2024年は2月に春が来たと思ったら3月に猛烈な寒波がやってきて、全国で急に雪が降り出す不思議な天気でした。2023-2024シーズンにウインタースポーツを楽しもうとしていた方にとってはなかなか良い雪に巡り会えなかった不運なシーズンだったかと。そんな2023-2024シーズンでのレポートを各スキー場でご紹介。まずは手頃な価格のリフト券でも良質な雪と、滑り応えのあるコースの楽しめる北海道・歌志内市のかもい岳国際スキー場のレポートです。
かもい岳国際スキー場は新千歳空港から車で1時間半、道央自動車道砂川スマートICから約10分でアクセスできるアクセスしやすいスキー場。オリンピック選手も輩出したスキースクールも本拠地を置いており、東・西のゲレンデで最大滑走距離4,000mを誇る広大なスキー場です。ただ、現在は東ゲレンデのみが営業中で一時期に比べたら小規模に。それでも良質な雪と最大斜度31°のコースが魅力的なスキー場です。
第一リフトで一気に山頂へ。3つのロングコースを楽しめるゲレンデ構成が魅力
|
写真正面がトレーニングバーン、右側が第一ゲレンデ
|
2023-2024シーズンでは東側のゲレンデがオープン中。現状公開されているゲレンデマップgはかなり簡易なものになっており、あまり全容がつかめないデザインですが、大きく3つのコースで構成されています。マップ上左側の⑤が第2ゲレンデ、真ん中の④はトレーニングバーン、右側が第一ゲレンデという感じ。
第2ゲレンデは最大1,500m、第一ゲレンデも最大1,400mの滑走距離でどちらも平均斜度16~17°と中級者向け。真ん中のトレーニングバーンは平均斜度25°と急斜面になっていて訪問当日の午前中はジャイアントスラロームの練習のため貸し切りになっていました。
現在のかもい岳国際スキー場のリフトはトレーニングバーンの真ん中を突き進む第一リフト(1,002m)と第一ゲレンデの山麓から中腹までを結ぶ第二リフト(584m)の2本体制。第二リフトは時期によっては土日祝のみの運行となっています。また、過去にはトレーニングバーンの途中から山頂を結ぶTバーも運行されていましたが現在は廃止済み。
現在営業している東エリアの3コースは第一リフトで到着する山頂からすべてアクセスが可能。全長1,0002mのリフトに約7分ほど乗車すればあっという間に山頂で滑り応えのあるコースを楽しむことが出来ます。1リフトで1,500m滑走ができるのは、高速クアッドがないスキー場としては十分すぎるレベルです。
第一ゲレンデはリフトを降りて右側の斜面を滑った場所に位置。リフト降り場からずっと開けた視界が魅力的なコースで、多くのスキーヤー、ボーダーが滑走を楽しんでいるのもこのコース。山頂から急斜面を降りたあとはなだからかな中斜面をカーブを描きながら滑っていくのが特徴的。
途中から第二リフトの山頂も合流し、最後はなだらかな緩斜面が広がるコース。トレーニングバーンも合流しかなり横幅の広いコースになり、緩斜面もあってゆるやかなコースに思えますが滑ってみると意外とスピードが出るのも特徴的。
ただ、コースの構造上、スキーやボードでコースを削ってしまうため午後になるとコブが増えてコースが荒れてしまうのは残念。当日は途中で雪が降ったわけではないため最後になると滑っていると膝がかなり疲れる印象でした。
第一リフトの直下にあるのがトレーニングバーン。こちらもコース長は1,400mあり結構長め。滑り出しから旧Tバーの起点までは最大斜度30°の急斜面が続くコース。「トレーニングバーン」の名前の通りSAJ検定の練習に使われることが多いコースで、訪問当日も午前中はスキー連盟のテクニカル講習会のため貸し切りになっていました。
写真のように横幅は広いものの十分な斜度のあるコースで、上級者向きではありつつも中級者でも練習に最適なコース。またコース端にはスラロームコースも用意されており、急斜面での滑りを楽しむには最適なコースと言えるかと。
隠れた魅力が林間コースになっている第二ゲレンデ。1,500m駆け下りるのが楽しいコース
|
第二ゲレンデ入口は林間コースの様相
|
|
林間コース部分を抜けると中斜面が気持ちいロングコースに
|
|
第二ゲレンデ中腹より撮影
|
第一リフトを降りて左側に抜けるとアクセスできるのが第二ゲレンデ。スキーセンターからは見えづらい場所に位置しておりその規模感が分かりづらいコースですが、個人的にはこのコースが一番スキーを楽しんでいる感のあるコースでした。
コース入口の林間コースの様相を見せているエリアを抜けると、一気に中斜面のコースに。カーブを描きつつ第一リフトの乗り場に向けて滑り降りていけるロングコースを楽しめるゲレンデです。なぜかそこまで人気がないのか夕方になっても、コース終盤部も荒れていない滑りやすい雪の状態なのもスキーヤーには楽しめるかと。疾走感を楽しめるのが穴場の第二ゲレンデでした。
かつてのかもい岳国際スキー場には、さらに4コースを備えた西ゲレンデもあり、空知管内屈指の規模を誇る広大なスキー場でした。ただ、残念ながらこの西コースは現在のM・かもい岳に経営が移ってからは営業しておらず、アクセスはできません。このエリアもあれば丸一日飽きないレベルの超広大なスキー場になるため、ここは残念。滑り応えのあるコースの楽しめるかもい岳国際スキー場に皆さんが行くことできっと復活できるはず。
リフト券は1日券で3,400円。レンタルも1日5,000円の手軽さも魅力
東エリアの山麓部分には食堂、休憩所、リフト兼売り場、レンタルスキーショップを兼ねたゴールハウスが位置。入口の雰囲気からちょっと時代を感じる懐かしいデザインで個人的にはのんびりとした空気が流れていて好きな空気感でした。
もともと歌志内市の市営スキー場だったこともあり、リフト券の料金はかなりお手頃。大人の1日券で3,400円というのは破格の価格。なにせ富良野スキー場に足を伸ばせば1日券で7,000円ですからその価格の安さが分かるかと。
種類 |
大人 |
子ども |
シニア |
1日券 |
3,400円 |
2,300円 |
3,000円 |
10時間券 |
7,000円 |
4,500円 |
6,000円 |
4時間券 |
2,600円 |
1,800円 |
2,200円 |
1回券 |
350円 |
250円 |
350円 |
レンタル料金も手頃な価格設定で、なんとスキー3点セットで1日利用が5,000円。4時間利用なら3,500円で手ぶらスキーでも安心して利用できる価格設定になっています。かもい岳国際スキー場までのバスでのアクセスが壊滅的なところがあり、公共交通機関だけで来るというのはあまりないとは思いますが道外からの訪問時に手ぶらで問題ないわけです。
種類 |
大人 |
子ども |
スキー・ボード 3点セット |
5,000円 |
3,500円 |
スキー・ボード 3点セット 4時間 |
3,500円 |
2,500円 |
スキー・ボード板 |
3,000円 |
2,000円 |
ウェア上下 |
2,000円 |
1,500円 |
ブーツのみ |
2,000円 |
1,500円 |
ヘルメット |
1,500円 |
1,000円 |
小物単品 |
700円 |
700円 |
ソリ |
300円 |
300円 |
スキーセンター内のリフト券売り場のエリアは小ぶりでなかなかアットホームな感じ。スキー場からのお知らせや価格表などはホワイトボードに貼り付けられているという風情を感じるロビーが個人的には好きな雰囲気でした。ソリチューブのレンタルもしており、こちらは1日300円。コースの緩斜面をこれで滑るのも楽しそうで良さそうです。
ロッカースペースは休憩所兼食堂に設置。ロッカーは鍵がかかる有料のものと、ただの棚になっているオープンロッカースペースの両方が用意。貴重品を身に着けておけば、オープンロッカー部分に着替えなどを置いておけば良いので楽に準備をすることができます。
テーブルと椅子の数はかなり多く用意されており、お昼時であっても座席難民になることなく座って休憩することができます。食堂のメニューを食べている人もいれば、持参したお弁当を食べている人もいる緩やかな空気が良い休憩エリアでした。
食堂のメニューは上の感じ。一昔前はメニュー数が少ないという評判を見かけましたが、現在のM・かもい岳株式会社に経営が移ってからは食事メニューもかなり充実。定食だけでなくカレーやラーメン、そばにうどんも用意されゲレンデ飯を楽しめるようになっています。
写真の質が悪く恐縮ではありますが、今回はカツカレーをチョイス。ゲレンデ飯はラーメン派とカレー派に分かれると勝手に思っていますが、私自身は圧倒的にカレー派。
雫石スキー場のラーメンあねっこ以外では基本的にカレーをチョイスしています。カレー自体は具だくさんというわけではありませんが、意外と厚切りのカツがジューシーでスタミナ補給には十分なジューシーさでした。
この他この食堂兼休憩所スペースには飲み物の自動販売機と、お菓子の無人販売コーナーも。自販機は4台あるうちの1台は電子マネー対応、それ以外は現金のみ。お菓子の無人販売は自動販売機に金額のボタンをつけるというなかなか独特なスタイルに。こういうところはちょっとローカルな感じがして良いですね。
ゴールハウスはゲレンデとの連絡口が2階に、駐車場などとの連絡口が1階に位置しこのゴールハウスを通ることで外階段などを利用せずに駐車場や宿泊施設の「雲海の里かもい岳」にアクセスが可能。
雲海の里かもい岳には今回立ち寄っていませんが、2023-2024シーズンでは、うたしない泊って割を利用すると1泊2日、夕朝食付きで8,500円という破格の値段で宿泊が可能。天然温泉ではな薬湯ではありますが大浴場にフィンランドサウナもあり、スキーの疲れを癒やしてくれること間違いなしです。
滑り応えのあるコースを楽しめる穴場スキー場。足を伸ばしてみても楽しいかも。
今回訪ねたかもい岳国際スキー場は、今でこそ規模はそこまで大きくなく3ゲレンデの小ぶりなスキー場ですが、どのコースでも1,400~1,500mのロング滑走が可能、かつ、斜度のある滑り応えのあるコースのある楽しめるスキー場でした。スキーの滑走技術を向上させるトレーニングにも向いた文字通りの「トレーニングバーン」もありどんな方でも楽しめるスキー場。
リフト券の価格は圧倒的に安価な1日券で3,400円。レンタルセットも丸一日で5,000円と安価で手軽にスキーを楽しめるのも魅力的。今回は札幌市内から富良野スキー場に向かう途中で立ち寄ってみましたが、大満足できるスキー場でぜひ読者の皆さんも2024-2025シーズンは訪ねてみては。