【深圳訪問記】192GBのうち160GBをVRAMへ割り当てる「GMKtec EVO-X5 Pro」でGLM-5.3-Flashを毎秒約17トークン。電子タバコとマスクの会社から6年でデスクトップAIスパコンへ、GMKtecの深圳オフィスで徹底取材

ミニPCを買おうとしてAmazonや楽天を開くと、上位にGMKtecを見かける方は多いかと。当ブログでも2021年に初代のGMK NucBoxをレビューしていて、読者の方にもNucBoxシリーズのどれかを使っている方は少なくないはず。実はこのブランドとの縁はもう少し古く、2020年3月、日本でマスクが手に入らなかった時期に、知人が勤める電子タバコメーカーとしてGMKのマスクを紹介したことがあります。
そのミニPCも、省スペースな小型PCという位置づけから、メモリを192GB積んで大規模言語モデルを手元で動かす機械にまで広がってきました。今回は2026年9月、深圳市龍華区にあるGMKtec(深圳市極摩客科技有限公司)のオフィスと工場を訪ねました。日本国内ではリンクスインターナショナルが総代理店を務めています。

目当てはIFA 2026で発表された「GMKtec EVO-X5 Pro」。AMD Ryzen AI Max+ PRO 495を積み、LPDDR5X-8533を192GB搭載して、そのうち最大160GBをグラフィックスメモリへ割り当てられる1台です。3,000億パラメータの大規模言語モデルを完全にオフラインで動かせる世界初のデスクトップという触れ込みで、日本では9月28日に発売。公式ストアの通常価格は192GB+2TBが108万7,840円、192GB+4TBが113万5,840円と、ミニPCとしては桁がひとつ違う価格帯です。
対応いただいたのは製品説明の担当者とマーケティングのスタッフ、それに技術部のエンジニア。ショールームでEVO-X5 Proの実機を触り、分解した基板まで見せてもらい、ローカルで大規模言語モデルを動かした実測データも確認してきました。Intel搭載のEVO-T2Sでは、ComfyUIでテキストから画像、画像から3Dモデルを作る工程も見てきました。GMKTek徹底レポートです。
電子タバコからマスク、そしてミニPCへ転じたGMKtec(極摩客)の6年の歩み

GMKtecの正式名称は深圳市極摩客科技有限公司。GMKの歴史は2019年に遡ります。今ではすっかりミニPCブランドとしてスタートしており、壁の会社の歴史には「全世界10億人の喫煙者を、より健康で楽しいライフスタイルへ」という設立当初の理念がそのまま残っています。ところが政策環境が変わり、中国の電子タバコ業界は冬の時代に入りました。続く2020年はコロナ禍。同社は政府の呼びかけに応じて医療防護物資の生産に参入し、龍華区で最初に第二類医療機器の生産許可を取得した工場のひとつになりました。当時は私自身もこのマスクを購入しています。
GMKtecがミニPCへ舵を切ったのは2021年のこと。記載されている表現を借りれば「消費者向け電子機器という慣れた土俵へ戻ることを決断し、市場調査を経てミニPCという分野を選んだ」んだとか。同じ年に国家級ハイテク企業の認定を受け、2022年には初めて黒字化して売上を前年比で倍にしています。2023年には生産能力を拡張して現在の拠点へ移転し、4月末に中国国内市場へ参入して業績は4倍に。創業時は6〜7人だった会社が、工場を含めて約200人の規模になったんだとか。



そのスピードを裏書きするように、ショールームの一角には認証と表彰が並びます。国家級ハイテク企業の認定に、専門分野に特化した中小企業へ与えられる「専精特新」の認定、それに深圳市の有名ブランド認定。品質のISO 9001に加えて、環境のISO 14001と労働安全衛生のISO 45001も取得しています。
輸出企業としての信用を示すD-U-N-S登録もありました。地元での表彰もあって、2025年度には大浪街道の「愛心企業」、つまり地域の慈善活動に貢献した企業に選ばれています。

ショールームの壁には理念も掲げてあります。ビジョンは「让科技回归生活,让生活更加美好」、テクノロジーを生活に還し、生活をより良くする。核心価値観には激情(情熱)、敬業(仕事への献身)、回帰用戸(ユーザーに立ち返る)、擁抱変化(変化を受け入れる)の4つを並べていました。変化を受け入れることで6年間の間に3回も事業の内容を変えているというのはなかなか世の会社には出来ないことかなと。
192GBのうち160GBをグラフィックスメモリへ割り当てるGMKtec EVO-X5 Proの実機

今回オフィスで見せてもらったモデルの一つがこの縦置きのGMKtec EVO-X5 Pro。前面には大きな丸い電源ボタンがあり、通電すると黄緑色に光ります。ポートは3.5mmヘッドホン、USB4 Type-Cが2基、USB-A(SS)が2基。その下に「P-MODE」と刻印した小さなボタンがあり、EVO-X5 Proが謳う広い範囲の消費電力調整を、筐体の前面から切り替えられるようにしています。

本機のキャッチコピーは「方寸算力,养出数字龙虾」、手のひらサイズの演算能力でデジタルのロブスターを育てよう、といったところ。中国ではAIエージェントの「OpenClaw」を動かすことを、そのロゴにちなんで「ロブスターを育てる」と呼ぶのが今年の流行でなんだとか。製品横に置かれていたカードもそれに乗ったもの。あとで出てくる自社AIアシスタントの「GMKtec Claw」という名前もロブスターにちなんだ名前なのかなと。


Windowsのシステム情報を開いて詳細なスペックについても改めて確認してみます。デバイス名はEVO-X5 Pro。プロセッサはAMD Ryzen AI Max+ PRO 495 w/ Radeon 8065S、動作は3.10GHz。搭載メモリは192GBで、速度は8533MT/秒。ストレージは1.82TBです。
192GBの内訳は、グラフィックスメモリに160GBを確保していて、システムから使える残りは31.7GBしかありません。ローカルでAIを動かすときに最も必要となるのがVRAM。160GBという超巨大なRAMをVRAMに割り当てることでAI性能を確保できるようになっていました。
GMKtec EVO-X5 Proの主なスペック
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| プロセッサ | AMD Ryzen AI Max+ PRO 495 w/ Radeon 8065S(3.10GHz、16コア32スレッド) |
| GPU | AMD Radeon 8065S Graphics |
| NPU | XDNA 2(最大55 TOPS) |
| メモリ | LPDDR5X 192GB(8533MT/s、基板直付け) |
| グラフィックスメモリ | 最大160GB(デモ機は160GBに設定) |
| ストレージ | M.2 スロット3基(PCIe 4.0) |
| 有線LAN | 10GbE×2 |
| 無線 | Wi-Fi 7(MediaTek MT7925B22M) |
| 前面ポート | USB4 Type-C×2、USB-A(SS)×2、3.5mm、P-MODEボタン |
| 背面ポート | HDMI、USB4×2、USB-A(SS)×2、RJ-45×2、DC IN |
| OS | Windows 11 Pro 25H2 |
| 発売日 | 2026年9月28日 |
ブロワーファン2基とM.2スロット3基を収めたGMKtec EVO-X5 Proの内部構造


GMKtec EVO-X5 Proの冷却を担うのが、大型ヒートシンクとブロワーファン2基の組み合わせ。Ryzen AI Max+ PRO 495を小さな筐体で回す以上、発熱の問題は避けては通れないためこのような大型のファンを搭載。基板の上半分をフィンを積層した大型ヒートシンクが占め、その隣にブロワーファンを2基並べています。ヒートシンクとファンの上には黒いスポンジのブロックがいくつも貼ってあり、天面には銀色の帯が走って、その下にフィンがびっしり並びます。縦置きの小さな筐体にここまでの冷却構造が入っているのは驚きです。

基板を裏返すと、M.2スロットが3基ありました。M.2_SSD1にはヒートシンク付きのSSDが載っていて、M.2_SSD2とM.2_SSD3は空き。3基ともPCIe 4.0対応です。メモリがオンボードで増設できないぶん、ストレージは後から足せる余地を大きく残しています。
無線モジュールはM.2_WIFIスロットのAW-EB600NFで、MediaTek MT7925B22MのWi-Fi 7対応です。EVO-X5 Proは指紋認証やdTPM 2.0、AMD DASHによるリモート管理といった法人向けの機能を公称していて、基板の側にもその受け口が用意されています。


基板の縁を見ると、背面のポートはHDMIが1基、USB4 Type-Cが2基、USB-A(SS)が2基、そしてRJ-45が2基。反対側の前面にはUSB-A(SS)が2基とUSB4 Type-Cが2基、3.5mmのヘッドホン端子が並び、ブロワーファン2基はその真上に載っています。EVO-X5 Proは10ギガビット対応の専用NICを2基積むことを公称していて、背面のRJ-45が複数台をつなぐための口になります。GMKtecによると、すでに20台を連結して大型ラックにまとめ、1台には載らない規模のモデルを社内で回す構成も実現しているとのこと。
GLM-5.3-Flashを毎秒約17トークンで動かすGMKtec EVO-X5 Proの実測データ

EVO-X5 Proの訴求ポイントは「3,000億パラメータのLLMを完全にオフラインで動かす」ことです。ただ、動くことと実用になることは別の話。実際に何トークン毎秒出るのかを聞いたところ、エンジニアが訪問当日に計測したレポートを開いてくれました。計測対象のモデルはGLM-5.3-Flashで、量子化はUD-IQ4_XS。おおむね4ビット相当。推論に使っていたのはllama.cppのHIP/ROCmビルドで、ROCm 7.1環境、全レイヤーをGPUへオフロードしています。プロンプト29トークンに対して128トークンを生成する条件で、コンテキストは8192トークンです。
結果は、投機的デコードを切った素の状態でデコード毎秒11.476トークン。NextNのMTPドラフトヘッドを有効にすると毎秒16.955トークンまで上がり、1.477倍、率にして47.75%の改善という数字が出ていました。ドラフトトークンの採択率は210本中149本で70.95%。プロンプト処理側は毎秒30.063トークンという結果でした。

サーバーの立ち上げ自体もAIのコーディングエージェントに任せていて、画面にはMTP版のサーバーを起動し、モデルの読み込みでおよそ144GiBのVRAMを使ったというログが流れていました。160GBを割り当てた意味がここで分かる数字です。

Linux側のリソースモニタでは、メモリが183.63GiB中153.81GiBを使用して84%。スワップはほぼ動いていません。メモリのプロパティ欄を見ると、スロットは8基すべてを使用し、規格はLPDDR5、速度は8533MT/s。


llama.cppに内蔵しているWeb UIで、その場でチャットも試しています。中国語で自己紹介を求めると「私はGLM、Z.aiが訓練した大規模言語モデルのアシスタントです」と返ってきました。フッターに出た実測は毎秒16.16トークンで、レポートの数字とほぼ一致します。
GLM-5.3-Flashの実測値(2026年9月22日・ショールームにて)
| 項目 | Baseline | MTP有効 |
|---|---|---|
| デコード(平均) | 11.476 tok/s | 16.955 tok/s |
| プロンプト処理 | 30.063 tok/s | 28.587 tok/s |
| MTP採択率 | ― | 149/210(70.95%) |
| モデル | GLM-5.3-Flash UD-IQ4_XS | 同左 |
| 推論環境 | llama.cpp HIP/ROCmビルド、ROCm 7.1 | 同左 |
| コンテキスト | 8192トークン | 同左 |
毎秒17トークンという数字は用途によって受け止め方は変わってくる点かなと。対話しながら読む速度としては十分ですが、長文を一気に吐かせる使い方だと通常のクラウドで動作するAIに比べると応答の待ち時間感じる結果になりそうです。それでも300B級のモデルがネットワークから切り離されたオフラインのPC上で動作できているというのはなかなかな点かなと思いました。普通に実用的なレベルに仕上がっていますよね。
GMKtecのローカルAIは、GMKtec ClawとHerdsmanでソフトウェアまで自社で用意

GMKtecはAI向けのソフトウェアも自社で作っています。ユーザーが触る側が「GMKtec Claw」、その下でモデルを管理して推論を実行する基盤が「Herdsman」(中国語名は牧馬人)という二層構成。こちらのデモは、ひとつ前の世代にあたるEVO-X2(Ryzen AI Max+ 395)で動かしていました。


Clawのモデルストアには69本のモデルが並んでいました。タブはテキスト処理、画像生成、音声処理、RAG、そしてNPU向けモデル(WinML)の5つ。一覧を見るとDeepSeek R1 0528が367.1GB、Qwen3 235B-A22Bが128.9GB、GPT-OSS 120Bが64.4GBといった具合に、それぞれの容量つきでモデルが並んでいました。Claw本体のサイドバーには対話、エキスパート、タスク、ナレッジベース、チャンネル、会議、AI動画が並んでおり、単なるチャットクライアントではなく、様々な業務で使うことを前提にした構成になっていました。

作り込みが分かりやすいのはルーティングの設定画面でした。モードがSingle、Cascade、Splitの3種類あり、単一モデルで完結させるか、直列に呼び出すか、複数経路へ分散して比較するかを選べるようになっています。プロファイルはMore Edge、Balanced、More Cloud、そしてPrivacy Firstの4つ。エッジ側のコンテキスト上限は250,144トークンに設定してありました。オフラインとクラウドをどの比率で使うかを、用途ごとに切り替える発想です。

その下で動くHerdsmanは、「複数のモデルと推論エンジンに対応し、OpenAI互換のAPIを提供するローカルAIモデル管理・推論サービス基盤」なんだとか。バージョンはv0.6.7で、ビルド日は2026年9月11日でした。

こういった場でテストする、というのは正直難しいところ。今回はGMKのエンジニアが回答を日本語で返すように指示をしたあとに、スクレイピングスクリプトの作成をお願いしてくれました。その結果、requestsとBeautifulSoupを使ったPythonコードに日本語のコメントを付けて出力。ただしUI自体は中国語と英語のみで、日本語化はこれから。この点は先方も課題として認識しているとのこと。

応用例として面白かったのが、GMKtec Clawのサッカー観戦AIアシスタント。試合を自動で監視して、ゴールの瞬間をリアルタイムで通知し、AIが編集してハイライトを生成する、という使い方を提案しています。対応機種として挙がっていたのはEVO-T2S。ローカルAIの訴求が機密保持や業務効率に寄りがちななか、観戦のために回すという提案が出てくるのは個人利用でもAIがあると便利だよね、という使い道を提示してくれていて好感でした。
GMKtec EVO-T2S:Intel Arc B390をフル活用してComfyUIで2Dから3Dまでローカル生成

お次はIntel Core Ultra X7 358Hを積むGMKtec EVO-T2S。この機種では、テキストから画像、画像から3Dモデルまでをローカルで完結させるワークフローを見せてもらいました。生成はCPU内蔵のArc B390が担当しており、起動時のコンソールには「Device: xpu:0 Intel(R) Arc(TM) B390 GPU」と出ていました。VRAMは34,387MB(≒34GB)、システムメモリは65,018MB(≒65GB)、PyTorchは2.9.1+xpuでした。


まずテキストから画像を作る様子を実演。ワークフローの名前は「image_z_image_turbo」で、拡散モデルにz_image_turbo_bf16、テキストエンコーダにQwen3 4Bを使う構成。解像度は1024×1024、サンプラーはres_multistep、ステップ数は8、CFGは1.0でした。プロンプトは中国語で、桃色の短い巻き髪の少女をデフォルメした3Dレンダリング風に、といった指定が入っていました。


出てきたのが、イチゴの髪飾りを付けたピンク髪のキャラクターです。フィギュアのような質感の立体感のある画像ですが、この時点ではまだ2Dの画像のためここから3Dモデルに仕上げていきます。使っていたのはHunyuan3D v2のfp16モデルで、ワークフローは「3d_hunyuan3d_image_to_model」。先ほど生成した画像ファイルをそのまま入力にして、解像度3072、ステップ数20、CFG 8.0、サンプラーはeulerで回します。メッシュ化のアルゴリズムはsurface netでした。

処理中のタスクマネージャーを見ると、Intel Arc B390の利用率が100%に張り付きます。GPUメモリは47.5GB中21.1GBを使用。VRAM用の専用メモリを持たない内蔵GPUなので、利用しているRAMの状況の表示はすべて共有メモリ側に出ます。なお、GPUをフルで使っているためNPUの使用率は0%のままでした。EVO-X5 ProはXDNA 2のNPUで最大55 TOPSを謳い、EVO-T2SもNPUを含めて180 TOPSを掲げているものの、この日見た処理はいずれもGPUが担当していました。Clawのモデルストアに「NPU向けモデル(WinML)」という別のタブがあったので、NPUはそちら側の担当なのかもしれません。


2〜3分ほどで、白いメッシュとしてキャラクターが立ち上がりました。座標軸とグリッドの上で回せる完全な3Dの状態です。保存はSaveGLBノードから可能。右クリックするとGLB、OBJ、STLの3形式を選べ、STLで書き出せばそのまま3Dプリンタへ渡せるようになっています。印刷は時間がかかるので、この日は実演なし。テキストを入力してから3Dプリント用のデータになるまで、クラウドに一度も出さずに完結できます。知的財産の取り扱いに契約上の制約がある企業にはオフラインですべてを簡潔できるので、パワフルなAI対応PCが効いてくるんだ、とのこと。


机の上には、3Dプリンタで出力した関節可動のドラゴンも置いてありました。ショールームにはCrealityの3Dプリンタと3Dスキャナーも並んでいて、データを作るところから実物にするところまでを、時間があれば見せてくれるようでした。モニターの手前に置いてある小さな箱が、ここまでの処理を回していたEVO-T2S。この大きさでこの性能を実現できるというのはなかなかです。
AMDのリサ・スーCEOとIntelのリップブー・タンCEOのサインも展示。各サプライヤーとの協業も特徴的

ショールームには様々なポスターなどが並べられていたのも印象的でした。この中で一番目を引くのは、AMDのリサ・スーCEOと、GMKtecのCEOであるSteven氏が並んで写るポスター。AMD Ryzen AI Max+ 395を積んだ世界初の1台というコピーで、GMK EVO-X2を紹介しているもの。リサ・スー氏本人のサインが入った実機の写真も添えてあります。2025年3月に北京で開かれたAMDのイベントで撮ったものなんだとか。

同じ棚には海外メディアの受賞が機種別に並びます。techradar proのHIGHLY RECOMMENDEDが星5つでEVO-X1、PCWorldのEDITORS’ CHOICEとNOTEBOOKCHECKのTOP RATED AWARDがEVO-X2、CHIPの「Sehr gut」がEVO-T1。ほかにWccftech、PC-WELT、SMART ZONEのBEST OF IFA 2026、FRENCH DESIGN AWARD 2026のGold Award。
その隣にあったのが、インテルとGMKtecの連名によるCES 2026のパネル。インテルのリップブー・タンCEOが直筆サインで推薦した、と大きく書いてあります。対象はPanther Lake世代のEVO-T2で、添えた仕様は180TOPS、18Aプロセス、そしてファイソン(Phison)のaiDAPTIV+技術。デスクトップAIスパコンはGMKtecが定義する、とも書いてあってAI PCにおけるGMKのやる気を感じさせられました。
EVO-XシリーズがAMDで、EVO-TシリーズがIntel。両方を扱うミニPCブランド自体は珍しくありませんが、それぞれの新世代チップの最初期の搭載機を出し、両社のCEOからサイン入りで推されている点は各サプライヤーとの関係性の高さを感じさせられます。

AMDからの表彰も2つ飾ってありました。砂時計を象ったトロフィーが2024年度の業務卓越賞、2026の数字を象ったパネルが2025年度の業務卓越賞で2年連続の受賞。担当者によると、AMDの中国地域のトップと強いつながりがあり、フラッグシップ製品ではAMDが後押ししてくれるとのこと。実際、GMK EVO-X5 ProはAMDがRyzen AI Max+ PRO 495を発表した2日後に製品を発表するなど関係性が深くないとできない製品展開を実現していました。。
G・M・K・EVO・NEOの5シリーズで展開するGMKtecの製品ライン。日本での販売も加速


ショールームには製品ラインの位置づけを示したパネルも展示されていました。GMKの中では旗艦がEVOシリーズで、代表機種はEVO-X2とEVO-T2の2つ。そしてゲーミング向けがNEOシリーズで、NEO-X1とNEO-X1 Pro。制作向けがKシリーズで、K13、K16、K17。ビジネス向けがMシリーズで、M8とM9。この下にエントリーのGシリーズが付きます。外付けGPUボックスのeGPUを除くと、G・M・K・EVO・NEOの5本立てです。


各モデルについても実機を確認させてもらいました。GMKの身にPCはその大きさの幅広さも特徴的で、小さいモデルはGMKの名前を大きく広めたGMK NucBoxと同じような手のひらサイズの製品。この手のひらサイズの製品はIntel N5095を搭載したGMK G5S。天面にIntel Insideのステッカーが貼ってあり、放熱を兼ねたリブ加工が入っています。底面のラベルによると構成は8GB+128GB、電源は12V 3Aのモデルです。



前面に電源ボタンとUSB-A(SS)が2基、microSDカードスロット、ケンジントンロック。背面はUSB-C、HDMIが2基、RJ-45、USB-A(SS)、3.5mmです。このサイズでHDMIを2つ出してくるのは、サイネージや受付端末を意識した構成にも思えます。G5Sにはピンクの筐体も用意していたのも特徴的。なんとこの色は日本向けに用意した色なんだとか。

日本市場での展開は現在は楽天やAmazon、そして自社通販サイトのGMKtek JPでの直販がメイン。日本での正規代理店は、国内総代理店のリンクスインターナショナルが担っているものの、リンクスインターナショナルが国内正規代理店になったのは2025年から。基本的には直販での展開がメインでした。とはいえ、GMKtekは楽天のデジタル部門2025年度カテゴリ最優秀賞を受賞していたり、Amazon日本のミニPCベストセラーにも6〜7モデルが入っていたりと日本の消費者からの認知は広がってきているんだとか。
なお、今回紹介したGMKtec EVO-X5 Proも9月28日から公式ストアで販売を始めていて、通常価格は192GB+2TBが108万7,840円、192GB+4TBが113万5,840円です。
電子タバコメーカーから、ローカルLLMを動かせる「デスクトップAIスパコン」GMKtec EVO-X5 Proを展開するに至ったGMKtek

今回は中国・深圳にあるミニPCメーカーであるGMKtekの取材レポートをお届け。電子タバコからマスクを経てミニPCに移り、そこから6年でデスクトップAIスパコンを名乗る。2020年にマスクを紹介した会社と、EVO-X5 Proの分解基板を見せてくれた会社が同じだというのは、社史の壁を見たあとでも実感が追いつきません。
特に今回取り上げたGMK EVO-X5 Proは、192GBのうち160GBをグラフィックスメモリへ振り、GMKtecの計測ではGLM-5.3-Flashの4ビット量子化を毎秒約17トークンで回す製品。価格は108万7,840円から。個人が気軽に買う価格ではありませんが、データを外に出せずにクラウドのLLMを使えない企業や研究室、手元で大きなモデルを試したい開発者にとって、有力な選択肢になる1台と言えるはず。今回のGMKの訪問では実際の工場も見学させてもらっています。この工場見学レポートも後日公開予定なので乞うご期待を。














