【Xiaomi 18 Fold】5.38型と7.58型を内外とも約√2:1でそろえた新形態ミドルフォールドが中国で9月10日発売。240億トランジスタの自社製Xring O3とCXMT製LPDDR6、2億画素ライカ3眼・6000mAh・219g・10.68mmで10,999元(約25.5万円)から

2026年9月7日から9日にかけての3日間は、折りたたみスマートフォンが立て続けに動きました。7日の夜にHuawei(華為)がKirin 9050 Proを積んだ三つ折りのMate XT2を19,999元から24,999元で発表し、同じ日の19時にはXiaomiが北京で秋のフラッグシップ発表会を開催。そして9日にはAppleが初の折りたたみ機となるiPhone Duoを披露し、中国では15,999元からという価格を提示しました。
その真ん中に出てきたのが、Xiaomiが「中折叠」、日本語で言えばミドルフォールドと名付けた新しい形の1台です。閉じると5.38型、開くと7.58型。内側と外側のどちらの画面も約√2:1という紙と同じ比率でそろえ、自社設計のプロセッサーであるXring O3(玄戒O3)をXiaomiのナンバーシリーズとして初めて搭載したモデルです。重量219g、閉じた状態の厚さ10.68mm、12GB+256GB構成が10,999元(日本円:約25.5万円)からという値段で登場です。
この10,999元は、4月に発売したHuawei Pura X Maxの最小構成とぴったり同じ金額。ここではXiaomi 18 Foldのスペックを整理したうえで、ミドルフォールドという形が何を狙ったのか、Xring O3と中国製メモリが示すもの、そして発表会の時間の大半を占めたSUV4車種までを順に見ていきます。
Xiaomi 18 Foldの主要スペック

| 項目 | スペック |
|---|---|
| モデル名 | Xiaomi 18 Fold(中国名:小米18 Fold) |
| OS | Xiaomi HyperOS 4(澎湃OS 4) |
| SoC | Xring O3(玄戒O3)・TSMC 3nmプロセス・チップ面積133mm² |
| CPU構成 | 10コアすべて大型コア・最大4.35GHz |
| GPU | 16コア G2-Ultra NX |
| トランジスタ数 | 240億 |
| NPU | 4コア 玄戒NPU(大規模言語モデル向けのネイティブ設計) |
| 端末内AI | Xiaomi MiMo・AIアシスタントのスーパーシャオアイ2.0 |
| メモリ | 12GB/16GB LPDDR5X(16GB+1TB版のみLPDDR6・供給はCXMTまたはSK hynix) |
| ストレージ | 256GB/512GB/1TB(UFS 4.1) |
| 外側ディスプレイ | 5.38型・1,712×1,168・最大120Hz・タッチサンプリング最大300Hz・ベゼル1.23mm |
| 内側ディスプレイ | 7.58型・2,364×1,672・最大120Hz・タッチサンプリング最大240Hz・Pol-less・低反射ARフィルム |
| 画面比率 | 内外とも約√2:1(約1.414:1) |
| 画面技術 | スーパーピクセル(全RGB配列)・ピーク輝度4,000nit・最低輝度1nit・P3色域・全輝度DC調光・Dolby Vision・HDR10+・HDR Vivid |
| カバーガラス | 外側・背面ともXiaomi ドラゴンクリスタルガラス3.0 / 内側 2層UTG(表層50μm+内層30μm) |
| ヒンジ | 新世代ドラゴンボーンヒンジ(3段リンク構造) |
| アウトカメラ | 2億画素メイン(1/1.56型・f/1.7・23mm相当・1G+6P・光学式手ブレ補正)+5,000万画素ペリスコープ望遠(f/2.8・3.5倍光学ズーム/7倍光学品質ズーム・光学式手ブレ補正)+5,000万画素超広角(f/2.4) |
| レンズ表記 | LEICA VARIO-SUMMILUX 1:1.7-2.8/17-80 ASPH. |
| バッテリー | 6,000mAh(標準値)/ 5,875mAh(最小値) 金沙江バッテリー(並列デュアルセル・シリコン含有量20%・エネルギー密度920Wh/L) |
| 充電 | 67W有線 / 50Wワイヤレス(PD3.0・PD2.0・PPS 50W対応) |
| サイズ | 長さ117.8mm・幅163.8mm(展開)/ 83.6mm(折りたたみ)・厚さ5.02mm(展開)/ 10.68mm(折りたたみ) |
| 中枠 | 航空宇宙級7系アルミ合金(降伏強度550MPa) |
| 折り目 | 平均深度30μm未満 |
| 防塵防水 | IP58 / IP59(IP58は水深1.5mで最長30分) |
| 放熱 | 3D立体環状冷却ポンプ |
| 通信 | Xiaomi 星辰通信システム(独立通信チップ)・Wi-Fi 7・Bluetooth 6.0・UWB・多機能NFC・USB 3.2 Gen2 |
| インカメラ | 1,600万画素(f/2.2・画角90°) |
| 動画撮影 | 8K/24fps・4K/30・60fps・1080p/30・60fps |
| 生体認証 | 側面指紋センサー |
| 同梱品 | 電源アダプター・USB Type-Cケーブル・保護ケース・画面保護フィルム(貼付済)・SIMピン・説明書 |
| 重量 | 219g |
| カラー | 西野紅(レッド)/ ブラック / 暖金白(ホワイト)/ セラミック特別版 |
| 発売日 | 2026年9月10日10時(中国) |
MIX Fold 4から2年ぶりの折りたたみスマートフォンが、ナンバーシリーズを名乗って登場

Xiaomiの折りたたみスマートフォンは、これまでMIXという実験的なブランドの下にありました。直近の大型折りたたみは2024年7月のMIX Fold 4で、当時のSoCはSnapdragon 8 Gen 3。2026年に入ってからMIX Fold 5の噂が流れたものの、実際に店頭へ並ぶことはなく、次の折りたたみは数字シリーズの名前を背負って出てきました。折りたたみスマホがXiaomiでもメインストリームになってきたというわけです。
もう一つ注目したいのがSoC。中国国内向けのXiaomi 17シリーズ(2025年9月発表)はSnapdragon 8 Elite Gen 5を積んでおり、数字シリーズはこれまで他社製のハイエンドSoCを使ってきました。Xring O3を載せた18 Foldは、数字シリーズで初めて自社チップを積んだフラッグシップにあたります。折りたたみという最も難易度の高い筐体を、自社チップのお披露目の舞台に選んだわけです。

日本での動きにも触れておきます。当サイトが2026年5月に取材したXiaomi 17T Pro / 17Tの発表会で、シャオミ・ジャパンのプロダクトプランニング本部長の安達晃彦氏は、中国向けとグローバル向けのラインナップ整理を進める過渡期にあると説明していました。実際、中国で売る17無印は日本に来ず、日本へ入ったのはグローバル版として整理されたTシリーズのほう。17T Proは119,800円から、FeliCa対応で6月4日発売でした。中国で出たナンバーシリーズがそのまま日本に上陸するとは限らないのも事実のため、本モデルが日本上陸するかは未知数です。
発表の翌日には販売状況についての情報も展開。Xiaomiグループ上級副社長で中国区総裁の王暁雁氏がまとめたデータとして、CMOの許斐氏が9月8日に「初回販売は前世代の大型折りたたみ(MIX fold 4)比で310%増」と投稿していました。Xiaomi公式ストアの在庫表示では16GB+1TB版が一時的に売り切れ、1,500台限定のセラミック特別版は数分でなくなったと中国メディアが伝えています。
内側も外側も約√2:1という紙と同じ比率でそろえたミドルフォールドという新形態

ミドルフォールドという形は、縦に半分へ折るクラムシェル型と、本のように開く大型折りたたみのちょうど中間にあたるデザイン。閉じたときの5.38型は、片手で握れる小さめのスマートフォンとほぼ同じ大きさ。開いたときの7.58型は、大型折りたたみスマホに比べるとひとまわり小さいものの、8インチタブレットレベルの大きさを実現しています。持ち運びやすさと画面の広さのどちらを取るかという二択に、Xiaomiは第3の答えとして今回のミドルフォールドという形で応えてくれました。

閉じた状態の使い勝手にも配慮しているのもポイントです。公式資料では、5.38型の外側画面のうち片手で親指が届く範囲を図示し、閉じたまま日常の操作を完結できる点を強調。クラムシェル型の外側画面は通知の確認どまりになりがちですが、こちらは通常のスマートフォンと同じ感覚でアプリを触れる大きさ。開かずに済む場面が多いほど、折りたたみの面倒くささは減ります。

形そのものより踏み込んでいるのが、内側と外側の画面比率です。Xiaomiは両方を約√2:1、つまり約1.414:1にそろえました。A4やA3といったA判用紙と同じ比率で、半分に折っても同じ形になるようになっています。閉じた5.38型と開いた7.58型でレイアウトの骨格、アスペクト比が変わらないので、外側で読んでいた文書をそのまま開いて大きくする、という動きに無理がありません。PDFや電子書籍を扱う時間が長い人ほど使い勝手の良いデザインと言えそうです。

発表会で見せた具体例のひとつが、縦型ショート動画を表示した時の様子。9:16の動画が画面に占める割合は、18 Foldの外側画面で78.8%。従来の大型折りたたみは62.5%にとどまり、細長い外側画面では上下に大きな余白が出てしまうことに。SNSのタイムラインや縦動画を外側で見る時間が長い人なら、この差はそのまま使い勝手の差になります。

開いた状態であれば、3つのウィンドウを並べる分割表示に対応。約√2:1の内側画面を縦に3分割すると、それぞれのウィンドウがふつうの板状スマートフォンとほぼ同じ2:1に落ち着きます。地図と口コミと計画表を並べて旅程を組む、といった作業ができるわけで、Xiaomiは「スマホ3台を横に並べて使うのと同じ」と説明していました。比率をそろえた設計のおまけではなく、ここまで含めて狙いだったのかと思います。

分割はさらに上があります。Xiaomi HyperOS 4は最大6分割まで対応し、3本指の横スワイプでアプリ間を切り替えられるほか、その上にフローティングウィンドウを重ねることもできます。6分割ともなると1画面あたりはかなり細くなりますが、参照しながら作業する用途なら成立する範囲。AIアシスタントの「スーパーシャオアイ 灵感球」と組み合わせて、話しかけるだけでレイアウトを組み替える操作にも対応します。

画面そのものの中身も見ておきます。内外どちらもスーパーピクセルと呼ぶ全RGB配列のパネルで、ピーク輝度は4,000nit、リフレッシュレートはLTPOの1〜120Hz可変。外側は1,712×1,168でベゼルが1.23mm、内側は2,364×1,672で偏光板を省いたPol-less構造に低反射のARフィルムを重ねます。Dolby VisionとHDR10+の両方に対応する点も、動画を大画面で楽しむ際にも妥協のないクオリティを実現しています。

比率の考え方は各社で分かれます。2026年7月に発表したSamsungのGalaxy Z Fold8はカバー画面が10:16、メイン画面が4:3という組み合わせで、パスポート型と呼ばれる閉じたときの握りやすさを優先しました。4月発売のHuawei Pura X Maxは7.7型の内側画面を横長に開くワイド型で、また別の比率を選んでいます。
9日に発表されたAppleのiPhone Duoも、この議論に加わりました。外側5.4型・内側7.6型という画面サイズは、18 Foldの5.38型・7.58型とほとんど変わりません。折りたたみの第一歩としてどのサイズが妥当かという問いに、XiaomiとAppleが2日違いでほぼ同じ答えを出した格好です。ただしiPhone Duoは開くとiPadのようなレイアウトになるブック型で、内外の比率をそろえる考え方は取っていません。
当サイトが5月にメーカーよりお借りして約1週間使ったOPPO Find N6は、さらに違う答えを出していました。カバー画面は6.6型の約19.5:9でふつうのスマートフォンとほぼ同じ形、内側は8.1型で2,480×2,248とほぼ正方形。内外の比率をそろえるどころか、外はスマホ・内はタブレットと役割をはっきり分ける設計です。折りたたんでいるときはスマホ、開けばタブレットという二段構えが自然に成立していました。
閉じたときの持ちやすさ、開いたときの広さ、外から内へ移ったときの連続性。そのどちらを優先するかで比率が決まります。Xiaomi 18 Foldの「内外をそろえて連続性を取る」と、OPPO Find N6の「内外で役割を分ける」はちょうど反対の発想。318,000円のFind N6と10,999元の18 Foldでは価格帯も違いますが、折りたたみというカテゴリがまだ形を探している最中だというのは、この2台を並べるとよく分かります。
Xring O3と業界初のLPDDR6を1台にまとめたXiaomiの自社技術

Xring O3は、Xiaomiが8月24日に発表したAIフラッグシップ向けSoC。製造はTSMCの3nmプロセスで、トランジスタ数は240億、チップ面積は133mm²。CPUは10コアすべてを大型コアで構成し、最高クロックは4.35GHz。GPUは16コアのG2-Ultra NX、NPUは大規模言語モデルを動かす前提で設計した4コアの玄戒NPUです。メモリ規格のLPDDR6へ業界で初めて対応した点も、このチップの特徴といえます。

前世代のXring O1との差もアピール。CPUのマルチコア性能が52%向上し、中低負荷時の消費電力は25%減少。GPUは性能が84%伸びて消費電力が64%下がり、前世代と比較してkousuijunn世代交代としては大きめの数字が並びます。NPUではXiaomi MiMoの端末内モデルのDecode速度が45%向上。メモリはLPDDR6の10667がLPDDR5Xの9600に対して48%広い帯域を確保しました。

放熱には3D立体環状冷却ポンプという仕組みを入れました。微細な毛細管の自流チャネルで発熱源を広く覆い、熱を循環させる構造です。折りたたみは板状のスマートフォンより内部の空間が限られるぶん熱がこもりやすいので、ここに手を入れた意味は小さくありません。Xiaomiが示したゲーム時の実測値は、60fpsを維持したまま本体温度41.8℃というものでした。
Xiaomi 18 FoldはこのXring O3をはじめとしてXiaomiの自社技術3つを1台にまとめた最初の製品です。Xring O3、ゼロから組み直したXiaomi HyperOS 4(澎湃OS 4)、そして端末内で動く大規模言語モデルのXiaomi MiMo。前世代のXring O1は2025年5月のXiaomi 15S Proでデビューし、O1を積んだ端末の累計出荷は100万台を超えたとXiaomiは説明しています。Xringシリーズは登場から1年半でついにXiaomiのフラグシップモデルに搭載する信頼性と性能を実現しました。
メモリも新しい世代に入りました。16GB+1TB構成だけはLPDDR6を積み、フラッグシップスマートフォンがこの規格を量産で積んだ例としては世界初になります。供給元は中国のCXMT(長鑫存儲)とSK hynixの2社。下位の3構成はLPDDR5Xのままです。12GB+256GBならHuawei Pura X Maxと同じ10,999元なのに最上位だけ1,000元高く、その差はこのメモリから来ています。
発表会では、来年の商用化を予定する2つのチップも見せました。ひとつはAIアクセラレータのXring O100。6nmの3Dウエハー積層で1.22TB/sの帯域を狙います。もうひとつは自動運転向けのXring D100で、20コアCPUと16コアNPUを載せました。Xiaomiがコア技術に投じた金額は5年で累計1,055億元。うちチップ開発には210億元を使い、10年500億元という計画の途中にいます。スマートフォンからタブレット、そして車まで、同じ設計思想でつなぐつもりです。
2億画素ライカ3眼と6,000mAhバッテリーを219gに収めたカメラと電源まわり

カメラはライカとの共同開発による3眼構成です。メインは1/1.56型センサーの2億画素で、35mm判換算23mm相当のf/1.7。望遠は5,000万画素のペリスコープで3.5倍の光学ズームと7倍の光学品質ズームに対応し、そこへ5,000万画素f/2.4の超広角が加わります。背面の刻印はLEICA VARIO-SUMMILUX 1:1.7-2.8/17-80 ASPHと3本のレンズが受け持つ焦点距離とF値の幅をまとめて記載しています。

レンズ自体にもこだわりが詰まっています。メインカメラは非球面の高透過レンズを使った1G+6P構成で、レンズの縁に墨を塗る処理とスピンコート製法のIRフィルターを組み合わせました。狙いは逆光時のフレアとゴーストの抑制です。折りたたみは筐体の薄さの制約からカメラ部分に無理が出やすいのですが、そこへSummiluxの名前を出せる明るさのレンズを収めてきました。

望遠側の見どころは画角です。メインが23mm相当なので、その3.5倍にあたるペリスコープは80mm相当。人物撮影で定番とされる焦点距離にちょうど重なります。被写体から離れた位置に立てるので、相手に構えさせずに撮りやすい。折りたたみは筐体の厚みに余裕がなく、望遠を省く機種が少なくありません。Galaxy Z Fold8は広角と超広角の5,000万画素2眼、9日に発表されたApple iPhone Duoも4,800万画素の広角と超広角という2眼で、どちらも望遠を持たない構成です。焦点距離の幅では18 Foldに分があります。
折りたたみならではの撮影機能も搭載。外側と内側の画面で同時に撮る2画面同時撮影のほか、閉じたままメインカメラで撮影して、開いてすぐ大きな画面で確認するという流れに対応します。被写体側にも画面を向けられるので、撮られる人が構図を見ながらポーズを決められる。折りたたみの構造をカメラの操作画面に素直に持ち込みました。3.5倍のペリスコープ望遠を積む折りたたみは少なく、Galaxy Z Fold8が広角と超広角の5,000万画素2眼で望遠を持たないことを考えると、焦点距離の幅では18 Foldに分があります。

バッテリーは6,000mAhの金沙江バッテリー。2層のセルを積み重ねる構造で、シリコン含有量は20%、エネルギー密度は920Wh/Lに達します。充電は67Wの有線と50Wのワイヤレス。折りたたみでこの容量を積みながら、閉じた厚さ10.68mm、開いた状態で5.02mm、重量219gに収めた点が、この製品でいちばん手間のかかった部分かと思います。
折り目の平均深度30μm未満とIP58・IP59を両立させた折りたたみの弱点対策

折りたたみを敬遠する理由は、だいたい3つに絞られます。画面の真ん中に残る折り目、ヒンジの耐久性、そして水濡れへの不安です。18 Foldはこの3つすべてに数字を出してきました。厚さ10.68mm・219gという携帯性を落とさないまま、どこまで手を打てたのか。ここは折りたたみを初めて買う人ほど気になる部分だと思います。

ヒンジは新世代のドラゴンボーンヒンジに変わりました。3段のリンク構造で、開いたときは画面を平らに支え、閉じたときは画面を収める空間を大きく取ります。折りたたみのヒンジは、平らさを取ると畳んだときに画面が窮屈になり、余裕を取ると開いたときにたわむという二律背反を抱えがちです。段数を増やして両方を成立させにきた設計と読めます。

内側の画面は2層のUTGガラスです。表層を50μmまで厚くして前世代比178%の強度を確保し、その下に30μmの硬質支持層を重ねて耐衝撃性をさらに29%上乗せしました。両者の間には延展性が剛性材料の6倍という有機系の柔軟な絶縁材料を挟みます。この構成によって、折り目の平均深度は30μm未満まで浅くなったとXiaomiは説明しています。

落下への強さは、検証の物量で示しました。10,437種類の落下角度をシミュレーションし、双眼3D DICという手法でマイクロ秒単位の変形を捉え、そこから492項目の設計改良につなげたという流れです。結果として先端がぶつかったときの衝撃耐性が258%向上、鋼球を落とす試験の耐えられる高さが214%向上、本体の落下試験は1.2mをクリアしました。中枠には降伏強度550MPaの航空宇宙級7系アルミ合金を使い、外側と背面にはドラゴンクリスタルガラス3.0を回しています。

防水はIP58とIP59の両方に対応します。IP59は高温高圧の噴流水に耐える等級で、折りたたみとしては手厚い部類。ヒンジという可動部を抱えながらここまで持ってきたのは、素直に評価できる点です。突然の雨やうっかりした水こぼし程度なら気にせず使えるという話で、折りたたみの弱点として語られてきた項目がひとつ減りました。
2時間半の発表会のうち1時間半を車に。Xiaomiの人・家・車エコシステムもチェック

通信まわりにも、この製品の立ち位置がよく出ています。折りたたみ向けに新しいアンテナ構造を組み、独立した通信チップを別に積んで、セルラー・Wi-Fi・Bluetooth・測位、そしてUWBまでを1台でさばく構成です。UWBは空間を認識して相対距離を正確に測る技術で、Xiaomi・XPeng・Audiの一部車種でデジタルキーとして使えます。XiaomiのYU7と新型SU7なら、近づくだけでトランクが開きます。

約2時間30分の発表会のうち、およそ1時間30分を占めたのはスマートフォンではなく車でした。雷軍氏が壇上で紹介した自動車部門の累計納車台数は80万台超。約29か月でこの台数まで到達しており、中国の新興EVメーカーとして最速だとXiaomiは主張しています。18 Foldはこの日の主役というより、「人・家・車エコシステム」の中核として置かれた1台でした。
正式発売となったのが、Xiaomiの自動車部門にとって第2のシリーズにあたるSkyNomad(澎程)です。初のレンジエクステンダー式SUVで、7月30日に予約を始めていた2車種は予約価格から2万〜3万元の値下げに踏み切りました。9月7日22時の発売開始から4分で、キャンセル不可の確定注文が1万台を超えたとXiaomiは発表しています。
| 車種 | 価格 | 座席 | EVモード航続 | 総合航続 |
|---|---|---|---|---|
| SkyNomad N70 Pro(澎程N70 Pro) | 20.99万元 | 5人乗り | 351km | 1,351km |
| SkyNomad N70 Max(澎程N70 Max) | 23.99万元 | 5人乗り | 505km | 1,461km |
| SkyNomad N90 Max(澎程N90 Max) | 26.99万元 | 7人乗り | 464km | 1,705km |
| SkyNomad N90 Max 探索版(澎程N90 Max 探索版) | 29.99万元 | 5人乗り | 464km | 1,705km |
同じ日にはXiaomi Pad 9 Pro Maxも発売しました。13.3型3.4K・144Hzで比率はノートPCと同じ3:2、Xring O3を積んで4,799元から。厚さ5.67mm・約650gの筐体に12,000mAhのバッテリーと120W充電を収め、背面の大型放熱板と組み合わせたAnTuTuスコアは561万点だとXiaomiは説明しています。目を引くのは映像入力に対応した点で、PCやゲーム機をつないで最大3.4K/120Hzの外部モニターとして使えます。WPS for Padや動画編集アプリのPC版もそろえ、タブレットの立ち位置をノートPC寄りへ引っ張る構成です。
当サイトでは2025年9月に深圳のXiaomi自動車フラッグシップストアでYU7の試乗レポートを掲載。当時のYU7は標準グレードが253,500元、Maxが329,900元というEVで、店舗そのものが人・家・車エコシステムをひとつの空間で体験させる作りになっていました。SU7からYU7、そしてレンジエクステンダーのSkyNomadへ。車のラインナップが広がるほど、スマートフォンに載る自社チップの意味も重くなっていきます。
【Xiaomi YU7】深圳で体感したL2+自動運転のスムーズさと690PSの加速力、760km航続のEV SUV、Xiaomi YU7試乗レポート
10,999元から手が届くXiaomi 18 Fold
| 構成 | 価格 |
|---|---|
| 12GB+256GB | 10,999元 |
| 12GB+512GB | 11,999元 |
| 16GB+512GB | 12,999元 |
| 16GB(LPDDR6)+1TB | 14,999元 |
| セラミック特別版 16GB+1TB | 15,999元(世界1,500台限定) |
予約の受け付けは発表会当日の9月7日夜から始まり、正式な販売開始は9月10日10時。取り扱いはXiaomi公式ストアをはじめとする中国国内の各チャネルです。初回購入の特典として、2枚の画面の修理をカバーする保証サービスの1年分などが付きます。窒化ケイ素セラミックを使った特別版は16GB+1TB構成のみで、世界1,500台の限定販売です。
日本円に置き換えると、10,999元は約25万5,000円(1元=約23.2円換算)。日本で買える折りたたみと並べるなら、8月7日発売のSamsung Galaxy Z Fold8が256GBで269,880円(税込)、上位のGalaxy Z Fold8 Ultraが296,780円という水準です。中国国内価格と日本の税込実売価格を単純に比べられるわけではありませんが、18 Foldがフラッグシップ折りたたみのなかでは手の届く側にいるのは確かです。
同じ中国市場での比較なら、9日発表のApple iPhone Duoが分かりやすい物差しになります。国行価格は256GBが15,999元、512GBが17,999元、1TBが21,499元、最上位の2TBが26,499元。予約開始は10月16日20時、発売は10月23日です。18 Foldの最小構成との差は5,000元。Xiaomiが1,500台限定で用意したセラミック特別版と、iPhone Duoの最小構成がちょうど同じ15,999元に並びます。
海外へ持ち出す前提の作りにもなっています。グローバルローミングは210以上の国と地域、520以上の通信事業者に対応し、空港や国境、大型施設のネットワークを重点的に最適化したと説明します。「全球上網」という公式のローミングアプリも用意し、SIMを差し替えずに10GBの体験データを使える仕組みです。ただし現時点でこれらは中国国内向けの案内である点には注意が要ります。
文書を読む時間が長い人に向く紙と同じ比率のミドルフォールド

折りたたみを買う理由は、これまで「大きな画面が欲しい」か「小さく畳みたい」のどちらかに寄っていました。Xiaomi 18 Foldが持ち込んだのは、内側と外側の画面を約√2:1でそろえるという別の軸です。閉じた5.38型で縦動画を見て、開いた7.58型でPDFを開き、必要なら3つのウィンドウを並べる。文書やWebを読む時間が長い人ほど、この比率の恩恵を受けやすい1台です。
同時にこれは、XiaomiがXring O3・Xiaomi HyperOS 4・Xiaomi MiMoという自社技術3つを初めて1台にまとめ、業界初のLPDDR6まで載せた製品。10,999元という値段は、19,999元からのHuawei Mate XT2にも、15,999元からのApple iPhone Duoにも5,000元以上の差を付けた位置。発表から24時間での売り切れ報告と初回販売310%増という数字が、その狙いが当たったことを裏づけています。













