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【FiiO EH3 NC】たった199ドルで使えるノイズキャンセリングヘッドホンがFiiOから。FiiO EH3 NCレビュー

香港西九龍駅

日本でもBluetoothオーディオ機器を数多く展開するFiiO。先日のFiiO M15の発表は市場でも驚きを持って受け入れられたのは記憶に新しいはず。そんなFiiOから登場している注目の製品がヘッドフォン、アクティブノイズキャンセリング機能を搭載し、LDAC、apt-X HDにも対応したFiiO EH3 NC。SONYのWH-1000シリーズが3万円台の価格をつけるなか、本製品は199ドル、約2.2万円という安価な製品です。

FiiO EH3 NCはFiiOが初めて登場させたヘッドフォン。LDAC、apt-X HDといった高音質Bluetoothコーデックに対応し、アクティブノイズキャンセリング機能、USB DAC機能も搭載。外でも、自宅でも快適に利用できるモデル。オーディオ機器専門サイトのHifiGoでは199ドルで販売中。

良かったところ

199ドルという圧倒的な価格
FiiOらしい元気な音作り
音場表現に優れた音

イマイチなところ

低音が若干過多な印象
音の分離はいまいち

デザイン:
★★★★
価格:
★★★★★
解像度:
★★★★
音の分離:
★★★★★
音場:
★★★★★
低域:
★★★★
高域:
★★★★★
総合評価:
★★★★★

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パッケージはこれまでのFiiOの上位モデルと同じ、黒ベースのパッケージ。本体が出てくる前に、各部分での操作方法が出てくるのは嬉しいところ。SONYのWH-1000シリーズのようなタッチパネル式ではなく、物理ボタンを利用した製品のためボタン配置を覚えるまではなんどかこの図を見ることになります。

付属品は本体の他に専用のキャリングケース、有線使用時に利用する3.5mmステレオミニケーブル、USB Type-Cケーブル、説明書。本製品は日本でも一度ポタフェス日本橋で参考展示されたものの、その後特に日本投入の話がなく説明書も英語と中国語のみ。当分は日本上陸はしなさそうです。

本体は黒色の一色のみの展開。シルバーベースの本体は、他社のヘッドフォンに比べてモニターヘッドフォンを彷彿とさせるデザインに。ヘッドバンドの調整もメモリ式で、完全にモニターヘッドホンのそれ。かっちりと調整幅が固定されるため、移動中に頭を動かしても妙にずれたりしないのは良いかもしれません。

電源ON時には右側のハウジング部にLEDインジケータが点灯。5つのインジケータでバッテリー残量と、接続中のコーデックの表示の両方を担うオリジナリティあふれるデザイン。ただし、満充電の状態だとコーデック表示ができなくなる仕様なのはちょっと詰めが甘いかも。

左がSONY WH-1000XM2、右がFiiO EH3 NC

左がSONY WH-1000XM2、右がFiiO EH3 NC

FiiO EH3 NCがライバルになってくるのが、SONYのノイズキャンセリング搭載ワイヤレスヘッドホンであるWH-1000シリーズやBOSE HEADPHONES 700など。私の手元にはSONY WH-1000XM2があるので比較。WH-1000XM2と比べると、EH3 NCのデザインは質実剛健といった感じ。正統派ヘッドホンという形状は、若干時代遅れさも感じさせます。

イヤーパッドはWH-1000XM2が縦長になっているのに対し、本機はほぼ真円。可動部のデザインなんかは、モニターヘッドホンの代表格、SONY MDR-7506を彷彿とさせるほど。ハウジング部の厚みは若干厚い印象も否めません。

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いまさらだけど、MDR-7506のレビューをしてみる

実際に装着してみるとこんな感じ。イヤーパッドは真円に近い形ではあるものの、耳たぶ全体を覆っているため長時間つけっぱなしにしていても耳が痛くなるということはなし。側圧はあまり強くなく、それもあって装着感としてはなかなか良好。ヘッドバンド部のクッションは他のメーカー品に比べてかなりクッション性が高く、痛さは感じない仕上がりです。

側圧の弱さと、真円で大型のイヤーパッドによって遮音性の面では耳周辺の形にイヤーパッドがうまく調整されているSONY WH-1000XM2に比べると弱い印象。WH-1000XM2では装着するだけで外音をだいぶ軽減してくれますが、本機の場合はパッシブなノイズキャンセリング効果は見込めないというのが本音です。

LDACでワイヤレスでも、USBでも、有線接続でも高音質再生に対応

Bluetooth接続はLDAC、apt-X HDにも対応

PCなどからUSB DAC機能を利用して直接音楽を再生することも可能

3.5mmステレオミニケーブルを利用して有線接続のヘッドフォンとしても利用可能

FiiO EH3 NCはBluetooth接続、USB接続、3.5mmステレオミニケーブル経由の有線接続の3種類の接続に対応。他社製のヘッドフォンの場合Bluetooth接続と、3.5mmステレオミニケーブル経由のアナログ有線接続に対応している場合は多いものの、USB DAC機能も搭載しているというのはかなり珍しい部類。PCから直接音楽を再生する場合、アナログ接続ではPCのサウンドカードの性能に音質が左右されるため、USB DAC機能も搭載してしまうというのはどんな環境でも高音質を実現させるために面白いアプローチでした。

Bluetooth接続の対応形式は非常に多彩。 SBC / AAC / aptX / aptX LL / aptX HD / LDACと、他社製品では採用例の少ないapt-X LL(Low Latency)にも対応。ゲームなど遅延を抑えたいものでは活躍しそう。音ゲーレベルで違いが出るのかまでは分かりませんが、刺さる人には刺さるかも。

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スマートフォンアプリFiiO Musicで調整が可能

 

スマートフォンアプリ「FiiO Music」を利用することで、本体のインジケータの表示や接続コーデックの選択が可能。また、イコライザー機能も搭載しており、好みのイコライザーを適用した状態での音楽再生も可能に。ただ、音楽再生をFiiO M6から、それ以外をスマートフォンからという形で接続していると、イコライザーが有効に作用していない感じ。イコライザーがヘッドホン側のDSPで作動しているのかが分からないため、機能としては未知数でした。

ノイズキャンセリングの性能は及第点。メリハリのある音作りが特徴

香港国際空港にて

今回はFiiO EH3 NCを持って地下鉄や電車はもちろん、先日の深圳訪問にも持っていき往復の航空機や深圳市内でも音質とノイズキャンセリング性能を徹底チェック。どこまで実用に堪えられるのか、特に長距離移動する際には重要になってくるノイズキャンセリング性能は非常に重要ですしね。

ノイズキャンセリングは調整不能の1段階。低音はカットするものの、高音はそのまま

ノイズキャンセリング機能を搭載するヘッドホンは高級モデルだけでなく、安価なモデルでも搭載例が増えてきており、製品によっては実用に堪えないものもあるのが実情。FiiO EH3 NCのノイズキャンセリングは確実に外音を減らしてくれました

ただし、SONYのWH-1000XM2シリーズと比べるとそもそものヘッドホンの遮音性が低いこともありノイズキャンセリングでの減衰は劣っている感じ。EH3 NCのANC(アクティブノイズキャンセリング)スイッチをONにすると、駅や飛行機での「ゴー」という低音は確実にカットしてくれるものの、発車ベルや車掌のアナウンスなどの高めの音はそのままという印象でした。

ただ、低音のカット、周辺の騒音をカットしてくれるのは長距離移動では非常に重要。今回は東京=香港の香港エクスプレス航空の深夜便に持っていきましたが周りの旅客の話し声や飛行機自体の騒音を大幅にカット。快適な環境で香港まで移動することができました。

ノイズキャンセリング本体の性能ではないものの、気になったのがEH3 NCではノイズキャンセリング機能の調整や、外音取り込み機能がないこと。電車内や街なかでふと外のアナウンスなどを聞こうとするとき、SONY WH-1000XM2ならハウジングを手で覆うことで一時的に外音を取り込んで聞こえるようにしてくれますが、本製品ではそのような機能はなく一旦ANCをOFFにする必要があったのは難点。

立体感あるドンシャリサウンド。ここにもFiiOサウンドという感じ

解像度:
★★★★
音の分離:
★★★★★
音場:
★★★★★
低域:
★★★★
高域:
★★★★★

音質は一言で言えば「ザ・ドンシャリサウンド」を地で行く感じ。SONY WH-1000シリーズの音は意外とSONYのモニターシリーズの流れをくむ比較的平面的で、全帯域でフラットに近い音作りでしたが、FiiO EH3 NCは低域と高域を強調する典型的なドンシャリサウンドでした。このあたりは、弱ドンシャリが基本スタイルのFiiOの音という感じ。

LDAC環境をメインとした試聴では音場の表現が秀逸な印象を受けます。例えばMichael JacksonのMan In The Mirrorのコーラスの表現なんかは一気に四方から入るコーラスをそれぞれの方向から表現できているといった感じ。

低域の表現は低域好きのFiiOの中でもさらに強めの印象。QueenのI Was Born To Love Youレベルのベースだと、個人的には厚くなりすぎてちょっと低音過多な印象を受けることも。

高音域の伸びというのも驚きのレベルで、先に挙げたMichael Jacksonのボーカルもそうですが、すこし耳に刺さるレベルで高域は伸びてきます。天井のない高音域といっても過言ではありません。ただ、aikoなどの日本の女性ボーカルだといい感じに収まってくれているのでバランスが取れた感じになっている印象でした。

低価格でも実力派。使えるノイズキャンセリングヘッドホンを探している方にはぴったり

今回レビューしたFiiO EH3 NC。私も毎日の通勤で電車の中で利用し、快適に通勤しています。わずか199ドルという激安の価格設定ながら、LDACやapt-X HDといった高音質Bluetooth接続に対応したFiiO EH3 NC。電車や飛行機の騒音も確実にカットしてくれるノイズキャンセリング機能の搭載で、これからの時代に「使える」ヘッドホンでした。

現在私はSONY WH-1000XM2とこのFiiO EH3 NCを出先で使うヘッドホンとして所有していますが、音の傾向は全く違っており、日によって使い分けていたり。初めてアクティブノイズキャンセリングヘッドホンを買いたい、という人はもちろん、電池もちの良いモデルを一つ持っておきたいという方にもおすすめのモデルです。現在Head-Fiで199ドルで販売中。

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銀行をやめて人材系のHRテックらしいメガベンチャーにいたかと思えば、今はSIerで企画とかしています