【arrows We2 Plus】3回のAndroidアップデートや、自律神経パワー計測機能など、長く使える機能を搭載したFCNTのスマートフォンarrows We2 Plusレビュー【PR】
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当ブログでも様々なスマートフォンをレビューしていますが、そのほとんどを占めるのがXiaomiやOPPOといった中国メーカー。先日レビューしたASUS Zenfone 11 Ultraも久々の台湾メーカーという感じでしたしね。イマイチ元気がないのが日本メーカー。一時期は多くのメーカーが常に新機種を発売していましたが今ではすっかり聞かなくなってしまいました。そんな中、もともと富士通系だったFCNT合同会社からSIMフリーモデルでは5年ぶりの新モデルが登場したのがarrows We2 Plus。今回はFCNT合同会社より製品をお借りしその性能や使い勝手をレビューします。
FCNT合同会社はもともとは富士通系の携帯電話製造、開発を行うメーカー。2023年に経営破綻し現在はレノボの傘下でスマートフォンの展開を行っています。近年はarrowsシリーズをキャリア向け(ドコモ・au向け)に展開していましたが、今回のarrows We2 Plusは5年ぶりにSIMフリー版も投入。We2とWe2 Plusの2モデルを同時に発売するなど気合いの入った展開となっているのも特徴的です。
arrows We2 Plusのスペック
項目 | 内容 |
---|---|
ディスプレイ | 約6.6インチ 有機EL, Full HD+ (1080×2400) |
CPU | Snapdragon 7s Gen2 オクタコア (2.4GHz + 1.9GHz) |
OS | Android 14 |
RAM + ROM | RAM: 8GB, ROM: 256GB |
カメラ | アウトカメラ: 約5010万画素 + 約800万画素 インカメラ: 約1610万画素 |
Bluetooth | バージョン 5.2 |
USB | USB Type-C, USB 3.1 Super Speed (Gen 1), MTP, PTP, USBテザリング, MIDI, USBホスト対応 |
バッテリー・充電性能 | 5000mAh, 急速充電対応 (Power Delivery 3.0) |
重量 | 約182g |
大きさ | 高さ:約162mm, 幅:約75mm, 厚さ:約8.5mm |
Wi-Fi | IEEE 802.11a/b/g/n/ac/ax (Wi-Fi 6対応) |
ネットワーク | 5G / 4G (LTE) 対応、5G: n1/n28/n78/n79, LTE(国内): B1/B3/B8/B18/B19/B21/B28/B41/B42 |
arrows We2 Plusは6.6インチのフルHD+(1080×2400)の解像度のディスプレイ(有機EL)を搭載し高画質な映像表現を可能とした大型モデル。性能の要といえるSoCにはQualcomm Snapdragon 7s Gen2を採用し、ハイエンドモデルには劣るものの通常のアプリ利用では十分な動作性能を実現しているのがポイント。今どきのスマートフォンでは一般的な8GB RAM、256GBストレージを搭載しています。
Androidバージョンは原稿の一般的なメーカーにおける最新版のAndroid 14を採用。Zenfone 11 Ultraでは2世代先へのAndroid OSのメジャーアップデートの保証がされていましたが、arrows We2 Plusでは最大3回までのアップデートを謳っているのも嬉しいところ。セキュリティ更新については、最長4年間と謳っており、長い間使い続ける上でも安心して利用できるようになっているのがポイントです。その他のスペックについては、特筆すべき点は正直なところすくなく、ベーシックな性能をきちんと確保している、そんな印象です。
手に馴染むほどよいサイズ感。6.7インチ帯の製品よりも一回り小さいサイズ
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パッケージは他社のそれと比べても非常にシンプル。パッケージや製品二利用されている部材についてリサイクル率の高い素材を利用していることもアピールしていて、他社の製品に比べて環境への影響を抑えていることをアピールしています。
同梱品はUSBケーブルくらいは付属させてくる中国メーカーもびっくりの無し。説明書以外には何も付属せず、社外品で済ますような格好です。ただ、現状スマホを購入している人で充電器、充電ケーブルを持ってないという人はおそらくいないと思われ、利用されないケーブルや充電器をつけるくらいなら省略してしまうというのは、ある意味割り切り方としては良いのかもしれません。説明書には、本体の洗い方も乗っていて「石鹸で洗えるスマホ」の富士通のお家芸は健在でした。
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arrows We2 Plusはシルバー一色のデザイン。つや消しのデザインで主張しすぎないデザインがシックで良い感じ。最近のスマートフォンはカクカクしたデザインが流行りのようにも感じますが、We2 Plusは背面も画面側も丸みを帯びた形状になっておりそのまま持ち続けても持ちやすい形状になっています。左側面にあるフタはSIMスロットになっておりSIMピンを利用することなくツメを開けるだけでSIMを入れ替えることが可能です。
下部の側面には3.5mmステレオミニプラグ、USB Type-C、microSDスロットも配置。一般的にスマートフォンで利用することのある外部端子や拡張ストレージを一通り備えているのも特徴的です。右側側面にはボリュームキーと、指紋認証センサー内蔵の電源ボタンを配置。後述しますが本機は電源ボタンを軽く押すことで画面のスクロールを行うことができる”Exlider”機能を搭載。上下に長いコンテンツを指でスワイプすることなくスクロールすることが可能です。
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背面カメラは5010万画素のメインカメラと800万画素の超広角カメラの2つを搭載。またカメラの下には世界初の”自律神経パワー”の計測センサーを搭載。独自のアルゴリズムによって自律神経の活性度を算出できるんだとか。日本のブランドらしい正直なところを言えば謎の機能もきちんと搭載しています。本体の重量は183gと6.6インチのスマートフォンとしては「ふつう」のレベルでした。
他社メーカーのスマホからの乗り換えも、データ転送機能で余裕
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新しいスマートフォンを使い始めるうえで心配になるのが、初期設定。すでにスマートフォンを何台も利用している、という方にとっては苦でもない作業ですが、久々の乗り換えとなれば話は別。簡単にセットアップできることって案外大事です。
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arrows We2 Plusでは最初の設定画面で今まで利用していたスマートフォンから、画像や動画といったストレージに保存していたデータ、Googleのアカウント情報、通話履歴や電話帳の中身に加えてアプリも一気に転送するデータ転送機能を用意。Google・Android OSの機能として搭載しており、転送元のスマートフォンがXiaomiであってもUSB Type-CケーブルやWi-Fi経由でデータをスピーディーに移行させることが可能です。
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その他の初期セットアップについても日本ブランドらしいわかりやすい表記が特徴的。といっても上の画面はAndroidの標準搭載のセットアップメニューなわけですが。モバイルデータ通信に関してはnanoSIMカード×1だけでなくeSIMにも対応しており、海外旅行の際などにはeSIMを追加すればすぐに回線を切り替えて利用することが可能です。
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arrowsらしいオリジナル機能も搭載。ホーム画面は通常のホーム画面の”arrowsホーム”とアイコンや文字を拡大して見やすくした”シンプルホーム”の2種類を搭載。電源ボタンの説明でも触れた、電源ボタンを上下になぞることで画面を自動でスクロールできる”Exlider”機能の設定も初期設定時に表示されました。
また、ちょっとおせっかいな機能も搭載しているのも印象的。節電の風潮に合わせて電力消費量の多い昼間の時間帯は充電せず、夜間帯にバッテリーを充電するようにする”電力オフピーク充電”機能も搭載。この機能では、昼間の時間帯に充電器に挿すと”電力オフピーク充電に協力するか?”とダイアログが出て、協力するとした場合には給電されないという実力行使を伴う機能。面白いですが、外出先に昼間でも充電したいときにちょっかいかけてくるのはちょっと…という気もしました。(OFFにすれば普通に充電されます)
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指紋認証についても電源ボタン内にセンサーを搭載しており、画面をONにしようとする際に軽く触れれば自動的に認証が完了して画面が表示される、スムーズな認証体験を実現しています。ここにもおもしろ機能が用意されており、各指に特定のアプリを登録しておいてその指で指紋認証を解除した際に自動でアプリを起動する、ということも可能。いつも使うアプリを登録しておくと便利かもしれません。
Snapdragon 7s Gen 2でそこそこ使える性能を実現。Antutuベンチマークでは60万点
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arrows We2 PlusはSoCにQualcommのSnapdragon 7s Gen2を搭載。Snapdragon 7+ Gen 3搭載機がすでに登場しているため、We2 Plus搭載の7s Gen2は一世代前のミドルハイというような位置づけです。ただ、実際に2週間ほどいろいろな場所に持ち運んで利用している分には、暑い日差しの下でも安定した動作になっており十分な性能を確保しているという印象でした。
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Antutuベンチマークでの結果は60万点。Snapdragon 888を採用したXiaomi 11T Proが74万点、MediaTek Dimensity 8200-Ultraを採用したXiaomi 13Tが89万点だったことを踏まえると、MediaTekの上位プロセッサーに比べても性能のスコアとしては低いというのが正直なところ。
CPUの性能が少し低くなるのは当然ですが、大きな違いでいえばGPUのスコアが低いところ。本機の購入層自体ゲーミング性能を特に求めるという人は多くないと思いますが、グラフィック性能を特に求めるようなゲーミングではパワー不足を感じることもあるかもしれません。
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ストレージテストの結果についても参考までに掲載。本機は256GBのストレージを搭載しており、高画質な動画や写真を大量に保存したとしても余裕の容量を実現していますが、その性能については十分なレベルかと。シーケンシャルリードで1004MB/s、シーケンシャルライトで837MB/sを確保しており、先日レビューしたASUS Zenfone 11 Ultraの3000MB/s超に比べれば見劣りするものの、日常的な利用では困ることはないはずです。
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arrows We2 Plusはおサイフケータイも搭載。今では移動においても、決済においても欠かすことのできないモバイルSuica/PASMOや楽天Edy、QUICPayなどを自由に利用が可能。個人的にはモバイルSuica原理主義者のため、日常的に利用するならおサイフケータイはマストです。
世界初の自立神経パワーを計測できる光学式脈拍センサーを搭載
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arrows We2 Plusでは世界で初めて「自立神経パワー」を測定する機能が搭載。仕組みとしては背面のカメラの下に搭載されている光学式脈拍センサーを利用して脈拍の状況から自立神経の健康度合い(自立神経の年齢)を示してくれるというもの。スマートウォッチによく搭載されている心拍数間隔指標を利用したストレス計測と近い機能と思われます。
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自立神経計測機能では、初回利用時に生年月日や身長、性別、体重と居住地(都道府県)を選択したら準備が完了。画面の「測定する」ボタンを押せば測定を開始することができます。測定モードは、「マイスタンダード測定」という起床後の数値を定点観測するものと、「スポット測定」のその名の通り自由なタイミングで計測する2種類が装備。マイスタンダード測定で日々の変化を捉える、というのがミソの様子です。
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計測中は脈拍の変化やセンサーから指が離れるのを防ぐため、スマートフォンを動かさずに会話などもしないように指示されます。測定中は計測している自身の脈拍の状況も表示されており、若干不思議な波があるのは気になりますが約1分間で計測が完了します。私は28歳の男性ですが、自律神経パワーは20歳以下という結果に。自律神経のバランスも自動的に表示してくれて、計測時点では交感神経が91%の割合を占めていて活発な状態なんだとか。22時に交感神経優位と言われてもという感じはしますが…
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この測定は何度も計測していくことで自動的に「マイスタンダード」を設定してくれ、この「マイスタンダード」との差についても取り上げてコメントをしてくれるようになります。様々な場面で何度も計測してみましたが、28歳の年齢に対してどの計測回でも自律神経パワーは実年齢よりも良い数値のようで一安心です。まぁ、実際のところこれでどうかと言われても分からなかったのですが。
センサーの小ささの限界は感じるものの、自然な色合いの5000万画素カメラ
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arrows We2 Plusはバックカメラに5010万画素のメインカメラと800万画素の超広角カメラを搭載。5010万画素のカメラにはOIS(光学手ブレ補正)とF値1.8の明るいレンズを採用。クアッドピクセル技術を採用したことで従来機種にくらべて光感度を4倍に高めたんだとか。
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晴天の状況やちょっと暗くなり始めた状況での作例は上のような感じ。明るすぎる場所や、最後の写真のように日差しが強い場所では若干白く飛んでしまう印象がありますが、全体的にバランスの取れた色、鮮やかさ、コントラスト感のある写真が撮影できている印象。HDRは自動でONになっていますが、強くかかりすぎて不自然な色合いになる、ということもない、そんな印象を受けました。
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夜景や暗い場所の撮影に関しては、正直なところそこまで得意ではないかなという印象。光学手ブレ補正(OIS)によって手ブレは避けることができているものの、若干色が薄くなってしまっていたり、細部がボケてしまっているような印象。もう少しここは色鮮やかになってくれたらベターだったかなと感じます。
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食事に関しては赤系の色を強調しすぎず自然な色合いで表現し、サラダやブロッコリーなどの緑色と暖色を自然に織り交ぜている十分美味しそうな写真が撮れている感じ。サクッと食事の様子を写真に撮ってそのままSNSにアップロードする、という使い方なら結構良さそう。シャッター音もかなり小さく、目立たなかったのも個人的には嬉しいポイントでした。
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800漫画その超広角カメラについては、正直なところミドルスペックのスマートフォンのカメラ、という言葉のままのクオリティでした。明るい場所で撮影すればそこそこですが、夜景などは色が潰れてしまうため、明るい場所で使える超広角カメラ、と思っておくと良さそうです。
設定メニューはシンプルにいろいろな機能を設定可能。便利に使えるジェスチャー機能が多め
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設定メニューの構成は、全体的に普通のAndroid端末と変わらないデザイン。中国系メーカーでよくあるような独自OS(カスタムUI)を採用しているわけでもなく、素のAndroidの設定項目に独自の機能の項目がたされている印象でした。レビュー時点でのAndroidバージョンは14、Androidセキュリティアップデートは2024年5月1日のものになっていました。前述のようにAndroid OSについては最大3回までのアップデートも謳っているのは(ちゃんと実現してくれれば)嬉しいところです。
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セットアップ画面の説明でも触れたように、本機は充電に関しても独得の制御ができるようになっているのも特徴。電力需要のピーク時間帯である昼間には充電器に接続しても充電しない「電力オフピーク充電」機能も備えます。また、電池自体の性能を長持ちさせる電池長持ち充電機能や、充電器に接続中は電池を充電せずに端末本体に直接電力供給をするダイレクト給電機能も備え、Qnovo社と共同開発した独自技術によって電池の劣化を抑えることで4年後でも初期容量の80%を維持できるようになっているんだとか。
ジェスチャーなども豊富な機能を用意しているのもポイント。縦長のコンテンツをスワイプしながら見る、という場合に便利なExlider機能や、片手モード、画面端からアプリなどのショートカットを呼び出せるスライドイン機能など、便利に使える機能を多く搭載しています。ナビゲーションバーについては3ボタン、ジェスチャーのどちらにも対応するため、好みの操作方法を踏襲して利用することが可能です。
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この他にもarrowsオリジナル機能を豊富に搭載。文字を全体的に大きくして、よりはっきり見やすくする「はっきり文字」機能も今後のスマートフォンには必要になってくるのかも。arrows We2 PlusにはSuper ATOK ULTIASも標準搭載しており、日本語に強みを持つと言われているATOKも利用が可能。ただ、GBoardに慣れ続けている身では、GBoardの方が直感的だったかなと思ってしまった点は否めませんでした。
使い勝手のための機能と、ほどよい性能を両立したやさしいスマートフォン
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今回レビューしたarrows We2 Plusは、正直なところを言えば突出してどこかの機能やスペックが優れている、という一芸に秀でたスマートフォンというよりかは、長く使い続けられるための便利な機能が詰まったスマートフォンという印象でした。自律神経パワーの計測機能という、なかなかない着眼点も”やさしい”部分なのかもと感じ、総じて優しい機能が多い、そんなスマートフォン。
arrows We2 PlusはSIMフリー版も販売中。SIMフリー版であれば59,950円と比較的手頃な価格設定になっているのも嬉しいところ。ゲーミングなどにこだわりなく、ほどよい性能で長く使えるスマートフォンを探しているという場合には選択肢に入れて良さそうな製品です。