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ワイヤレスヘッドホンはこれでもかというくらい多くのメーカーから、多くの製品が販売されていて正直なところ私も飽きているところ。現時点ではSONYが放っている高級ワイヤレスヘッドホンであるSONY WH-1000XM5を超えるようなモデルもなく、数多受けるレビュー依頼でもそこまで期待をしていませんでした。今回はDJ向けのヘッドホンを多く手掛けるOneOdioのワイヤレスヘッドホン、OneOdio A5をレビュー用として提供いただきました。正直なところ、癖はあるもののかなり楽しいヘッドホンという印象です。
OneOdio A5はOneOdioから登場しているアクティブノイズキャンセリング機能搭載のワイヤレスヘッドホン。LDAC接続に対応し40mmドライバーによって高音質な音楽再生を実現している製品。クアッドマイクによって-45dBのアクティブノイズキャンセリングを実現しているのもポイント。ANCオフで75時間、ANCオンでも最大45時間の音楽再生に対応するロングバッテリーも魅力的です。現在Amazonでは8,000円台で購入できます。
金属アームが良いアクセントになったシックなデザイン。密閉感には少し課題も
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パッケージは黒色をベースにしたデザイン。グローバルで共通のものになっているため、背面は基本的に英語表記でした。本体の他には充電用のUSB Type-Cケーブルと説明書、保証書のみ。保証書は多言語対応されており日本語での操作説明も記載されています。
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本体は黒色のシンプルな見た目。特徴的なのは、ハウジング部分とヘッドバンドをつなぐアーム部分がゴールドになっているところ。黒一色のヘッドホンの中に映えていて良い感じ。また、ハウジング部のリブ模様もアクセントになっていて個人的には好きなデザインでした。
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イヤーパッドは耳全体を覆うオーバーイヤー型。形状を記憶するフォーム素材になっており、耳にぴったりとフィットする、という謳い文句。後述しますが、デザイン性の高いアーム部分が若干可動部を狭めてしまっているようで、装着時には少し隙間ができてしまうような形になってしまうことがあり、装着感については改善の余地があるかも。
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右側のハウジング部に各種操作用のボタンを配置。上川(写真左側)からボリュームキー、電源キー、ANC(アクティブノイズキャンセリング)キーの順番。電源キーが一番下ではなく、真ん中に来るようになっているのも特徴的かもしれません。ANCキーはANCオフ→アンビエントサウンドモード→ANCオンの順番で押したときに動作します。
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ヘッドバンド部分に各種認証情報が記載。技適マークについてもきちんと取得の上、記載がされていました。製造者として記載されている”YI ZHAO (SHENZHEN)”はOneOdioの中国・深圳側の法人。OneOdioは以前から自社工場を保有しており、ヘッドホンやイヤホンを自社で設計、製造してきているのも中国系オーディオメーカーの中では特徴的かも。自社設計だからこそ、他社とは異なる音作りやデザイン、機能性の製品を製造できているわけです。
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ハウジング部分とヘッドバンドの間のアームを曲げて折り畳めるようになっており携帯性も抜群。リュックなどにしまって置く際にもコンパクトに収納できるようになっていました。
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実際に装着してみたようすがこちら。ちょうど髪の毛の上に金利のアーム部分が来ることで良い感じのアクセントになっている印象でした。装着感については、デザインを優先した結果が原因なのかは分かりませんが、どうしても少し後ろ側が少し密着感が軽い感じに。側圧が強くないことも一因と思われ、それは頭が疲れづらいことにもなるものの、ちょっと物足りない印象。後述しますが音質もノイズキャンセリングの性能はピカイチで、少し隙間があるくらいでも正直困らないものの、改善して欲しいところかも。
他のヘッドフォンを圧倒する重低音。-42dBのアクティブノイズキャンセリングもかなり優秀
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OneOdio A5を一聴して感じたのが、強烈な低音再生。メインで利用しているヘッドフォンであるSONY WH-1000XM4や1MOREのヘッドフォンなどを多くレビューしてきましたが、それらは少し低音が強めになってはいるものの、ド・低音ではない感じ。対してOneOdio A5は聴いた瞬間に低音が耳に飛び込んでくるインパクトのあるサウンドが衝撃的でした。低音重視ヘッドフォンは、個人的には原音再生の観点では良くないもの、と思っていましたが本機はその考えを覆してくれる性能を盛っていました。
パワフルな低音でベースラインとバスドラムの存在感が爆上がり。バンドサウンドの音楽が中心のJpopにおいて聴いていて本当に気持ちの良い低音でした。この要因としては、ボーカルの中高域をきちんと鳴らしていることがあるのかと。単純に低音をパワフルにするのではなく、聴かせるべきポイントを逃さずに再生できているというのが本機のサウンドなのかもしれません。
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実際にいくつかの楽曲を聴いてみた印象を書いてみます。
1999 – 羊文学
オルタナティブ・ロック・バンドの羊文学のアルバムPOWERSに収録されている1999。歪ませたギターと、楽曲中全体で存在感を放つベースラインが魅力的な一曲。通常のヘッドフォンでもこのベースの存在感はありますが、OneOdio A5ではかなりレベルアップ。ベースの臨場感が高まることで楽曲全体に重厚感がある仕上がりになっていました。ただ、ボーカルを潰してしまうことなく、適度にバランスが取れた音になっている印象です。
春に愛される人になりたい – 花澤香菜
あえてバンドではなく声優の楽曲をチョイス。前述した羊文学はスリーピースバンドのためベースラインが目立つのは当たり前、ということで低音マシマシサウンドが合うイメージのないゆったりとした楽曲に。もともとベースの薄い曲のためOneOdio A5でどのような味付けになるのか気になっていましたが、細いけども主張をはっきりとさせる、そんなベースラインが現れた印象。楽曲の雰囲気を壊さずにリズムがよりはっきりとした、そんな印象に仕上がっていました。
GetLucky – Daft Punk
言わずとしれた名曲中の名曲。もともとリズムのはっきりとしたサウンドで、テンポのよいベースとドラムスが魅力的な楽曲です。OneOdio A5で聴くとこのベースがパワーアップ。主観的な書き方で申し訳ありませんが、聞こえている音のうち半分がベースラインというようなイメージに。ただ、どの楽曲でもそうですが、ギターもボーカルもGet Luckyであればクラップの音もどれも大切にならしている印象。一昔前の重低音ヘッドホンのように、音の全体感を潰して低音をアップさせているのとは違う、そんな印象でした。
どの楽曲を聴いていても感じるのが、圧倒的なベースラインを実現しつつ、他の音を犠牲にしていないことでした。ヘッドホンの特性でもありますが、基本的に奥行きというよりは左右のステレオ感のよい音作りになっています。解像感は予想よりは高めというところ。1万円のヘッドホンでもこの解像感なのかというレベル感と思っていただければ。
電車の中の静寂さが嬉しい-42dBのアクティブノイズキャンセリング
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レビューにあたっては地下鉄、地上を走るJR線、新幹線、都営バスの中などあらゆる場所で音質やノイズキャンセリングの性能をチェック。正直、ノイズキャンセリングの性能は期待以上でした。とにかく中高域の減衰が大きく例えば朝の京浜東北線の車内アナウンスがほぼ聞こえなくなるほど。新幹線でも名古屋到着前のアナウンスさえも聞こえなくなるため、耳から離して聴くというようなレベル感でした。
バスの車内で言えば、エンジンの低周波の音はどうしても消しきれないものの、路面を走るときのグーンという音はかき消してくれる感じ。一段上のノイズキャンセリングで移動中になにか作業をしたりするときのノイズが少なくなりました。移動中の騒音を消して静かに音楽を楽しみたいという方には本機のノイズキャンセリングはかなり嬉しいものではないかと。
ノイズキャンセリングど、重低音。どちらも捨てられない方におすすめのヘッドホン
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今回レビューしたアクティブノイズキャンセリング機能搭載のヘッドフォン、OneOdio A5。他のワイヤレスヘッドホンにはない圧倒的な低音と、-42dBの高いクオリティのノイズキャンセリング機能が特徴的な製品でした。8000円台で購入できる価格帯でありながら、LDACにも対応し高音質さを犠牲にせず音楽のビートを楽しむことができる印象。
これまで多くの廉価でありながら、高音質・高性能なDJヘッドフォンを多く展開してきたOneOdioだからこそ放てるクオリティを感じるOneOdio A5。重低音を重視しながらも、外出先でのノイズキャンセリングや高音質さのどちらも妥協できないという方におすすめしたい製品です。