先週の土日に開催されたポタフェス2017冬。当ブログでは、FiiOブースに関してのみ先にレポートをお届けしていました。ただ、他のブースに関してのレポートは遅れ気味。今回は、そんなポタフェス2017冬の残りのレポートを一気にお送りいたします。
ポタフェスで試聴した商品では、すでに一昨日のガジェ獣でSONYのワイヤレスヘッドホンWH-1000XM2を「来年欲しいもの」としてご紹介済み。そのSONYを含め、ワイヤレス分野でも魅力的な製品が多く出展されていたのが、今回のポタフェスでは印象的でした。
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SONYから本気のワイヤレスヘッドホン・イヤホンが登場
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WH-1000XM2 |
ハウジングの側面部がタッチパッドになっており、曲送りや音量調整なども本体のみで完結する利便性の高さを備えます。スマートフォンとの接続も、反対側のハウジング部にNFCを搭載し、一発でOK。ガジェッターにとっても満足できる機能を搭載しています。
肝心の音質は、SONYのMDR-1R系から引き継いだ低音の厚い音作り。Bluetooth(apt-X)で試聴しているとは思えないレベルの解像度の高さを実現し、圧巻の音でした。個人的には若干低音過多な印象も受けましたが、柔らかいサウンドで聴き疲れせず長時間の移動時などには良い感じの印象。
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WI-1000X |
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ノイズキャンセリングのモードはヘッドバンド部で切替可能 |
WH-1000XM2と同様、強力なアクティブノイズキャンセリングを搭載。時と場合によって、外音取り込みのできるアンビエンドサウンドモードを搭載するなど、利便性も向上したモデル。イヤホン部は、9mmのダイナミックドライバーとBAドライバーのハイブリット構成。サウンドも、WH-1000XM2と同様、低音強めの解像度の高いサウンドで気に入りました。
Qualcommブースではapt-X HDの実演を実施
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Qualcommブース |
SONYブースでは、apt-X HDやLDACに対応したワイヤレスヘッドホン・ヘッドセットの驚きのクオリティに感嘆し、音楽の無線伝送への期待も高まりました。今回のポタフェスでは、その規格策定側であるQualcommも出展。Qualcommが開発し、AOSPへデコーダが提供されているapt-X HDの実演がなされていました。
Qualcomm apt-X HDは、Android 8.0から
AOSPに標準搭載されたBluetoothオーディオコーデック。
最大48Khz/24bitでの伝送を実現し、高音質再生を実現したコーデック。(LDACは96Khz/24bit)。
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OnePlus 5では、詳細設定からapt-X HDを選択可能 |
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Huawei Mate 9(Oreo)では開発者オプションにapt-X HDが登場(選択不可) |
今回はNexus 6からapt-X HDで伝送しCSR8675評価ボードから試聴。そもそも楽曲自体が各楽器の音を明瞭にするミキシングのため、他の音源での評価が難しいところですが無線から聴いているとは思えない解像度を実現。無線伝送の技術の向上に驚かされました。
今回展示のなされていたQualcomm apt-X HDも、SONYのLDACもAndroid OSの次期バージョン(8.0 Oreo)から標準搭載が決定。スマートフォンに関しては前述の通り対応機種が出始めるなど、だんだんと拡充してきました。
まだまだオーディオ側のDAPでもAKシリーズに採用が留まったり、ヘッドフォンではSONY製品の一部に採用が限られるなど対応機種が少ないのが玉に瑕。ただ、ワイヤレス接続の利便性と、CDのビットレートを超える高音質を実現したサウンドを両立したapt-X HDにはオーディオファンとしては期待したいところでした。
12月16日発売ののOPUS#1Sも試聴
OPUSブランドのThe BITからは、秋のヘッドフォン祭りで急遽展示し、12月16日に発売となったOPUS#1Sも展示。CS43198をデュアル構成で搭載し、DSDネイティブ再生にも対応した最新DAP。2.5mmバランス出力にも対応しており、今回はバランス接続で試聴。
肝心のサウンドは、全体的に解像度の高い上品な音作りでした。低域に軸をおいたしっとりとした厚みのあるサウンド。前回の秋のヘッドフォン祭りに登場していたCayin N5 MK2とは毛色の違う音作りでした。ボーカルの表現は秀逸で、程よくバランスをとった印象を受けています。
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背面は鏡面仕上げ |
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上部に3.5mmステレオミニプラグと2.5mmバランス出力を搭載 |
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右側面には再生/一時停止キー、先送り、曲戻しキーを搭載 |
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下部にはmicroUSB端子を搭載 |
デザインは、OPUS#1から基本的に踏襲。角のエッジ加工が独特の仕上がりで、鏡面仕上げの背面と合わせて高級感のあるデザインに仕上がっています。ボリュームに関しては、FiiO X5 3rdのようなボリュームノブ式ではなく、ボタン式。個人的にはノブが付いていたほうが操作しやすいため、そこは今後に期待したいところ。
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楽曲選択画面 |
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OSにはAndroid 5.1.1を採用 |
OSにはAndroid 5.1.1を採用。ガッツリカスタマイズが入っており、楽曲再生アプリ以外のアプリの利用は実質不可。また、WiFi・Bluetoothを搭載しておらず、ストリーミング配信やワイヤレスヘッドホン類は使用できません。
UIに関しては、音楽再生に特化している感は抜群。デザインもこっており、再生画面のUIはお気に入りです。ただし、デザイン性を高めすぎた反面、画面切り替えや楽曲選択に関しては若干慣れないと扱いづらい印象を受けたのは残念。もう少し万人受けしやすいデザインを志向してもバチは当たらないはずです。
ポータブルでの再生環境の未来を感じる回でもありました
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ポタフェスの初日(16日)は爽やかな晴れの日だった |
今回のポタフェスで印象的だったのは、Qualcommが出展しapt-X HDの実演を行っていたことや、SONYのワイヤレスヘッドホン全開のブースといったオーディオのワイヤレス化。ポタフェスは、その名の通り「ポータブル」に特化したイベントということもあり、ガツガツのオーディオだけでなく、高音質のまま利便性も向上させることを目標にした製品を多く見かけました。