【AOHi The Future Starship】最大入出力140Wで圧倒的なパワーと40000mAhの大容量を確保したモバイルバッテリー、AOHi The Future Starshipレビュー
最近は出張をすることも増え、新幹線を使って長距離移動をする機会も出てきました。ゆったりとした待合スペースやラウンジを利用できる飛行機での移動に対して新幹線移動は発車前に駅に来てすぐに乗り込んで車内で作業をする、という使い方をされる方が多いのでは。出張はもちろんのこと旅行のときにも駅弁などを持ち込んで車内でスマートフォンやタブレットで動画を見たりしながら過ごす、ということが多いと思います。
東京⇔大阪間でも新幹線は2時間半程度。あっという間ではありつつもその時間ずっとPCを開いていると心配になってくるのがバッテリー残量。旅行でも出張でも到着した先でバッテリー残量が心許ないと困ってしまいます。そんなときに重要になるのが電源の確保。今の新幹線は足元に電源のある席が増えておりAOHi The Future 65Wのようなコンパクトな電源を持っておくと電源は確保しやすくなっています。ただ、正直足元で電源を取ると邪魔でもあり、モバイルバッテリーで代替できてしまったほうが便利ですよね。
今回はAOHiから日本でも発売になったモバイルバッテリー、AOHi The Future Starshipをメーカーより提供していただきレビュー。40,000mAhという超大容量に140W入出力対応によるパワー、パススルー充電もできるパワフルなモバイルバッテリー。ただモバイルバッテリーとして利用するだけでなく、自宅でも充電ステーションとして利用できる利便性の高さも魅力的な製品です。
AOHi The Future Starshipのスペック
項目 | 説明 |
---|---|
モデル名 | AOC-PO010 (AOHi The Future Starship) |
容量 | 40,000mAh(146Wh) |
ポート数 | 3つのUSB-Cポート、1つのUSB-Aポート |
最大出力/入力電力 | 140W |
USB-C1 入力 | 5V-3A, 9V-3A, 12V-3A, 15V-3A, 20V-5A, 28V-5A, 最大140W |
USB-C2 出力 | 5V-3A, 9V-3A, 12V-3A, 15V-3A, 20V-5A, 28V-5A, 最大140W |
USB-C3 出力 | 5V-3A, 9V-3A, 12V-3A, 15V-3A, 20V-5A, 28V-5A, 最大140W |
USB-A 出力 | 5V-3A, 9V-3A, 12V-3A, 最大18W |
サイズ | 172mm x 53mm x 66mm |
重量 | 900g |
カラー | ダークグレー |
ディスプレイ | 1.06インチ TFT ディスプレイ |
充電時間 | 約1.5時間 |
超大容量でも持ち運びやすい筒型サイズ。900gクラスの重量には注意
パッケージは黒色をベースにAOHiのコーポレートカラーをアクセントにしたスタイリッシュなもの。製品名の”Starship(=宇宙船)”を意識してちょうどロケットが打ち上がるような開梱デザインになっています。AOHiの製品はどの製品もただの充電器の無骨なイメージを打ち消すようなデザイン性の高さも魅力。本製品も多分に漏れずスタイリッシュさも発揮しています。
同梱品は非常にシンプル。AOHi The Future Starship本体とUSB Type-Cケーブル(140W対応)、説明書が付属します。140W対応のUSB Type-Cケーブルが付属してくれているため、ノートPCなどに接続する際にも本製品の性能をフルに発揮して利用することが可能です。
説明書は多言語対応。英語・日本語・中国語の3言語で記載されており、ディスプレイの表示の説明や動作モードについても分かりやすく記載されているのもポイント。モバイルバッテリー自体は単純な製品ではあるものの、ディスプレイの表示内容などは参照できる説明書があると安心ですしね。
AOHi The Future Starshipのデザインは”Starship”を意識して細長い筒状の中にスピード感を感じさせる黄色のラインや、近未来感を感じさせる黒色のディスプレイ面など、ただのモバイルバッテリーを超えたデザイン性を実現。普通にカフェのテーブルなどに置いて利用していてもカッコいいデザインになっています。
実用性もきちんと確保しているのも見逃せないところ。通常のモバイルバッテリーはUSB Type-C端子のうちの1つは入出力兼用タイプになっていて、バッテリーを電源に繋ぎながら他の機器に給電をするパススルー充電をしようとしても、出力端子のうち一つ(しかも、最も高出力なもの)を占領してしまう問題がありました。本品は出力専用端子としてUSB Type-C×2(両方とも140W対応)、USB Type-A(最大20W)と、入力端子として140W対応のUSB Type-C端子を背面に搭載し、入出力を同時にしてもすべての端子をフルで利用できるようになっています。
黒色の近未来感を醸し出している面には小さいディスプレイを搭載。このディスプレイを通じてバッテリーの残容量を1%刻みで確認したり、それぞれの入出力端子の出入力の状況や、ポータブルバッテリーモードなのか、電源ステーションモードなのかを表示できるようになっています。ディスプレイ自体はかなり暗めのTN液晶のため、明るい場所などでは見づらい点は要注意です。
本体重量は超重量級の913g。以前レビューしたllanoの30,000mAh・100W出力のバッテリーが524gだったので、単純な容量比でも重くなっています。これは、本製品で利用しているバッテリーが通常のモバイルバッテリーで利用するものよりも高品質な「車載規格のバッテリーセル」を採用していることも影響していそう。
140W入出力への対応と、高品質なバッテリーを可能としつつ、1,000回の充放電サイクルに対応していることで、長期間にわたって利用するうえでも安心して利用できるわけです。PSEマークは丸型が印字されており国内での事業者は株式会社ニゴナでした。バッテリー容量は146Whで航空機への持ち込みについては制限があるのは注意が必要です。(国内線はJALなどでは2個まで、国際線は運行航空会社の国によりますがそれ以上に厳しい規制があります)
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140W入出力でどんな機器でも超高速充電。バッテリー本体への充電もあっという間でした
モバイルバッテリーは多くのメーカーがかなり多くの種類を販売。大容量化は本製品のような40,000mAh帯がバッテリーとしてはほぼ最大サイズで決着がついて(それ以上のサイズは「モバイルバッテリー」ではなく「ポータブル電源」のジャンルに)、それ以外の機能性を追い求める傾向になってきていました。AOHiのThe Future Starshipのような充電ステーションを志向した製品自体はAnkerやUGREENなどでも同じタイミングで登場しています。
モデル名 | AOHI The Future Starship | UGREEN Nexode 25000 | Anker Prime Power Bank (27650mAh, 250W) |
---|---|---|---|
バッテリー容量 | 40,000mAh (8*5000mAh) | 25,000mAh(5*5000mAh) | 27,650mAh |
出力ポート | 3 USB-C, 1 USB-A | 2 USB-C, 1 USB-A | 2 USB-C, 1 USB-A |
〃 | 入力ポートと独立して利用可能 | USB-Cは入出力兼用 | USB-Cは入出力兼用 |
最大出力 | 140W | 合計200W Max | 合計250W Max |
3ポート利用時 | 3ポート利用時:60W+60W+20W=140W | 3ポート利用時:140W+20W+20W=200W | 3ポート利用時:140W+92W+18W=250W |
1ポート利用時 | 1ポート時:140W | 1ポート時:140W | 1ポート時:140W |
最大入力 | 140W | 65W | 2ポート利用時:170W |
〃 | 1ポート時:140W | ||
USB-C1 入力 | 5V-3A, 9V-3A,12V-3A,15V-3A,20V-5A,28V-5A,140W Max | 5V/3A、9V/3A、12V/3A、15V/3A、20V/3.25A, 65W Max | 5V-3A, 9V-3A, 15V-3A, 20V-5A, 28V-5A, 140W Max |
USB-C2 入力 | なし | 5V/3A、9V/3A、12V/3A、15V/3A、20V/3.25A, 65W Max | 5V-3A, 9V-3A, 15V-3A, 20V-5A, 28V-5A, 140W Max |
USB-C1 出力 | 5V-3A, 9V-3A,12V-3A,15V-3A,20V-5A,28V-5A,140W Max | 5V3A、9V3A、12V3A、15V/3A、20V/5A、28V/5A, 140W Max | 5V-3A, 9V-3A, 12V-1.5A, 15V-3A, 20V-5A, 28V-5A, 140W Max |
USB-C2 出力 | 5V-3A, 9V-3A,12V-3A,15V-3A,20V-5A,28V-5A,140W Max | 5V3A、9V3A、12V3A、15V/3A、20V/5A, 100W Max | 5V-3A, 9V-3A, 12V-1.5A, 15V-3A, 20V-5A, 28V-5A, 140W Max |
USB-A 出力 | 5V-3A, 9V-3A,12V-3A,18W Max | 5V/3A、9V/2A、12V/1.5A、10V/2.25A, 22.5W Max | 5V-3A, 9V-2A, 10V-6.5A, 12V-1.5A, 65W Max |
本体寸法 | 172 * 53 * 66 mm | 約5.4x5x15.5 cm | 約162 x 57 x 50 mm |
重量 | 約900g(実測913g) | 約609g | 約665g |
充電時間 | 1.5時間 | 約2時間(PD65W充電器使用時) | 記載なし |
販売価格 | 23,992円 | 14,685円 | 24,990円 |
販売ページ | https://amzn.to/3ZfhAoQ | https://amzn.to/3ZfSTc8 | https://amzn.to/4cZRJ7A |
The Future Starshipは他社の製品と比較しても総合的な性能が高くなっているのが印象的。Anker・UGREENの似たような性能を持つポータブルバッテリーと比較すると3ポート同時利用時の出力では見劣りするものの、そもそもこの3製品の中で唯一3ポートで出力しつつ、140Wでパススルー充電ができるのがポイント。他の製品はどれもUSB Type-C端子は入出力兼用ですが、AOHi The Future Starshipだけ入力端子を独立して備えています。
充電の入力仕様もAOHiは140Wで40,000mAhという大容量ながら1.5時間での充電に対応。Ankerは2ポートを同時に利用すると170W充電ができるようですが、140W入力ができれば正直十分なレベルなはず。UGREENに至っては65Wでしか充電できないため本製品の6割程度の容量でありながら2時間も充電にかかってしまうようでした。
スペック通りの出力になっているのかをFNB58を利用して確認。USB PD出力はPD 3.1、140Wまで対応していることが確認できました。USB Type-C端子は通常のUSB 5V/1.5Aに加えてSamsung AFC(Adaptive Fast Charging)、Huawei FCP/SCP、20V QuickCharge 3.0に対応。USB PDは5V-3A, 9V-3A,12V-3A,15V-3A,20V-5A,28V-5Aの最大140Wが通知されており、スペック表通りです。なお、USB PD-PPSには対応しません。
入力端子も140Wまでの入力に対応。AOHi 140W Youth充電器を接続してUSB電流チェッカーで確認してみると26.83V/4.93A=132.3Wの表示となり誤差などを加味すれば140Wのフルスピードで充電ができていることがわかります。この140W入力のスピードは凄まじく、5分充電するだけで9%残量が増えており、単純計算で言えば56分で0%→100%充電できることに。実際には満充電近くなると充電速度が下がるためスペック表の1.5時間での満充電に落ち着くようです。
なお充電をしたり放電をしたりしている際のバッテリーの状況は、ディスプレイでひと目で確認が可能。バッテリーの残量は1%刻みで表示されるため、LEDインジケーターで表示する大雑把な表示に対してあとどのくらい利用できるのかを分かりやすく認識することができます。
また、各入出力ポートのW数についても表示。上記のディスプレイであればUSB Type-Cの入力ポートに130.3Wで電源入力されていることがわかります。電池の残量表示の下には本体の動作モードも表示されていて、上の画像であればどこにも電力を出力していないためパワーバンクモードで動作していることが表示されています。
実際に手元にある100W入力に対応しているノートPCのXiaomi Redmi Book Pro 16 2024に本機を接続してどのように出力されるのかをテスト。90Wほどの表示となっており、概ねスペック通りの出力に。供給される電力量はPCのバッテリーの状態や作業の状況によっても左右されるものの、重い作業をしている際であっても十分なパワーを供給することができました。
スペースを取らないので置いて使いやすい。新幹線でもテーブルでも高速充電が可能
今回はちょうど本機を持って日帰りの京都出張や、ちょっと長時間電車に乗るような外出にも挑戦。IT企業で働いていると当たり前のようにPCで出先で作業をするということがあり、会社のPC、スマートフォン、モバイルルーターと電力を消費する機器が増えがち。充電できるタイミングは移動中やちょっと休憩したカフェなど限られることもあり、複数の機器を同時に充電できることも重要になってきます。
京都出張の際にはJR京都駅にあるJCB Lounge京都を利用。小一時間程度コーヒーを飲みながら訪問先のレポートをまとめたり、メールの返信をしたりしていました。その間AOHi The Future Starshipを私物スマホと会社PCに接続して充電。スマートフォンもPCのどちらに対しても急速充電ができたため、この短い時間であっても両方のバッテリーをかなり充電することができました。
充電を開始した際のThe Future Starshipの電池残量は94%。この時点でPCには26.3W、スマートフォンには13.3Wで給電を開始していました。そこから55分後に電池残量を確認してみると64%に。30%の容量分の電力を一気にPCとスマートフォンに供給してくれていたわけです。このペースで利用してもあと2時間は利用できる、と考えるとかなり余裕があるということが分かるはず。
帰りの新幹線でも充電能力を多分に発揮。細い筒型のデザインは座席のポケットにペットボトルと並べて入れても収まるサイズ感で、足元などの邪魔にならずにテーブルにおいたPCやスマートフォンを急速充電しながら移動することができました。今回は東海道新幹線を利用し、窓側座席のため足元の壁に電源はありましたが、隣席が埋まっていたことで荷物が足元に来てコンセントを満足に利用するのは快適さの面で微妙な状況。AOHi The Future Starshipの余裕のあるバッテリー容量のおかげでコンセントを気にせずに出張を乗り切ることができました。
座席に余裕がある普通車グリーン席で利用する際は、隣席のテーブルの上において利用しても便利。ずっしりとしたサイズ感もあって電車の揺れで滑り落ちる心配もなかったため、そのまま利用し続けることができました。電車の中であっても快適な充電環境は確保しておきたいなら本製品は最高のパートナーと言えるはずです。
パススルー充電の充電ステーションモードで、デスクの充電スポットを簡単に構築
AOHi The Future Starshipのもう一つの特徴は、充電ステーションモードを搭載していること。このモードでは他の外部電源から供給された最大140Wの電力を、そのまま出力側の3つのUSBポートに出力したり、一部は本体の充電をしつつ電力供給をする、という使い方が可能に。自宅のテーブルの上に置いておけば単純に3ポートの充電ステーションを簡単に構築することが可能になるわけです。外出時には、そのままバッテリーとケーブル、そして利用したいPCをまとめて持っていけば、満充電されたThe Future Starshipで出先の充電もバッチリというわけ。
この充電ステーションモードが活躍しそうな場面は、自宅だけに限らないのもポイント。旅行の際に持っていけば宿泊先の宿で3ポートの充電器になりコンセントの数が少なくても多くの機器にまとめて電力供給が可能に。ACから本機への給電には140W出力できるAOHi 140W Youthなどを利用するのがベターですが、AOHi The Future 65Wのような低電力のものを利用して、夜間にバッテリーも充電されるようにする、というのも手かもしれません。そうすれば荷物も減らせて便利ですしね。
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自宅でも外出先でも140W充電をこれ一台で。最強のモバイルバッテリーAOHi The Future Starship
今回レビューしたAOHiの40,000mAhのモバイルバッテリーAOHi The Future Starship。40,000mAhの大容量に3ポート利用時でも140Wのパワフルな出力、さらに入力口が独立したことで140W入力をしつつ3機器に同時にパススルー充電できる利便性の高さを実現した製品でした。価格は2万円を超えるため財布へのインパクトは大きい製品ですが、性能の高さも圧倒的。家に置いておけば充電ステーションとして、持ち運んだ先では何でも充電できる充電ソリューションとして最高のパートナーになれるはずです。