ガジェット レビュー

【SIMGOT MT3 Pro】温かみのある聴き心地の良いサウンドを7,000円台で。シングルダイナミックドライバ搭載のSIMGOT MT3 Proレビュー

東京の気温も急に20度近くまで上昇し、一気に春のおとずれを感じる今日この頃。通勤時や外出時はワイヤレスヘッドフォンのFiiO EH3 NCなどを着けていますが日によっては汗ばむレベル。今回は久々に「普通のイヤホン」であるSIMGOT MT3 PROをSIMGOTさまより提供していただきましたのでレビュー。

SIMGOT MT3 ProはSIMGOTのサブブランド”MEETURE”から登場している最新モデル。ブランド名は”Meet the Future”から来ており、ファッションとワイヤレスをオーディオ製品に融合していくことが目標とか。実際にワイヤレスイヤホンもリリースしており、徐々に製品を増やしていく模様。このMT3 Proはそんな中に登場した製品です。

本製品はチタン複合振動膜を採用のφ10mm高磁気複合ダイナミックドライバーを1基搭載したシングルダイナミックドライバイヤホン。装着感に直結するハウジング部はあらゆる人種の耳型3Dデータを基に設計し小型でフィット感高い形状に仕上げたモデル。現在Amazonにて7,800円にて販売中。

【SIMGOT EM2】ダイナミックの厚みとBAドライバの伸びの程よいバランス。ハイブリッド型入門機にSIMGOT EM2レビュー

SIMGOT MT3 Proのスペック

ドライバ:10mmデュアルチャンバー複合ダイナミックドライバー
ダイヤフラム:高分子複合ダイアフラム
周波数応答:15Hz-40kHz
感度:≥108dB(1kHz)
インピーダンス:18Ω
歪み:<1% 108dB(20μpa)
左右音圧感度誤差:<1.5dB(1kHz) 
ケーブル:高純度無酸素銅と銀メッキ銅線の混合編線

透明感あふれるデザインが魅力的。スケルトンは男心をくすぐります

本製品はSIMGOTの兄弟ブランド、MEETUREの製品。パッケージもMEETURE仕様となっており、前回レビューしたSIMGOT EM2の黒ベースとはまた違った印象に。

【SIMGOT EM2】ダイナミックの厚みとBAドライバの伸びの程よいバランス。ハイブリッド型入門機にSIMGOT EM2レビュー

本体は中のドライバーユニットが見えるスケルトン型。色はピンク、グリーン、クリア、クリアブラックの4色展開で今回はグリーンを提供していただきました。ドライバーのサイズ感としては結構小さめ。耳に装着する際はShure掛けで、耳の穴にちょうどよく収まるサイズ感です。

付属品は専用のキャリングポーチに、イヤーチップ(2種類)、高純度無酸素銅線を利用した専用ケーブル、説明書、保証カード。ケーブルは若干ピンク色で、今回頂いたグリーンだとちょうどマッチしていたのもグッド。

なお、専用ケーブルとの接続部は0.78mm 2pinで、楕円形のカバー付きの「qdcタイプ」と呼ばれるもの。付属ケーブルでも十分な質で、また取り回しも不自由ないため、わざわざリケーブルを考えることもなさそうではあるもののリケーブルは可能。

イヤーチップは2種類搭載。それぞれ大・中・小の3種類付属しており、音の好みと耳のサイズに合わせて好みのものを選択可能。なお、遮音性についても2種類で異なるため、うるさい環境で使う際にはより遮音性の高いEartip Ⅱの利用がおすすめ。それぞれの特徴は以下の通り。

・Eartip Ⅰ:中高域がパワフルで、きらびやかではっきりとした高解像度で浸透させる音作り。
・Eartip Ⅱ:低音を強調し自然な音で聴きやすくした音作り。周りの音を減衰させ、静かにリスニングできるもの。

装着感はなかなか良好。Eartip Ⅱの遮音性の高さもグッド

装着感はかなり良い感じ。Eartip ⅠとEartip Ⅱでは耳へのフィットの仕方が若干異なるものの、どちらも耳にピッタリフィットしてくれます。私の場合は、Eartip Ⅰはシリコンが耳の中で引っかかってしまい、付けていると痛くなってしまうことがあったのが残念。
どちらのイヤーチップでもイヤーチップが耳管に押し付けられるような形になっており、若干圧迫感があるのは注意。Eartip Ⅱは耳管を塞ぐ形で中に収まることで高い遮音性を実現。電車の中で使ってみたところ、かなりの騒音が軽減されたのはグッドでした。

ボーカルを引き立てる低音。バランス力の高さに驚きます

早速試聴していきます。SIMGOT MT3 Proは実売価格7,800円と非常に低価格であるため、同じく組み合わせやすい価格のFiiO M6を使用して主に視聴。いくつかの音源をピックアップし、高い遮音性を実現し外出時にも使いやすいEartip Ⅱを利用して試聴します。

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テイク5 – 宇多田ヒカル

宇多田ヒカルのボーカルと、打ち込みが特徴的なテイク 5。コーラスの入り方も個人的にはお気に入りの曲です。シンプルながら響いてくる打ち込みの低音部と宇多田ヒカルのボーカルの両方をうまく分けながら表現。左右に振っているコーラスの表現も秀逸といっていいものでした。

鹿児島おはら節 – くるり

鹿児島県出身でもなんでもないくるりによる鹿児島民謡のカバー。優しく入ってくるアコースティックギターから、一気にドラムスにストリングス、キーボードまでが入り賑やかになる曲。若干キックが強く鳴ってしまっている感じも否めないものの、各楽器の音がそれぞれ引き立てられ解像度高く鳴らしてくれています。

Miami 2017 – Billy Joel

SIMGOT EM2のときにも試聴音源として利用した私の個人的なレファレンス曲。Eartip Ⅱは低音重視のイヤーチップであることもあり、ベースラインの再現と、ボーカル、そしてライトに振ってあるギターの表現力は秀逸。ダイナミックドライバをシングルで搭載しているだけとは思えない鳴らしぶりには舌を巻きました。

音質の総評

基本的な音としては平面的で、かつ左右の振りについてもそこまで分離していない、中心によった音という印象でした。鳴らし方はモニターイヤホンに近い感じで、表現力は高いものの立体感た音場の再現という意味ではBAドライバを複数搭載したイヤホンに対して劣ります。
低域の表現はダイナミックドライバらしくベースがボンボンする温かみのある感じ。Eartip Ⅰでは少し引っ込んでいるベースが、Eartip Ⅱでは前に出てくる感じ。音楽を「聴く」という意味でも、聴き疲れにくいという意味でも、Eartip Ⅱの方が良い感じ。
高域はうるさすぎず、でもちゃんと目立つ感じの鳴らし方。開放感はなく低音のベースの上に乗っかっているような印象。ハイハットは控えめに鳴らしており、シャリシャリ感はありません。
ボーカルは意外と厚く、また前に出てきます。女性ボーカルはそれなりに伸びてくるものの、天井までは伸び切らないような感じ。
総括すると、音場・空間表現は比較的平べったいモニターチックな鳴らし方ではあるものの、全体的に温かいサウンドのイヤホンでした。現代的な打ち込みサウンドはもちろん、個人的には鹿児島おはら節のようなおだやかな曲調の曲だと聴いていて心地よいイヤホンという印象です。

聴き心地の良いサウンドを手軽な価格で

今回レビューしたSIMGOT MT3 Pro。スケルトンの本体がスタイリッシュで現代的なデザインをしたイヤホンでした。音は本体のデザインとは打って変わって温かみのあるサウンドでした。聴き心地の良いサウンドを高い遮音性で楽しめるMT3 Proは外出時のリスニングにも最適。現在Amazonでは7,800円で販売中。ぜひ、外出の際のお供にお試しいただければ。

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銀行をやめて人材系のHRテックらしいメガベンチャーにいたかと思えば、今はSIerで企画とかしています