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【CP+2026】新興レンズブランドSongRaw(松若)のMoonlit Series 青春版を取材:10群15枚・$999のAF 50mm F1.2と10群18枚・ED×5搭載AF 85mm F1.2をSony E/Nikon Zの2マウントで展示

パシフィコ横浜で開催されたCP+2026。今回は2023年設立の新興レンズブランドSongRaw(松若)のブースを取材してきました。SongRawはミラーレスカメラ用交換レンズの研究開発・製造を専門とするブランドで、今回のCP+では販売・展示支援パートナーであるYC Onionとともに出展。フルサイズ対応の大口径AFレンズシリーズ「Moonlit(月光)Series」のエントリーモデルにあたる青春版として、50mm F1.2と85mm F1.2の2本をお披露目しました。Sony Eマウント・Nikon Zマウントに対応し、純正F1.2レンズと比較して手の届きやすい価格帯での提供を目指す意欲的な製品群として注目を集めていました。

新進気鋭のレンズブランドSongRawを展示するYC Onionブース

YC Onionブース

SongRawは2023年に設立されたミラーレスカメラ用交換レンズ専門のブランド。ブランドの第一弾製品としてフルサイズ対応の大口径オートフォーカスレンズ「50mm F1.2 Moonlit」を発表し、その後も85mm F1.2など製品ラインアップの拡充を進めています。金属鏡筒を採用した高い志向性が特徴で、F1.2の明るさとAF機能を両立したレンズブランドとしての立ち位置を確立しつつあります。

今回の出展においてパートナーを務めるYC Onionは、2017年設立の中国の映像機器メーカーで、カメラスライダー・LEDライト・三脚・雲台などを手がけています。「Pineta(ピネタ)」「Chestnut(チェストナット)」など全製品に食べ物にちなんだ名前を付けることで知られており、親しみやすいブランドイメージが特徴。今回はSongRawの販売促進・展示支援の立場でCP+への露出を支援しています。担当者へのインタビューでは「昨年のCP+はYC Onionの三脚・ジンバルのみでの出展でしたが、今年はSongRawとともに新しいカテゴリでの出展になった」とのことでした。

フルサイズ対応F1.2大口径レンズを2マウントで展開するSongRaw Moonlit Series 青春版ラインアップ

今回のCP+2026でSongRawが展示したのはMoonlit Seriesのエントリーラインにあたる青春版の2本です。いずれもフルサイズ対応のF1.2大口径AFレンズという共通コンセプトを持ち、Sony E・Nikon Zの2マウントに対応しています。

製品名焦点距離最大絞り対応マウント状態参考価格
AF 50mm F1.2 M-S 青春版50mmF1.2E / Zデモ展示・発売前$999
AF 85mm F1.2 M-S 青春版85mmF1.2E / Zデモ展示・発売前未発表

10群15枚・$999で驚きの価格を実現したSongRaw AF 50mm F1.2 青春版を展示中

展示パネルのAF 50mm F1.2 青春版仕様表。光学構成図とMTF曲線が掲載されており、10群15枚の光学設計を確認できます

現在販売中のAF 50mm F1.2 M-S 青春版は、SongRaw Moonlit Seriesのエントリーモデルとして登場した標準大口径AFレンズです。Sony E・Nikon Zの2マウントに対応しています。光学設計は10群15枚構成で、非球面レンズを2枚採用。絞り羽根は13枚で、開放時の円形ボケを重視した構成です。フォーカスモーターはSTM+リードスクリュー式で、全行程でリアルタイム位置フィードバックを行う内部対焦システムを採用し、高い追従性を実現しています。最短撮影距離は0.52m、画角は47.85°、フィルター径はΦ72mmという仕様。

価格は$999(日本円換算で約10万5,000円)を実現。Nikon NIKKOR Z 50mm f/1.2 Sが約24万円、Sony FE 50mm F1.2 GMが約27万円であることと比較すると、純正レンズに対して明確なコストメリットがある価格設定です。

AF 50mm F1.2の鏡筒はマットブラック仕上げで、ローレット加工を施したフォーカスリングと絞りリングの操作感は滑らかで良好な仕上がりです。動画撮影時に絞りリングのクリック感をオフにできる「CLICK ON/OFF」スイッチを搭載している点も実用的な設計で、スチール・動画の両方で使いやすい仕様を実現しています。F1.2の大口径レンズとして相応のしっかりとした重さがあり、ボディとの組み合わせでの安定感は十分な印象でした。

ブース内にはフィギュアを被写体にした試写コーナーも設けられており、装着したカメラで実際に撮影することができました。F1.2開放でのサンプルでは、背景の点光源が大きな円形ボケを描いており、13枚絞り羽根による整ったボケ形状を確認できます。被写体とのピント面のシャープさと背景ボケのなだらかな移行が両立しており、ポートレートや小物撮影での表現力の高さが体感できました。

SongRaw AF 50mm F1.2 青春版のスペック

項目スペック
焦点距離50mm
最大絞りF1.2
絞り範囲F1.2〜F16
レンズ構成10群15枚(非球面×2)
絞り羽根13枚
最短撮影距離0.52m
最大撮影倍率0.13X
画角47.85°
フォーカス方式AF/MF(内部対焦)
フォーカスモーターSTM+リードスクリュー式+全程リアルタイム位置フィードバック
フィルター径Φ72mm
対応マウントE / Z
参考価格$999

開放F1.2で白衣装の細部まで解像し色収差を抑えたAF 85mm F1.2 青春版・10群18枚も展示

AF 85mm F1.2 青春版の仕様パネル。Moonlitシリーズのブランドロゴが印象的なデザインで、仕様表・光学構成図・MTF曲線を掲載
AF 85mm F1.2 青春版の仕様パネル。Moonlitシリーズのブランドロゴが印象的なデザインで、仕様表・光学構成図・MTF曲線を掲載

もう1本の展示品がAF 85mm F1.2 M-S 青春版です。担当者にお話を伺ったところ「現在はデモ展示段階で、来場者に実際に手にとってもらい、フィードバックを製品開発に活かしたいと考えています」とのことでした。正式発売前の製品のため仕様は変更となる可能性があるとのこと。

光学設計は10群18枚構成と、50mm 青春版(10群15枚)よりも複雑な設計を採用。ED(超低分散)ガラスを5枚、HR(高屈折率)ガラスを11枚と豊富に投入しており、85mmという中望遠域での色収差補正に特に注力した設計です。絞り羽根は50mmと同じ13枚で、フォーカスモーターも同様にSTM+リードスクリュー式の内部対焦システムを採用しています。最短撮影距離は0.85m、画角は29.1°、フィルター径はΦ86mmという仕様になっています。チタングレーの鏡筒は50mm青春版のマットブラックとは異なる高級感のある外観に仕上がっているのも特徴的です。

ブース内の試写コーナーで85mmを使って実際に撮影。同じフィギュアを被写体にしながら50mmとは明確に異なる描写を楽しめました。85mmの圧縮効果により背景ボケの玉が画面全体に大きく広がり、フィギュアが浮かび上がるような立体感が得られています。

特に印象的だったのは白い衣装の描写です。金色のトリムや縫い目のディテールが開放F1.2でも潰れることなく解像しており、金色の槍先に埋め込まれた赤い装飾部分も色鮮やかに再現されていました。背景の円形ボケは周辺に向かっても形が崩れにくく、ED×5・HR×11という光学設計の成果がしっかりと試写サンプルに表れている印象です。

SongRaw AF 85mm F1.2 青春版のスペック

項目スペック
焦点距離85mm
最大絞りF1.2
絞り範囲F1.2〜F16
レンズ構成10群18枚(非球面×1、ED×5、HR×11)
絞り羽根13枚
最短撮影距離0.85m
最大撮影倍率0.13X
画角29.1°
フォーカス方式AF/MF(内部対焦)
フォーカスモーターSTM+リードスクリュー式+全程リアルタイム位置フィードバック
フィルター径Φ86mm
対応マウントE / Z
参考価格未発表(デモ展示中)

国内流通と85mm正式発売に期待・設立3年で見せたSongRawの完成度の高さ

今回のブース訪問で担当者に日本市場での入手経路について確認したところ、現時点では国内Amazonでの展開やレンタルサービスとの連携はまだ検討中の段階とのこと。国内正規流通ルートの整備はこれからという状況です。

実機を手にとって確認した印象では、ビルドクオリティは設立3年のブランドとは思えないほど高い水準に仕上がっているという感じ。青春版というエントリーモデルながら金属鏡筒の質感は良好で、$999という価格設定は純正各社のF1.2レンズと比較しても十分な競争力があります。85mm F1.2 青春版の正式発売と国内流通ルートの整備が揃った際には、ぜひじっくりと試してみたいと思わせる製品でした。

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銀行をやめて人材系のHRテックらしいメガベンチャーにいたかと思えば、今はSIerで企画とかしています