キーボード搭載のスマートフォンといえばBlackBerry。残念なことにBlackBerryブランドのスマートフォンをライセンス生産していたTCLはライセンス使用を終了し、次なるBlackBerryブランドの担い手はいない状態で次の機種は当分期待できなさそう。そんな中、数々の変態スマートフォンを送り出し続けるUnihertzからキーボード搭載のUnihertz Titanが登場し話題となっていました。
今回はUnihertz Titanに出資し実際に製品を受け取っていたOrefolder様から2週間にわたって実機をお借りしレビュー。物理キーボードと正方形のディスプレイを搭載したUnihertz Titan、刺さる人には刺さる機種でした。なお、本モデルは現在Unihertzの公式サイトで予約受付中。339ドルで比較的お買い得なのもポイントです。
Orefolderさま:Unihertz Titan レビュー:意外と使えるし使って楽しい!重くてデカくて物理キーボード搭載のタフネススマホ
Unihertz Titanのスペック
正方形ディスプレイ×タフネス×物理キーボードのゴツゴツデザイン
パッケージはクラフト地のシンプルなデザイン。クラウドファンディングで出資を募った製品ということもありパッケージはシンプルで十分ということかも。
本体は黒とシルバーのツートンカラーが目立つデザイン。IP67の防水・防塵性能に、耐衝撃性を備えていることもあり、全体的にラバーで覆われたデザインが特徴です。物理キーボードも、キーボードを搭載することが目的というよりは、キーボードがあることでアウトドアのときにも文字入力がしやすいという側からのアプローチな気もする感じです。
側面のボタン類も独特。左側には赤色の特殊キーが配置。デフォルトでは2回押すことでフラッシュライトが点灯するようになっていますが、ボタンの駆動は変更可能。SIMスロットはnanoSIM×2で、排他仕様でmicroSDを挿入可能。
右側には電源キーとボリュームキー。下部にはUSB Type-C端子を搭載しています。
背面にはシングルカメラを搭載。最大画素数は1600万画素とここ最近のスマートフォンの標準レベルの画素数。カメラ部分は若干出っ張った形状ですが、周辺を盛り上げてカメラ部分はくぼんだ形にすることで、仮にものに本体をぶつけてもカメラに傷がつかないようになっています。
ディスプレイは4.6インチのほぼ正方形の形状。画素数は1430*1438と高精細で見やすいのもポイント。本体は防水・防塵性能に加えて耐衝撃性を備え、さらに物理キーボードという贅沢仕様のこともありかなり重量級。307gもあるため、片手で持ち続けると結構手首に負担がかかります。
大きさもかなり巨大で、通常の大画面スマートフォンに比べても大型という感じ。上の写真では大きさの比較のために7インチのタブレット、CHUWI Hi9 Proを置いてみましたがいかに大きいかが分かるかと思います。
付属品はUSB Type-Cケーブルに、18Wまでの出力に対応したAC-USB充電器、イヤホン、説明書、予備の画面保護フィルムとフルセット。Unihertz Titanを購入する層で充電器などを持ってないという方はいないと思いますが、小型の急速充電器は持っておいてこまらないはず。予備の画面保護フィルムがついているのもポイント。
キーボードのうち心地に感動は….ない
Unihertz Titanの最大のポイントはキーボード。BlackBerryシリーズよりも横幅が大きく、打ちやすいように思えるキーボードですが、実際に文字を打ってみると意外と慣れれなかったのが本音。慣れれなかったことの最初の理由は単純に本体が重すぎて、どうしても使おうと思わなかったこと。ただ、普段からスマホでQWERTYキーボードを利用している身でも盲点といえる点もありました。
スマホのキーボードは通常画面内に表示されるため、タッチするだけ、もしくはスワイプするだけで文字入力が可能。基本的に押し込む動作はなし。対して本機のキーボードの場合は押し込むことが必要で、この押す動作に慣れれなかったわけ。スピードを付けて入力しようとすると押しきれなかったり、押しすぎてしまったり、単純に指が疲れたりしてしまいました。
もう一つは数字や記号の入力に癖があったこと。PCのキーボードの場合、数字キーが最上段にあって打ち込んでいけますが本製品の場合テンキーは画面に表示。テンキーを表示している間は画面がかなり狭くなってしまい打ちづらいのが残念。
また、記号に関してはキーボード上に印字がされており、画面を利用せずにある程度は入力可能。ただし、入力の際にはShiftキーではなくAltキーを利用するのがポイント。Altキーが有るのは通常のキーボードとは大きく異なり右上部分。当然押そうと思っても押せないってわけ。2週間の試用期間ではついにキーボード入力に慣れることはできませんでした。
Unihertz Tiranの場合、その独特なキーボードのため専用のIMEがインストール済み。変換精度で言えば、Google謹製に比べれば劣るものの、大きく不満を感じるということはない感じ。キーボードにさえ慣れることができれば、十分文字入力は便利になるはずなんです。
専用のIMEの機能でいえば、過去に入力した文を記憶しておいて、呼び出して入力できる機能も搭載。製品名であったり、人の名前というように何度も入力するセンテンスを簡単に呼び出せるのは結構便利。キーボードに慣れれれば使いやすいはずなんです。
レスポンスは良好。オリジナル機能も豊富で”使える”スマホ
Unihertz TitanはSoCにMediaTekのハイエンドプロセッサーHelio P60を搭載。RAMは6GB、ストレージは128GBとなかなかの大容量でSNSをし、メールをうち、WEBブラウジングをし、YouTubeを見るーくらいの使い方であれば、全く困りません。どうやって128GBを使い切るかのほうが大変そう。
デフォルトのホーム画面とクイック設定ツールは意外と普通。通知の表示方法も他のスマートフォンと比べても大きく変わらない感じ。
設定画面の項目、アイコン類もAndroid標準に近い形で遜色なし。一部オリジナルの機能があり、キーボードの機能や、左側のファンクションキーの挙動を変更可能。「スマートアシスト」の設定画面も日本語化されているものの、若干日本語が怪しいところがあり設定には理解力が求められそう。
独自機能として「ツールボックス」というアプリが付属。基本的にサードパーティのアプリで実現できるものがほとんどですが、周囲の騒音測定などできると面白い機能がついています。心拍数測定機能は、アウトカメラを利用して心拍数測定の測定ができ、Amazfit Stratos 3での計測結果とほぼ変わらない結果になり驚きでした。
指紋認証センサーはキーボードのど真ん中に設置。ホームボタンも兼ねていますが、ぱっと見るとカーソルキーに思ってしまい、なんどか押してしまうことも。指紋認証の精度は普通。可もなく不可もないというレベルで、一瞬ではないものの、0.5秒くらいで認証が完了するイメージ。
ホームボタン、バックキーなどは画面下部に配置。両端はShiftキーと、altキーで、左からタスクキー、ホームボタン(兼指紋認証センサー・タッチ式)、バックキーとAndroid 9以降の配置ではなく中華配置。通常の配置に慣れていると、これもまた間違えることになります。
基本形は正方形。発色とWBに難ありなカメラは最低限
Unihertz Titanは背面に1600万画素のカメラを搭載。撮影モードはオートかプロモード、タイムラプス、動画の4種類とシンプル。また、プロモードの撮影メニューもホワイトバランス(プリセットからの選択)、ISO、露出の3項目のみ設定可能と他のモデルに比べるとかなり簡易的なもの。
撮影時の機能としては、電子手ブレ補正に対応。また、シャッター音(写真を撮る音)については日本国内でも消音設定が可能なのはグッド。写真の撮影サイズは1600万画素の他に、1200万画素の設定も存在。1200万画素と900万画素、200万画素はアスペクト比1:1の正方形と、本体のディスプレイのままの形になっているのもポイント。なお、標準設定は1200万画素(正方形)のため、撮影時には注意が必要です。
シャープになりすぎ、かつ、色味が薄い画像
まずは1200万画素の正方形で撮影した写真から。全体的に青色ベース、また彩度が低く食事については決して美味しそうには見えない感じが残念。また、1枚目などは特にソフトウェア側でのシャープ処理が過剰なのも気になるところ。
プロモードでホワイトバランスを調整 |
プロモードでホワイトバランスを調整 |
プロモードでホワイトバランスを調整 |
1600万画素のショットも複数例掲載。撮影していて気がついたのが、オートモードでの食事やレストラン撮影に難があったこと。赤みがかかった場所、モノに対して強引に白に戻そうとしてしまうため、そういった場面ではプロモードを使うしかありませんでした。使った場合は、逆に全体が赤くなりすぎるなど微調整が出来なかったのも残念ポイント。
観覧車からの景色はそこそこ撮れていた感じ。ただ、やっぱり彩度が低いためなにか眠たい写真に仕上がってしまっている感は否めませんでした。全体的にカメラの画質については期待しないほうがベターといった感じです。
キーボード付きのハイスペックモデルとして面白い端末、それだけ
今回お借りしてレビューしたUnihertz Titan。物理キーボードだけでなくMediaTek Helio P60に6GB RAM、128GBストレージに1600万画素カメラ、防水防塵性能などギーク心をくすぐるモデルでした。ただ、実際に使ってみると重すぎることでそもそもあまり使わないということに加え、予想以上に癖のあるハードキーボードに難儀したりと実用面では個人的には微妙という印象。
ただし、現行の物理キーボード搭載のスマートフォンとしては頭一つ抜きん出た存在である本モデルは、刺さる人には刺さるモデル。ぜひ、今回のレビューで気になった方は、予約してみるのも良いかもしれません。最後に今回端末をお貸しいただいたOrefolderさま、ありがとうございました。
Orefolderさま:Unihertz Titan レビュー:意外と使えるし使って楽しい!重くてデカくて物理キーボード搭載のタフネススマホ