
2026年もあっという間に3ヶ月が過ぎようとしていますが、中華タブレットおよびノートPCの界隈では、すでに看過できない重大な偽装・セキュリティ事件が複数発覚しています。当ブログでは、2021年に「CHUWI HiPad Pro」のスペック詐称について、実際に製品を購入して検証したこともあり、中華がジェットの詐欺事案の検証では元祖。あの時は、商品ページの記載と実態が異なるという手口でしたが、5年が経過した現在その偽装はさらに巧妙化し悪質さを増しているように感じます。
単なるスペック表の誇張にとどまらず、BIOSレベルでのCPU偽装や、TABWEEに見られるファームウェアを改ざんしたストレージ詐称、さらには出荷時からのマルウェア「Keenadu」の混入まで、従来のツールでは発見すら困難な事態に発展しています。本記事では、今年に入って目立ったこれら3つの悪意ある事例を整理し、手口がどう変化したのか、そして私たちが購入前後にどのように自衛していくべきかについて振り返ってみたいと思います。
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2021年CHUWI HiPad Pro事件、ChinaRが体験した偽装の原点

振り返りたいのが、2021年8月に当サイトが報じたCHUWI HiPad Proの件です。販売ページで「AmazonプライムビデオのフルHD再生対応」と謳いながら実際は非対応だったというもの。解像度も2,560×1,600から1,920×1,200にすり替え、画面に文字のにじみが発生するという三重苦な製品でした。
CHUWIに説明を求めると「HD再生は非対応」の一言のみ。1ヶ月後のメールは支離滅裂で、末尾に「台湾もすぐに取り戻されるだろう」という文言が記載される始末。AliExpressでは低評価レビューが集まった販売ページを閉鎖し新ページを作成する露骨な隠蔽工作。当時は商品ページと実製品の不一致レベルでしたが、非を認めず証拠を隠す企業体質はこの時点で明確。これ以降当ブログではCHUWI製品を一切紹介しないようにしていましたが、個人的にはこの判断は正しかったと思っています。
関連記事:【CHUWI HiPad Proレビュー】WideVine L1認証済みのCHUWI HiPad ProはAmazonプライムビデオのHD再生に非対応・台湾征服のCHUWIのコメントも
CHUWI CoreBook X/PlusのCPU偽装、BIOSレベル改ざんという新次元の手口

2026年3月、ドイツの専門メディアNotebookCheckがCHUWIのノートPC「CoreBook X」を分解検証したところ、宣伝されていたAMD Ryzen 5 7430U(Zen 3世代)ではなく、実際にはRyzen 5 5500U(Zen 2世代)が搭載されていることが判明。NotebookCheckの調査で、最終的にチップ刻印のOPN番号「100-000000375」が決定的な証拠となりました。
えぬえす工房の技術解析によると、AMDプロセッサのMSRを通じてCPU名を書き換える手法が使われており、あらゆるソフトウェアツールが偽の型番を返す状態だったとか。NotebookCheckは小売店からCoreBook Plusも追加購入し同じ手口を確認していますが、2機種連続という事実が組織的偽装を裏付ける形に。さらにComputerBaseの報道では別メーカーNinkearでも同様の偽装が発覚し、ODM企業Emdoor Digitalが汚染源として浮上しました。

CHUWIは3月24日に「生産上のミス」と声明を出しましたが、「新品同様の状態」での返品という厳しい条件付きで消費者に対しての誠実さは感じられないものでした。NotebookCheckへの記事削除要求と法的脅迫も報じられており不誠実な姿勢は何も変わっていない印象。AMDは「いかなる関与も黙認もしていない」と声明しておりCHUWI側のサプライチェーンに問題があったというのは確実なはず。5年前から変わらない「非を認めず法的圧力で黙らせる」という姿勢を感じさせられます。
関連記事:
- CPU fraud, next round: Chuwi CoreBook Plus also affected – NotebookCheck
- 噂のノートPCのBIOSを調べた – えぬえす工房
- CHUWIのCPU偽装、AMD『黙認も関与もしていない』と声明 – PC Watch
TABWEE T50のストレージ偽装、技適資料が証明した確信犯的不正

2026年1月、ガルマックスがBlackview傘下TABWEEの「T50」を検証し、128GB表記のストレージが実際には64GBしかないことを発見したのも記憶に新しいはずです。レビュー提供品で異変に気づき、自費購入品でも同一の結果を確認。メーカーに検証を依頼すると「時間の無駄」と一蹴されたとのこと。
その後メーカーが配信した「修正アップデート」は、表示数字を変えただけの偽装隠蔽アップデート。ガルマックス側ではさらに技適認証の申請資料を調査し、メーカーが国に提出した資料に64GBチップ「H9HP52ACPMAD」の写真が掲載されていることを確認していました。つまり、最初から64GBと知りながら128GBとして販売していたというわけ。実機分解でもチップ刻印を確認し偽装が確定しています。このチップはメモリ4GB仕様ですが、製品はメモリ6GBと広告表記しておりRAMにも虚偽があったというお粗末さ。

ガルマックスは再三にわたり説明と謝罪を求めましたが、TABWEEは最後まで非を認めず。2026年3月後半になって販売が終了したものの相当な台数が販売されていたと考えられ、被害はそれなりに大きかったはず。確信犯的な仕様なこともありこれも何故バレないと思ったのか….と思ってしまうものでした。
関連記事:TABWEE T50はストレージ偽装で確定。搭載チップは64GBのH9HP52ACPMAD – ガルマックス
マルウェアKeenadu、1万3000台超のタブレットに出荷時から仕込まれたバックドア

2026年2月17日、Kasperskyが公表したセキュリティレポートで、複数ブランドのAndroidタブレットにバックドア型マルウェア「Keenadu」がプレインストールされていることが明らかに。Kasperskyによると、Androidの親プロセスであるZygoteに入り込む仕組みで、全アプリのプロセス空間にアクセス可能という深刻なものでした。工場出荷状態にリセットしても消去されないもので、引っかかってしまった場合には消費者には為すすべがないというこれもまた深刻なもの。

Alldocube Japanは公式ブログで調査結果を公表し、iPlay 50 mini Pro等4機種の感染を確認、OTAアップデートでの修正を表明。HeadwolfもSNS公式アカウントで感染報告と修正対応を公表しています。Kasperskyの報告によると、Helio G99搭載のAndroid 13/14タブレットに集中しており、影響デバイスは推定1万3,700台以上。検出件数はロシアに次いで日本が多く、DOOGEE、Hitabt、さらにaiwa製品でも感染が報告されています。
関連記事:
- Keenadu the tablet conqueror and the links between major Android botnets – Kaspersky Securelist
- Kaspersky discovers Keenadu – Kaspersky公式プレスリリース
5年で進化した偽装技術、スペック表の嘘からファームウェア改ざんへ

2021年と2026年を比較すると変化は明らか。2021年のCHUWI HiPad Proは「使えば気づく」レベルの虚偽でした。しかし2026年の3事件はいずれもファームウェア最下層に手を加えています。CHUWIではBIOSレベルでCPU識別情報を改ざん、TABWEEではシステム層の容量表示を偽装、Keenaduは正規署名付きファームウェアに混入というワンランク上の領域になっており、もはや従来の検出手法が通用しない世界です。
問題の発生源もサプライチェーン上流に移行しています。CPU偽装ではODMのEmdoor Digitalが疑われ、Keenaduではボード製造元での混入が有力視。ブランド自体が被害者の可能性もありますが、TABWEEのように「技適資料で知っていて売った」ケースもあり、ブランド側の責任を一律に免じることはできないはず。CPUが単純に違って、Windows側で分かるならともかく偽装されていたらそれは故意なはずですからね。
購入前に確認できること、購入後に確認できること
当ブログも「ChinaR」という名前のように中華系のガジェットを紹介することをメインに行ってきたブログで、最近は少ないものの相当な数のタブレットやスマートフォンをレビューしてきました。レビューする際には長期的に利用してその性能や実生活での使い勝手を確認したり、ベンチマークのスコアも確認する、としています。ただ、正直私もこれらの3つの問題はレビューしても気付けないと思ってしまいました。
なので、極論を言えば購入前に確認しても、購入後に簡単に確認できる範囲で偽造に気づくのは無理だと思っています。中華ガジェットを購入するうえでリスクは背負いますが、偽造はただの詐欺ですからね。そこまで意識して購入しなければならないものではないはずです。赤札天国も真っ青の状況です。なので、購入する際には製品ページなどをPDFで保存するなどして、何かあったときにメーカー側の詐欺を証明できるようにする、くらいなのではないかと。
本気で検証するなら、購入後のストレージ検証は公称容量の70%超のファイルを実際に書き込む方法が有効。CPU検証はCPU-Z v2.19以降を使用し、特にL3キャッシュサイズに注目(7430Uは16MB、5500Uは8MB)。マルウェアチェックはAnti-virus Dr.Web Light(無料)が利用可能で、Helio G99搭載Android 13/14タブレットをお持ちの方はスキャンするのが有効と言われていますが、そんなことをしなければならないなら私はXiaomiやOPPOといった大手メーカー製を買います。
すべての中華ブランドが悪いわけではない、だからこそ偽装には毅然と向き合うべき

今回の記事で取り上げた3つの問題に関して、セキュリティ面に関しては百歩譲ってメーカーの故意ではないにせよ、残りの2つについては消費者を裏切る偽装行為であったことは間違いありません。ただ、すべての中華ブランドが偽装を行っているわけではないというのは心に留めておきたいところ。私は多くのメーカーの社員と中国・深圳を訪問してインタビューを実施してきましたが、どのメーカーの担当者も製品に対して自身を持っていました。
Keenadu事件でAlldocubeやHeadwolfが迅速に情報公開と修正対応を進めた姿勢は、5,6年前では考えづらかったようにも個人的には思いました。中華メーカーであっても一定の社会的な対応を日本向けにも出来るようになったのだと思っています。(完全なものだったかは微妙ではありますが)一方、非を認めず偽装品を売り続けるTABWEEや、5年前と同じ対応を繰り返すCHUWIが、誠実な中華ブランド全体の信頼を毀損しているのも事実。
CHUWIに関しては、当ブログでは2021年の事象以降一切レビュー記事をはじめとした宣伝記事を避けていましたが、同じように他のブログでも不正を行う企業に対しては毅然とした態度を取ることが重要かと。正直に商売をする人が、正直に商売をし続けられるようにするのは当事者であるメーカーはもちろんのこと、それを紹介する我々のようなブロガー、そして、商品を購入する消費者の3者で実現していくことだとも思います。
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