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【CP+2026】CP+2026 Yongnuoブース取材|約45,000円のYN85mm F1.8Z DSMほか50mm F1.8Z DF Lite・ソニーE向けAPS-Cレンズを展示。コスト重視の廉価AFレンズに特化した日本市場戦略と各製品の特徴・操作性を現地レポート

パシフィコ横浜で2026年2月26日(木)から3月1日(日)まで開催中のCP+2026。出展していた中国・深センに本拠を置くカメラアクセサリーメーカーYongnuo(永諾)のブースを取材してきました。Yongnuoは1993年創業で、ストロボ・レンズ・LED照明など幅広い製品を展開する老舗メーカー。今回のCP+2026ではNikon Zマウント向けフルサイズ対応の50mm F1.8・85mm F1.8、ソニーEマウント向けAPS-C対応の35mm F1.8・23mm F1.4・33mm F1.4に加え、LEDスティックライト・YNA130 USBライブ配信カメラを展示していました。

ブース担当スタッフに製品戦略について詳しくお話を伺い、日本市場では若年層・学生・新社会人を主なターゲットとした廉価レンズへの集中戦略など、興味深い情報を直接確認。中国レンズメーカーの黎明期を支えてきたYONGNUOの現状をレポートします。

Ynlensサブブランドで若年層獲得を狙うYongnuoのCP+2026ブース概要

YongnuoのCP+2026ブースは、ガラス天板の展示テーブルにレンズやLED照明機材を整然と並べたシンプルな構成で、会場の通路側から製品を手に取って確認できるオープンな設計でした。展示台上にはYnlensロゴが入った黒いレンズが数本、そして白いボディのYnlens 50mmが一際目を引く形で配置されており、モノクロームにまとめたブースの中で白レンズが鮮やかなアクセントになっていました。

Yongnuoは「YONGNUO」の旧来ブランドとは別に、ミラーレス向けのAFレンズシリーズを「Ynlens」というサブブランドとして展開しています。スタッフによると「日本向けにはミラーレス用のレンズしか展開していない」という認識で、フルサイズのZマウントとEマウントに加えてAPS-Cサイズ対応が展示の中心になっていました。会場には2020年・2021年入社のスタッフと翻訳担当者が対応しており、日本語・英語での質問にも柔軟に応じていました。

Zマウントフルサイズ向け「Ynlens 50F1.8Z DF Lite」白・グレー・黒の3カラーバリエーション

今回のCP+2026でYongnuoが最も前面に打ち出していたのが「Ynlens 50F1.8Z DF Lite」(Nikon Zマウント対応)と「Ynlens 50F1.8S DF Lite」(ソニーEマウント対応)の2本。ブース壁面には大判ポスターが掲示されており、Zマウント版には「Zマウントならではの”軽さ”」、Eマウント版には「Eマウント市場の常識を覆す」というコピーが添えられていました。静音AF・軽量設計・写真動画両対応・高速AFを特徴として訴求しています。

Ynlens 50F1.8Z DF Lite

Ynlens 50F1.8Z DF Liteを実際に手に取って確認したところ、Zマウント版の50F1.8Z DF Liteは鏡筒上部に「Fn-B」「Fn-A」の2つのファンクションボタンと「AF/MF」切り替えスイッチが搭載されており、操作性をしっかり確保した仕様です。AF/MF切り替えスイッチ部分に「SW」と記載されているのがYN85mm F1.8Z DF DSMとの違いです。

YONGNUO Ynlens 50F1.8Z DF Lite
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対するYN85mm F1.8Z DF DSMは「AF|MF」切り替えスイッチ、「Fn-B」ボタン、「Fn-A」ボタンが鏡筒側面に並んでいるのが確認できます。鏡筒には細かな縦リブが刻まれており、質感のあるデザインです。スタッフに安価版と高級版の違いを聞いたところ、「モーターの質、レンズガラスの違い、写りの質が異なる」との説明でした。高級版(約4.6万円)はオートフォーカスが明確に速く、安価版でも「サクサク撮るのには十分使えます」という言葉が印象的でした。

45,000円の「YN85mm F1.8Z DF DSM」とZマウントAPS-C 16mmのみの超広角ラインアップ

Zマウントフルサイズのもうひとつのラインナップが「YN85mm F1.8Z DF DSM」で、会場での確認では約45,000円という設定でした。50mmとともにZマウントフルサイズの主力として展示されており、Nikon Z5 IIに装着した状態で撮影も試してみました。スキントーンが自然で色かぶりも見られず、ISO1600という会場環境でもノイズが最小限に抑えられていました。価格も手頃で、サイズ感も程よいため、気軽に持ち運べるポートレートレンズとして楽しめそうな印象でした。

Zマウント向けの超広角については「14mmのようなフルサイズ超広角は展開しないのか?」と質問したところ、スタッフは「Zマウント向けの超広角はAPS-Cの16mmのみ。フルサイズの14mmは現在も今後も投入しない」と明言しました。Fマウント時代には14mm F1.8(レビュー)が存在していたものの、それは約6年前の製品でもう生産終了済み。高級向けなモデルについては数を絞っていく方針の様子でした。

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日本で最も売れるキヤノンEマウント向けAPS-C「YN35mm F1.8S DA ART・YN23mm F1.4S」

ブース壁面のポスターで特に目を引いたのがソニーEマウントAPS-C向けのラインナップでした。「YONGNUOコマンダーシリーズ」として展開するYN35mm F1.8S DA ARTには「アーティスト実力派」「APS-C 35mmレンズの新たなスタンダード」というキャッチコピーが。またYN23mm F1.4S DA DSM WL Proは「プロ仕様の万能単焦点レンズ」として街歩き・ストリートスナップ向けに訴求していました。33mm F1.4S AFもポスターに掲示されており、「写真と動画の両立を実現、編集の幅を広げ、表現力を引き出す」というコマンダーシリーズとしての訴求が行われていました。

スタッフへのインタビューで印象的だったのが、「日本で最も売れているのはキヤノンEマウント向けレンズで、2017年頃から継続的に好調」という回答でした。EF/Eマウント対応製品がAmazonでも多数販売されており、日本市場での流通は活発とのこと。海外市場と比較して日本では売れ行きが相対的に良いという認識もありました。

製品名焦点距離最大絞り対応マウント
Ynlens 50F1.8Z DF Lite50mmF1.8Nikon Z(フルサイズ)黒・グレー・白
YN85mm F1.8Z DF DSM85mmF1.8Nikon Z(フルサイズ)約45,000円
YN16mm16mmNikon Z(APS-C)
Ynlens 50F1.8S DF Lite50mmF1.8Sony E(フルサイズ)黒・白
YN35mm F1.8S DA ART35mmF1.8Sony E(APS-C)
YN23mm F1.4S DA DSM WL Pro23mmF1.4Sony E(APS-C)
YN33mm F1.4S AF33mmF1.4Sony E(APS-C)

レンズだけじゃない「YNA130 USBライブ配信カメラ」とYongnuo LEDライティングシリーズ

Yongnuoはレンズ・ストロボに留まらず、LED照明・ライブ配信カメラという新カテゴリにも積極的に展示スペースを割いていました。展示台の照明エリアには「YONGNUOロゴ入りの小型LEDキューブライト」(ドット状の放熱パターンが特徴)、白い小型LEDパネル、大型の放物面型ディフューザー付き照明機材が整列配置されており、スライダーレールや各種ケーブルも展示されていました。

「YN433 USBカメラ プロフェッショナルライブ配信カメラ」は黒いスタンド上に固定された状態でデモを実施中。本モデルは2024年のCP+でも登場しておりおなじみの製品。ポスターには「ライブ配信カメラの新基準を樹立」というコピーが。EC・ライブコマース向けの業務用途を想定した製品という印象です。また「LEDライトスティックシリーズ ソフトライトRGB ポータブル マジックライト」(10W・20W・30Wの3ラインナップ)もポスターで紹介されていました。

エントリー層向け廉価レンズ路線に舵を切ったYongnuoの現在地

例年CP+に単独ブースを出展しており、日本でもある程度の知名度を持つ中国レンズメーカーのYONGNUO。以前は積極的に展開していた高級レンズというよりは、今後は「学生・新社会人・まだ資金的に余裕のない若年層」に向けた廉価・エントリー向けレンズを中心に製品を拡充していくとのこと。MEIKEなどが85mm F1.4のレンズを投入しているのに比べると対象的な印象でした。

「学生・若年層向けの廉価エントリーレンズへの全振り」というコンセプトは、エントリーレベルのカメラがブームになりつつある中国市場では合っている印象。一方でNikon Zマウントユーザーとしては、フルサイズ向けの超広角が今後も空白のままというのは少し残念でした。ただ、いくつかのレンズを試してみた印象としては、YONGNUOの製品品質は十分感じられコストパフォーマンスの高い製品が欲しい方にはまだまだ魅力的に感じました。

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銀行をやめて人材系のHRテックらしいメガベンチャーにいたかと思えば、今はSIerで企画とかしています