
2025年6月19日OPPOジャパンが東京都内で新商品発表会を開催。スマートフォンのOPPO Reno13 AやOPPO Reno14 5G、そしてOPPO Pad 3 Matt Editionを発表しました。全てのモデルでOPPOの提供するAI機能の「OPPO AI」に対応し、文章の要約や生成、画像の加工などの高度なAIをミドルハイの製品にも搭載し、すべての人にAIを活かせるようなラインナップになっているのが特徴です。
本記事ではそんな発表会で登場した製品のうち、「OPPO Pad 3 Matt Edition」をレポート。OPPOのタブレットの中では初めて反射を抑える名のテクスチャーディスプレイを採用し、光の反射を抑えて見やすい画面を実現した製品です。進化したOPPO AIやHolo Audioによる臨場感あふれる音響、MediaTek Dimensity 8350搭載によってスムーズな動作が可能な高い性能を実現した製品。6月26日より79,800円(税込)で販売開始。少し値は張るものの個人的にはかなり魅力的な製品でした。
AIをすべての人の毎日のパートナーにするOPPOのAI戦略

発表会は、OPPOジャパン株式会社の専務取締役・河野健三氏の挨拶で幕を開けた。河野氏はOPPOのAI機能について説明。OPPOのAI機能はクラウド型を採用し、高性能CPUに依存せずスムーズな処理を実現していることでハイエンド以外のモデルであってもフルにその性能を利用することができるとのことでした。河野氏は「AIは一部の人のものではなく、すべての人の毎日のパートナーであるべき」と強調し、2025年末までに1億人に生成AI機能を提供する目標を掲げました。
OPPOの新スローガン「Make Your Moment(自分だけの瞬間を描こう)」は、AIと優れたカメラ性能を通じてユーザーの日常を豊かにする決意を反映。日本市場では、Googleとの連携によるプライバシー重視のAI機能や、Gemini1.5Pro/Flashを活用した高速テキスト処理(0.2秒で200語)を導入。Googleクラウドのコンフィデンシャルコンピューティングを採用したプライベートコンピューティングクラブにより、データセキュリティも確保されているとのこと。河野氏は「信頼なくして確信なし」と述べ、日本市場の高い要求水準に応えていくようです。

OPPOではスマートフォンでのAI搭載の裾野を広げていくだけでなく、タブレット端末に向けても生成AI機能の導入を進めていくと宣言。その第一弾として今回発表するOPPO Pad 3 Matt EditionにもOPPOの生成AIの機能を搭載させて、文章生成や要約、AI録音サマリーなどの機能を利用できるようにするとのことでした。生成AIをOSレベルでタブレットに搭載する流れは先日紹介したBlackviewのタブレットBlackview MEGA 8やハイエンドモデルならXiaomi Pad 7などでも同じ流れといえます。
OPPO Pad 3 Matt Editionのスペック
項目 | 仕様 |
---|---|
ディスプレイ | 約11.6インチ / LCD / 2,800×2,000(2.8K) / 最大144Hzリフレッシュレート / 10億色表示 |
CPU | MediaTek Dimensity 8350 |
OS | ColorOS 15(Android™ 15ベース) |
RAM + ROM | 8GB / 256GB |
カメラ | アウトカメラ:800万画素(F値:2.0) / インカメラ:800万画素(F値:2.0) |
Bluetooth | Ver. 5.4 |
USB | USB Type-C® |
バッテリー・充電性能 | 9,520mAh / 67W SUPERVOOC™フラッシュチャージ |
重量(本体のみ, g) | 約536g |
大きさ | 約258mm×189mm×6.3mm |
Wi-Fi | Wi-Fi 2.4GHz/5GHz(IEEE 802.11 a/b/g/n/ac/ax) |
ネットワーク | Wi-Fiのみ(モバイルネットワーク非対応) |
光の反射を97%抑えることでストレスなく快適に使えるナノテクスチャーディスプレイを搭載

OPPO Pad 3 Matt Editionの最大の目玉は、Anti-Reflective ナノテクスチャーマットディスプレイ。従来のタブレットでは、屋外での反射や室内照明による映り込みが視認性を損なう課題があったり、紙のような書き心地を得るにはペーパーライクフィルムが必要でせっかくタブレットを買っても追加でアクセサリーを購入する必要がありました。今回のOPPO Pad 3 Matt Editionではナノレベルのエッチング技術を施したディスプレイを開発し、光の反射を最大97%低減。これにより、屋内外問わずクリアな視認性を実現したんだとか。
ディスプレイ表面の微細な凹凸は光を拡散させ、眩しさを抑えると同時に、スタイラスペンでの滑らかな書き心地を実現。ペーパーライクフィルムを貼らずとも、紙に書くようなサラサラとした質感が得られるようになっています。指紋もつきにくく、常にクリーンな画面を保てる点も嬉しいポイントで、まさに嬉しいところづくしというわけ。

ディスプレイは11.6インチのLCDパネルで、解像度は2,800×2,000(2.8K)、ピクセル密度は296PPI。細かな文字や画像もくっきりと表示できるため読書や資料を作成するというのにも実用的な性能を実現しています。アスペクト比は前作のタブレット同様に7:5の白銀比。個人的にはこの白銀比はかなり嬉しいポイントで、電子書籍を読んだりWEBサイトを閲覧しつつ画面を分割して他の作業をするというのにも程よい比率と思っています。また、リフレッシュレートは最大144Hzで滑らかな画面描写も期待できます。
画面のちらつきやブルーライトについても抑える設計になっており、TÜV Rheinlandの反射防止認証とEye Care 3.0認証を取得しているのも嬉しいところ。長時間見つめることが多い場面でもアイコンフォートモードや就寝モードで柔らかい光に調整することで目の疲れを軽減することが可能です。



実際に会場でOPPO Pad 3 Matte Display Editionをチェック。このような発表会ではスマートフォンやタブレットの画面に自分の顔や発表会会場の照明がガッツリ映り込んでしまうものですが、本機はその反射がほぼ抑えられているのが特徴的。横から写真を撮影してみても全く反射せず画面がよく見えるのが嬉しいところ。
タブレット端末を家の中で使う分には画面の反射を気にすることはそう多くありませんが、旅行などの外出時に持ち出して利用する際にはこの反射は使用感に大きく響くことになります。電車の中、カフェでも屋外の太陽光が反射することで視認性が大きく低下しますがこれを防げるわけ。また、画面本体のコーティングによって指紋も付きづらいのもポイント。実際に触ったあとでも指紋が目立たず快適な画面を維持できました。
MediaTek Dimensity 8350採用で省電力性と高性能を両立

OPPO Pad 3 Matt Editionは、MediaTek Dimensity 8350チップを搭載。Dimensity 8350はAntutuベンチマークでは約140~150万点の性能でミドルハイクラスの性能を実現。高性能ながら電力効率の高さも両立しておりアプリをスムーズに起動させつつ長時間の利用でも安心の省電力性も確保しているとのこと。また、OPPO独自のAIハイパーブースト技術により、システム全体の動作を最適化しており、大型アプリの応答速度や安定性も向上させています。RAMは8GB、ストレージは256GBです。

世界初のTÜV SÜD「60か月Aクラス流動性認証」を取得し、5年間サクサクとした操作感を維持することも第三者機関のお墨付きがあるとか。世界初というのは、本製品の発表に合わせてこの認証を作っただけと思われることと、一定期間での動作速度の変化を計測しただけとも思うのでこの結果は正直眉唾物です。「購入当初の快適さを長期間キープ」と強調され、長寿命設計の信頼性をアピールしていました。


実際の動作感について会場のモデルでもテスト。前述のようにMediaTek Dimensity 8350はAntutuベンチマークでは140万~150万点の性能を持つSoC。スマートフォンに比べると筐体の大きさやバッテリー容量が大きいこともあり、個人的には同一SoCであってもタブレットのほうが余裕のある動作をすると思っています。
実際に触ったOPPO Pad 3の動作はスムーズそのもの。アプリの起動、デュアル画面での同時操作についてもレスポンスに不足を感じることは全くありませんでした。本機で非常に重いゲームをするという場合には、役不足な印象はありますが通常の動画鑑賞やSNSの閲覧、WEBブラウジングでストレスを感じることはないはずです。
9520mAhの大容量バッテリーを6.3mmのスリムボディに搭載


OPPO Pad 3 Matt Editionは、厚さわずか6.3mmのスリムボディに9,520mAhの大容量バッテリーを搭載。実験室ベースでは最大70日間の連続待機が可能で、日常使いから長時間の作業まで安心です。67W SUPERVOOC™急速充電に対応しているので、うっかりバッテリーを使い切ってしまったときでも、一気にフル充電して利用することが可能なのもポイントです。

デザインはミレニアムシルバーの単色展開で、ブラッシュ仕上げが高級感を演出します。重量は約536gで、持ち運びやすさと耐久性を両立。薄型設計ながら、堅牢な構造で日常の使用に耐えられるようになっています。

実際に利用する際にはスマートキーボードカバーや、スマートケースの純正アクセサリーを組み合わせることになるかと。スマートキーボードカバーも税込1万円強でお手頃価格になっているのもポイントです。ペンシルも4,096段階の筆圧検知に対応しておりイラストを描くような使い方でもOKです。
- OPPO Pencil 2(税込8,480円):4,096段階の筆圧検知と傾き検知に対応。マグネット装着で充電可能で、手書きメモやイラスト制作に最適。
- OPPO Pad 3 Smart Keyboard(税込10,980円):Pogo Pin接続で簡単装着。軽量設計で快適なタイピングとスタンド機能を備え、ノートPCのような操作感を提供。
- OPPO Pad 3 Smart Case(税込3,980円):マグネット吸着式で装着簡単。2段階の角度調整が可能なスタンド機能で、動画視聴や作業を快適に。



OPPO Pencil 2を利用して手書きメモを書いてみてみましたが、非常に正確、かつ、スムーズな動作だったのもポイント。ペンで画面に書いている間は手が画面の上に乗っても誤反応せずに使うことができました。ディスプレイの滑らかさは紙に比べるとちょっと軽すぎる印象。ただ、筆圧検知の精度も高く慣れれば自然なメモが簡単にできそうでした。


キーボードの打ち心地は、打鍵感はなかなか。1.5mmのストロークでしっかりと押し込んだ打鍵感で、安定して打ち込んでいける印象です。キーサイズとキーピッチは一般的なキーボードに比べると狭いため、この点は慣れが必要といえます。スタンド部分はケースの背面が折れるタイプ。膝上で利用したときにはそこまで安定性は期待できないかもしれません。
純正のスマートケースも展示。こちらは一般的なケースなだけなのであまり特筆すべき点はありません。OPPO Pencil 2は本体の上面にくっついてそのまま充電できるのは今のタブレットでは一般的な仕様かなと。
生産性を向上させるOPPO AIの機能を多く搭載。ドキュメントから録音サマリーまで対応

OPPO Pad 3 Matt Editionは、OPPO独自のAI機能をタブレットの大画面で最大限に活用できるのもポイント。中川氏は「文章作成や写真編集の生産性を一気にアップする」と紹介。ドキュメントやメモに特化したAIアシスタントは、文章の要約、翻訳、ブラッシュアップ(フォーマル/カジュアルへの書き換え)、長さの調整をサポート。原文を画面に表示しながら編集できるため、PCのような直感的な操作が可能です。たとえば、会議の議事録を素早く要約したり、海外資料を日本語に翻訳したりするシーンで活躍する。録音データの要点をまとめる機能も搭載し、議事録作成や学習の効率化に貢献。
スマートサイドバーのAIツールボックスは、画面内容に応じて適切な機能を提案できるんだとか。文章作成中にはAIライター、Web閲覧中にはAIサマリー、メッセージ返信時にはAI返信を呼び出せるとのこと。音声翻訳や画面翻訳も搭載し、語学学習や海外旅行でのコミュニケーションをサポート。GoogleのGeminiとの連携により音声やテキスト、写真を使ったAIアシスタント機能も利用可能。たとえば、撮影したメモをテキスト化したり、写真から情報を抽出したりする作業もサクサク行うことができます。



純正のメモアプリで簡単に文章を記載して、それの続きをOPPO AIに書いてもらいました。最初の2行を書いた状態でOPPO AIを呼び出して「書き続ける」とすると、その続きに当たる部分を記載。どういうわけかOPPO Pad 3のスタイラスペンについても勝手に書き足してくれて書き進めることができました。


文章の校正や、その書きぶりの修正もこのOPPO AIで対応が可能。ライティングのAIを呼び出せるタイミングは、純正アプリが中心なためどう日々のライティングで活かしていくかはWordpressに直接入力するブロガーとしては悩ましいところです。
一つ残念だったのは、分割表示の際にはAIを呼び出せなかったこと。なにかを書く際には当然そのエディターだけを見るのではなく他の資料を一緒に見ながら作業するため、分割画面でもAIを利用したいのが本音でした。
スマートフォンと同じ写真編集AIエディター機能にも対応

OPPOのスマートフォンではすでに搭載している写真編集のAI機能も一通り搭載。AI消しゴム2.0では不要な人物やオブジェクトを自動検出し、ワンタップで消去できるように。窓ガラスの反射を除去するAI反射除去、ピンボケや手ブレを補正するAIボケ除去、低解像度の写真を鮮明にするAI鮮明度強化機能も搭載しています。AIが自動で最適な調整を行ってくれるので専門知識なく高品質な仕上がりを実現。11.6インチの大画面だからこそ細かな調整点をすぐに拡大できるのでスマートフォンよりも便利に使えます。
iPhoneを含めたOSを超えたデータ共有を実現するO+ Connect

OPPO Pad 3 Matt Editionは、O+ Connect機能により、iOSデバイス(iPhone/iPad)とのデータ共有を可能にしているとか。iOSデバイスにO+ Connectアプリをインストールすれば、写真、動画、ドキュメントを簡単に送受信できるため複数デバイスを使うユーザーにとってはメリットになるかもしれません。
クアッドスピーカーと空間音響技術Holo Audioで臨場感のある音響体験を実現

音響面では独自の空間音響技術のHolo Audioについても説明。最大12の独立したオーディオストリームを同時に再生し、立体的な音響効果を実現するもの。クアッドスピーカーと組み合わせることで、映画や音楽、ゲームの世界に深く没入できるとのこと。ハイレゾ音源にも対応しています。
マットディスプレイとAIを活用して、タブレットでも高い利便性を実現したOPPO Pad 3

OPPO Pad 3 Matt Editionは、OPPO初のマットディスプレイによる紙のような書き心地、OPPO AIによる生産性向上、Holo Audioによる没入型サウンド、O+ Connectによるクロスプラットフォーム連携を備えた革新的なAIタブレットでした。MediaTek Dimensity 8350と5年間の流動性認証により、買い替えの頻度が少ないタブレットでも安心して長期間使い続けることができるのも魅力的でした。
日本での発売は2025年6月26日より、税込79,800円でスタート。純正キーボードケースとあわせると約9万円強の価格のため正直少し高い印象ではあるものの、マットディスプレイを搭載し、かつ、白銀比のタブレットというのはほぼなく本機の性能は魅力的。OPPOの楽天ストア等を利用すればポイント還元で実質購入額は抑えられるので、是非検討してみては。