10月21日に日本でも正式発表され、10月28日より発売となるXiaomiのミドルレンジタブレットXiaomi Redmi Pad。3GBRAM/64GBストレージモデルは34,800円という圧倒的な安さと、90Hz駆動のディスプレイ、そしてAmazonプライム・ビデオなどをHD画質でストリーミング再生できるなど、高いコストパフォーマンスが魅力のモデル。
Xiaomi Redmi Padのスペック
- ・OS:MIUI 13(Android 12ベース)
- ・CPU:MediaTek Helio G99
- ・RAM:3/4/6GB(LPDDR4X)
- ・ストレージ:64GB/128GB(UFS2.2)
- ・液晶:10.61インチ 2000×1200(90Hz駆動)
- ・スピーカー:クアッドスピーカー(Dolby Atmos対応)
- ・カメラ:バックカメラ800万画素・インカメラ800万画素
- ・バッテリー:8,000mAh
- ・Bluetooth 5.3
- ・WiFi: Wi-Fi 5 2.4Ghz/5Ghz
- ・端子類:USB Type-C・microSD
- ・重量:445g
- ・大きさ:250.38 mm×157.98mm×7.05mm
狹縁で没入感の高いディスプレイと、高級感のあるデザイン
今回はAliExpressのXiaomi公式販売店であるXiaomi Mi Storeで購入。中国本土からシンガポール経由の国際eパケットライトでの発送でしたが、注文から1週間強で自宅まで到着。シンガポールポストであっても2週間以内に到着するためAliExpressの店舗利用時のネックもだいぶ解消できている印象。
パッケージはOPPO Pad Airと同じように全面に本体写真を印刷したもの。今回のレビュー品は国内版ではありませんが、おそらく日本版もグローバル版と同じパッケージになると推測されます。
同梱品は本体の他に充電器と充電ケーブル、クイックスタートガイドが付属。充電器は22.5W出力の高出力モデルで、Redmi Padが対応する18Wの急速充電に対応したもの。最近は充電ケーブルや充電器を省略することも多く、あえて付属させるXiaomiには好感を持てます。
Redmi Padは10.61インチの2,000×1,200 IPSディスプレイを採用。ベゼル部分はかなり小さく抑えられており、没入感の高い画面表示を実現しています。後述するようにXiaomi Redmi Padのディスプレイは90Hz駆動に対応。一般的なリフレッシュレートである60Hz駆動に比べ滑らかな画面表示を実現します。
背面はつや消しのシンプルなデザイン。左上にRedmiのロゴを、右上にカメラを配置しています。背面のカメラは800万画素の画質を確保。撮影品質は期待できないものの、QRコードの読み込み程度であれば問題なく利用できます。
Redmi Padは本体の厚さを7mmにまで抑え、スマートフォンよりも薄い本体を実現。薄さを確保するため端子類は最小限に抑えられており、入出力端子はUSB Type-C端子のみです。
短辺部にはDolby Atmosにも対応したクアッドスピーカーを配置。電源キーもこの短辺についています。また、縦利用時に下部に、横向き時には右側の短辺にUSB Type-C端子を備えます。長辺部は縦向きで右上、横向き時に左上に当たる部分にボリュームキーを配置しています。
長辺部にSIMスロットのような形でmicroSDスロットも位置。SIMカードを挿入することはできませんが、microSDカードの最大容量の規定は特になく、手元にあった128GBのカードも問題なく読み込むことができました。本体ストレージ自体が最低64GBと大きいため必要性は少ないものの、高画質な動画を多く保存するという場合には重宝しそうです。
今回は専用カバーもあわせて購入。マグネットタイプのスマートカバーで、カバーを閉じることで自動的に画面ロック、開けると画面点灯というように電源キーをいちいち押下する必要を減らしてくれます。カバーを折りたたむことでタブレットスタンドとしても利用でき、持ち運び時の傷防止以上に便利なアイテムです。
スマートフォンと大きく変わらない操作性。高性能SoCで余裕のある動作を実現
Xiaomi Redmi PadはXiaomiの独自UIであるMIUI 13を採用。Android 12ベースで、Android 12が持つ高度なセキュリティ機能と、バッテリー管理機能を踏襲しつつ、Xiaomi独自の管理機能を備えたものに仕上がっているのが特徴。
初回起動時の初期設定メニューについてはすべて日本語化。MIUI側でWi-Fiの設定、使用条件への同意後、Googleサービスの設定を行っていきます。設定自体は非常にスムーズで、誰でも迷わずに行える印象でした。
Redmi Padでは通常のパターンやコードを利用した画面ロック機能に加えて、顔認証を用いた認証解除機能も搭載。顔のデータは複数パターン登録することができるため、メガネをかけているときとコンタクトレンズの使用時、私の場合はそれに加えて自宅でヘッドホンを装着しているときの顔を登録し、自宅内外ですぐにロックを解除できるように設定しました。
顔認証の設定後はジェスチャーとその他の基本設定の設定を終えることで設定は完了。このままRedmi Padを利用開始することが可能です。なお、ジェスチャー機能はスマートフォンではそこまで必要ないものの、タブレットでは画面が大きいこともあり利用できるとかなり便利。ただし、Xiaomi製品ではホームランチャーをNova Luncherなどのサードパーティ製にしている場合はジェスチャー機能を利用できないのは注意が必要です。
他のタブレットやスマートフォンからのデータ移行には、Android OSの標準機能を利用可能。Android OSの機能では、USBケーブルを介した有線でのデータ移行と、Wi-Fiを利用した無線での移行のどちらにも対応していますが、私のLenovo Yoga Tab 13とはうまく接続できず無線でデータを移行。
無線であってもかなり高速にタブレット間でのデータのコピーを行うことができ、写真などで4GB程度移動させた分は10分ほどで完了。残りは元のタブレットにインストールしていたアプリ類をインストールしていくのみでインストールしているアプリが多い私の場合は1時間弱待つだけ。アプリのログイン情報なども一定程度引き継いでくれるため、スムーズに使い始めることができました。
セットアップ直後には最新のソフトウェアアップデートも配信。内容はセキュリティアップデートですが、一定程度アップデートが配信されるのは安心できます。なお、昨年発売のXiaomi Pad 5は当初は発売当初はMIUI 12.5(Android 11ベース)でしたが、本機と同じMIUI 13(Android 12ベース)が配信されており、Androidのメジャーアップデートについても期待して問題なさそうです。
なお、記事執筆時点での最新版のOSは、MIUI 13.1.4でAndroid 12ベースでした。
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写真は液晶保護フィルムを貼り付け済み |
改めてRedmi Padのディスプレイを確認。狹縁ベゼルによって10.6インチの大型サイズでありながら小型な筐体に収まっておりスタイリッシュな見た目を実現。後述するように動画再生をする際にも、画面の黒縁を意識せずに利用できるため没入感の高い映像体験を実現しています。
また、横長(アスペクト比 16.7:10)に仕上がっていることもあり、映像を見る際には映画などでも上下の黒帯を気にせずに、また、縦画面でWEBサイトを見る際には1ページに多くの情報を表示させることで縦覧性の高さも確保しています。
標準搭載のアプリは上の通り。Google系のアプリケーションが一通りプリインストールされているほかは原神・Netflix、そしてXiaomiのMi動画などがインストール。必要最低限レベルに抑えられているため、利用開始後に削除したりなどの手間はありません。
画面の右上をスワイプダウンすることでクイック設定ツールが表示。よく使う設定事項はこの画面上で完結できるため便利な仕様です。また、Google
Home・Mi Homeアプリと連携することでスマートデバイスの調整機能も搭載。Gooogle Homeアプリを起動せずに直接操作できるのは重宝できます。
各種ストリーミングサービスで、動画の高画質再生を実現するのに必須なのが、WideVineセキュリティレベル。本機はWideVine L1でNetflixやAmazonプライム・ビデオでもHD画質以上での動画再生に対応します。
なお、私個人の環境で試していた際には、1080PのフルHD画質が配信されているコンテンツではAmazonプライム・ビデオでの1080P再生にも対応。Redmi
PadのフルHDディスプレイをフルに活かした高画質再生が可能なため、自宅でも旅行先でも最高画質でストリーミングサービスを楽しめます。また、microSDカードへの動画保存も可能なため、大量の動画をダウロードして持ち歩く際のストレージの心配もありません。
タブレット/スマートフォンの性能を示す指標の一つであるAntutuベンチマークでのスコアは35万点。本機はMediaTekのミドルレンジプロセッサーであるMediaTek Helio G99を採用しており、おおよそ前評判と変わらない印象。
Xiaomiから登場しているタブレットの上位モデル、Xiaomi Pad 5 Proでは64万点、先日レビューした競合機にあたる
OPPO Pad Airでは24万点。ほぼ同価格のOPPO Pad Airを大きく引き離しつつ、あくまでもミドルレンジの性能という印象。
今回レビューしているのが日本未発売の6GB RAMモデルという点を加味する必要はありますが、自宅内でSNS(Twitter・Instagram)を開き、WEBサイトを閲覧し、
自宅のJriverMediaCenterを操作し、Amazonプライム・ビデオを再生、をアプリを終了せずに行っていても動作が重くなることなくサクサク動作してくれました。低スペック機では悩まされる全体的なもっさり感を感じずに使えるため、小さなストレスを感じずに使えます。
Xiaomi Redmi PadではWi-Fi 6には非対応で通常の5GHz帯の接続に対応。自宅の
TP-Link Archer AX-20の環境では実測値で240Mbpsほどでのダウンロードに対応。240Mbps≒30MB/sのためかなり高速な通信環境を確保できます。Amazonプライム・ビデオ等でSDカードに動画をダウンロードして再生、という場合でも最高画質の映像を高速でダウンロードでき、ロスタイムを減らすことが可能です。
ストリーミング再生時にも高速なインターネットが威力を発揮し、YouTube等で高画質配信の動画を再生する場合の待ち時間や、低画質への切り替えを最小限に抑えることも可能。動画の再生時にはクアッドスピーカーを利用してステレオサウンドを楽しめます。
本体スピーカーの表現力は、正直それなりというレベル。Dolby Atmos対応のため、対応コンテンツであればクアッドスピーカーを生かした再生が可能ですが、通常の動画再生時には特に普通のスピーカーと言う感じ。スピーカーの大きさが物理的に小さく、また、特に反響させることもできないため低音域の表現力は劣るという印象でした。あくまでもステレオでちゃんと音が鳴る程度に思ったほうが良さそうです。
Android 11から採用されたダークモードへの自動切り替えにも対応。平日は特に夜に利用することが多いタブレットですが、夜はダークモードで眼への負担を抑え、昼間は通常モードというのを自動で切り替えられるため便利。
画面のリフレッシュレートはカスタム設定で90Hz駆動に固定することも、パフォーマンスや描写内容に応じて最適なリフレッシュレートを自動選択するオートモードの利用も可能。スマートフォンは120Hz駆動のXiaomi 11T Proを利用していると、60Hz駆動の製品を利用すると、その滑らかさに欠ける画面描写をストレスに感じてしまうこともありましたが、Redmi Padの90Hz駆動であれば自然な滑らかさで心地よく利用できました。
大きな画面を活かして縦画面を使って調べ物をするのにタブレットは最適。Google Mapなどは地図を表示するだけといえども、案外なめらかな動作のためにはスペックが必要ですがRedmi Padではストレス無く動作します。
画面を2分割して左右にそれぞれ別のアプリを表示する画面分割機能も搭載。加えてSNSなどのアプリをポップアップして利用できる「フローティングウィンドウ」機能も搭載しており、動画を見ながらSNSへ投稿するような使い方も可能。大画面だからこそ、いろいろな使い方ができるのも魅力的でした。
ストレス無く使えるマルチメディア端末。家でも外でも最高の相棒になるはず
今回レビューしたXiaomi Redmi Pad。高解像度な2K・90Hzディスプレイと、WideVine L1でAmazon プライム・ビデオ等での高画質再生にも対応し高画質な映像を手軽に楽しむことができる製品でした。そして、MediaTek Helio G99と3/4/6GBの大容量RAMの採用でスムーズでストレスのない動作も実現した製品でした。