ついに始まった10連休。初日の4月28日、29日は中野サンプラザにて春のヘッドフォン祭2019が開催中。展示の傾向としては、ワイヤレスを強化した系統と、20万円超の超高級イヤホン・ヘッドフォンといった2極化が進んだ印象。今回は前者のワイヤレスを強化したモデルから。先日発表会のレポートをお届けしたFiiO M11とHuaweiのBluetooth規格Huawei HWAをレポート。
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もはやスマホ。アナログ性能もワイヤレス性能も圧倒的FiiO M11
ヘッドフォン祭の会場で注目を集めていた機種といえば、先月本国で発表されたばかりのFiiO M11。AK4493をデュアルで搭載し完全バランス出力に対応したアナログ部と、LDAC、apt-X、apt-X HD、Huawei HWA、AirPlayといったあらゆるワイヤレス規格に対応した二刀流のモデル。ディスプレイは5.15インチにまで拡大し、もはやスマホレベルの大画面にりました。
まずは気になる音質から。会場ではM11の試聴待ちの列ができており、短時間に留めざるを得ませんでしたが(一部長居する馬鹿もいましたが)、一通りの音源は試聴。FiiO X5Ⅲと比べるとFiiO全体にある厚みのある音というよりは、よりソリッドになった印象。ただ、他のモデルと比べても傾向は同じで良くも悪くも、X5Ⅲから大きく違うという感動は覚えませんでした。もちろん、M6といった下位モデルや、スマホに比べれば格段にいいものの、同じ流れの中でブラッシュアップしたという感じ。
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デザインもチェック。5.15インチに大きくなったことで、本体はFiiO X5Ⅲなどから比べると薄く軽量に。基本的なデザインはFiiO X5ⅢやM7に共通するところがあり、その流れを継承。背面は光沢加工された黒で、側面にはボリュームキーとデュアルmicroSDスロットを搭載するなど基本はX5Ⅲと同じ感じ。目を引くのはディスプレイのベゼルの狭さ。かなり狭くなっているのも嬉しい点。
アナログ出力部はM11で更に進化。もともとX5Ⅲでは3.5mmステレオミニと2.5mmバランス出力に対応したものの、M11ではFiiOなどが提唱する4.4mmバランス出力端子も搭載。どんなケーブルであったとしても、基本的に変換アダプターなしで接続できるのは本機の強みです。
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M11ではAndroid 7.0を搭載。5.15インチの大画面も手伝い、ホーム画面や設定画面は通常のAndroidスマートフォンと区別がつかないレベルに。なお、Mシリーズではあるものの、M6やM7、M9のような専用ランチャーではなく、X5Ⅲ、X7と同じように通常のAndroidとして利用できる形。Google Playは利用できないものの、Pure APK経由でアプリをインストールして、動画の視聴やストリーミングサービスの利用も高音質で楽しめる。
タッチパネルの感度や、動作もSoCの変更で大幅に向上しており選曲の際もストレスフリー。一時期スマートフォン側から高音質に向けたアプローチをしていたモデル(ZTE AXON 7など)もありましたが、M11はDAPを極限までスマートフォンに近づけたモデルかも。先日のCP+レポートでご紹介したYONGNUO YN450もカメラをスマホに近づけていたのは記憶に新しいかも。
FiiO M11は日本国内でも利用できるよう、すでに技適等の認証も取得済み。日本国内での販売価格は5万円を切れるように調整中とのこと。発売時期も「5月中には出せたら」と価格も発売時期も攻めてきており注目です。
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この他、先日のFiiOの本国の発表会で登場していたヘッドホンアンプQ5sとM5も参考展示。こちらについては、諸般の事情により実機を触ることはできず。価格、発売時期ともに未定のため、ひとまずはM11が注目といった感じ。
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音の出口までをトータルサポート、それがHuawei HWA
今回ヘッドフォン祭に初出展したHuaweiのブースでは、5月発売予定のHuaweiの新型BluetoothイヤホンFreeLaceと、最新スマートフォンHuawei P30が展示。どちらもHuaweiが提唱するLHDCコーデックを利用したBluetoothオーディオエコシステム、Huawei HWAに対応したモデル。当ブログでもHWAの送受信に対応したものとしてFiiO M6やFiiO BTR3をレビューしていますが、本家からようやく対応モデルが登場する感じ。
Huawei HWAの認証基準(公式ページより) |
まず当ブログでしっかり紹介できなかったHuawei HWAについて今回おさらい。Huawei HWAは単なるBluetoothコーデックではなく、デジタル部とアナログ部の両方に基準と互換性の確保を設けた「エコシステム」といえる規格。このため、LHDCコーデックを利用した最大24bit/96KHzの転送だけでなく、DAC部のTHD+NとSNRについても最低限の性能の基準が設けられているのがポイント。
伝送のコーデック部であるLHDCもLDACなどよりも一工夫。聴覚心理モデルにより音源を可逆と非可逆部分に分けて転送し、帯域を節約し安定性を高めながら高音質伝送を確保しているとか。MQAも同様の考え方ではあったものの下火で、LHDCはその点でも注目できるかも。
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スマホにつなぐだけでペアリングも充電も。Huawei FreeLace
FreeLaceを抜くだけでペアリングが完了 |
今回展示されていたFreeLaceはイヤホンとしての品質は正直微妙。Huawei HWAの音質自体を評価するならばFiiO BTR3のレビューをご覧いただくべきかと。FreeLaceの面白い点は、そのユーザビリティ。真ん中のリモコン部を開けるとUSB Type-C端子が登場し、Huawei P30に接続するだけで充電とペアリングが完了。Bluetoothに詳しくない層でも簡単に使えるというところが、Huaweiからの新提案という感じ。
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FreeLaceと同時発売のHuawei P30もお披露目
完全にやらかしではあるものの、今回(誤って)国内未発表のHuawei P30も展示。P30 Proを持ってきてなかったのが唯一の救いというミスですが、せっかくなのでチェック。P30はHuaweiから新登場予定の4000万画素背面トリプルカメラを搭載したモデル。6.1インチの1080*2340のディスプレイに8GB RAM、Kirin 980の最新機種。
クアトロカメラ搭載のP30 Proで話題が持ちきりではあるものの、P30に関しては国内SIMフリー版の噂もあるなど注目のモデル。本来であれば発表会前ではあるものの、展示してしまっている以上触るしかありません。本体は165gと普通の重さではあるものの、水滴型の前面カメラ採用でほぼ画面だけになったおかげもあってスタイリッシュに。
OS部にはAndroid 9.0をベースにしたEMUI 9.1を採用。今回持ってきてしまったのはグローバルモデルではあるものの、完全に日本語化されておりそのまま使えるレベルに。今回はFeliCa搭載はなさそうという下馬評もあるため、対応バンドの広い国際版でも困らなさそうです。
注目なのはやっぱりカメラ。P30 Proのハイブリッド方式での10倍ズームには及ばないものの、3倍までの光学ズームに対応。残念ながらヘッドフォン祭の限られた会場で撮影に留まったものの、暗い会場でも非常に明るく撮れるのはさすがといった感じ。廉価モデルとなるP30にも個人的には注目したいところ。
今回Huaweiブースで展示していたFreeLaceとP30はどちらも5月下旬同時発売予定。値段に関してはFreeLaceは約1万円ほどになるとか。P30については部門が違うためわからないとのこと。ただ、どちらにせよ気になるモデルであることには間違いありません。ちなみに、P30はGearBestにてグローバル版が729ドルとすでに値下げ中。気になる方はひと足早くポチるのもありかもしれません。
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