフケータイも嬉しい

OPPO Reno11 AはAndroid 14をベースにOPPOが開発したOS(カスタムUI)であるColorOS 14を搭載。独自OSというとオリジナル機能が多かったり、独自の設定項目が多くなったりして取っつきにくいという心配がありますが、ColorOSの場合はGoogleの用意する機能と密接に関わっていることでその不安を払拭できているのも嬉しいところ。

OPPO Reno11 Aの初期設定を開始すると、言語や利用する地域の選択画面が表示。その後利用規約やプライバシーポリシーへの同意、WiFiへの接続をするとGoogleのメニューで他の端末からのデータコピーのメニューが表示。このメニューでは、Android端末同士でも移行元がiPhoneであってもアプリや画像、電話帳のデータをWiFiやUSB Type-Cケーブルで移行できるようになっているもの。相手方のメーカーに関わらず簡単にデータを転送することができます。

Android同士であれば、データを移行するにあたってどのアプリを移行させるのかや、設定、通話履歴、写真や動画について細かく指定をしてコピーすることが可能。必要なものだけを素早く転送することでセットアップ自体にかかる時間を短くすることができます。データコピーでアプリ以外の内容の転送が終了すれば、次の設定項目に進んで、バックグラウンドでアプリのインストールを実施してくれました。

画面ロックの解除はパスワードだけでなく指紋認証と顔認証の利用が可能。指紋認証は画面内のセンサーで認証できるようになっており、その認証速度はほぼ一瞬のレベル。ちょっとセンサーが画面の下にあるため少し窮屈さは感じるもののスムーズに認証をして利用できるのもポイントです。ナビゲーションについては、画面下にナビゲーションバーを表示することも、ジェスチャーを利用することもどちらも可能でした。

OPPO Reno11 Aの標準ランチャーはiOSを意識したタイプのもの。インストールしたアプリすべてがホーム画面に追加され、アプリドロワーのないタイプです。ホーム画面に表示するアプリを厳選したい場合はサードパーティ製のランチャー(Nova Lunchaerなど)をインストールして利用するのがおすすめ。

プリインストールアプリは若干入っており、スクリーンショットでは私のインストールしているものも一部追加されてしまっていますが、TikTokやFacebook、YouTube、Youtube Music、おすすめのゲームとOPPO独自のApp Marketがインストールされていました。おサイフケータイにも対応しているため、私ようなモバイルSuica原理主義者の方も安心です。

Antutuベンチマークで58万点。MediaTek Dimensity 7050によってほどよい性能を実現

スマートフォンのスペックを数値化して他の機種などと比較するために、Antutuベンチマーク(V10.3.2)を利用。スコアは586,402点とハイエンドモデルが200万点(Snapdragon 8 Gen 3のASUS Zenfone 11 Ultra・レビュー)に比べるとかなり低い水準のミドルレンジの性能。以前レビューしたarrows We2 Plus(Snapdragon 7s Gen2)が60万点だったため、概ね同じ水準といえます。

ストレージの性能についてもAntutu Storage Testを利用して確認。シーケンシャルリードで1,970MB/s、シーケンシャルライトで1,228MB/s、ランダムリード・ランダムライトは概ね320MB/sという結果でした。高速なストレージを搭載しているため、大容量を必要とする動画の再生などでは十分な性能を実現してくれるかと。

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設定メニューはAndroidの標準(AOSP)に比べると少しポップなデザイン。表示されている項目の分け方や順番については他のメーカーのAndroid端末と比べて大きな違いがあるわけでなく必要な設定項目にスムーズにアクセスできるようになっていました。セキュリティに関する機能が少し充実しているのがOPPOらしい仕上がりという印象です。

ColorS14に搭載しているジェスチャー機能もなかなか優秀。画面端をスライドすることで表示できるクイックメニューでよく使うアプリを開いたり、スクリーンショットを撮影したり、支払画面を表示するなんてことも可能。便利に利用するための機能も多く搭載しているのも特徴です。

6,700万画素のカメラは自然な色表現が魅力

OPPO Reno11 Aはアウトカメラに6,400万画素・F値1.7のカメラを搭載。超広角カメラは800万画素、それに加えて200万画素のマクロカメラを搭載しています。前作のOPPO Reno 10 Pro 5Gのレビューでもご紹介していましたが、最近の日本向けのOPPOのカメラのクオリティはなかなかのもので、食事などを撮影したらかなり自然に、美味しそうに撮影することが可能。鮮やかすぎない、でも、色をきちんと表現できるカメラに仕上がっています。

まずは食事の写真から。紅生姜と合わせて食べる焼きそばとビール、ゴーヤチャンプルーを撮影してみましたが、ほどよい暖色で十分美味しそうに撮影できている感じ。撮影した場所は新橋駅前の新橋駅前ビルの地下というなかなか照明が良くない(蛍光灯の廊下の下)ですが、お皿の青色と食事の色がきれいに撮影できていました。

かなり明るい屋外での写真も撮影。どちらのカメラでもオートモードで撮影しており、広角カメラはISO 64、シャッター速度は1/1117で撮影されています。かなり明るい屋外ですが自動的にHDRも機能したことで手前の森林も黒く潰れずに撮影できている印象。空の青さは青くなりすぎない自然な青さなのも個人的には嬉しいポイントでした。

超広角カメラ側は800万画素で撮影が可能。ISO64、シャッタースピード1/1498で撮影されていました。画質が低いこととHDR処理が入ったことで、全体的にデジタル感のある、少しザラつきのある写真の印象。ただ、色の表現はかなり優れており見たままの景色を撮影できている感じです。

カメラでは2倍ズームと5倍ズームを画面上で簡単に選択して利用可能。OPPO Reno11 Aは望遠レンズを搭載しているわけではないため、ズームは単純に撮影している画像をデジタルズームで引き伸ばしているだけ。2倍ズームについては違和感のない画像になっている印象でしたが、5倍ズームは全体的にデジタルズーム特有のザラザラ感がある印象。ただ、文字などは読める範囲という感じでした。

少し日陰の街の景色はかなり秀逸。この青空の色合いと看板や道路に対してわずかにかかったHDRによって全体的な画像の見やすさと、まさに見たままの景色を表現してくれている感じでした。こういった晴天下の色合いはOPPOのカメラが一番自然な色味を出してくれると思っています。

超広角レンズでも色味はあまり変化しないため、レンズによって撮影できる写真の印象が変わるということもありません。右手前の日よけの下の看板の色の自然さはなかなかのもの。2倍ズームの写真は若干デジタルズームによるのっぺり感、奥行きのなさは感じるものの、十分自然な写りに仕上がっていました。

夜景の写真はほぼ試せていないので、夜の駅の写真を。一般的なスマートフォンでこういった夜間のホームという明かりとそれ以外の場所の明るさが大きく違う写真を撮影すると、無理やり暗い場所を明るくさせようとして全体的に白みがかかって、コントラスト感のない写真になってしまいます。OPPO Reno11 Aでは暗い場所はきちんと暗く写すようになっており、不自然な白みのない写真に。夜の撮影でも見たままを撮影できるのが特徴と言えました。

AI消しゴム機能を搭載。写真に映り込んだ人を簡単に消去可能に

OPPO Reno11 AはAI消しゴム機能も搭載。写真を撮影したときに映り込んでしまった余計なものや人を囲って簡単に消去することが可能です。例えば上の写真であれば左側に写った人が正直なところ余計。これをAI消しゴム機能を使って消去してみます。

実際にAI消しゴム機能を利用している様子が上の動画。編集メニューから”AI消しゴム”を選択して、”スマートラップ”を選んだら消去したいものを囲ってしまうだけ。あとは、自動的に対象物を認識してものの数秒で消去。あとは比較ボタンを押せばきちんと消去できているかを確認することが可能です。

実際に先ほどの画像をAI消しゴム機能で編集したものがこちら。横断歩道という結構何かを消すのにはシビアな場所でしたが自然に縞をとアスファルトの色を再現し塗りつぶしてくれました。拡大してみると横断歩道の奥の方の処理が雑なのは否めませんが、ほんの数秒でこのクオリティを作ってくれるなら満足できる水準かと。本機能の利用は無料ですが、OPPOのサーバーに接続して処理するためネットワークは必須です。

炎天下で使っても安定した動作。安心して利用できるほどよい性能を実現

今回のレビューにあたっては、暑い日差しの下で写真を撮影したり、音楽を再生したりWEBブラウジングにAI消しゴム機能を使ったりと、OPPO Reno11 AのSoCに負荷をかける操作を結構行っていました。個人的にはあまりMediaTekのSoCについては発熱の面で信頼しきっていないこともあり、本機も発熱して動作が重くなってしまうのではないかと心配していました。

実際にあれこれ操作をしていて感じたのが、ほどほどにしか熱くならなかったこと。公式サイト上では特に放熱機構についての説明は掲載されていませんでしたが、OPPO独自のパーフォーマンス最適化とシステム劣化防止機能である”トリニティエンジン技術”と、ミドルレンジのSoCのMediaTek Dimensity 7050によって負荷をかけすぎていないのがポイントなのかもしれません。

最先端のAI機能も使える手頃な価格のスマートフォン。カメラもキレイでオススメ

今回レビューしたOPPO Reno11 A。同じく中国勢で日本展開を進めるXiaomiがハイエンドモデルであるXiaomi 14T Proを投入しているのに対して、OPPOはこれまで同様にミドルレンジの本製品を投入。ただ、6,400万画素の自然な写りを可能にしているカメラやAI消しゴム機能といった最先端の機能、そしてMediaTek Dimensity 7050によるスムーズな動作と、抑えるべき性能を抑えた印象。

OPPO Reno11 Aは現在約44,000円で販売中。10万円を超えるようなハイエンド機はたしかに便利ですが、そこまでの性能は必要なく、でもカメラの画質やおサイフケータイにはこだわりたいという方にはぴったりなスマートフォンでした。

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銀行をやめて人材系のHRテックらしいメガベンチャーにいたかと思えば、今はSIerで企画とかしています