【HONOR MagicBook X14】sRGBカバー率100%のディスプレイもRyzen 7640HSの性能も、小型さも妥協出来ないノートPC【今年のベストバイガジェット 2024】
小型で軽量でパワフルなノートPCは、日常的に仕事をする方にとっても、浮かんだアイデアをすぐに記録したいクリエイターの方にも、そして私のようなブロガーにとっても生産性を高めるうえで必須のデバイスといえます。当ブログでは以前16インチのノートPC、Xiaomi Redmi Book Pro 16 2024をレビューしIntel Core Ultra 7 155Hの高性能と3.2K・sRGB/DCI-P3カバー率100%の高画質なディスプレイに魅了されていました。
ただ16インチのPCは正直いつも日常的に持ち歩く、という観点では難しいところ。16インチだと電車のロングシートでは正直邪魔ですし、新幹線や特急、普通車グリーン席のテーブルも一台で占拠するため場面によってはスペックも大きさも余剰になってしまいます。そんなわけで比較的高性能で、かつ、持ち歩きもしやすいPCとして選んだのがHONOR MagicBook X14(FRI-H56)。AMD Ryzen 5 7640HS、16GB RAM搭載で1.4kgの14インチノートPCです。6万円台で購入できたためかなりお買い得。
もともと今年のノートPCの更改はXiaomi Redmi Book Pro 16 2024のみにするつもりでしたが、欲を張って14インチPCも買い替えたのが大正解。本製品を今年のベストバイガジェットに選出です。本記事はぜろさん主催の「今年のベストバイガジェット Advent Calendar 2024」9日目の記事。昨日はkuroponさんの「ほぼ毎日持ち歩いている新しい相棒、FMV LIFEBOOK UH【今年のベストバイガジェット 2024】」でした。偶然にも2日連続でノートPCですね。
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HONOR MagicBook X14 AMD 2024のスペック
項目 | 詳細 |
---|---|
OS | Windows 11 Home |
CPU | AMD Ryzen™ 5 7640HS(6コア、ベースクロック 4.3GHz、最大 5.0GHz) |
メモリ | 16GB LPDDR5x 6400MHz(デュアルチャネル対応) |
SSD | 512GB |
ディスプレイ | 14インチ、1920×1200(16:10)、100% sRGB 100%、300ニット、178度視野角、TÜV認証 |
Webカメラ | 720P HDカメラ(ビデオ録画・ビデオチャット対応) |
ネットワーク | Wi-Fi 6(IEEE 802.11a/b/g/n/ac/ax、160MHz対応) |
Bluetooth | Bluetooth 5.1 |
WWAN | 非対応 |
外部インターフェイス | USB-C(USB 4、20Gbps)、USB-A(USB 3.2 Gen1 ×2)、HDMI 1.4b、3.5mmオーディオ |
バッテリー | 60Wh、1080p動画再生で約15時間、急速充電対応 |
本体サイズ | 長さ: 313.2mm、幅: 221.6mm、厚さ: 16.5mm |
本体重量 | 約1.4kg |
HONOR MagicBook X14 AMD 2024のスペックは表記の通り。AMD Ryzen™ 5 7640HSでオフィス利用程度であれば十分すぎる性能を確保し、ディスプレイは今の流行りを反映した16:10の14インチ1920×1200。60Whの大容量バッテリー搭載で1080P(フルHD)の動画再生でも約15時間の電池持ちを実現した電池持ちの良さも嬉しい製品です。
HONORブランドは、もともとはHuaweiのサブブランドの位置づけ。Huawei本体が米国から制裁を受けたことで2020年11月にHuaweiから独立して設立。スマートフォン分野では高い製品開発能力を活かして高品質モデルを投入し、最近では世界最薄の折りたたみスマホ「HONOR Magic V3」を登場させるなど快進撃を続けていて、中国市場ではXiaomiを抜いて4位にまでなっているんだとか。そんなHONORが投入するノートPCがHONOR MagicBookシリーズです。
13.3インチPCと同じサイズ感で14インチを実現。スタイリッシュさと軽量さが嬉しい
今回もXiaomi Redmi Book Pro 16 2024のときと同じくAliExpressから購入。ちょっと到着まで時間がかかり、約1週間ほどで自宅に到着。外箱はかなりボコボコで不安でした(ついでに税関で開けられていました)が、内箱はきれいな状態だったの一安心。
中国版のノートPCは、発売時点ではWindowsの中国版がインストールされており、販売業者によって英語の言語パックを追加したり、親切な店舗では通常版のWindowsをクリーンインストールしてくれていたりします。今回の販売店は後者でWindowsをクリーンインストールし直しており、PC本体は業者によって設定後、ビニールで梱包し直されていました。
同梱品は本体の他にUSB Type-C充電器、USB Type-Cケーブル、クイックスタートファイド、保証カードが付属しています。充電器は最大20V/3.25A=65W出力でした。本体の電源入力はUSB PDに対応しているので、純正充電器以外でも問題なく動作します。
本体はフルメタルのボディで天板にはHONORの文字だけが刻まれているシンプルなもの。背面には通気口とスピーカーが鎮座しています。ゴム足は下部に2箇所とディスプレイのヒンジそばに長いものが配置されています。左右にはスピーカーを備えており、ステレオになっているのもポイントです。
左側面にはUSB Type-C(USB 4・20Gbps対応)にUSB Type-A 3.2 Gen、HDMI端子を搭載。USB Type-C端子は65Wの電源入力も兼ねています。また、右側面にはUSB type-A 3.2 Genと3.5mmステレオミニジャックを搭載しています。
重量は実測値で1.41kgと公称値通りの重量。13.3インチ帯のノートPCでは1kgを切るくらいの製品も存在しており、本機はそれらと比べると軽い、というわけではありません。14インチのノートPCとしてはまぁ普通というくらいの重量です。本体の厚みはゴム足を含めると約2cmといったところ。この点も14インチのノートPCとしては薄い方という印象です。
キーボードはテンキーなしの英字配列。バックライトを搭載しており、暗い場所で利用しても視認性の高さを確保しているのもポイントと言えます。Deleteキーの隣の◎になっているキーは指紋認証兼電源キー。バックスペースの上にあるため間違えて押してしまいそうな配置ですが、今のところ間違っていないので問題なさそうという感じ。
キーボードのキーピッチは19mm。フルサイズになっており、デスクトップPCなどと同じ利用感で利用できます。キーストロークは1.5mmで打鍵感も確保。本機に乗り換える前の日常持ち運びPCとして利用していたHP EliteBook Folio G1は、打鍵感が浅く、長文を打ったり長時間利用しているとかなり疲れてしまう印象でしたが、本機の場合は適度なリバウンドでこの疲労感も少なくなっていました。
Windows 11もサクサク動くAMD Ryzen™ 5 7640HSで、ブラウザ作業も快適
HONOR MagicBook X14 AMD 2024はCPUにAMD Ryzen™ 5 7640HS プロセッサーを採用。6コア12スレッド構成で、Zen 4アーキテクチャを採用したプロセッサーです。日本で発売されているPCでは外部GPUを搭載するゲーミングモデルでしか採用されていますが、HONOR MgicBook X14 2024ではGPUなしで搭載。最大5.0Ghz駆動できるため、結構パワフルなCPUです。
GPUはAMD Radeon™ 760Mを搭載。これもまた日本国内では採用機種の少ないというかほぼ皆無。RDNA 3アーキテクチャに基づき、レイトレーシングにも対応したGPUで、軽量のゲームや画像編集、動画編集でも利用できる性能をもったもの。Ryzen 5 7640HSはAMDのAI処理特化プロセッサのNPUをRyzen AIとして搭載しているはずですが、本機のタスクマネージャーではなぜか表示されませんでした。
今回購入したTookfun StoreはありがたいことにWindowsの通常版に入れ替えたうえでクリーンインストールした状態で準備してくれており、起動したらWindowsのセットアップから開始することができました。日本語が入った状態のため、迷うことなく地域、言語で日本語を選択してセットアップ。また、一部の設定類はMicrosoftアカウントのバックアップから復元できセットアップも楽ちんです。
Ryzen 5 7640HSを外部GPU無しで搭載するPCについての情報は日本においては皆無。参考になるか分かりませんがPCMARK10でのスコアも掲載しておきます。PCMARK 10(Essentials・無料版)では6756点。無料版のためかなりベーシックなオフィスワークの性能を確認しているだけですが、4,100点を大きく上回っておりMS Officeでの作業やWEBブラウザでの作業には十分な性能を確保しています。
CINEBENCHでもテストを実施。なぜかMultiScoreの結果を出すことができずSingle Coreのみですが97ptsという結果でした。Ryzen 5 7640HSは6コア構成のため、Multi Coreでもそこそこのスコアになるのではないかと思います。意外とCPU性能はある、というわけです。
私の場合、現状パワーを必要とするAdobeのLightroomやPhotoshopについては先日のデスクツアーで登場したデスクトップPC(Intel Core i7 12700F+GeForce RTX 3060 12GB)と、Xiaomi Redmi book Pro 16 2024にインストールして利用しているため本機ではインストールもしていません。利用目的は持ち運んだ先でブログの記事を編集したり、副業のプレスリリースを書いたりというまさにオフィス作業というわけ。
オフィス作業で利用している分には、まったくと言っていいほど性能不足を感じることはありませんでした。起動もスピーディーで、指紋認証も爆速、そして起動してからGoogle Chromeを立ち上げて作業を開始するまでにタイムラグがほとんど無いのがポイント。会社への出勤中に都営バスの中で作業をすることも多いのですが、始発バス停で出発時刻直前に乗り込んでも発車までに作業を開始できます。
機動力の高さもあって、16万円という大枚をはたいて購入したXiaomi Redmi Book Pro 16 2024の出番が想定よりも少なくなってしまうほど。長期間の旅行だとRedmi Bookを持っていきますが、日帰り出張のお供や休日の外出時に持って行く分には本機で十分すぎる性能を実現しています。14インチの16:10というディスプレイも12.5インチよりも少し広いことで、12.5インチPCで感じていた「少し狭いな?」というのも解消。ストレスフリーな移動中の作業環境を実現できました。
sRGBカバー率100%のディスプレイの見やすさも嬉しいところ。価格帯の安いノートPCは、NTSCカバー率45%(sRGBカバー率換算62.5%)という色表現力の低い製品が多く個人的には「なんか色合い良くないな?」と思ってしまうことがありました。本機のディスプレイはsRGBカバー率100%を実現していて、自宅やRedmi Book Proのディスプレイなどと比較しても十分な色表現を実現。ちゃんと色が出ているディスプレイって目が疲れづらい気がしているので、この色表現も結構大事でした。
電源入力は65W入力に対応。動作モードは40Wのハイパワーモードと35W駆動のスマートモードを選択が可能。Fn+Pキーを押すことでこのモードは切り替えられるようになっていて、ハイパワーモードでは冷却ファンも高回転させて高負荷作業でも最適なパフォーマンスを実現できるようになっているとか。対してスマートモードはブラウジングや文章作成といった日常的なタスクに最適化して、最大35Wでの省電力駆動を実現。
冷却ファンの回転数もシステムの負荷に応じて自動で調整するため静寂性も兼ね備えた動作モードになっているとか。どちらのモードでも利用電力はたかが知れており、実際に通勤中などに利用しても余裕すぎるバッテリー持ちを実現しています。充電はUSB PD 65Wのため、移動中などはAOHiの65W充電器あたりを持ち歩けば十分というわけです。
【AOHi THE FUTURE】わずか14mmの超薄型設計でどこにでも持ち運べる。AOHiの65W急速充電器AOHi THE FUTURE 65Wレビュー
ドライバー類のアップデートはHONORの公式WEBサイトからPCManagerを利用可能
中国メーカーの中国向けPCでもドライバー類のアップデートも問題なし。HONORの公式WEBサイト(https://www.honor.com/cn/support/downloads/)で型番(FRI-H56)で検索すればPCManagerをダウンロード可能。
PCManagerは日本語化されており、利用許諾もドライバの更新画面も含めて日本語で利用することができます。利用規約上にデバイス情報やネットワーク情報などを中国のサーバーに送る、と書いてありますが書いてある分良心的かも。日本語はきちんと自然なものになっているため、もしかしたらHONORでの日本展開も視野に入っているのかもしれません。
Huaweiから独立した後のHONORは、日本でスマートフォンもPCも、タブレットも特に発売していませんが、日本法人であるHonor Technologies Japan合同会社も活動中。基本的には「日本総合研究所」でカメラ関係の研究開発を行っているようで、それに関する求人が確認可能。今後、どこまで日本で事業を実施するかは正直なところ未知数という印象です。
話がそれてしまいましたが、HONOR PC Managerを利用することで各種ドライバーやBIOSのファームウェアも含めてアップデートが可能に。最新のドライバーを問題なく利用して最適な状態にPCを維持することも可能です。
新幹線のテーブルなら横にカップが置けるサイズ感。どこにでも持ち運べる
14インチというサイズは、前述したようにディスプレイサイズが広いことによる作業環境の大きさ、という面だけでなく新幹線などの移動中に利用する際の使い勝手の良さの面でも絶妙なサイズ感でした。隣の席が空いていることが前提ではありますが、作業をしながらコーヒーなどのカップを置いて置くことが可能。ドリンクホルダーのない東海道新幹線でもこれなら安心して使えるというわけです。
今回購入したHONOR MagicBook X14 2024。正直言ったところ6万円台で購入したノートPCとは思えない圧倒的な完成度の製品でした。実際に購入する際には、多くのメーカーの製品を価格.comでにらめっこしていましたが、満足いくスペックのものに巡り合うことが出来ていませんでした。対して本製品は私の求めるものを全て(ちょっと重いですが)満たしてくれ、それで6万円台。非の打ち所がない製品でした。
利用を開始してからすでに2ヶ月以上が経過していますが、ほぼ毎日持ち歩くノートPCとして選んで良かったと本気で思えるPCという印象。値段を抑えつつ、でも画面の見やすさも、CPUの性能も、打ちやすいキーボードも妥協できないという方にぜひオススメしたい製品でした。
本記事はぜろさん主催の「今年のベストバイガジェット Advent Calendar 2024」9日目の記事。昨日はkuroponさんの「ほぼ毎日持ち歩いている新しい相棒、FMV LIFEBOOK UH【今年のベストバイガジェット 2024】」でした。偶然にも2日連続でノートPC。ただ、値段はFMV LIFEBOOK UHの1/3の製品でした。
- 【HONOR MagicBook X14】sRGBカバー率100%のディスプレイもRyzen 7640HSの性能も、小型さも妥協出来ないノートPC【今年のベストバイガジェット 2024】
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