昨日7月19日に中国・Xiaomiの発表会が開催され、同社のフラグシップモデルとなるXiaomi MIX Fold 4と廉価な折りたたみスマートフォンのXiaomi MIX Flipが発表されました。本記事ではそのうちフラグシップモデルであるMIX Fold 4について解説。高価格ではあるものの、折りたたみスマホとしての完成形を目指した機種で、魅力度は抜群の製品に仕上がっている印象です。
Leicaクオリティを実現したクアッドカメラにSnapdraon 8 Gen3のハイスペックを実現したMIX Fold 4
まずはXiaomi MIX Fold 4のスペックから確認。近年のXiaomiは日本でも発売されているXiaomi 14 UltraをはじめLeicaと共同開発したカメラを搭載しており、これまでのただ鮮やかだったXiaomiのカメラからより表現力を高めたカメラにブラッシュアップを果たしています。MIX Fold 4でもこのLeicaカメラは健在。またQualcommのフラグシップSoCであるSnapdragon 8 Gen3を採用しスペック面でも、カメラの面でも妥協のない性能を実現したモデルです。
Xiaomi MIX Fold 4のスペック
ディスプレイ | 外部スクリーン 6.56インチ FHD+ AMOLED 2520×1080 解像度 最大120Hzリフレッシュレート 最大240Hzタッチサンプリングレート 最大3000ニット輝度 対比比: 8,000,000:1 HDR10+, Dolby Vision対応 内部スクリーン 7.98インチ 2K+ AMOLED (Pol-less Plus) 2488×2224 解像度 最大120Hzリフレッシュレート 最大240Hzタッチサンプリングレート 最大3000ニット輝度 対比比: 8,000,000:1 HDR10+, Dolby Vision対応 |
CPU | Qualcomm Snapdragon 8 Gen3 オクタコア、最大3.3GHz |
OS | Xiaomi HyperOS |
RAM + ROM | 12GB / 16GB LPDDR5X RAM (8533Mbps) 256GB / 512GB / 1TB UFS 4.0ストレージ |
カメラ | メインカメラシステム(Leica光学) 50MP メインカメラ, f/1.7, 23mm, OIS 50MP 望遠, f/2.0, 47mm, OIS 10MP 超望遠, f/2.9, 115mm, OIS 12MP 超広角, f/2.2, 15mm, 120° ビデオ録画 メインカメラ: 最大8K 24fps, 4K 60fps 超広角カメラ: 最大4K 30fps 望遠カメラ: 最大4K 60fps 超望遠カメラ: 最大1080P 30fps スローモーション 最大1080P 960fps 前面カメラ 1600万画素, 最大1080P 60fps |
Bluetooth | Bluetooth 5.4 |
USB | USB 3.2 |
バッテリー・充電性能 | 5100mAh(typ)/4975mAh(min) USB Type-C、67W有線急速充電、50Wワイヤレス充電、ワイヤレス逆充電対応 QC4 / QC3+ / QC3.0 / QC2.0 / PD3.0 / PD2.0 / MI FC 2.0 |
重量 | 226g(黒色/白色/竜胆青) 228g(Xiaomiドラゴンスケールファイバー版) |
大きさ | 長さ: 159.37mm 幅: 折りたたみ時 73.1mm / 展開時 143.3mm 厚さ: 折りたたみ時 9.47mm / 展開時 4.59mm |
Wi-Fi | Wi-Fi 7対応 |
ネットワーク | 5GデュアルSIM、全網通9.0 対応バンド: 5G(n1, n2, n3, n5, n7, n8, n12, n20, n26, n28, n38, n40, n41, n48, n66, n77, n78, n79) |
圧倒的な軽さを実現した226gの7.98インチ・ディスプレイ
私自身は折りたたみスマホをこれまで利用してこなかったためイメージがありませんでしたが、折りたたみスマホは一般的にかなり重め。そもそも画面を広げたときのサイズが7インチ近くになるという大きさに起因する部分と、折りたたみ機構の設計などでSamsungのGalaxy Z Fold 6では239g、Google Pixel Foldでは283gと300g近くになってしまうことも。
そんな中、Xiaomi MIX Fold 4は226gという圧倒的な軽量さを実現。また、超薄型化にも力を入れており折りたたんだ状態で9.47mm(Pixelは12.1mm)、広げた状態で4.9mm(同5.8mm)という薄型軽量なデザインを実現しています。7インチ~8インチくらいのタブレットは340gほど(Blackview Tab 60)するのに比べて画面サイズがほぼ変わらないのにこの軽さというのはなかなか衝撃的です。
折りたたみスマホはヒンジ部分が命。画面を何度も閉じたり開いたりすることで徐々に強度を失って、ガバガバになってしまったら安心して利用できないですし、ディスプレイ部分の負担も大きくなってしまいます。Xiaomi MIX Fold 4では龍骨ヒンジ2.0を採用し、このヒンジ部のサイズを限りなく小さくし、そして太陽生徒信頼性を大幅に向上。
まずは、ヒンジの連結部分はR1.6の超微細な水滴構造を採用。これによってヒンジ部分の体積自体を34%も削減。加えて雪像部には次世代の1800MPa超強鋼を採用。また、駆動部には直径1.8mmの軸上に12個の高精度な歯車を入れ込むことで自然な開閉を実現したんだとか。折りたたみ耐久性は50万回とほぼ無限に開閉できる回数を実現しています。
そしてやはり気になるのがディスプレイ。Xiaomi MIX Fold 4は折りたたんだ内側と、外側の両面に高解像度のディスプレイを搭載。どちらのディスプレイも418PPIの高密度なディスプレイで、3000nitの明るさに120Hz駆動、Dolby Vision、HDR10に対応している。外側のディスプレイは6.56インチで12bitの色深度、2560×1080解像度を実現。内側は広げると7.98インチの大型サイズで解像度は2488×2224、10bitの色深度のディスプレイと、マルチメディアやWEBブラウジングにも最適なサイズを実現しているのが特徴。
ディスプレイは偏光板を取り除いたPol-less Pluss技術によって画面全体の透過率を68%向上。消費電力についても従来のOLEDと比べて52%も削減し、バッテリーの持続時間を高めたこともポイント。明るく鮮やかで高解像度で、さらに低消費電力、というのは特に消費電力の大きい大画面で利用することが多いと嬉しいポイントと言えます。
オーディオ再生能力も高く、画面の両側に搭載した立体スピーカーによって繊細な高音から豊かな低音を実現。また、電話で利用するときのマイクの制度も高くなっており、トリプルマイクによって音源の位置を確実に特定することが可能に。強力なAI通話ノイズキャンセリングアルゴリズムと、会議モードのAI声紋認識によって収音能力を高めています。
望遠から広角まで。すべてにLeicaクオリティを採用した圧倒的な画質のカメラ
Xiaomi MIX Fold 4は背面にクアッドカメラを搭載。5000万画素のメインカメラ、望遠カメラに加え、5倍ズームを実現する超望遠カメラ、そして120°の視野角を実現した1200万画素の超広角カメラを採用。メイン、望遠、超望遠カメラはOIS(光学手ブレ補正)にも対応し、写真だけでなく映像の撮影においても高い性能を実現しています。
- メインカメラ: 50MP, f/1.7, 23mm, OIS
- 望遠カメラ: 50MP, f/2.0, 47mm, OIS
- 超望遠カメラ: 10MP, f/2.9, 115mm, OIS
- 超広角: 12MP, f/2.2, 15mm, 120°
レンズにはLeica Summilux光学レンズを採用。f/1.7の明るさと14bitの高ダイナミックレンジセンサーである”光影猎人800″で圧倒的な画質を確保しています。暗い夜に仄かな明かりの下であっても上のような芸術的な写真を撮影することが可能というわけ。
望遠レンズや超望遠レンズでの作例もXiaomiのWEBサイトに掲載。どちらも、コントラスト比の高いスマートフォンには難易度の高いシチュエーションですが、まるで専用機で撮影したような色表現、特に暗部の表現力の高さに驚かされます。
動画撮影能力も高く、プロが撮影したかのようなHDRの高ダイナミックレンジ動画の撮影が可能。明るい部分と暗い部分をしっかりと捉えて撮影できるようになっています。光学手ブレ補正とメインカメラでは最大8K 24fps、4K 60fpsでの撮影に対応していることで多彩な表現を可能としているわけです。
Snapdragon 8 Gen 3のパワーと、5,100mAhの大容量バッテリー
高いカメラ性能や、ゲーミング、日常的な操作のレベルを高めてくれるのがパワフルなSoC。Xiaomi MIX Fold 4はQualcommの最新SoCであるQualcomm Snapdragon 8 Gen 3を搭載し他のスマートフォンを圧倒する高い性能を実現。RAMもLPDDR5X、ストレージは最大読み取り速度4GB/sのUFS 4.0を採用し高負荷な作業でも速度を落とさずに作業することができます。
高性能なスマートフォンで気になるのが発熱で、効率的に冷却できないとパフォーマンスが低下するだけでなくバッテリーの消費も加速してしまいます。MIX Fold 4は超薄型のステンレススチールVC放熱板を採用し、冷却面積を11912m㎡まで広げているのが特徴。高密度なグラファイトを利用して熱伝導性自体も19%向上させているとか。
バッテリー容量は5,100mAhを確保。薄型軽量でありながら特殊な立体形状のバッテリーを採用。通常の利用で1.47日持つという超ロングバッテリーに加えて、寿命の高さも確保しているのもポイント。1,600回の充電サイクル後でも80%のバッテリー容量を確保できることで長持ちさせることができます。
充電性能も高く有線では67Wでの充電に対応。10分で31%充電できるため充電を忘れていたとしても、最低限のバッテリーをチャージして外出が可能。無線充電は50Wでの超急速充電に対応しており10分で24%も充電できるとか。有線の充電速度は正直今のスマートフォンの中ではあまり早いわけではありませんが、無線の50W充電はかなり魅力的です。
通信性能にもXiaomiのこだわりが詰まっているのもMIX Fold 4の特徴。4つの低周波アンテナによってカバー範囲の高さを確保したことで安定した通信を確保。Xiaomi澎湃T1信号強化チップを4つ搭載し最適な通信状況を実現できるのもポイント。このT1チップのうち一つは衛星通信専用で用意されており、後述する衛星通信能力も向上。5G-A(5G-Advanced)にも対応しており、中国聯通の実験ネットワークでは通常の5G通信に比べて380%の下り速度向上を実現。ただ、日本国内とは通信規格も異なる(日本でも5G-Aはサービス前)ため、どこまで活用できるかは未知数といったところ。
どこのスマートフォンでも最近は衛星通信機能を搭載することも増えており、対応するサービスを契約していれば地上のネットワークがない状態でも衛星電話をかけたり、メッセージの送受信が可能。緊急時にも外部と迅速に連絡を取ることが可能になるというのは災害時にも安心。現時点では中国電信(China Telecom)のサービスにのみ対応しており、中国聯通(China Unicom)のサービスはサービス開始後に対応予定となっています。
防水性能の高さも魅力的。IPX8の防水性能を確保しており、水しぶきや水に落としてしまったときでも安心して利用が可能。実験自体は静止した水の水深1.5mの場所に30分つけた状態でテストしており、プールや海で利用することまでは考慮されていない様子。日常防水としては十分なレベルを確保していると言えます。
8999元(19万円)から発売。前モデルから据え置き価格
Xiaomi MIX Fold 4は、超高性能、超軽量、そして美しい画像の撮影が可能なLeicaカメラを備えた、まさにXiaomiの旗艦といえるスマートフォン。前モデルのMIX Fold 3自体も素晴らしい製品でしたが、それを超える性能を実現しつつ、価格は8,999元(日本円19.4万円)と価格を据え置き。まずは中国のみでの発売ではありますが、今後の日本発売も期待したいモデルです。