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【TP-Link Deco XE200】16本のアンテナで圧倒的なパワーを実現。メッシュWi-Fi、TP-Link Deco XE200レビュー【PR】

様々なメーカーから高速なWi-Fiルーターが登場している今日。当ブログでもTP-LinkのArcher AXE5400を導入したことで実測900Mbpsを超える高速通信を手に入れたレビューを掲載していました。おそらくAXE5400で自宅は十分なパワーを実現しているのですが、もう一つ気になったのが会社のネットワーク。私の勤務先は会社のLANにつながったアクセスポイントと、ゲストWi-Fiの2種類のWi-Fiを設置していますが、出社者が多い日にはどちらも速度が低下しがちなわけです。

今回はTP-Linkから登場しているトライバンドメッシュWi-FiルーターであるTP-Link Deco XE200をメーカーより提供していただきレビュー。実際に会社のゲストWi-Fi(アクセスポイントB)を本製品に置き換えることでWi-Fiのパワーアップを行った様子をレポートします。

Wi-Fi 6Eをフル活用できるメッシュWi-Fi 6Eシステム、Deco XE200

まずはTP-Link Deco XE200の性能について確認。Deco XE200は最新のWi-Fi 6E規格に対応した高性能なメッシュWi-Fiシステム。6GHz帯域を活用することで、最大通信速度4804Mbpsを実現し、従来の2.4GHzおよび5GHz帯域とも組み合わせてトライバンド構成を実現します。これにより、多数のデバイスが同時に接続しても安定した高速インターネットを利用が可能なもの。8×8 MU-MIMOとOFDMA技術により、多くのデバイスが効率的に通信できます。

さらに、Deco XE200は16本の内蔵ハイゲインアンテナとビームフォーミング技術を搭載しており、広範囲にわたる強力なWi-Fiカバレッジを提供します。TP-Linkのメッシュテクノロジーを利用して複数のユニットを連携させることで、大規模な家やオフィスであってもでもシームレスな接続を実現。また、AIメッシュ機能により、ネットワーク環境を自動で最適化し、常に最高のパフォーマンスを維持できるというもの。カタカナばかりで分かりづらいですが、広い家やオフィスであっても、十分なパワーを実現できる、そう思って問題はありません。

TP-Link Deco XE200の仕様・スペック

項目仕様
モデル名と型番Deco XE200
Wi-Fi規格Wi-Fi 6E IEEE 802.11ax(6GHz)
IEEE 802.11ax/ac/n/a(5GHz)
IEEE 802.11ax/n/b/g(2.4GHz)
周波数帯2.4GHz、5GHz、6GHz
最大通信速度6GHz:4804Mbps(802.11ax, HE160)
5GHz:4804Mbps(802.11ax, HE160)
2.4GHz:1148Mbps(802.11ax)
Wi-Fi範囲5LDK以上(2パック)
TP-Linkメッシュテクノロジー(Ethernet backhaul対応)
アンテナ数とタイプハイゲインアンテナ×16(内蔵)
MU-MIMO対応8×8 MU-MIMO
ビームフォーミング対応
セキュリティプロトコルWi-Fi暗号化:WPA-Personal
WPA2-Personal
WPA3-Personal
LANポート数と仕様10Gbpsポート×1
ギガビットポート×2(各DecoユニットWAN/LAN自動判別)
WANポート仕様動的IP、静的IP、PPPoE、PPTP、L2TP、v6プラス、DS-Lite、MAP-E(OCN)
メッシュネットワーク対応AIメッシュ(ネットワーク環境を学習し理想的なWiFiを提供)
ゲストネットワーク機能6GHzゲストネットワーク×1
5GHzゲストネットワーク×1
2.4GHzゲストネットワーク×1
QoS(Quality of Service)HomeShield QoS(デバイスごとのQoS)
サイズ・重量130 × 123.5 × 241 mm

インテリアにマッチするデザインで、家でもオフィスでもどこにでも設置可能

まずはパッケージから確認。TP-LinkのメッシュWi-FiシステムであるDecoシリーズは、通常のWi-Fi製品のArcherシリーズの薄緑色を中心としたパッケージとは異なり、白をベースにしたデザイン。パッケージには簡潔に製品のスペックが記載されています。

同梱品はシンプルでDeco XE200の本体×2に加えて電源アダプター、LANケーブル(Cat 6)、クイックインストレーションガイドが付属しています。デフォルトの構成はメッシュ構成として利用するのをメインとしていることからLANケーブルは1本という構成です。

本体は白一色のWi-Fiルーターには見えないデザイン。円筒形のデザインのWi-Fiルーターというのはなかなか見かけないはず。ただ、実際にはこの円筒形がDeco XE200の性能のためには重要で、6Ghzアンテナ×4に16個の高出力Wi-Fi FEMを筒の全方向に向かってまんべんなく配置。これによってどの方向であっても最高の通信環境を実現しているわけ。

リビングに置いてあっても、会社のオフィスの棚の上に置かれていても謎のオブジェにしか見えない、この白いデザインはスタイリッシュさと機能性を極限まで両立したものというわけ。細部まで手を抜かないTP-Linkのこだわりを感じます。

側面部にはLAN端子を配置。10Gbps対応のLAN×1と、1Gbps端子×2を搭載。10Gbps回線が来ている逸般のご家庭であってもこれなら安心です。インターネットを当たり前のように利用する企業であれば、固定IPで帯域保証の10Gbps回線が来ていると思いますので、その場合でも安心ですね。両方のアクセスポイントで有線で10Gbpsに接続したい場合はハブなどを利用する必要があります。

裏面には電源接続用の端子が鎮座。電源アダプターのケーブル部分は下部の溝から入れられるようになっており表に露出しないようになっているのもデザインを大事にしている印象でした。側面の渦の隙間と裏面の溝の部分は吸排気口となっており十分な冷却ができるような構成になっています。

AXE11000による超高性能なルーター。一基利用でも超高速接続を実現

まずは自宅に設置してその性能をテスト。メッシュWi-Fiとして利用するのが一番の製品ではありますが、一基での販売もされており、一台だけで利用したり2台セットに一台足して3台構成として利用することも可能です。ということで、一旦現在自宅で利用しているArcher AXE5400を取り外してDeco XE200を一台のみセットアップしてその実力をチェックします。

Deco XE200のセットアップは専用アプリの”Deco”アプリを利用。Android版・iOS版ともに用意されているためここは問題なく利用が可能。なお、ブラウザでのセットアップには対応していないので必ずスマートフォンかタブレットが必要なことは要注意。特に会社で利用する、という場合には社用スマホなどを利用する必要があります。

基本的にセットアップはウィザードに従って進んでいけば簡単に完了できるようになっているのはポイント。書いてあることを読みながらその都度必要な作業を行うだけで完了できます。Deco XE200のセットアップをアプリで認識するのも、製品のラベルを読めばOKな点もそのわかりやすさの一つかも。

あとは設置した場所やインターネット接続タイプを選んでWi-Fiアクセスポイントを選べば設定は完了。簡単にとりあえず動くように設定ができました。なお、このセクションではnuro光の環境に接続しているため、nuro光側のONU兼ルーターが設置されており本機もルーターとして動作すると二重ルーターになってしまいます。Deco XE200の仕様上、最初はルーターモードとしかセットアップできないため、自動検出で「動的IP」にしておけばとりあえず問題ありません。

Deco XE200のセットアップ後はDecoアプリ上でネットワークへの接続状況を確認可能。接続しているクライアントの情報はもちろんのこと、動作モードについてもこのアプリ上でブリッジモードに切り替えることが可能です。設定画面からはブロックリストの調整も可能で、MACアドレスで接続させたくない機器を設定することもできます。

その他の設定でいえば、ゲストネットワークやIoT機器用のネットワークを別に構築することが出来るのも面白いポイントかと。誰かを自宅に招いた際に、宅内LANに接続させるというのはNASの環境を構築しているとちょっとセキュリティ的に避けたいところ。別のSSIDのネットワークを感嘆に構築できるのは便利です。

なお限定的ではあるものの、これまでスマートフォンアプリでしか設定を行えなかったDecoシリーズでもWEBでの設定が一部可能に。できることはSSIDのパスワードの変更と、接続機器の一覧の確認(ネットワークマップを見る機能)、そして、ファームウェアアップデートだけ。スモールオフィスなどで利用するという場合であっても、PCから行いたい操作はもう少しあるはず(MACアドレスでの接続機器制御とか)なので、もう少しWEB版の画面には頑張ってほしいところ。

設定が終わったら早速Deco XE200の実力をテスト。スマートフォン(Wi-Fi 6対応)とPC(Wi-Fi 6e対応)で同時に回線速度を計測して負荷をかけてどれだけの速度を確保できるのかを確認します。回線はnuro光で平日の朝に測定しました。

まずはPC単独で計測を実施。Archer AXE5400では書斎のPC単独で下り619Mbps、上り322Mbpsでしたが、Deco XE200では下りで838Mbps、上りでも553Mbpsという圧倒的なスピードを実現。有線とほとんど変わらない速度を実現できているのは特筆すべき点かと。

スマートフォンとPCを同時に計測してみた結果も確認。Archer AXE5400ではPCが下り497Mbps、上り222Mbps、スマートフォンが下り337Mbps、上り393Mbpsという結果でした。対してDeco XE200ではPCが下り437Mbps、上り469Mbps、スマートフォンが下り430Mbps、上り388Mbpsと、2台を合計したときの速度の高さを実現。複数機器を同時に接続した場合でも高速な接続性を確保しています。

最大50人超が集まる、オフィスのゲストWi-Fiで実力をチェック

本記事の本丸が本機を実際に最大50人~60人が集まるオフィスで利用したときの動作性能。普段の出社人数は20人ほどのオフィスでも、週に一回の営業の出社日や月に一回の全社出社日にはゲストWi-Fiも含めて非常に混雑し、ネット回線の状況が大幅に悪化。SaaSを提供する企業の都合、WEBを利用した商談やミーティングを実施することも多く、多人数でGoogle Driveを使いつつZoom、Teams、Google Meetが飛び交うことで回線速度が低下してしまいました。

冒頭でも書いていたように会社の業務用アクセスポイントには10Gbps回線、ゲストWi-Fi側も1Gbpsの回線を接続していたものの、大人数が出社したときには回線計測の実測値が数Mbpsまで低下してしまうことも。もともとの運用では会社の角にあるサーバーラックの上に1台アクセスポイントを設置し、そこから会社全体へWi-Fiを飛ばしていました。

最混雑時にはインターネット速度が26Mbpsなど、WEB会議ですら怪しいレベルまで回線速度が低下してしまう状況に。最悪の際には5Mbpsを切るレベルになってしまってZoomの会議がストップしてしまうなんてことも。Microsoft Teamsを利用するという場合には、目も当てられない状況でした。これでは正直な話、仕事にならないってわけです。

DECO XE200を設置してからは大幅に接続状況が改善。一番わかりやすいのが接続速度で、3桁Mbpsに到達できなかった混雑時であっても250Mbpsという速度を確保。オフィス在室数が少ない際はもちろん、出社者が重なっているときでも安定した接続を実現しました。

今回はDECO XE200をサーバーラック上に有線接続で一基、もう一基をオフィスの対角線の反対側に一基設置。反対側のDECO XE200は有線接続ではなくあくまでも無線通信でメッシュ化することにしました。DECO XE200同士の接続はWi-Fi 6Eを利用して他の5Ghz帯が混雑した状態でも安定した接続を確保できるようにし、一般利用者向けのアクセスポイントはWiFi 6までとしました。

DECO XE200のパワーは正直なところ圧倒的、という一言。坪数としては正確には不明ですが100坪程度のオフィスであればDECO XE200で隅々でも電波強度が一切落ちない快適な通信環境を実現することができます。これで混雑時であっても安心してインターネット接続が利用出来るようになりました。

ただ、今回の設置ではあくまでも会社のゲストWi-Fiの置き換えのみとなりました。通常の業務時にメインで利用するアクセスポイントについては当初は置き換え先として想定していましたが、対象外になってしまっています。社内の運用ポリシーの問題もありますが、弊社での導入で引っかかったポイントを書いておきますので、該当するかしないかで確認していただければ。

  • スマートフォンアプリからしか設定が出来ないこと
    法人利用では、WEBブラウザから詳細な設定まで、かつ、ID/Passで制御したいニーズがあるので、WEBブラウザの設定機能は拡充してほしかったところ
  • デフォルトゲートウェイの設定がアクセスポイントモードで出来なかったこと
    弊社の場合は、ルーターでのIP付与について接続機器のMacアドレスでの制御を行っていました。DECO XE200をアクセスポイントモードにすると、デフォルトゲートウェイの設定ができなくなることで、設定が出来なくなってしまったのでNG

どうしてもDECO XE200は法人向けのモデルではないため、かつ、Archerシリーズと比べても設定できる項目が少ないこともあり高度な制御を必要とする社内LANのアクセスポイントとしての利用には限界がありました。とはいえ、弊社のようにゲストWi-Fiをバックアップとして用意する、という場合にはメッシュ化の恩恵も受けやすく、混雑時でも安定したネットワークを確保できるため使い道さえきちんとしておけば十分使える印象でした。

家庭内のネットワークを最強に、オフィスでも使えるメッシュWi-Fiルーター

今回レビューしたTP-LinkのメッシュWi-Fi 6Eシステム、TP-Link DECO XE200は最大通信速度4804Mbpsと、16本の内蔵ハイゲインアンテナとビームフォーミング技術によってパワフルなWi-Fi環境を広い場所で実現できる製品でした。家庭に10Gbps回線の来ている逸般のご家庭の方であっても、小規模な会社内ネットワークを実現したいという方であっても十二分なパワーを確保した製品です。

TP-Link DECO XE200は1個パッケージでAmazonにて約39,000円(6月16日時点)、2台セットで約72,000円(同日時点)となかなか金額が張るモデル。ただし、得られる性能の高さ、ネットワークの安定性については唯一無二の存在とも言える製品。自宅のネットワークを最高にしたい方にも、会社のネットワークをより強くしたい方にも、ぜひお試しいただければ。

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銀行をやめて人材系のHRテックらしいメガベンチャーにいたかと思えば、今はSIerで企画とかしています