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【春のヘッドフォン祭 2024】Noble Audio初のワイヤレスヘッドフォンFoKus APOLLOに、6年ぶりの出展を果たしたAKGのヘッドフォンN9 HYBRIDが登場したヘッドフォン祭2024レポート

 

フジヤエービックが毎年主催するポータブルオーディオイベント「春のヘッドフォン祭」、今年もその季節がやってきました。中野サンプラザが閉館したことで今年は東京駅の日本橋口に位置する東京・ステーションコンファレンスで開催。若干会場が狭くなったようにも感じますが、「こんなに兵たちがいたのか!」と感じさせられるほどオーディオ好きが集結していました。
昔はDAPを購入してイヤホンで音楽を楽しむことに血眼になっていましたが、今では私も丸くなってしまいどちらかといえばBluetooth接続のワイヤレスイヤホンや、ヘッドフォンを楽しむことが日常になっています。今回はあえてそんなBluetooth接続のワイヤレスヘッドフォンから注目の3機種、Noble Audio「FoKus APOLLO」とAKGの「N9 HYBRID」、「N5 HYBRID」を試してきたのでレポートします。

ワイヤレスヘッドフォンとは思えない厚みのあるサウンド、FoKus APOLLO

 

まずはFiiOなどの代理店を務めるエミライのブースから。FiiOの製品は昨年のヘッドフォン祭りで持ち込んでいたワイヤレスイヤホンのFiiO FW5、FW3(レビュー)を中心に以前からワイヤレス化に積極的に取り組んできていた印象。今回はNoble Audioの初のヘッドフォン「FoKus APOLLO」が特に注目のアイテムと言えます。

 

FoKus APOLLOは40mmダイナミックドライバーと14mmプラナードライバーのハイブリッドデュアルドライバー構成のANC(アクティブノイズキャンセリング)搭載のワイヤレスヘッドフォン。この時点でお腹いっぱいのスペックではあるものの、LDACやaptX
HDといった高音質コーデックへの対応と、ANC機能の強さに定評のあるQCC3084をした実力派。
会場では実際にこのFoKus APOLLOを自身のスマートフォンに接続して視聴。宇多田ヒカルのBADモードを一聴したときに、この音質は素晴らしい、と感じる音を奏でてくれました。まずベースのずっしりさ、Warmというわけではなくソリッドなのに分厚いビートを奏でる低音と眼の前にボーカルが現れるような透き通った中高音で衝撃を受けました。

 

長らく私自身はSONYのワイヤレスヘッドフォン、WH-1000 XM4を愛用してきて十分満足しているつもりでしたが、FoKus APOLLOの音は音楽を楽しみたい人にとっては最高の選択肢になる印象。ただ価格はアメリカ本国で649ドルでの販売を予定しており、日本でも未定ではあるものの10万円程度にはなってしまうのではないかとのこと。ちょっと良い値段すぎるかもしれないですが、3年間使えば1日あたり91円、と考えれば許せる価格かもしれません。

AKGからはポータブルユースにぴったりなANC搭載のヘッドフォンとイヤホン

もう一つワイヤレスヘッドフォンの新機種で注目を集めていたのがAKG。AKG自体での出展は6年ぶりというかなり久々の出展で、コンシューマーラインのNシリーズの最新製品のAKG N9 HYBRID(55,000円)とN5 HYBRID(38,500円)を出展。どちらも5月17日(金)に発売予定です。

以前はAKG KシリーズのハイエンドヘッドフォンとしてK702やK712といった開放型の製品で有名だったAKGも、親会社のハーマンインターナショナルごとSamsung傘下になり、ポータブル系のラインナップも充実してきた印象。そんな中、今回登場させたワイヤレスの2機種は新たな仕組みも採用するなどこだわりの詰まったモデルでした。

新規格LC3 plusコーデックでの高音質伝送に対応したヘッドフォン、AKG N9 HYBRID

まずはワイヤレスヘッドフォンのAKG N9 HYBRIDから。N9 HYBRID、N5 HYBRIDに共通することではありますが、両モデルではオーディオ伝送のためのコーデックとして一般的なLDAC、AACなどに加えて専用のドングルを利用することでLC3plusに対応。
LC3plusはSONYやQualcommなどが開発した他の高音質コーデックとは違い、オープン規格となっているため専用のチップなどの制約なく利用できるようになれるとのこと。LC3plusのハイレゾ音声モードでは96Khz/24bitでの音声伝送にも対応することで高音質な音楽再生を実現しているというもの。高音質、低遅延ながら他のコーデックよりも対応幅を広げられるというものなんだとか。
      
AKG N9 HYBRIDは黒と白色の2色のラインナップで発売予定のヘッドフォン。40mmのPU+LCP液晶ポリマー振動板を採用。周囲の状況に合わせてノイズキャンセリングの性能を調整できるリアルタイム補正機能付きハイブリッドノイズキャンセリング機能を搭載したモデル。

 

今回は自慢のLC3plusによるオーディオ伝送を専用のドングルを利用して試します。この専用ドングル派N9 HYBRIDのハウジング部をスライドさせた場所に収納ケースを用意していて必要なときにサッと出してすぐに利用できるのも特徴的。スマートフォンの場合は接続すれば設定なしにすぐに接続され音楽を再生できるようになります。
実際にいくつかの楽曲を再生してみた感じとしては、往年のAKGのサウンドの通り、という感じ。以前私はAKG K271 MKⅡというダイナミックモデルを利用していましたが、まさにこのサウンド、ちょっと薄めの低域と軽やかな高域を組み合わせた印象。ただ、LC3plusによるものなのか、それともヘッドフォン自体の問題なのか解像感はお世辞にも高いとは言えなかった印象でした。2020年発売のSONY WH-1000XM4と比べても物足りなさを感じる音質だったことは否めませんでした。

イヤホンでも専用ドングル採用。ANC搭載のAKG N5 HYBRID

 

ヘッドフォンのN9
HYBRIDと同様に専用ドングルによるLC3plus伝送を実現したのがN5
HYBRID。こちらはスティック型の形状の完全ワイヤレスイヤホンで、ドングルなしでもLDACに対応し、ハイブリッド・ノイズキャンセリング機能にも対応した実力派。10mmのDLC(Diamond
Like Carbon)振動板を採用したダイナミックドライバー採用モデルです。

 

 

ヘッドフォン祭りの会期が従来の2日間から1日に短くなったこともあってか、以前より混雑しているように感じる会場でしたが、LC3Plus接続では音の途切れや接続の不安定さを一切感じることなく音楽を楽しむことができたのはポイントかと。

音質に関してはN9 HYBRIDと同じような感想となってしまいますがAKGのサウンドをそのままイヤホンに持ってきた感じ。ここまで音の傾向がぶれないのもすごいですが、解像感については物足りなさを感じます。もともとAKGはヘッドフォンというよりイヤホンのメーカーなのでここは今後に期待なのかもしれません。

 

番外編:FiiOのスピーカーFiiO SP3 BTやDAC付きキーボード KB3 HiFi USBも展示

 

 

Noble Audioのお隣には同じくエミライが代理店を務めるFiiO製品も陳列。最新のヘッドフォンアンプなども展示されていましたが、個人的に気になったのはデスクトップスピーカーのFiiO SP3 BTとUSB DAC内臓のキーボードKB3 HiFi USB。KB3 HiFi USBはゲテモノとして見ただけなので評価は特にしません。

SP3 BTはFiiO初のアクティブスピーカーSP3にDAC機能を追加したことでBluetoothの受信やデジタル入力に対応したもの。カーボンファイバー振動板ウーファーとシルクドームツイーターを採用し優れた音場表現を実現したモデル。意外とコンパクトな見た目ながら、会場でちょっとだけ鳴らしてもらいましたが確かに音場は良さそう(解像感は会場じゃ分かりませんでした)な印象でした。
オーディオ関係のイベント自体は今でも顔を出すようにしていますが、日常生活ではすっかりワイヤレス・オーディオと自宅ではスピーカーでの音楽再生に移行。とはいえ、ヘッドフォン祭りではそんな流れに乗らない方がたくさん集まっており、その空気を楽しみに行くのもよいのかも。なお、次回東京で開催されるイベントはeイヤホン主催のポタフェス秋葉原(7月13日・14日)です。

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銀行をやめて人材系のHRテックらしいメガベンチャーにいたかと思えば、今はSIerで企画とかしています