2019年12月28日、中国ではFiiOの新製品発表会が開催。2019年の最後の最後にフラグシップモデルFiiO M15を発表。この記事の執筆時点でも発表会は続いていますが、本記事ではその中でも一番の目玉でもある、最新DAP・FiiO M15を緊急でご紹介。今年2019年はFiiO M11とM11 Proが登場し、名機とも呼ばれたFiiO X5 3rdを超える音質を実現しましたが、満を持して最新DAPが登場です。
速報:FiiO M15について、HIFIGOにて販売を開始し、1,399ドルで購入可能となりました。なお、HIFIGOでは2020年1月6日頃に入荷し、旧正月前に日本にも届く予定とのこと。世界で最初にFiiO M15を手に入れることができます。
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持ちやすく、統一された、どこから見ても美しいデザイン
今回満を持して発表されるのは、この2019年の締めくくりに相応しい最新旗艦モデルであるM15。先駆的なオーディオプレーヤーとしても、USB DACとしても、Bluetoothアンプとしても旗艦モデルとなるのがこのM15。
FiiO M15はM11と同様に3.5mmステレオミニプラグ、4.4mmバランスプラグ、2.5mmバランスプラグの3種類の出力に対応。加えてボリュームノブも丸形と丸が多いデザイン。本体も統一感をもたせて丸くし、持ちやすくそして美しいデザインを実現。
ディスプレイは5.15インチの1440×720(HD)ディスプレイで、どこから見ても美しい仕上がりに。外部接続端子はUSB Type-Cを採用し、双方向通信に対応。microSDスロットももちろん搭載しており、最大2TBまでのマウントに対応します。
オーディオ用のBluetoothチップを採用。デジタル処理能力は抜群に
FiiO M15ではSoCにExynos 7872を採用。M11シリーズと同じSoCで、スマートフォンではMeizu M6に搭載。SoCの性能としてはSnapdragon 625レベルの性能で、ミドルレンジレベル。ただ、DAPに搭載するSoCとしては十二分な性能を実現しています。
3GB RAMに64GB内蔵ストレージ、さらにmicroSDを利用することで容量は2TBまで拡張可能。どれだけ大量の音楽を入れても全く問題ありません。
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最近のFiiOの方針はアナログでの音声の伝送のハイエンド化は当たり前として、無線のオーディオの高音質化も推進。廉価な価格帯のDAP・FiiO M6シリーズでもLDACに対応しているように、ワイヤレス・オーディオでFiiOの右に出るメーカーはいません。私も毎日FiiO M6とSONY WH-1000XM2でLDACオーディオを楽しんでますしね。
FiiO M15はBluetoothレシーバー部にQualcommの専用チップであるCSR8675を採用。SONYのWH-1000XM3も採用しているチップを搭載したことで、aptX HDもLDACの受信にも対応するように。M15はBluetoothのトランスミッターとしても、レシーバーとしてもどちらでもフルスペックで対応する製品です。(トランスミッターの性能はM11と同様)
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最近はFiiOからはFiiOのサブブランドであるJadeAudioからapt-X対応の完全ワイヤレスイヤホンEW1が登場していたり、ノイズキャンセリングヘッドホンFiiO EH3 NCを登場したりとワイヤレス機器は更に充実。まだ両機種とも試せていないものの、高音質コーデックへの対応を果たした2モデルはかなり気になるところ。
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DACにはAK4499をデュアルで採用。DSD512(22.6Mhz)再生に対応
旗艦モデルとしての矜持はDAC部にも妥協がないことからも伺えます。DACに音楽をデータを渡す部分もM11のオンボードからXMOSの専用チップ、XMOS XUF208に変更。ネイティブ再生できるフォーマットはPCMで768Khz/32bit、DSDではDSD512(22.6MHz)まで対応に。レイテンシーも20msまで短くすることに成功しました。
さらにクロック部も専用の日本電波工業製の水晶発振器を2種類搭載。SoCのクロックの乱れから独立させたクロックの採用でさらなる高音質化を志向しています。
DAPの心臓部とも言えるDACには旭化成製AK4499をデュアルで搭載。AK4499は同社の開発するDACの中では最高のスペックを誇る製品で、据え置き機器にも多く採用が進み始めている製品。S/Nは137dB、THD+Nは-124dBという圧倒的なスペックを実現。(S/N比は旭化成の発表は140dB)
なんと、今回のFiiO M15の開発にあたってはFiiOのメンバーが旭化成の本社に訪問し、回路構成などで最適化を図るべく共同開発を行ったとか。
アンプ部の性能も極限まで高めているのがFiiO M15のポイント。完全なバランス構成を実現するためアンプ部は4チャンネル構成に。電力供給システムも洗練し多チャンネル化。出力は32Ωで800mW、300Ωでも280mAを実現し高抵抗のヘッドフォン接続時でも十分すぎるパワーを実現。
オペアンプは10個搭載。RHD+NはFiiOのDAPの中でも最も低い0.0004%を実現。ノイズも極限まで抑えたことで、高出力ながら低ノイズな環境を実現しています。
そんな非常に強力な出力を支えるのが大容量バッテリー。大容量バッテリーをウリにするUMIDIGI Power 3が霞んで見える7490mAhという超大容量のバッテリーを搭載。スタンバイは1800時間という桁違いの時間に、連続再生時間も15時間と長時間を実現。
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安全で、そして快適に使えるソフトウェアを実現
ソフトウェア部や、ハードウェアでも使いやすいような改善点が数多くあるのもM15のポイント。M15で採用された大型のボリュームノブの誤操作による事故を防ぐため、ボリュームノブ部には機械的なホールドスイッチを搭載。さらにソフトウェア上でもボリュームをアップする際に警告を表示したりと工夫をこらしています。
再生する音源をすべてDSDにアップコンバートするAll to DSD機能も第2世代に。第2世代ではDSD2.8Mへのアップコンバートを行えるようになり、さらにリッチな音楽再生を実現します。
FiiO M15は通常のDAPとしての利用はもちろん、USB DACとしても、Bluetoothレシーバーとしても利用可能。その切替も設定画面から一発でできるように工夫。FiiO X5 3rdなどに搭載していたAndroidモード/Pure Musicモードの切り替えにも対応し、FiiO Musicのみを起動し他のアプリを停止させることも可能。
MQAからDSD、ISOまですべての再生に対応
対応する音楽形式はFLAC、DSDはもちろん、ISO形式のファイルにも対応。さらにMQAのデコードにも対応し、現在流通している音楽形式のほとんどに対応。何も考えず音楽を放り込めば再生できるのがポイント。
FiiO M6やX5 3rdでも対応しているFiiO LinkにもM15は対応。Android/iOSのデバイスからM15で再生する楽曲を選択して再生可能に。FiiO Linkの接続性もどんどん改善されており、FiiO M6で利用する際にはSONY WH-1000XM2を接続した状態でスマートフォンからもBluetoothで接続しても操作できるレベルに。FiiO Linkは有線時にも無線時でも意外と便利なわけ。
またDLNAにAirPlay、Wi-Fi経由での音楽再生に対応(受信も対応)しているため、FiiO M15があればそれだけで音楽の入り口と出口になってしまうのもポイントです。
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驚きの体験を手の中に、FiiO M15は1299ドルで登場
ここまでご紹介したFiiO M15。まずはシステムとオーディオのスペックを確認。DAC部はAK4499EQをデュアルで搭載し、DSD512(22.6MHz)のネイティブ再生に対応する製品でした。ディスプレイは5.15インチの1440×720(HD)で、10点タッチに対応。重量は310gとかなり重めではあるものの、2段重ねに比べたら遥かに軽量。バッテリーは7490mAhでQuickChargeとPumpExpressに対応します。
オーディオ出力部は32Ωのバランス出力で最大800mWと超高出力。製品としてのSNRは122dBで、ノイズはPOで<2.1μV、バランスで<4μV。THD+Nは<0.00101%と圧倒的に低い歪み率を実現したのもポイント。
その他のセールスポイントは上の通り。ここまでくると「僕が考えた最強のDAP」のレベルに達している印象。これまでのDAPは音楽を再生できればよかったわけですが、M15では他の機器に転送する出口としても、他の機器からの音楽を有線でも無線でも受け取り、自慢のDAC部とアンプを通して高音質なアナログ出力を行うゲートウェイとしても有能に。FiiOがここ最近進めてきたワイヤレスとアナログの融合の一つの答えとも言える製品です。
FiiO M15は1299ドルでの販売を予定。中国では本日12月28日の20時から予約を開始。他の国と地域での発売開始時期は不明ですが、次の春のヘッドフォン祭りでは実機をエミライが持ってきてくれることを信じて今回のM15の速報記事を締めくくりたいと思います。にしても、ここまで来て1299ドル、かなり安い印象もあって気になります。
速報:FiiO M15について、HIFIGOにて販売を開始し、1,399ドルで購入可能となりました。なお、HIFIGOでは2020年1月6日頃に入荷し、旧正月前に日本にも届く予定とのこと。世界で最初にFiiO M15を手に入れることができます。
FiiO M15のスペック
- SoC:Samsung Exynos 7872
- DAC:旭化成 AK4499EQ×2
- アンプ:PA2211*2+OPA1622*4+OPA1612*4,FPGA: A3P030
- ネイティブ再生:PCM 768KHz/32bit・DSD 312(22.6MHz)
- ディスプレイ:5.15インチ 1400×720
- 寸法:134mm×75mm×18mm
- 重量:310g
- バッテリー:7490mAh・15時間連続再生
- 音声出力1:490mA(32Ω)
- 音声出力2:80mW(32Ω)
- 音声出力3:800mW(32Ωバランス)
- 音声出力4:280mW(32Ω)
- 周波数特性:20Hz~90Hz
- 全高調波歪+ノイズ:<0.00101%(1kHz/10KΩ)
- SN比 ≥122dB (A-weighted)
- ノイズ <2.1μV(A-weighted);<4μV(A-weighted・バランス)
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