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【1MORE Aero】空間オーディオ機能で立体感のあるサウンドを簡単に実現。サラウンド再生対応のイヤホン1MORE Aeroレビュー

ケーブルを一切利用せず快適な装着性と、スマートフォンやデジタルオーディオプレーヤーとの接続における煩雑さを一切排除した完全ワイヤレスイヤホン。すでに当ブログでも装着感と音質の高さを実現したモデルを多くレビューし、その素晴らしさを紹介してきました。ただ、ワイヤレスイヤホンの欠点は、音場表現に限界があること。当たり前ではありますが、ヘッドホンと比べるとその表現力が意外と気になってしまうことは多いはず。
そんな音場表現の改善のために完全ワイヤレスイヤホンとしては珍しい、空間オーディオに対応したイヤホン「1MORE Aero」がオーディオメーカー1MOREから登場。今回はメーカーより1MORE Aeroを提供していただき、その音表現や、使い勝手を徹底レビューします。
1MORE Aeroは、装着している人の頭の動きに合わせて上下左右の音の鳴り方を調整する空間オーディオ機能と、アクティブノイズキャンセリング、利用者に合わせたイコライザー機能などを搭載した完全ワイヤレスイヤホン。10mmの大型ダイナミックドライバーと合わせて臨場感のある再生を実現したモデルです。Amazonなどで約13,000円で購入できる手軽さも魅力のモデルです。

比較的大型サイズながらも高い装着感。持ち運びやすいケースも付属


1MORE Aeroのパッケージデザインは過去にレビューした1MOREのイヤホン、1MORE Comfobuds Miniなどと同様の「1」をモチーフにしたデザイン。同梱品は本体入の充電ケースの他には説明書のみとシンプルな構成です。
     

 

      
ケースは本体が縦長なこともあり楕円形のデザイン。イヤホン本体が大きめのサイズのため、小型サイズが売りだったイヤホン、1MORE Comfobuds Miniのケースと比較すると一回り大きい印象でした。ただ、手のひらに収まるサイズで、持ち運び時の持ち運び易さは確保しています。
充電ケースは450mAhのバッテリーを搭載。充電はUSB Type-C端子を利用した有線はもちろんのこと、Qiを利用した無線での充電にも対応。このため、自宅で充電をするという場合でも場所にこだわらずに簡単に充電できるのもポイントです。

 

 

     
1MORE Aeroの本体は、小型・軽量を特徴とする製品の多い1MOREのラインナップの中では珍しく、イヤホン下部に向かってアンテナ・マイク部が伸びるうどん型のデザイン。耳に装着する際には、直接耳孔に入るイヤーチップだけでなく、アンテナ部も利用して全体的にイヤホンを支える構造です。
小型なタイプでは、ガッツリ耳孔にイヤーチップ・ハウジング部の両方がはまることでピッタリくっつく構造の反面、長時間つけていると耳が痛くなってしまう面もありました。1MORE Aeroのようなうどん型では、密閉感こそ薄くなるものの軽い装着感で長時間装着しても耳が疲れにくいのが特徴。ANC(アクティブノイズキャンセリング)をONでも連続5時間の再生に対応していることからも一定程度長時間使うことを想定していそうです。

 

      

重量自体は重すぎるということはなく、ケース+本体で52g。イヤホン本体のみで10gという標準的な範囲。少し本体サイズが大きいので、その分重量がある程度のレベル感で、耳につけている際も重さを感じるような場面はありませんでした。

空間オーディオ機能で、立体感のあるサウンドを簡単に実現

 

早速スマートフォンにペアリングをして、オーディオ性能をテスト。1MORE AeroはAACでの接続にも対応しているため、通常のBluetoothでの伝送コーデックであるSBCに比べて解像度の高い音楽を再生することが可能です。今回はその音質を通常モードと空間オーディオ有効時の両方でテスト

Get Lucky – Daft Punk(Amazon Music Ultra HD)

グラミー賞最優秀レコード賞を受賞し、言わずとしれた名曲のGet Lucky。その録音のレベルなども含めてリファレンス音源としている方もいらっしゃるはず。
通常モードでもそもその音源が左右に振っていることもあり、音場の広さを感じさせます。コーラス部でもそれぞれの声を分離して再生し、ギター・ベース・ドラムスなどとボーカルをきちんと描き分けている印象でした。
空間オーディオ有効時は、もともと左右に広かった音場が上下にも広がり立体感を帯びるようになった印象。通常モードではボーカルが若干のっぺりと再生されてしまっていましたが、一音一音を別々に再生しているのはそのままに、ボーカルがより前に来る、そんな再生音でした。

Pop Step Jump! – メロキュア(Amazon Music Ultra HD)

一気に毛色を変えてメロキュアでの再生音もテスト。アニソンのジャンルの楽曲は、どうしても一部のJPOPの楽曲に比べてものっぺりとしたサウンドになってしまう部分がある印象。本作もリマスターされているといえども、ギター・ドラムスの表現に難を感じてしまうこともあるもの。

通常モードでは、この楽曲における難点が出てしまい、コーラス部の表現や、左右両方に置かれたドラムスなどがのっぺりとした印象になってしまいました。
空間オーディオ有効時には、こののっぺりとしてしまう印象のあったギターなどのサウンドを若干浮かび上がらせるようなサウンドに。コーラス部についても若干ではあるものの分離するようになり、全体的な音場を広く、かつ奥行きのある表現を実現した印象でした。
     

 

     
1MORE Aeroを最大限に活用する上で、他の1MOREのイヤホンでも利用する1MOREアプリは必須。1MOREアプリでは、アクティブノイズキャンセリングのモード変更はもちろんのこと、イヤホン本体のソフトウェア・アップデートも行います。
アクティブノイズキャンセリングの性能は後述もしますが、【ディープ】・【マイルド】・【風切り音軽減】・【スマート】の4モードを搭載。加えて周囲の音を集音して聞こえるようにするパススルーモードも搭載し場面に応じて使い分けることが可能です。
        
イコライザー機能は2種類搭載。一つはプリセットかカスタマイズを利用して音の鳴り方を変える通常のグラフィックイコライザー機能。もう一つは【スマートエコライザ】としてユーザーの好みに合わせたサウンドを自動で設定するモード。この2つは同時に利用することも可能でした。
個人的には通常のイコライザーは色付けの幅が大きすぎるため、スマートエコライザのほうが便利な印象。ただ、あくまでも2種類のイコライザーを比較したらの話であり、わざわざ利用しなくても十分楽しめる音作りにも感じます。

 

     

 

アプリからはイヤホンのタッチ操作での挙動を変更することも可能。通常はダブルタップで再生/一時停止、3回タップで音声コントロール(AndroidであればGoogleアシスタント、iPhoneであればSiri)が設定されています。左右それぞれについての挙動を変更できるため、他のイヤホンからの乗り換え時にも操作性をそのまま引き継げるのが魅力的です。

イヤホンながら立体的・臨場感のあふれる音を楽しめる空間オーディオ

 

1MORE Aeroは完全ワイヤレスイヤホンの中では珍しく空間オーディオ機能に対応。機能としてはステレオの音源についてもソフトウェア処理で音の位置を立体的に再現し、頭の動作に合わせて再生音をリアルタイムで変更していく、バーチャルサラウンド機能。AppleのAirPodsがApple Musicを利用したバーチャルサラウンドに対応していますが、一般的な製品ではあまり多くない印象です。
実際に1MORE Aeroの設定で空間オーディオ機能をONにすると、これまでステレオで再生していた音源でも再生音が変化。言葉に表すのは難しいものの、ただ左右に振られていた音に前後・上下の感覚がついた感じ。ソフトウェア処理を加えるだけでこんなに音の表現が変わるのかと感心させられます。
通常のJPOPを再生する際もこの空間オーディオによるサラウンドで普段とは異なる立体感のあるサウンドを楽しめますが、個人的には動画コンテンツやライブ音源を再生するときにその真価が発揮される印象。どうしても通常のイヤホンではのっぺりとした音になってしまいますが、バーチャルサラウンドでの再生でこの物足りなさを保管してくれました。
今回は様々な音源を再生する際に本機を試してみましたが、写真に挙げているライブ映像(David Foster・Hit Man Returns)や、ミュージカル・エリザベート(宝塚・2009年/月組)などを再生すると一気に臨場感が高くなり驚き。バーチャルサラウンドと言いつつも、ここまで高い臨場感を実現できるとは思わず感嘆してしまいました。

 

もう一つ気になるのが、アクティブノイズキャンセリングの性能。小型イヤホンでも高いノイズキャンセリング性能を実現した1MOREのノイズキャンセリング技術、「QuietMax」を1MORE Aeroでも採用。最大42dBのノイズキャンセリングを実現したというもの。
実際にアクティブノイズキャンセリングでどこまで騒音を削減できるのかは、イヤホン自体の遮音性によっても異なります。本機の場合は耳孔にピッタリとはまるComfoBuds Miniと比べると軽い装着感で、遮音性は低め。同じアクティブノイズキャンセリングの機能を搭載しつつも、実際に耳で聞こえる音は異なります。
特急ロマンスカーでもその音質を確認

 

今回は電車で通勤したり、旅行に行ったり、もしくは雑踏の中をイヤホンを付けて歩いてそのノイズキャンセリング性能をテスト。全体的な感覚としては、電車の走行音やモーター音といった低域の騒音は大幅に削減するものの、女性の声のアナウンスなどの高域の音は防げない印象。完全に静寂とは言わないものの、全体的に静かな環境を構築してくれる感じでした。
この高域の音が聞き取れるレベルというのは、わざわざイヤホンを取らずにアナウンスを確認することができるという意外と電車移動の際には利点も。長時間つけていても痛くならないこともあり、電車内で臨場感のあるサウンドを楽しみながら、アナウンスも聞こえるという高い利便性を実現しているともいえます。
カフェやオフィスといったそもそもの騒音が少ない場所では、話しかけられても声が聞こえないほどの静寂さを実現。ちょっと仕事中に周りの音を消して集中したいという場面には1MORE Aeroは最高のパートナーになれそうです。

どこでも臨場感のあるサウンドを楽しむ。常に持ち歩きたいイヤホン

今回レビューした1MORE Aeroは、完全ワイヤレスイヤホンながら空間オーディオに対応したモデル。AAC接続による高解像度の接続はもちろんのことバーチャルサラウンドにより臨場感あふれる音声を再生できる製品でした。アクティブノイズキャンセリングによって、騒音を軽減し、移動中などでも静かな空間を実現できるもの。

秋の旅行への移動の際や、通勤時に音楽を聴いたり動画を見たりというときに、これまでのイヤホンでは難しかった高い臨場感を実現したイヤホンがあれば動画視聴体験をより高めることが可能に。常に持ち歩けて没入感のある音楽を簡単に楽しめる1MORE Aero、ぜひお試しいただければ。Amazonなどで約13,000円で購入できる価格も魅力的です。

 

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銀行をやめて人材系のHRテックらしいメガベンチャーにいたかと思えば、今はSIerで企画とかしています