【Rokid Ai Glasses Style】臨時特急「谷川岳もぐら」で谷川岳へ。鎖場でも両手を使わずに撮れる1,200万画素カメラと、ヤマレコの音声案内が耳元で聞こえる便利さを谷川岳・天神尾根ルートの登山で使って徹底レビュー
本記事はフューチャーモデル株式会社より製品(Rokid Ai Glasses Style)の貸与を受けて作成しています。

9月末に公開したRokid Ai Glasses Styleの深圳編では、華強北や南山の街歩きで、Hi Rokidの応答の速さや目の前の商品を日本語で解説してくれるカメラ翻訳の便利さをお伝えしました。その一方で、画面がないので音声ナビはスマホで十分と感じたこと、歩いているうちにノーズパッドがずれてくることも正直にレビューしました。街中や屋内だけでは、このグラスの向き不向きを判断しきれないというのが率直なところ。
今回はメーカーよりお借りしているRokid Ai Glasses Styleを、群馬と新潟の県境にそびえる谷川岳(標高1,977m)へ持ち出してレビュー。大宮から土合駅まで乗り換えなしで向かう臨時特急「谷川岳もぐら」で地下の土合駅に降り、天神尾根を登ってトマの耳まで往復。下山後は水上温泉に1泊して、翌日は越後湯沢に抜ける1泊2日の行程で、登山中はずっとサングラス代わりにかけて歩きました。Qualcomm Snapdragon AR1に1,200万画素カメラ、ChatGPTとGeminiに対応したAIアシスタント「Hi Rokid」を、レンズを除いて38.5gのフレームに収めたディスプレイレスのAIグラスです。Rokid日本公式ストアでの販売価格は64,990円(税込)です。
Rokid Ai Glasses Styleのスペック
| 項目 | スペック |
|---|---|
| ディスプレイ | 非搭載 |
| プロセッサ | Qualcomm Snapdragon AR1 |
| RAM | 2GB |
| ストレージ | 32GB |
| カメラ | 1,200万画素(3,024×4,032) |
| 絞り値 | F2.25 |
| 写真 | 最大4K |
| 動画 | 最大3K・30fps |
| 撮影表示灯 | あり |
| スピーカー | 指向性Hi-Fiスピーカー×2 |
| マイク | 4マイクアレイ |
| バッテリー | 210mAh |
| 駆動時間 | 最大12時間 |
| 駆動時間の目安 | 連続翻訳 約2時間/連続動画撮影 約45分/連続通話 約5時間/連続音楽再生 約6時間 |
| 充電 | 約20分で80% |
| 充電方式 | マグネット式充電ケーブル(USB Type-C) |
| Wi-Fi | Wi-Fi 6 |
| Bluetooth | Bluetooth 5.3 |
| AIアシスタント | Hi Rokid(ChatGPT/Gemini対応) |
| 翻訳 | 最大76言語 |
| 音声操作 | 12言語 |
| 操作 | 音声起動/タッチパネル(2本指タップ)/ヘッドジェスチャー/機能ボタン |
| 度付きレンズ | -15.00D〜+15.00D(累進・調光・カラー・ブルーライトカット・UVカット・偏光などに対応) |
| フレーム素材 | TR90フレーム/チタン合金ヒンジ/エアクッションノーズパッド |
| フレームサイズ | ヒンジ間149mm/レンズ幅53mm/レンズ高50.6mm/ブリッジ幅21mm/テンプル長157mm |
| 重量 | 38.5g(レンズを除く)/45.9g(レンズ込み・実測) |
| カラー | ブラック/トランスペアレントグレー |
山の上でもサングラスとして自然な見た目。登山中にずり落ちてくるノーズパッドは若干課題

Rokid Ai Glasses Styleはヒンジ間149mm、レンズ幅53mm、テンプル長157mmというサイズに、レンズ込みで実測45.9gの重量を持つAIグラス。今回も色付きレンズの入ったブラックの個体を、サングラスとしてかけて登りました。肩ノ小屋の手前、天神尾根と西黒尾根の分岐を示す道標の前で撮ってもらったのがこちらのカット。横から見るとテンプルに白いRokidのロゴが入るものの、山の格好に合わせても浮かない普通のサングラスの見た目です。カメラやスピーカーを内蔵したグラスを別に持つのではなく、サングラスの代わりにかけておけばよいので、荷物を増やさずに済むのが特徴的。
Rokid Ai Glasses Styleは、フレームに直接度付きレンズを入れられるのも特徴で、-15.00D〜+15.00Dの度数に対応。累進(遠近両用など)・調光・偏光なども選べるので、普段メガネをかけている人でも度付きのサングラスとして山に持っていくなんてことも可能です。上位モデルのRokidスマートAIグラスはマグネット式の補正レンズフレームを重ねる方式だったのでそれに比べるとレンズを付け替えてしまえば軽量なまま持っていく事が可能です。

気になったのは、深圳編でも書いたノーズパッド部分。登山中もやはりずり落ちてきて、何度もかけ直すことに。エアクッション入りのパッドがフレームに直接付いた簡易な構造で、フィット感を調整する機構がないのは山でも気になるところでした。登山で長時間かけるなら、メガネ用のずれ防止アクセサリーを用意しておくのがベターです。
街歩きで使った深圳編はこちら。外観・同梱品・重量計測や、カメラ翻訳の使い勝手はこちらで詳しく紹介しています。
臨時特急「谷川岳もぐら」で地下の土合駅へ。462段の階段と暗いトンネルでも記録用には十分な1,200万画素カメラ


谷川岳へのアクセスに使ったのが、臨時特急「谷川岳もぐら」。大宮を7時58分に出発して土合に10時03分に到着する列車で、首都圏から乗り換えなしで登山口の最寄り駅まで運んでくれます。えきねっとのチケットレスで3号車の指定席を予約し、特急券は2人で3,780円。意外と手軽な価格でダイレクトアクセスとなるので個人的にはかなりグッドな路線でした。早朝の在来線を使うので、朝食や行動食は出発前に調達しておくのが安心です。


土合駅に着くと、ホームはトンネルの中。蛍光灯に照らされた長いホームに、緑のラインが入った特急の車両が停まっている様子は、ほかではなかなか見られない光景です。列車を降りてすぐ、Rokid Ai Glasses Styleの機能ボタンを押して撮影を開始。蛍光灯だけの薄暗いトンネルでも、苔の生えたアーチ状の天井や、改札へ向かう登山者の列がしっかり写っています。


下りホームから改札までは462段の階段。上り切った先の看板には、お疲れさまでした(階段数462段)、改札出口まで後143メートル、階段2ヶ所で24段という案内がありました。Rokid Ai Glasses Styleのカメラは1,200万画素・F2.25で、写真は最大4K、動画は最大3K・30fpsに対応。今回は深圳編と同じく、写真を3K(4:3)、動画を2.5K・30fps(3:4の縦長)の設定で撮影しています。階段を上りながらでも頭の向きがそのまま構図になるので、周りの登山者の流れを止めずに記録を残せます。


階段を上り切ったあとは、改札へ続く長い連絡通路。錆びたトタンの天井や、苔むしたコンクリートブロックの壁が続く独特の雰囲気です。明るい窓の外は白っぽく飛んでしまうものの、暗い通路の中は壁の質感まで残っていました。



通路の窓からは、外の山の斜面と木造の駅舎が見えます。「出口 改札口はここから17メートル」の看板や、駅舎に貼られた谷川岳山開きのポスターも、文字まで読める程度に写りました。気になったものに顔を向けてボタンを押すだけなので、スマホを出すほどではない看板や張り紙も気軽に残しておけます。

改札を出た駅舎には、登山届を出すための記入台とポストも置かれています。「いよいよ谷川岳です、谷川岳は美しい、しかし厳しい山です」と書かれた大きな看板が目を引きました。今回は登山届をオンラインのコンパスから提出済み。スマホから計画を登録でき、受付の確認メールもすぐに届くのは便利なところです。
国道291号を歩いて谷川岳ロープウェイへ。一眼カメラやスマートウォッチと撮り分ける3台目のカメラ



土合駅からロープウェイ乗り場の谷川岳ベースプラザまでは、国道291号沿いの舗装路を約30分歩きます。この日の午前は雲の少ない快晴。木漏れ日の落ちる道や、ガードレール沿いの坂道を歩きながら撮ったカットは、空の青と木々の緑がくっきりと撮影することが出来ました。日陰と日なたが混ざる場面でも、道路の影の中まで潰れずに写っています。

今回の登山では、一眼カメラを手に持ち、手首にはスマートウォッチを着けて歩きました。グラスで撮ったカットを見返すと、スマートウォッチでルートを確認している手元や、一眼を握ったまま歩いている手元がそのまま一人称で残っています。一眼で風景を、グラスで歩いている自分の視点を、という撮り分けを、手を増やさずにできるのが便利なところ。後半はトレッキングポールも手に持っていたので、カメラを構えるために立ち止まらずに記録を残せました。
登山中にスマートウォッチでヤマレコの地図を使った過去のレビューはこちら。グラスとウォッチの組み合わせを考えている方はあわせてどうぞ。


歩いている途中で、頭上を谷川岳ロープウェイのゴンドラが通過。見上げてボタンを押すと、青空を背景にしたゴンドラを捉えられました。到着した谷川岳ベースプラザは、ロープウェイの土合口駅を兼ねた大きな建物で、入口の看板の文字まではっきり読めます。



館内のチケット売り場も、天井の照明が並ぶ広いホール全体を1枚に収められました。グラスのカメラは画角が広めなので、屋内でも一歩下がらずに全体が入ります。朝の時間帯を過ぎていたこともあり、上りのロープウェイは空いていて待ち時間もなく乗車。窓の大きなゴンドラから色づき始めた山肌を見下ろしながら、標高1,319mの天神平へ上がりました。
天神平からトマの耳まで往復6.4km。岩場に苦戦した天神尾根コース

天神尾根のルートを、登山アプリのヤマレコで記録した結果がこちら。天神平からトマの耳までの往復で、距離は6.4km、登りと下りの累積標高差はそれぞれ704mと706mでした。行動時間は4時間12分、休憩が50分で、合計5時間2分。計画ではロープウェイからリフトに乗り継いで天神峠から歩き出す予定でしたが、実際には天神平からそのまま歩き始めています。

| 地点 | 計画(登り) | 実績(登り) | 計画(下り) | 実績(下り) |
|---|---|---|---|---|
| 天神平(天神峠) | 11:25 | 11:16 | 16:23 | 16:20 |
| 熊穴沢避難小屋 | 12:05 | 11:51 | 15:42 | 15:39〜15:41 |
| 天狗の留まり場 | 13:06 | 12:40〜13:04 | 15:09 | 15:07〜15:08 |
| 天神ザンゲ岩 | – | 13:29〜13:30 | – | 14:43〜14:44 |
| 谷川岳・肩の小屋 | – | 13:43〜13:59 | – | 14:32 |
| トマノ耳 | 14:13 | 14:08〜14:13 | 14:38 | 14:13 |
出発前に立てた計画は、標準コースタイムの0.9倍という速めのペースで組んだもの。熊穴沢避難小屋で12時05分、天狗の留まり場で13時06分を過ぎていたら引き返すという撤退ラインも決めていました。実際の登りは計画より速く、熊穴沢避難小屋には14分、天狗の留まり場には26分早く到着。その分を天狗の留まり場で24分、肩の小屋で16分の休憩に回し、トマの耳には計画より5分早い14時08分に着いています。


一方で、思った以上に時間がかかったのが下り。計画ではトマの耳からオキの耳を往復して14時38分に下山を始める予定で、オキの耳に寄らずに25分早く下り始めたにもかかわらず、天神平への到着は計画とほぼ同じ16時20分でした。区間で見ると、トマの耳から天狗の留まり場までが計画の31分に対して実績は54分。段差の大きい岩場では岩に手を突きながら下りる場面も多く、登り以上に一歩ずつ足場を確かめながら進むことになりました。天狗の留まり場から下は、計画とほぼ同じペースに戻っています。
天神尾根の木道と紅葉の谷を一人称で記録。逆光でも空が飛ばない描写と、歩きながらの撮影で出るブレと傾き



天神平の駅舎を出ると、すぐに天神尾根の登山道が始まります。斜面はススキと低木が色づき始めたところで、逆光気味の構図でも青空が飛ばず、斜面を登っていく登山者も全体を簡単に撮影することが出来ました。前半は木道と岩が混ざる歩きやすい道。前を歩く同行者の足元や木の階段など、下を見ながら歩くと自然に足元が写るので、道の状態を記録しておくのにも向いています。



「天神平0.4km」の道標や、木々の切れ間から谷川岳の山頂部が見えた場面、林の中の木道も、歩きながら顔を向けてボタンを押すだけ。強い日差しの下では明るい空と暗い林の差が大きく、空の部分が少し白っぽくなるカットもありました。スマホのメインカメラほどのダイナミックレンジはないものの、旅の記録としては十分な画質という印象です。

尾根に出ると片側が大きく開け、谷と向かいの山並みが一望できます。手前の赤や黄色に色づいた葉と、奥に重なる稜線、白い雲の浮かぶ青空までが1枚に収まりました。ここまでは熊穴沢避難小屋に向けたほぼ平坦な区間で、標高は1,400m台。景色を眺めて立ち止まったそのままの視点で残せるので、写真を撮るために歩くリズムを崩さずに済みます。


一方で、深圳編でも気になったのがブレ。歩きながらボタンを押したカットでは、大きくブレた写真がありました。土合駅の薄暗い階段や、天神尾根の登山道がその例です。シャッタースピードが落ちる暗い場所や、体が上下に揺れる登りでは、撮った瞬間には失敗に気づけません。確実に残したい場面では、一瞬立ち止まってから押すのがベターです。



もう一つは傾き。アプリの画像設定にある自動水平校正は6度以内の傾きを補正してくれます。ただ、首や体が大きく傾いたまま撮ったカットは、補正しきれずに傾いたまま残っていました。斜面や岩場では体の傾きに気づきにくいので、残したい景色は姿勢を戻してから撮るのがおすすめです。
鎖場や岩場でも撮影はボタン1つ。両手を岩から離さずに記録できるのが登山向き


熊穴沢避難小屋の前後には、鎖の付いた岩場がいくつか出てきます。こうした場所では、手は岩や鎖をつかむために空けておく必要があり、スマホやカメラを出して撮るのは危険です。Rokid Ai Glasses Styleなら、テンプルの機能ボタンを一瞬押すだけ。鎖が延びる岩場を見上げたカットも、岩を登る手前で撮っておけました。



前の同行者が手を突いて岩を越えていく様子や、白い岩がむき出しになった急な登り。長押しで動画に切り替えられるので、岩場を越える一連の流れは動画で残しました。三点支持で登っている最中でも、グラスは目線の先をそのまま記録し続けてくれます。



天神尾根は人気のルートなので、岩場では下りてくる登山者とすれ違う場面も多くありました。すれ違いを待つ間に、下ってくる人と奥の青空、色づいた木々を撮ったカットがこちら。撮影中は撮影表示灯が点灯するので、人の多い場所では周囲への配慮が必要です。
イヤースピーカー機能のおかげでヤマレコの音声案内をグラスで簡単に聞ける。手を自由な状態で登り続けられる


今回いちばん印象が変わったのが、音声ナビの使い勝手。スマホでは登山アプリのヤマレコを起動して、計画したルートを記録しながら歩いていました。Rokid Ai Glasses StyleはBluetoothでスマホとつながっているので、ヤマレコの音声案内もそのままグラスの耳元のスピーカーから聞こえてきます。熊穴沢避難小屋の道標(谷川岳山頂1.8km・天神平2.1km)の前ではスマホを出して地図を確認。それ以外の場面では、分岐や標高を耳で教えてもらいながら歩けました。
グラスで録った動画には、ヤマレコの音声がそのまま入っていました。分岐の手前では「まもなく分岐です。ご注意ください」、(リフト利用ルートに対して利用しなかったため)道を外れかけたときは「予定ルートから外れているようです」という警告。熊穴沢避難小屋の近くでは「現在の時刻は11時45分、標高は1456メートル」と、現在地の標高まで読み上げてくれます。耳をふさがないオープンイヤーなので、周りの音や同行者の声も聞きながら案内を受けられます。
トマの耳の直下で撮っていた動画がこちら。「まもなくトマノミミ山頂です」というヤマレコの音声が、グラスの耳元から聞こえています(動画の音声はグラスのマイクで録ったもの)。
深圳編では、画面がないグラスの音声ナビはスマホのGoogleマップで十分と書きました。ただ、両手がふさがりやすく、スマホを出すたびに足が止まる登山では話が別。画面を見なくても、分岐やルートの外れを耳で教えてもらえるだけで、歩くことに集中できます。
一方で、画面付きの上位モデル、RokidスマートAIグラスなら、Googleマップの経路案内や翻訳の字幕を視界に表示できます。重さは実測52.5gと増えるものの、地図を見ながら歩きたい方や、山以外でも会話の翻訳を多用する方は上位モデルも選択肢。登山アプリの案内を耳で聞ければ十分という方なら、軽さと自然な見た目を優先してStyleを選ぶ、という使い分けになりそうです。
森林限界を超えた笹原の稜線と麓まで見渡す大パノラマ。天狗の留まり場から肩ノ小屋


天狗の留まり場は、大きな岩のそばに標柱が立つ休憩ポイント。GPSログでは標高はおよそ1,670mで、ここで24分ほど休憩をとりました。振り返ると、色づき始めた木々の先に谷と山並みが何重にも重なって見えます。


天狗の留まり場を過ぎると森林限界を超え、景色は笹原の稜線に変わります。うねるように続く緑の斜面と、その上を登っていく登山者の列。片側が深い谷に落ち込む岩混じりの道も、目線の高さのまま記録できました。天神ザンゲ岩までの25分ほどで、標高は150mほど上がりました。



この辺りでは、赤く色づいた低木の向こうに麓側の山並みが何重にも重なって見えます。手前の紅葉から遠くの山の稜線、雲の浮かぶ空までが1枚に入るのは、画角の広いグラスのカメラの得意なところ。スマホで撮るときのように構図を決め込むことはできないものの、見た景色の広がりはそのまま伝わる写りでした。


天神ザンゲ岩を過ぎ、肩ノ小屋が近づくにつれて、空には雲が増えてきました。笹の間を抜ける道や岩の道、丸太の階段を登る同行者の後ろ姿は、構図こそまちまちでも、どんな道を歩いたのかが後から一目で分かる記録になっています。


肩ノ小屋の手前では、谷から雲が湧き上がってくる様子も撮影。曇り空の下でも、草紅葉で茶色くなった斜面や雲の下の谷の緑は見たままの色で残っていました。肩ノ小屋に着いたのは13時40分ごろで、小屋の前では多くの登山者が休憩していました。
ガスに包まれたトマの耳と、雲が切れた下りの稜線。天気の変化をそのまま残せる一人称の記録



肩ノ小屋から山頂に向かう頃には、稜線はすっかりガスの中。見通しのきかない真っ白な景色に、道標と登山者のシルエットだけが浮かびます。風も冷たく、午前中の快晴がうそのように一気に寒くなりました。


14時10分ごろ、標高1,963mのトマの耳に到着。ガスで景色は見えなかったものの、山頂標識の前で記念のカットを残せました。少し待つとガスが切れて晴れ間がのぞき、雲の下に広がる麓の町や山並みが見えた瞬間も撮影できました。見えたと思ったらすぐボタンを押せるので、こうした一瞬の場面にも間に合います。山頂の滞在は5分ほどにとどめ、オキの耳には向かわずに下山を始めました。

下り始めると雲が少しずつ切れ、登りではガスで見えなかった稜線が姿を現しました。一眼カメラで撮ったのはこのあたりまでです。この先の岩場の下りでは、カメラを首から下げたまま下りるのは怖く、一眼はしまうことに。ここから天神平までの記録は、Rokid Ai Glasses Styleの写真だけになりました。



両手を岩や鎖に使う下りこそ、ボタン1つで撮れるグラスの出番。青空の下、さっきまでガスで見えなかった稜線と、その先に広がる麓側の山並みが一望できました。ガスの中を登った同じ稜線を、今度は青空の下で下っていきます。


振り返ると、雲の切れた谷川岳の稜線がくっきり。午後の光で稜線の陰影が強く出ても、山肌の起伏まで描写できています。下りの木道からは、尾根の先に何重にも重なる山並みが見えました。


天神尾根を下っていくと、色づいた低木の間を抜ける区間も。黄色や赤に色づいた低木に囲まれた道や、西日が当たり始めた紅葉の道を、下りながら撮影しました。下りは特に足元に集中したいので、ボタン1つで撮れるのは助かりました。
Hi Rokidに山の上でロープウェイの最終便を質問。回答の食い違いと固有名詞の聞き間違いが気になるところ

Rokid Ai Glasses Styleは、ChatGPTとGeminiに対応したAIアシスタント「Hi Rokid」を搭載。下山中には、谷川岳ロープウェイの営業時間を聞いてみました。やり取りはHi Rokidアプリに会話の形で残ります。
気になったのは、続けて聞いた2つの回答の中身が食い違っていた点。営業時間を聞くと「8時30分から16時30分まで、上りの最終は16時」、下りの最終に乗り遅れたらどうなるかを聞くと「今日は17時までで、上り最終は16時30分」という答えが返ってきました。出発前の計画で確認していたのは、上り最終16時30分・営業終了17時のほう。2つ目の回答では、下りの正確な最終便は天神平駅で確認するよう促してくれたのが救い。山の上で時間に関わる判断をするときは、Hi Rokidの回答だけで決めず、現地の掲示やスタッフに確かめるのが確実です。
音声認識では、山の固有名詞の聞き間違いも目立ちました。アプリの履歴を見ると、谷川岳ロープウェイが「天神山ロープウェイ」「谷ヶ畑ノーフェー」と認識されていて、言い直す場面も。地名を含む質問をしたときは、アプリの履歴で認識結果を見ておくと聞き間違いに気づけます。
動画を撮りながらの登山では電池切れが何度も。210mAhバッテリーは充電し直しながら使う前提に

Rokid Ai Glasses Styleは、210mAhのバッテリーを搭載。最大12時間駆動、約20分で80%まで充電できる仕様です。使い方ごとの目安は連続音楽再生で約6時間に対して、連続動画撮影では約45分。今回の登山では、グラスで写真124枚、動画29本(合計約41分)を撮影しています。
Hi Rokidに残量を聞いてみると、11時23分の時点で42%、14時31分の時点で22%という答え。実際には途中で何度も電池切れになり、充電し直しながら使いました。音楽を流しながらでもしっかり持った深圳の街歩きとは、まったく違う結果です。画面付きの上位モデルのRokidスマートAIグラスも、香港で翻訳やナビをフル稼働させた日は半日で残量の警告が出ていたので、撮影やナビを多用する日の電池持ちは、どちらのモデルでも余裕を持って見ておきたいところです。
登山のように一日中歩き続ける使い方で、写真や動画をたくさん撮るなら、充電し直す前提で考えておいたほうがよさそう。ヤマレコの音声案内を聞くために一日かけ続けたい場合は特に、動画は撮りたい場面に絞り、モバイルバッテリーと付属のマグネット式充電ケーブルをザックに入れておくのがおすすめです。
下りのロープウェイは大混雑。水上方面・上毛高原行きのバスは積み残しも

天神平に戻る途中、木々の間から雲が切れた谷川岳の山頂部がよく見えていました。天神平の駅に着いたのは16時20分頃で、計画で決めていた16時30分までに天神平を出るという条件には間に合う時間。ここで予想外だったのが、下りのロープウェイの混雑です。乗り場はかなり混み合っていて、実際にゴンドラに乗れたのは16時37分頃。駅に着いてから15分以上待つことになり、この先のバスの時間が一気に厳しくなりました。

谷川岳ベースプラザに降りると、水上方面へ向かう関越交通のバスの最終便、17時04分発の発車時刻が迫っていました。なんとかぎりぎりで乗れたものの、このバスは最終便でありながら積み残しが出るほどの混雑。車内の奥が空いているのに詰めない乗客が多く、運転手からも奥へ詰めるよう促す案内がなかったのは残念なところです。最終便である以上、乗客同士で協力して奥に詰めるしかありません。結局、土合橋より先のバス停では乗り切れない人が出ていました。


この時間帯に下山して越後湯沢方面に抜けるなら、無理にバスに乗らず、土合駅まで歩いて上越線に乗るほうが確実かと。一方で水上温泉にホテルを取っているなら、頑張ってこのバスに乗るしかありません。今回は松乃井入口のバス停で下車し、大江戸温泉物語 Premium 松乃井に宿泊しました。1泊2食付きの基本バイキングで、部屋は若葉館の禁煙スタンダードツイン(内風呂あり)、料金は2人で35,640円(税込・現地払い)。温泉とバイキングを含めて全体としてはそれなりで、登山後に温泉に入って1泊する宿としては十分でした。
翌日は臨時列車で越後湯沢へ。ぽんしゅ館の利き酒で新潟の日本酒を飲み比べ



翌日は水上駅を11時39分に発車する臨時列車(8735M・11月29日までの土休日運転)で越後湯沢へ。県境のトンネルを抜けて群馬県から新潟県へ入り、30分ほどで到着します。車窓には、雲が低く垂れこめた山並みと線路沿いのススキの原。前日の快晴とはうって変わってどんよりとした空模様で、登山を初日に、移動と観光を2日目にした行程は、天気の面でも正解でした。



越後湯沢駅の駅ナカにあるのが、ぽんしゅ館。利き酒コーナーでは、新潟の酒蔵の日本酒が並ぶサーバーが壁一面に並び、コイン1枚で好きな銘柄をおちょこ1杯ずつ試せます。ぽんしゅ館の基準酒になっているのが、糸魚川市の加賀の井酒造の純米吟醸、加賀の井。辛口度・濃醇度・酒香度がいずれも星3つで、ほかの銘柄を飲み比べるときの物差しになっています。つまみ用のきゅうりと味噌も用意されていて、登山の翌日にのんびり日本酒を楽しむにはぴったりの場所でした。


帰りは越後湯沢から上越新幹線のとき68号で大宮へ。越後湯沢を14時49分に出発し、大宮には15時35分に到着します。往路の臨時特急は大宮から土合まで2時間ほど、帰りの新幹線は越後湯沢から大宮まで1時間弱でした。
両手を使わずに撮れて登山アプリの音声も聞ける。登山中の記録を妥協したくない方に最適なディスプレイレスAIグラス

Rokid Ai Glasses Styleは、64,990円(税込)という価格で、Qualcomm Snapdragon AR1、1,200万画素カメラ、ChatGPTとGeminiに対応したAIアシスタント「Hi Rokid」、210mAhバッテリーを、レンズ込みで実測45.9gのフレームに収めたAIグラスでした。谷川岳でもサングラスとして自然にかけられ、臨時特急「谷川岳もぐら」で降り立った土合駅の地下ホームからトマの耳まで、見たままの景色を一人称で記録してくれました。
鎖場や岩場で両手を空けたまま撮影できること、スマホをしまったままヤマレコの音声案内を耳元で聞けることは、街歩きのとき以上に登山で効いてくる強み。深圳では必要性を感じなかった音声ナビも、両手がふさがりやすい山では便利さがはっきり分かりました。岩場の下りで一眼カメラをしまったあとも記録を続けられたのは、グラスならではです。一眼カメラやスマートウォッチと組み合わせて、登山の記録をもう一段充実させたい方には、Rokid Ai Glasses Styleは最高の選択肢になるはず。
気になったのは、写真や動画をたくさん撮ると何度も電池切れになるバッテリーと、登山中にずり落ちてくるノーズパッド。歩きながらの撮影では傾きやブレも出やすく、Hi Rokidは山の固有名詞の聞き間違いや、ロープウェイの営業時間で回答が食い違う場面もありました。ただ、両手を使わずに撮れる気軽さと、登山アプリの音声を耳元で聞ける便利さという点では、山の記録を残したい方にとってぴったりな製品といえました。
良かった点
- ◎鎖場や岩場でも機能ボタン1つで両手を使わずに写真や動画を残せる
- ◎ヤマレコの音声案内がグラスから聞こえ、スマホを出さずにルートを確認できる
- ◎快晴の稜線や紅葉を記録用として十分な画質で一人称のまま撮影できる
- ◎登山中もサングラスとして自然にかけられる見た目
気になった点
- △写真や動画を多く撮ると何度も電池切れになり、充電し直しながら使う必要がある
- △簡易な構造のノーズパッドが登山中にずり落ちてくる
- △Hi Rokidは山の固有名詞の聞き間違いや、営業時間の回答の食い違いがあった













