昨今のブームと言えば、3辺ベゼルレスの端末。iPhoneもこの流れに同調し、当ブログでもXiaomi Mi MIX(レビュー)を皮切りに多くの機種をレビューしてきました。最近では、Snapdragon 835に4GB RAMを搭載した「Androidの父」によるEssential Phone PH-1のレビューもお送りし、注目を集めていました。今回は、そんな3辺ベゼルレス端末でも購入しやすい価格ながらMediaTek Helio X25に4GB RAM、64GBストレージ、そしてWQHDの超高解像度ディスプレイを搭載したElephone S8をGearBestより提供していただいたのでレビューいたします。
Elephone S8はElephoneから登場した最新の3辺ベゼルレススマートフォン。某S7 edge似のElephone S7から更にステップアップしたモデルになりました。SoCにはHelio X25、4GB RAMに64GBストレージ、6.0インチ 2560*1440のWQHDディスプレイなど、大満足なスペックを搭載。それでいながら239ドルで購入できるハイスペックモデルです。
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爽やかなブルーがクールなデザイン!大画面でも持ちやすく仕上がりました
パッケージは白一色。Elephoneのロゴがあしらわれたシンプルなパッケージです。箱を開けると、すぐに本体が登場。中華フォンらしく、傷防止用の袋に入れられています。
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本体前面・3辺ベゼルレスでかなりスタイリッシュ |
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液晶保護フィルムが最初から貼り付けられているのは嬉しい仕様 |
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前面下部に自撮り用のカメラと、指紋認証センサーなどを搭載 |
3辺ベゼルレスを謳っているだけあって、本体のデザインはなかなかスタイリッシュ。実際に見てみても、ベゼルがかなり狭くなっていて、6.0インチながら横幅はなかなか細くなっています。
嬉しかったポイントは、液晶保護フィルムが最初から貼り付けられていたこと。画面のほぼ全面を覆ってくれた状態で貼られていたので、面倒なフィルム貼りも余計な出費もなく済んだのはグッドです。
指紋認証センサーや、前面カメラ、センサー類は画面下部にコンパクトに搭載。背面に動かすことも、画面上部にくぼみを作ること無く綺麗に仕上がっているのは好感が持てます。
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上部側面 |
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下部側面・USB Type-Cとスピーカー |
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右側面:電源キー・ボリュームキー |
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左側面:SIMスロット |
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SIMスロット:nanoSIM×2 |
ボタンやSIMスロットの配置は、他のスマートフォンと変わらず標準的な構成。充電端子はUSB Type-Cを採用し、ようやく時代に追いつきました。また、3.5mmステレオミニジャックも廃止し、Type-C経由での出力か、Bluetoothの利用が必須に。microSDまで無くなってしまい、若干拡張性に関しては疑問が残ります。
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角度によって反射が変わる背面 |
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背面カメラは2100万画素 |
背面のデザインはなかなか。今回は青色をレビュー用にリクエストしてみましたが、爽やかなエメラルドブルーが、見る角度によって輝きを変えるデザインはクール。カメラとフラッシュ、そしてElephoneのロゴのみのシンプルさも相まって、所有欲を満たしてくれます。
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付属品:説明書・ACアダプター・シリコンケース・SIMピン・USB Type-Cケーブル・オーディオアダプタ |
付属品は、本体、説明書の他に、ACアダプター(EU仕様)、シリコンケース、USB Type-Cケーブルに、オーディオアダプター。シリコンケースが付属しているので、ベゼルレスで耐久性が不安!という場合でも、安心して商品到着の直後から利用できます。
サクサク動く動作。驚きの鮮やかさのディスプレイで快適そのもの
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初期セットアップ画面 |
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AOSPベースのため、日本語UIも標準搭載 |
本機で採用されているのはAndroid 7.1 Nougat。基本的にAOSP準拠のほぼ素のAndroid OSです。このため、日本語を特に設定変更無く選択可能。初期セットアップに関しても、すべて日本語で完了できます。
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クイック設定ツール |
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設定画面はAndroid標準の構成 |
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一部オリジナル機能が存在 |
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搭載OSはAndroid 7.1.1。セキュリティパッチレベルは2017年9月5日(記事執筆時点) |
先に述べたとおり、ほぼ素のAndroid OSを搭載しているため、設定画面に関してもAndroid標準の機能が並べてある感じ。本機のオリジナル機能としては、タスクマネージャーとアプリのクリーナーを搭載しており、設定をすれば自動で不要なタスクをキルしてくれるくらい。ナビゲーションバーに関しては表示の有無は調整できるものの、並び順は変更不可でした。
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アプリのウィンドウ化機能 |
もう一つのオリジナル機能としては、アプリのウィンドウ化ができるところ。Android 8.0 Oreoからは画面分割が標準搭載となりましたが、本機は7.1ながら搭載。ただし、個人的に試した限りでは、上下分割などはできずただウィンドウ化するだけで、実用性は微妙でした。
画面下部の指紋認証に関しては、かなり精度が向上。Huawei Mate 9やOnePlus 5といった上位機種に比べると認証速度、精度ともに劣るのは事実でした。しかし、認証から画面ロック解除までコンマ数秒の世界に入っておりストレスを感じることなく認証可能でした。
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Antutuベンチマーク |
基本性能を測る指標としてAntutuベンチマークを回した結果が上の通り。87353点と10万点には及ばなかったものの、かなりの高得点を記録。基本性能に関しては、申し分のないレベルといって過言ではありません。
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アイドルマスターシンデレラガールズ |
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アイドルマスターシンデレラガールズ(3D標準) |
ゲームプレイ時の3D性能のテストとして、アイドルマスターシンデレラガールズ(デレステ)とReal Racing 3をプレイ。デレステでは、標準の動作設定としては【3D標準】が選択され、ある程度の3D描画性能があると判断されている模様。ただし、実際にプレイしてみると、画面タッチのずれが一部感じられたり、画面乱れがあり、あくまでもMediaTekなりの性能と言った印象でした。
Androidのレーシングゲームとして、第1選択肢となるReal Racing 3では、プレイ時の遅延などは特に感じず快適にプレイできました。ただ、起動にかかる時間や、レース前の画面遷移に関しては若干遅い印象を否めませんでした。
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輝度100% |
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輝度50%ほど |
個人的に本機で驚かされたのは、そのディスプレイの美しさ。解像度も2560*1440(WQHD)と、1920*1080(フルHD)がまだまだ主流の6.0インチ帯の中では優秀でした。それだけでなく、画面の明るさと鮮やかさも、直射日光の下でも十分鮮やかに写真を見れるほど。これまで多くのスマートフォンを触ってきましたが、その中でも頭一つ抜けて綺麗なディスプレイで驚かされました。
カメラの性能は…もう一踏ん張りして欲しいところ
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カメラUI |
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最大画素は2100万画素。RAW形式にも対応 |
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フィルターは9種類。ただ、質は微妙 |
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フロントカメラの写真を合成できるPIPモードも搭載 |
カメラは最大2100万画素の撮影に対応。RAW形式での保存にも対応しているため、頑張ればそれなりに写真が化ける可能性もあります。UI自体はMediaTekの標準のもので、機能も同様。フィルターに関しては9種類搭載しているものの、その質に関しては正直なところ微妙です。また、フロントカメラの写真を合成するPIPモードも搭載しています。
京都に紅葉を撮りに行った際に、Elephone S8でも何枚か撮影してみました。晴天下、運天時、食事、夜景と撮影してみましたが、正直質は良くないのが本音。基本的にコントラストが浅く、また、白色がかかった感じになってしまい、とても綺麗とは言えません。この点に関しては、今後頑張って欲しいというところでした。
日常使いにはグッド。画面もキレイで持ちやすい端末でした
今回レビューしたElephone S8、基本性能は比較的高めで、日常使いやちょっとしたゲームでは十二分に戦える端末でした。カメラの性能に関しては微妙なところもあったものの、デザイン、性能を総合的に見れば非常にいい感じでまとまった端末に感じます。