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【TicWatch Pro 3 GPS】心拍数も血中酸素飽和度も測定。2層ディスプレイによる丸3日の驚異のバッテリー持ちと高い健康管理機能が魅力のTicWatch Pro 3 GPSレビュー

健康管理に関する意識の高まりは新型コロナウイルスの感染拡大もあり、ますます増加しており、体調管理だけでなく体型、筋肉量の維持や肺活量の維持といった面も重視。そんな時代の要請に応えるように運動量や健康状態を計測できるウェアラブル端末も増え、また、高機能化してきました。当ブログでもGPSを搭載したスマートウォッチ、AmazfitStratos 3などを購入しレビューしてきていました。

今回はそんなスマートウォッチの中でも、心拍数測定や睡眠計測、運動量測定はもちろんのこと、SpO2(血中酸素飽和度)の測定にも対応した高機能な製品、Mobvoi
TicWatch Pro 3
をTicWatch様からお借りしてレビュー。Amazfitシリーズとは異なり、独自OSではなくWear OS by Googleを搭載しつつも、AMOLEDとTN液晶の2層構造でWear OS利用時でも72時間もの連続利用時間を実現したモデル。
実際に2週間ほど使ってみてますがWear OSのフル機能と、高度な測定機能をすべて使えながら圧倒的なバッテリー持ちを誇るTicWatch
Pro 3 GPSは現時点で最高のスマートウォッチの一つと言っても過言ではありませんでした。現在楽天やYahooにて35,999円にて販売中です

TicWatch Pro 3 GPSのスペック

チップセット:Qualcomm® Snapdragon Wear™ 4100 Platform
メモリ・ストレージ:1GB RAM, 8GB ROM
バッテリー:スマートモード:72時間・エッセンシャルモード:45日間
バッテリー容量:最低577mAh(通常595mAh)
Bluetooth:v4.2 & BLE
測位システム:GPS+Beidou+Glonass+Galileo+みちびき
スピーカー:15x6x2.5mm, 0.5W rated power, 0.7max power
マイク:3.50×2.65×0.98mm, -26±1dBFS, 65dBSNR
ヴァイブレーター:Rotor motor
センサー類:心拍数測定センサー・加速度センサー・照度センサー・気圧計
防水防塵性能:IP68
充電器:Input:5V1A(USB type A)・Output:5V1A(pogo pin * 2)
寸法:47x48x12.2mm
重量:42g
色:シャドウブラック
素材:ステンレススチール+プラスチック
ベルトの素材:シリコン+オレンジ色のステッチ
ベルトの大きさ:22mm

TicWatch Pro 3 GPSのデザイン:高級感を感じさせるシックにまとまったデザイン

パッケージは写真ののようなデザインで、高級腕時計によくある無地の箱ではなく、ガジェット製品としてのそれに近い形。紙も厚紙ではなく処理しやすい紙で、地球環境には優しい感じ。開けると中箱などなしにすぐに本体が登場します。

 

同梱品は写真の通りで非常にシンプル。専用の充電ケーブルと説明書、保証書のみ。本モデルではベルトはシリコン製の標準品のみとシンプル。別のデザインのものが必要な場合は22mmの腕時計用ベルトで交換可能なためとくに困ることはなさそう。

 

 

 

 

本体のデザインはG-Shockを彷彿とさせるスポーティーなデザイン。ディスプレイのベゼル部分のみ光沢加工がなされ、それ以外の部分はつや消しのプラという形。そのため、金属製のボディをまとったスマートウォッチや腕時計に比べると安っぽさがないわけではないものの、最低限の高級感をまとっています。

大きさは本製品の特徴でもありますが、薄く、そして軽量化を実現しておりスマートウォッチの中ではかなり小さい印象。実測では60gと隣の腕時計(62g)よりも軽いわけ。もちろん写真のように普通の腕時計と比べたら大きいものの、個人的には毎日就寝時につけっぱなしにしても気にならないレベルになっているかと。

背面には心拍数測定センサーと、SpO2(血中酸素飽和度)センサーが配置。また、専用の充電ケーブルは従来のTicWatch
Proシリーズのカチッとはめるタイプから、端子部分だけにマグネットでくっつくタイプに変更。マグネットの磁力は強めのため、充電中に簡単に外れるということはありませんでした。

TicWatch Pro 3
GPSの使用感:断トツのサクサクさと、高機能さ。健康管理機能の種類も驚きです

 

TicWatch Pro 3
GPSはQualcommの最新スマートウォッチ向けのプロセッサーである、Qualcomm
Snapdragon Wear
4100を世界で最初に搭載
したスマートウォッチ。最新プロセッサーによるハイスペックさと、充実した健康管理センサーによるスポーツや健康状態の把握機能がの多さが自慢。実際に使ってみると、その高い性能に驚かされました。

 

 

まずはアプリのリストから。標準インストールのアプリの他に、Playストアからダウンロードしたものも一部含まれますが、他のWear
OSのスマートウォッチに比べて”Tic”シリーズの充実度合いがなかなかに感じます。健康管理に使えるアプリケーションは、TicシリーズとGoogle
Fir系統の2種類がありますが、Mobvoiアプリを通じてGoogle
Fitにもデータが共有されるので、基本はTicシリーズのアプリを使うのが無難。
TicWatch Pro 3
GPSの目玉機能は、14種類の運動の計測に対応していること。ウォーキング、ジョギング、サイクリングに関しては、手動で開始しなくても自動で運動計測が可能なTicMotion機能も搭載しており、日常の運動を簡単に記録可能。
手動で計測した場合でも心拍数の状況やGPSでの測位を駆使して、運動量とカロリー消費量の確認が可能。まだTicWatch
Pro 3
GPSを付けた状態で屋外での運動はできていませんが、エリプティカル(クロストレーナー)をジムでやった際はこんな感じで成果を確認することが可能です。

 

TicWatch Pro 3
GPS上で集めた各種健康データを集めているのが、”TicHealth”アプリ。基本的にMovboiのアプリ側にも同じ情報が同期され、スマートウォッチ、スマートフォンのどちらからでもデータを確認可能。基本的に確認可能な内容は他のスマートウォッチと変わらないものの、血中酸素飽和度や、謎の「圧力」という項目、そしてノイズ検出の結果が表示されているのが特徴的です。
この謎のアプリはTicZenアプリ心拍数などを組み合わせて体のストレスの状態を測定するというアプリ。実際にどんなデータをもとに判別しているのかは謎、かつ、高ストレス状態が体感上どんなものなのかはよく分かりませんが、ストレス度が高い状態が続くと警告してくれるみたいです。

 

 

心拍数測定機能はTicPulseで対応。心拍数測定機能自体は、他社のスマートウォッチでも多く搭載されており、特にこの機能単体で差が出るわけではないので割愛。ただ、ちょっと面白いなと思ったのが、1時間単位で心拍数の変化を示してくれるんですが、最大値と最小値で示す形になってるのは傾向をつかみやすいのかなと思います。
睡眠測定機能に関してもそこまで他社と大きく変わるというわけではなさそう。ただ、心拍数測定機能と血中酸素飽和度測定機能との連携が図られており、心拍数の推移と血中酸素飽和度の推移が確認可能
本機の心拍数測定機能並びに、血中酸素飽和度の測定機能は、医療機器としての認証を得ていないあくまでも参考資料程度の機能ではありますが、両方の数値を確認できるのは健康管理では結構ありがたいもの。例えば、社会問題にもなっている睡眠時無呼吸症候群では、血中酸素飽和度が通常96%以上なのに対し、90%以下になるため、本機能で異常値を発見することで検査受診のきっかけを作れるわけ。

 

 

体にかかっているストレスを把握するTicZenについては前述したとおりですが、TicZenとセットになるのがこのTicBreath。TicBreathアプリでは、1分~の指定した時間、深呼吸をアプリの指示に従いながらすることでストレスを軽減するというもの。ただ深呼吸してるだけなのでどこまで効果があるのかは分かりません。

 

 

なぜか日本語の案内では省略されていましたが、TicWatchシリーズでは初めてSpO2(血中酸素飽和度)の測定に対応したのがこのTicWatch Pro 3 GPS。本体側からも手動で計測を行ったり、自動での計測機能を利用することが可能。また、スマートフォン上からも一日の中での推移が確認可能です。

 

TicHearingでは周辺のノイズを確認可能。一応周辺の環境ノイズを確認し続けてくれ、規定よりもノイズが大きい状態が続くと警告を発してくれる仕組み。とはいえ、普通うるさい環境に居続けたら気づくわけですし、そこまで重要な機能なのかは未知数です。

 

省電力モードはWear OSの機能を封じてTNディスプレイのみでの表示に切り替えるモード。ただ、省電力モードでも心拍数測定機能と、睡眠測定は利用可能。ただ、省電力モードにしてしまうと、Wear OSの良さはすべてなくなってしまうため、ただの高価なデジタルウォッチになってしまい、個人的には緊急時を除いては必要性はないかなと。

 

 

通知の確認は基本的にすべてのアプリで対応。Wear OSアプリ側で通知を送信しないアプリを選ぶことができるため、不要なアプリがあれば消していくという形。スマートフォン側に表示される通知のクイックリプライ機能などもそのまま利用できるため、上のようにTwitterやLINEなどでTicWatch 3 Pro上から簡単に返信を送ることも可能。音声入力の精度もかなりよく、上のような文章も一発で入力して送信できます。

 

 

 

 

搭載しているOSはGoogle謹製のWear OS by Google。Androidスマートフォンとの連携は完璧で、通知の表示は先程触れたとおりですが、Googleアシスタントの利用や、Google Mapでのナビゲーションも、スマートフォン上の音楽の操作も写真のように簡単に可能。腕の中にスマートウォッチが丸々移ってきたような操作感は、Amazfit等の独自OSではできないもの。

TicWatch 3 Proの電池持ち:圧倒的電池持ちを実現するTNディスプレイ。実測でも70時間近く稼働可能

 

 

TicWatch Pro 3 GPSの一番の特徴として忘れてはならないのは、TicWatchが世界で初めて採用し、結局TicWatchだけの機能であるWear OS側のディスプレイと、TNディスプレイの2層構造。基本的には消費電力の少ないTN液晶を利用し、通知が来た際や、アプリを利用する時のみにAMOLEDディスプレイを起動するという形。
そのため、普段はTN液晶で時刻を確認することになりますが、写真のように明るい場所でも視認性が高く、また、TicWatch Pro 3 GPSから秒数の表示にも対応し、TNディスプレイでの実用性も向上しました。設定でAMOLEDへの切り替えのタイミング・ジェスチャーを変更できますが、個人的には通知受信時に手首を動かした際はAMOLEDに、それ以外は電源ボタンを押すまではTNディスプレイのみというのが一番電池を消費せずに使える感じでした。

 

前述のディスプレイの設定で待つ一日使ってみた状態が上の写真。1時間あたりのバッテリー使用量は1.48%で、単純計算で70時間は利用可能な計算。心拍数測定も、血中酸素飽和度の測定も、さらにはTicMotion機能もすべてONにしていながらこのバッテリーの持ちよう、信じられないレベルかと。

日々の生活をアップグレードする、健康管理もスマートな通知も全部OK。TicWatch Pro 3は最高でした

ここ最近はずっとAmazfit Stratosシリーズを使い、Wear OSからは離れて独自OSによる各種トラッキング機能やバッテリー持ちを楽しんでいました。しかし、TicWatch 3 Pro GPSは、他の製品よりもさらに強化された心拍数測定に血中酸素飽和度測定、そして睡眠測定機能に加え、Wear OS使用時でも72時間もの長時間バッテリーを実現。
フル機能のトラッキング機能の採用、スマートウォッチの弱点だったバッテリーの持ち時間の短さを2層ディスプレイという発想で切り抜けた本機はスマートウォッチの中でも革新的な製品であることは間違いありません。35,999円と値は張るものの、健康管理にも、時計だけで何でもするスマートさを求める場合でも、TicWatch Pro 3 GPSは最高のパートナーと感じます。

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銀行をやめて人材系のHRテックらしいメガベンチャーにいたかと思えば、今はSIerで企画とかしています