国外に出ることができない今は、国内旅行を楽しむのが吉。ただ、大手を振って観光地に行くというのも難しいのが昨今の情勢。そんな時こそ、人里離れたリゾート地でゆっくり過ごすのが一番。そんなことを書き続けて、万座温泉を何度か当ブログでは取り上げましたが、万座はアクセスが鬼門。東京から気軽に行けて、自然を感じれる場所、ということで今回は伊豆へ。日本を代表するリゾートである川奈ホテルに行ってきました。
川奈ホテルは1936年にホテルオークラの創業者である大倉喜七郎男爵が建設したリゾートホテル。併設のゴルフコースの富士コースは世界でも有数のゴルフコースとして有名です。今では日本を代表するクラシックホテルの一つとして開業以来の姿を残しながら営業しています。今回は、土日を使って一泊二日をこの川奈ホテルで過ごす贅沢な週末を送ってみました。
東京駅から新型E257系踊り子に揺られて1時間半。あっという間に伊東へ
川奈ホテルへのアクセスの定番は自家用車。もともと、川奈ホテルは高級ホテルとして、伊豆急行線建設時にあえて駅を設置させずに自家用車で来るようにしたという逸話があるほどで、定番はこのルート。レンタカーで行くのも手でしたが、道中でもお酒を飲みたかったこともあり鉄道を選択。現在は、鉄道利用者のために伊東駅から無料シャトルバスも出ているため運転できない方でも問題ありません。
今回乗車したのは13時東京駅発の踊り子15号。15号は2021年3月のダイヤ改正で国鉄車である185系の踊り子が引退になるまでは、まだ珍しいE257系による運行。シャトルバスの時間と、快適さの両面からあえて本車両を選んでみました。
踊り子はJRの料金体系ではB特急。このため特急券はもともと安く、グリーン車にしたとしても乗車券と特急券などを合わせても5,700円ほど。意外とお得なのもポイントが高いわけ。ダイヤ改正後はトクだ値の設定もあるため、さらに低価格で乗車出来るようになります。
E257系のグリーン車は4号車。もともと運用されていた中央線時代は半室グリーンだったため、車両の真ん中にドアがあり、前側は種車時代からグリーン、後ろ側は踊り子改造時にグリーンになったもの。そのため、後ろ側は窓配置が座席と異なる席があり注意が必要です。
グリーン車内は暖色の間接照明が程よく車両全体を照らしており、海をイメージさせる青色の座席とマッチした形に。シートピッチはかなり広く取られており、リクライニングを深く倒してくつろぐことが可能です。
電源も改造時に新設され、窓側に一つずつ設置。一部のサイトでは改造品質がDIYレベルとの批判を受けたりしてはいる通り、随所に雑さを感じる場面はあるものの185系のボロと比べたら格段に客室のクオリティが上がっている印象でした。
あとは東京駅でお弁当とお酒を調達し、のんびり食べながら伊豆に向かって一直線で向かっていくだけ。このご時世なだけあり車内はかなり空いており、静寂で揺れの少ない車内でのんびり眠りにつくだけ。伊東までは約1時間半で、横浜をすぎれば熱海までは東海道本線をグイグイ進んで行き、目が覚めたら伊東線に入っていました。
列車は14時41分に伊東駅に定刻で到着。川奈ホテル行きのシャトルバスは駅前のニッポンレンタカーの駐車場から15時発なので駅のお土産屋を見て時間をつぶすとちょうど良いタイミングです。
広々とし開放感あふれるオーシャンビューが自慢の客室。新本館オーシャンビューエグゼクティブツイン
シャトルバスに揺られて約20分ほどで川奈ホテルに到着。時期が時期なこともあってバスは我々のみ。道路も空いていたためスムーズにホテルに到着しました。スーツケースなどはスタッフが持ってカートに乗せてくれました。
チェックインを済ませたら、早速部屋へ移動。今回は新本館の5階にあるオーシャンビューエグゼクティブツインを予約。40.5㎡という広い部屋で、ベッドも幅1.4mと大きくゆったりとした配置なのがグッド。
水回りは上のような感じ。洗面台は2つあるため2人で同時に利用可能。今は大浴場があるため使用頻度は低いものの、バスタブも広くゆったり浸かることができます。バストイレ別ですが、洗い場は別ではありません。
冷蔵庫の中を撮り忘れてしまいましたが、ミニバーや無料のコーヒーマシンも充実。マグカップに加えて、グラス、ワイングラスもあるため部屋でワインをのんびり飲むことも可能。今回は利用しませんでしたがルームサービスも充実しているため、部屋でディナーを楽しむこともできます。
今回は新本館の最上階の部屋になったため、目の前に相模灘と伊豆の島々が広がる景色を楽しむことができます。当日は特に雨が降っていたわけではありませんが、虹も出てなかなかな景色でした。
新本館の5階のエレベーターホールには、展望台への登り口があり、さらに高い展望台に登っていくことも可能。それなりに段数がある階段をゆっくり登っていくと展望台に。
正確な高さは不明ですが、7,8階相当くらいの高さから360度の絶景を楽しむ事が可能。当日は若干曇っていたことも会って、伊豆大島がぼやけてしまいましたが、海とゴルフコースの緑との両方を一望できます。
展望台には望遠鏡も備えられており、自由に利用可能。だいぶ時間が経っていることもあり、かなり力を入れないと上下に動かすことが困難でしたが、頑張れば結構楽しめます。
圧倒される建築美。館内を探検するだけで楽しめるのもなかなか。
川奈ホテルといえば、広いロビーを始めとする昭和レトロな建築が特徴。また、川奈ホテルのためにデザインされたフォントでの案内板も魅力的です。ホテル館内を探検するだけでも楽しめるのも川奈のポイントです。
フロントと第2ロビー。第2ロビーの窓は三枚折戸で建設当時は非常に珍しかったもの。奥にはグランドピアノもあり、フロントにお願いすれば弾くことも可能です。
メインロビーはまさにクラシックホテルという感じ。今回は時間がなく、ロビーでのんびりという時間はあまりありませんでしたが、ここでゆったり新聞を読むくらいの余裕を持っていきたいもの。なお、今回の訪問時は昼夜ともに暖炉に火は入っていないようでした。
相模湾側に張り出しているのはガラス張りのサンパーラー。2階部分にはオーケストラボックスが位置し、婚礼の際には利用されているんだとか。夜は景色は楽しめないものの、開放的な屋根とゆったりとしたチェアで過ごすのも良さそうです。
2階廊下を探検。夜は日が入らず、また人気も少ないため重厚なクラシックホテルの雰囲気を味わえます。第2ロビーの上の部分には、昔使われていた映写室も位置。第2ロビーでは、開業当初は映画の上映も行っていたんだとか。
2階にはライブラリーや、廊下には囲碁盤と将棋盤も設置。ライブラリー内の本を読んだり、囲碁・将棋を楽しむのも良さそう。部屋にいなくても館内を巡っているだけで圧倒言う間に時間が過ぎていきました。
相模灘を眺めながらのんびり1時間温泉に浸かる、プライベートバスもおすすめ
今回は併設の温泉施設、ブリサマリナのプライベートバスも利用。1時間5,500円で利用できるTSUKI(月)はリビングと露天風呂をのんびり楽しめるのが特徴。リビングには大型テレビと水、冷蔵庫もありお酒などを持ち込んで湯上がりに楽しむのも良さそう。
露天風呂は若干狭めで、海向きに入ると足を伸ばすと反対側に足がついてしまうレベルではあるものの、誰にも邪魔されずにゆっくり入ることが出来るのはなかなか。泉質はただの単純泉のため温泉に入っている感じはあまりないものの、宿泊する際にはぜひ使って欲しいものでした。
開業当初からの伝統を受け継ぐ、ディナーにランチはどれも美味
夕飯はメインダイニングで「川奈ディナー」をチョイス。詳しい味についてはあえて書きませんが、どれも美味。伊豆に位置するだけ会って、海の幸もうまく織り交ぜ、特別な時間を過ごすのにぴったりな食事でした。
朝食は川奈らしいオムレツをチョイス。メニュー自体は非常にシンプルですがこれもまた美味。オムレツには川奈ホテルのロゴマークが押されているのですが、若干薄めだったのが残念。
チェックアウトから13時のシャトルバスまでには時間があったので昼食はサンパーラーで軽めのランチにすることに。あいにくの雲天で青々とした海が映えるわけではありませんでしたが、サンパーラーの開放感はなかなかのもの。ゆったりとしたチェアに腰掛けて一休みできます。
私は、マリリン・モンローが新婚旅行で利用した際に注文したとされるメニューを再現したオムライスをチョイス。川奈ホテル特製のデミグラスソースとふわふわのオムライスが最高。思わず手が進んでしまうものでした。
同行者はフレンチトーストをチョイス。焼きたてのフレンチトーストは、卵がしみこんでふわふわになっていつつも、パンの食感をうまく残した仕上がりに。フレンチトーストというと、ホテルオークラのフレンチトーストが有名ですが、川奈のフレンチトーストは甘すぎず程よいバランス感が取れた味。アングレーズソースも美味でした。
東京から近い自然を楽しめるリゾートでリフレッシュ。週末は川奈で
東京駅を13時に出発してたどり着くリゾート、伊豆・川奈ホテル。ゆったりとした時間の流れる川奈で、景色も、ホテルの建築も、そして美食のすべてを満喫した週末でした。川奈といえばゴルフのイメージもありますが、ゴルフなしでも楽しめる川奈ホテルで贅沢なリゾートステイを楽しむのも良いかも。コロナ禍で疲れた毎日のリフレッシュにぜひ、川奈ホテルに足を運んでみてください。
また、川奈を訪れたらぜひ買ってほしいのがフルーツケーキ。ホテル内のベーカリーで昔ながらの製法で焼き上げられたケーキは、ドライフルーツがたっぷり入って自宅でのコーヒータイムにピッタリ。お土産としても喜ばれること間違いなしです。