秋の気配を感じる今日このごろ。夏の間にシェイプアップを、と、過去にはスマートウォッチなどをご紹介してきましたが、夏バテ気味だった私は夏の間に肥えてしまう結果に。涼しくなった秋こそランニングがはかどります。ランニング中のテンションを上げるのにぴったりなのが音楽。アップビートの曲などをペースに合わせて楽しめればノッていけるはず。
ランニング中に音楽を楽しむのに一番手軽なのがイヤホンを利用すること。ただ、ランナーしかイない道を走るならともかく車通りのある道を走る際には耳をふさいでしまって周りの様子が分からなくなるのは危険。なので、耳をふさがずに音楽を楽しめるオープンイヤー型のワイヤレスイヤホンがオススメです。
今回はオーディオメーカーの1MOREから登場したオープンイヤー型イヤホン、1MORE フィット SE オープンイヤーバッズ S50を紹介。オープンイヤー型の欠点として、どうしても音質がカナル型に比べて劣る点がありますが、1MORE S50は革新的なシリコン・サウンドループを搭載することで弱点を解消しカナル型に劣らない高音質さと、軽いつけ心地、環境音のリスニングを両立した製品です。
軽量ながら音質向上のための仕組みが盛りだくさんの画期的なデザイン
1MORE S50は1MOREから登場した初めてのオープンイヤー型イヤホン。パッケージデザインは先日レビューした5ドライバーの高級有線イヤホン、1MORE P50と同様の黒色、かつ、扉の中に本体のスケッチ風のイラストが書かれているタイプ。イヤホン本体は充電ケースの外に収納されていました。
同梱品は本体の他に充電器も兼ねたキャリングケース、キャリングポーチに説明書、USB Type-A to Cケーブル、交換用のシリコン・サウンドループが入っています。オープンイヤー型でありながら、耳の形状に合わせて交換できるサウンドループが付属しているのが不思議ですが、このサウンドモードが高音質の秘訣とも言えるものになっています。
外から見た際の1MORE S50の見た目は他のオープンイヤー型と変わらない印象。耳の外側に引っ掛けるバンド部分は細いシリコン製を採用しています。特徴的なのがドライバー周辺の構造。本気はDLC(ダイアモンド・ライク・カーボン)振動板を採用し、従来のワイヤレスイヤホンと比べて40%もパワーアップした音を実現したとのこと。
ドライバーの先に耳の耳孔の中に向けてシリコン製のサウンドループを搭載。見た目からも分かるようにこれで音が外に広がらないように指向性をつけて、音漏れを減らしつつ鮮明な音を実現するとか。ドライバーの反対側の外側にはタッチセンサーも搭載しています。
1MORE S50の充電ケースはシルバーの本体色と合わせたデザイン。中にイヤホン本体を並べて収納するようになっており、充電ケース自体は横幅は広いものの薄型になっています。オープンイヤー型は構造上充電ケースが大きくなりがちですが、このサイズ感なら持ち運ぶためにカバンに入れてもちょうど良さそうです。
充電ケース内にはペアリングモードに移行するためのボタンも搭載。基本的に一度ペアリングをしたら使うことは少ないはずではありますが、他のスマートフォンなどに接続したい際も簡単に設定できます。ケースの後ろ側には充電用のUSB Type-C端子を搭載しています。
イヤホン本体のバッテリー容量は60mAh。充電ケース側は500mAhと比較的大容量になっており、イヤホン単体では11時間、ケースに入れて充電しながらであれば38時間の音楽再生に対応。長時間外出する場合でも、長距離をランニングする際にずっと使っていてもバッテリーの心配がいらないのも特徴です。
本体の重量は左右合わせて17.7gと、シリコンバンドなどを装備して比較的大型なイヤホンでありながら軽量なのが特徴的。また、本体を入れた状態のケースで82.5gと100gを切る軽量さで、持ち運び時の負担を軽減します。
小ぶりな本体は装着感も予想以上の高さを実現。イヤホンから伸びるシリコンバンドは、耳の外側にぴったりと取り付けられるようになっており、高い装着感を実現。実際に耳に付けてみると、ランニングや筋トレで激しく動いたとしてもほぼ動くことなくつけ続けられました。
写真からも分かるように、イヤホンのドライバーの部分にシリコン製のサウンドループを搭載しており、これがちょうど耳の耳孔の上くらいに収まるような構造になっています。装着する前はこのループ部がランニング中などに耳にあたるのではないかと心配していましたが、絶妙な収まり方で不快感を感じることなく装着できました。
オープンイヤー型とは思えない解像度と、厚みのある低音を実現
1MORE S50を2週間ほどガッツリ利用してその音質や使い勝手を徹底的に検証。先に総括してしまうと、想像以上の音質で気軽にいつでもどこでも音楽を高音質で楽しめる、そんな画期的な製品でした。
スマートフォンなどの再生機器との接続性はかなり安定している印象。BluetoothのコーデックはAAC形式に対応しており、iPhoneを始めとするiOS系でも、Android系でも高音質なまま1MORE S50で音楽を再生することが可能です。
1MORE S50の設定などはスマートフォンアプリ「1MORE MUSIC」上で可能。他の1MOREのイヤホンと同じアプリ上で共通のUIで設定できるため、他のモデルを利用していた場合は使いやすいはず。アプリ上では、イヤホン本体のバッテリー残量と、ケース側の残量も確認できます。
アプリ上では本気のプリセットを変更することも可能。後述するように本機はオープンイヤー型とは思えない低音再生能力を確保していますが、その性能を最大限に発揮するならイコライザーで低音強調をONにしておくとベター。
1MORE製品のイコライザーは、他社製品のそれとは異なり無理やり音を作る不自然なものではなく、かなり自然に低音を持ち上げてくれる印象。私の場合は、低音強調のイコライザーを利用していますが、全部で12種類のスタジオレベルEQプリセットを用意しており、好みに応じて最適な音に変更できました。
アプリ上では実験的な機能についても設定が可能。通常はOFFになっている「2台接続可能」機能をONにすることで、同時に2台の機器と接続することができるもの。PCとスマートフォンに接続しておいて、通常時はスマートフォンで音楽を聞きつつ、必要に応じてPCでZoom会議をする、といった使い方も可能です。
1MOREの他のイヤホンでも以前から利用可能ではありましたが、スマートフォンと1MORE S50が接続した際にっポップアップでバッテリー残量などを表示する「ポップアップウインドウ」機能も利用可能です。
ファームウェア自体は一定の頻度で更新されているようで、日本での発売から間もないもののバージョン1.5.7が配信されていました。ファームウェアのアップデート自体はアプリから1プッシュで行うことが可能です。
1MORE S50の側面の「1MORE」のロゴの部分には、タッチ式のセンサーを内蔵。アプリからタップ時の挙動を自由に変更することが可能です。基本的にはダブルタップで再生/一時停止、3回タップで音声コントロール(Androidであれば通常Googleアシスタント)というふうに設定が可能です。
音質に関して、本機の活躍する場面からしてただ静かな場所で聞いた感想を書いても仕方がないと思うため、簡潔に。これまでも他のオープンイヤー型を利用しており、レビューで「オープンイヤー型としては驚きの低音」という表現をしていましたが、本機はその次元ではない高い音質を実現していました。
音の解像感と低域の表現に関しては、1MOREの他のイヤホン、例えば1MORE Aeroなどに匹敵する水準といったところ。静かな室内で使う分には、カナル型と遜色のない解像感から、音域の広さを感じます。ただ、オープンイヤー型の構造上、音場の表現力は低くのっぺりとしたサウンドにはなってしまう感じです。
音場表現はさておき、解像感と音域の広さ、バランスの取れた音を実現している最大の秘訣がすでに前述しているダイヤモンド・ライク・カーボン(DLC)ドライバーと、革新的な指向性サウンドループ。先日レビューした1MOREの高級有線イヤホン1MORE P50でも採用されているDLCドライバーから鳴る高解像度でパワフルな音を、耳孔の外に漏らさないようにシリコンループで確実に伝える、この2重の機構が高音質を実現していたのでした。
1MORE S50を一番多く活用する場面は、ランニングやジムでのトレーニングといった運動をするとき。ランニングであれば、周りの音のうるさい道路で利用する、ということも多いはず。実際に1週間以上本製品を付けながらランニングとジムで音楽を楽しんでみました。
ランニング中に感じるのが、他のオープンイヤー型に比べて周りの騒音が入ってくる度合いが少ないこと。すでに触れているシリコン製のサウンドループで再生している音楽が一直線に入ってきていることと、若干耳孔を塞いでいるような構図になっているからと言う感じ。このため、音楽にノッた状態でランニングを続けられた印象。
それでは周りの音が聴こえないのでは?と思っていしまいますが、会話だったり、注意を払うべき音(自転車の鈴など)は問題なく聞こえるのも特徴的かと。必要な音は聞こえるようにしつつ、騒音は減らして楽しめる、そんなイメージでした。そして、イヤホン本体が揺れないため装着感も良い、という感じ。
構造的にそもそも汗などが付着しづらいものの、ランニングのあとは汚れは気になるもの。本体はIPX7の防水性を備えており雨の中であろうと、汗をかこうと問題ありません。そして、使い終わったあとには水洗いしてしまえるため常に清潔に使えるのもポイントです。
個人的に意外と役に立ったのが電車の中。流石に通勤電車の中では騒音の度合いが大きいためいくらサウンドループがあったとしても音楽を楽しめるほどではない(車内アナウンスをちゃんと全部聞きたい場合はさておき)のですが、グリーン車や特急列車といった若干静かな場所では十分使える印象。
何度も登場しているサウンドループによって音漏れを最小限に抑えられることもあり、常識的な範囲であれば音量を上げたとしても問題なさそうな感じ。他のオープンイヤー型の場合、すぐに音漏れしてしまうことが多かったのですが、本機の場合は物理的に音漏れを抑える機構が幸いして利用場所を選ばずに使えそうです。
音質、音漏れのなさ、つけ心地とすべてが最高のオープンイヤー型
今回レビューした1MOREが初めて放つオープンイヤー型ワイヤレスイヤホン、1MORE フィット SE オープンイヤーバッズ S50。オープンイヤー型として当たり前のつけ心地の良さはもちろんのこと、革新的なサウンドループ機構やダイヤモンド・ライク・カーボン(DLC)ドライバーによる低音から高音までバランスよく鳴らし切る高い音質が魅力的な製品でした。
様々なタイプのオープンイヤー型を試してきましたが、今ではランニング中になくてはならないイヤホンに。音漏れ防止機構のおかげもあって、ランニング以外の場面でも活躍しており、使う場所を選ばずに使える最高のイヤホンです。クーポン利用で15,999円(記事執筆時点)で購入可能。ぜひ、1MORE
Fit S50をお試しいただければ。
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