11月2,3日の2日間中野サンプラザで開催された秋のヘッドフォン祭2019。最終日の午後に私も訪問しいくつかブースを回ってきました。今年のヘッドフォン祭りは11月9日にHead-Fi主催のCanJam上海を控えていることもあり世界初公開という製品はそんなに多くない印象。また、ここ数年通っている中では明らかに各フロアの人が少なく、ヘッドフォン祭の今後が不安になるものでした。
本記事はここ最近FiiOの輸入代理店になったことで一気に攻勢をかける㈱エミライのブースから。今回はFiiOの最新モデルM11 Proやクラウドファンディングを実施していたNoble Audio Falconを展示。両機種とも系統は全く違うものの高音質を欲するニーズに確かに応えた機種でした。
【秋のヘッドフォン祭2019】デジタル時代は完全ワイヤレス×ノイズキャンセリング。世界初オープン型でアクティブノイズキャンセリング搭載のHUAWEIブースと七福神商事ブースレポート
【FiiO M11,Q5S,FH7,BTR5】FiiOの春の新商品発表会開催!フラグシップモデルが一挙登場し、今年のFiiOも見逃せません!
【春のヘッドフォン祭2019】快適動作のFiiO M11にHuawei P30、Huawei FreeLaceも国内初展示!デジタル時代の最新DAPやワイヤレスを体感レポート
アンプ性能を大幅にアップデート。サウンドは「リッチ」に
まずはFiiOから登場している最新フラグシップモデル、FiiO M11 Pro。前モデルであるM11からDACとアンプ部を変更したモデル。DACはAK4493×2からAK4497×2に、アンプ部はFiiO X7向けのアンプモジュールAM3Dでも採用となったTHX-AAA回路を採用したTHX AAA-78。これで、FiiOのフラグシップとしての地位を確立したと言ってもいいモデル。X7 MK2と同レベルのアンプ性能をようやく実現しました。
【春のヘッドフォン祭2019】快適動作のFiiO M11にHuawei P30、Huawei FreeLaceも国内初展示!デジタル時代の最新DAPやワイヤレスを体感レポート
今回はバランス接続を利用したLZ A4を使って試聴。M11との比較試聴をせず、直前まで試していた私のFiiO X5 3rdとの比較になってしまいますが、一聴して感じたのが「リッチ」な音という印象。解像度と音場が広いことで、音の情報量が多いという意味の「リッチ」。そして、パワーのあるアンプ部によるイヤホンを鳴らしきっているという意味の「リッチ」その両方を感じさせられました。無印M11では、X5 3rdからの進化はそこまで感じませんでしたが、M11 Proは間違いなく進化を感じる音。これは惚れます。
操作性もM11と同様にスマートフォンレベルの高速さを実現。PCMでは384KHz/32bitまで、DSDネイティブ再生は11.2Mhzまで、さらにMQA形式もフルデコーダー機能を搭載。出力は3.5mmシングルに、2.5mm/4.4mmバランス出力と向かうところ敵なしな拡張性です。
ただ、M11、M11 Proともに思うのが本体の大きさ。5.15インチのHDディスプレイで大画面を使って映像作品も楽しめるというのは素晴らしいものの、わざわざDAPでそこまでできる必要があるのかといと疑問符がつくのも事実。大画面のスマートフォンやタブレットからLDAC接続のFiiO BTR3を使ったり、USB Type-C接続型のアンプを使ったほうが満足度は高そうですしね。
【LZ A4レビュー】付け替え可能なノズルとカバーで18種類の音質を持つイヤホン、LZ A4フォトレビュー!
【FiiO BTR3】ポータブルオーディオのオールラウンダー。高音質規格LDACにも対応したBluetoothアンプFiiO BTR3レビュー
【FiiO X5Ⅲ】FiiO M11登場の今だからこそ振り返る名機。精細なディテールも伝えきる実力とFiiO Linkのスマートフォン連携を両立したFiiO X5Ⅲ再レビュー
この他には1.54インチの小型ディスプレイを搭載したDAP、FiiO M5も展示。M5自体は日本でも発売しており、わずか15,000円弱という価格ながらLDACの送受信にも対応したモデル。真の意味でのポータブルなモデル。DACにAK4377を採用したBluetoothレシーバーのBTR 5は参考展示のみでした。
【FiiO M11,Q5S,FH7,BTR5】FiiOの春の新商品発表会開催!フラグシップモデルが一挙登場し、今年のFiiOも見逃せません!
これがハイエンドメーカーの完全ワイヤレス。Noble Audio Falcon
エミライのブースでもう一つ気になったのが、先日までクラウドファンディングを実施していたNoble AudioのFalcon。ユニバーサルIEMを多く手掛ける当社から満を持して登場したのが本モデル。Dual-layered Carbon Driver(D.L.C. Driver)を採用し、歪みの低減と高域表現のアップデートを実現。Qualcomm製SoCにより左右イヤホンそれぞれにデータ伝送を行うTWS+への対応など、音質、ワイヤレス面の両方を高めたモデルです。
今回はワイヤレス性能の高いFiiO M6を接続して試聴。Falconはapt-Xまでの対応のためLDACは利用できないものの、十分な音質は確保できます。M6はTWS+には非対応なためその恩恵は得られないものの、混み合った会場内でも特に音の途切れなどは感じませんでした。また、独特の長いノズルとePro audio製「Horn-Shaped Tips」を採用したイヤーピースで程よい装着感と遮音性の高さを実現しているのもグッド。
音質は完全ワイヤレスイヤホンから聞いているとは思えないほどのバランスの取れた音。解像度はもちろんapt-Xの限界はあるものの、ダイナミックドライバーらしい厚みのある低音で芯のあるサウンドを実現。ワイヤレスイヤホンにありがちなスカスカな音とは真反対の音で舌を巻きました。この音なら長時間聞き続けていてもまったく苦にならない感じ。思わずポチってしまうクオリティです。これが、ハイエンドメーカーが放つ完全ワイヤレスイヤホンなのかと納得させられます。
【秋のヘッドフォン祭2019】デジタル時代は完全ワイヤレス×ノイズキャンセリング。世界初オープン型でアクティブノイズキャンセリング搭載のHUAWEIブースと七福神商事ブースレポート
【FiiO M6】LDACも、高音質も、もっと小さくていい。超コンパクトでも音質に妥協しないFiiO M6レビュー
【春のヘッドフォン祭2019】快適動作のFiiO M11にHuawei P30、Huawei FreeLaceも国内初展示!デジタル時代の最新DAPやワイヤレスを体感レポート
【春のヘッドフォン祭2019】20万超えでも納得のサウンド。FIDUE ArtemisとSimphonio VR1の2台高級イヤホンをチェック