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【春のヘッドフォン祭り2017】Astell&Kernは新型DAP、KANNを展示。太めの音と大容量バッテリーの注目機種

先日開催された春のヘッドフォン祭り2017。無事国家公務員総合職一次試験も終えたので、レポート記事も存分に書いていくことが出来ます。Shanling M2sFiiO X5 3rdの紹介に引き続き3記事目の今回はAstell&Kernの最新DAP、KANNをご紹介。これまでのDAPの携帯性という概念をぶち壊すレベルの大型機ですが。ありと言えばアリな製品でした。

Astell&Kern KANNは、DACにAKM4490を搭載しDSD256、384KHz/32bitの再生に対応したDAP。外付けヘッドフォンアンプに匹敵するレベルのヘッドフォンアンプを搭載し、高インピーダンスや平面駆動ヘッドフォンも駆動するレベルの機種。バッテリーは6,200mAhとスマートフォンも真っ青のレベルで、DAPの概念を超えた存在の機種です。

AKシリーズの中では、これまでのAK300シリーズであるCore Line、AK70といった低価格帯のCasual Lineに加えた第3のライン、New Performance Lineに位置する製品に。国内では5月19日から約11万円で発売の予定です。

デカイ筐体らしい太めのサウンド

現在のメインDAPであるFiiO X5 3rd(右)と比べてもこの太さ
まず気になる音に関しては、個人的には太いサウンドという印象を受けました。大きくて厚みのある筐体らしい、低音を若干強めに鳴らしてくる全体的に暖かめな音作りという印象です。
今回の試聴はLZ A4をNice HCKオリジナルの2.5mmバランスケーブルで接続して出力。全体的には厚めの音ではあるものの、解像度も十分高くリスニング用途としては非常に良い感じの音作りです。ただし、繊細さに関しては個人的にはFiiO X5 3rdの方が上の印象を受けています。

大きさ、端子ともに規格外

デザインに関しても見ていきましょう。本体の大きさはこれまでのAKシリーズよりも明らかに大きな筐体になり、厚みも大きくなりました。
特に目を引くのは右側面のボリュームノブ。外側に向けて回転する新しい形ではあるものの、個人的には操作はし易い印象を受けました。ただ、誤動作が起きそうで気になりますね。
背面の構造もかなり独特なデザインに。頑丈さと、放熱性云々という話も聞きますが、とにかくびっくりするデザインですね。
端子類は非常に豊富。外部ストレージはmicroSDスロット(最大256GB)に加えて、SDカード(最大512GB)にも対応。より安定したデータ通信を可能とします。充電やデータ転送にはUSB Type-Cを、USB-DAC用にmicroUSB端子をと2つの端子を独立させて搭載しているのも肝。
上部には3.5mmステレオミニと2.5mmバランス出力を、ヘッドフォンアウトとラインアウトでそれぞれ独立して搭載。ライン出力の信号経路はヘッドフォン出力と独立しており、純度の高い再生を実現するとか。据え置きでも利用できてしまうスグレモノというわけです。
OSにはAndroidベースのカスタムOSを採用。AndroidっぽいUIが一部散見されていました。ただし、レスポンスに関しては正直もっさり感は否めず。SoCに関しては非公開であるため、どのレベルの性能かは分かりませんが、個人的にはもう少し頑張ってほしかった感があります。

新しいDAPの形を示した注目機種。ただし、使い道は悩みそう

今回視聴したAstell&Kern KANN。持ち運びを前提としているDAPに据え置きでも十二分に活躍できる性能をぶち込んだ意欲機と評価できそうです。これまでのDAPの概念を超えて新しいカタチを模索した機種と言っても過言ではないでしょう。
ただし、11万円という非常に高価な実売価格と、音だけでいえば個人的にはFiiO X5 3rdのほうが上という音質面、そして、わざわざ据え置きの領域を一台でカバーしようとした部分など、使い道という意味では悩みどころのありそうな機種とも言えそうです。5月19日より約11万円で発売開始の本機。売れ行きや、その後のシリーズ展開が気になりますね。

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銀行をやめて人材系のHRテックらしいメガベンチャーにいたかと思えば、今はSIerで企画とかしています