【Dell XPS 13】新型インテルCore 5プロセッサー320(Wildcat Lake)搭載で1kg・12.7mmの最軽量ボディを実現。Intel 18AのRibbonFETでNPU16TOPS・500nitディスプレイ・バッテリー17時間駆動を実現したDell XPS 13レポート

デル アンバサダープログラムのイベントに招待され、東京都内で開催されたデル・テクノロジーズの新製品発表会に参加してきました。先日のイベントではXPSブランドの復活が発表され、Intel Core Ultra Series 3搭載のXPS 14・XPS 16が登場しましたが、今回はそのXPSシリーズの最軽量モデルとなる「XPS 13」がついに国内発表。日本市場で長く求められてきた13インチクラスの薄型軽量モデルとして、XPSブランド復活の第二弾にふさわしい製品の登場です。
XPS 13は新型インテル Core 5 プロセッサー 320(開発コードネーム:Wildcat Lake)を搭載し、重量約1kg・厚さ12.7mmというXPS史上最薄最軽量ボディに、2.5Kタッチディスプレイや52Whrバッテリー(Netflix再生で約17時間駆動)を詰め込んだ1台。価格は154,800円からで、16GBメモリ搭載構成は184,800円。発表会ではDELLの松原氏によるXPS 13の製品戦略とインテル新型プロセッサーの技術解説を聞いてきたので、その内容をレポートします。
XPS 13のスペック
| 項目 | スペック |
|---|---|
| プロセッサー | インテル® Core™ 5 プロセッサー 320(Wildcat Lake、Pコア×2+低消費電力Eコア×4、6コア6スレッド、最大4.6GHz) インテル® Core™ Ultra 7 355(今夏投入予定、Pコア×4+低消費電力Eコア×4) |
| NPU性能 | 16TOPS(Core 5 320) / 50TOPS(Core Ultra 7 355、Copilot+ PC要件40TOPS超) |
| GPU | インテル® グラフィックス(Xe3アーキテクチャ、最大2コア) |
| OS | Windows 11 Home |
| メモリ | 8GB/16GB LPDDR5x(Core 5モデル)、16GB/32GB(Core Ultraモデル)、7467MT/s |
| ストレージ | 512GB〜1TB M.2 PCIe NVMe SSD |
| ディスプレイ | 13.4インチ タッチ対応 2.5K(30-120Hz) |
| 輝度 | 500nit、非光沢加工タッチパネル、InfinityEdge |
| キーボード | バックライト付き 84キー(Copilotキー付)、日本語/英字選択可(STORMは英字のみ) |
| タッチパッド | マルチタッチジェスチャー対応 高精度ガラスタッチパッド(汚れ防止コーティング) |
| カメラ | 1080p@30fps 2MP フルHD + IRカメラ、デュアルアレイマイク、Windows Hello対応 |
| スピーカー | クワッドスピーカー構成(合計8Wピーク出力) |
| ポート | USB 3.2 Gen2(10Gbps) Type-C ×2(Core 5モデル)、Thunderboltにアップグレード(Core Ultraモデル) |
| 通信 | インテル® Wi-Fi 7 BE213(2×2)+ Bluetooth 6.0 |
| シャーシ | CNCアルミニウム |
| バッテリー | 3セル 52Whr、Netflix再生で約17時間 |
| 電源 | 65W ACアダプター、USB Type-C(プラグ一体型・収納可能) |
| サイズ | 高さ12.7mm×幅296.9mm×奥行き200.66mm |
| 重量 | 最小1kg(XPSシリーズ史上最薄・最軽量) |
| 価格 | 154,800円〜(一般) |
XPSブランド第二弾「XPS 13」登場。XPS史上最薄・最軽量となる1kg・12.7mmボディを実現

発表会ではデル・テクノロジーズのジャパンコンシューマー&リテール アソートメントプランナー兼コンサルタントの松原大氏が登壇し、XPS 13の製品概要と戦略について説明を実施。XPS 13はイベント当日よりデル公式サイトで販売を開始しており、従来の製品体系(DE)から、新たな2026年基準のラインナップ(DX)へ全面リニューアルしたモデルとして紹介。13インチ・2026年バージョン・Intelシリーズという体系で展開していくとのこと。
松原氏はXPS 13について、日本のユーザーが長く待ち望んでいた13〜14インチクラスの薄型軽量モデルであると位置づけ、日本市場ではTeams利用や持ち運びが多いユーザーが多く、薄くて軽い製品へのニーズが非常に大きいと説明。日本側から5年以上にわたって要望を続け、ようやく製品として発売できたと語っていたのが印象的。実際個人で所有しているPCもそうですし、職場から貸与されているPCも13インチ、もしくは14インチの小型、軽量モデルですしね。

価格については、米国では699ドル(Core 5/8GB/512GB構成)で発表されたものの、日本市場では8GBメモリの使用率が8〜9%程度と低く、不安を感じるユーザーが多いとの判断から、Core 5/16GB/512GB構成にフォーカスして発売する戦略を明らかに。この構成は184,800円で、米国の同構成(約900ドル強+税)と比較すると約10%高い水準ですが、今後のプロモーションでUS価格に近づけていく方針も示していました。
XPS 13はAI PCの部類に入る製品で、NPUを標準搭載したインテルのフラッグシップAI PCとして紹介。松原氏いわく、AI PCの普及にはメモリのシームレス性が非常に重要であるため、日本では16GBメモリを中心に発売を開始したとのこと。カラーは青みがかったシルバーの「SKY」とブラック基調の「STORM」の2色展開で、STORMは英字キーボードのみ、7月末頃の販売開始を予定しているとのこと。
実機タッチ&トライで確認した軽さと薄さ。会場のXPS 14・Dell 14Sと比べても際立つ取り回しの良さ



実機を触ってみて、まず感じたのはその軽さ。約1kgという重量は数値以上に軽く感じられ、会場に展示されていたXPS 14やDell 14Sと並べて比較しても、XPS 13の軽さは際立っていました。CNCアルミニウム削り出しの筐体はプレミアム感を十分に備えつつ、片手でも余裕で持てるサイズ感と軽さを両立しています。
薄さ12.7mmというボディは実際に机の上に置いてみると、その恩恵がよく分かるポイント。分厚いノートPCでは手首が筐体のエッジに当たってストレスになりやすいのですが、XPS 13はそういった不快感がほぼない印象でした。日常的にカフェや新幹線でノートPCを使うユーザーにとって、この薄さは見逃せない長所かなと。

ディスプレイは13.4インチの2.5K解像度タッチパネル。非光沢加工が施されているため映り込みが抑えられており、会場の照明下でも発色・解像感ともに十分綺麗だと感じました。輝度500nitというスペックも含め、屋外や明るい環境でも視認性に困らなそうです。ディスプレイはタッチパネルになっており、マウスがない時にサクッと何かを編集したり、片手でPCを持ちながら画面を人に見せつつ操作する、なんてときにも便利なのもポイントです。
キーボード・トラックパッド・インターフェースの第一印象。USB Type-C×2構成でも現代的な使い方なら困らない印象



キーボードはバックライト搭載の84キー構成で、Copilotキーも装備。会場のXPS 14やDell 14Sと比較すると、見た目の作り込みはやや簡素な印象を受けたものの、打鍵感は標準的で悪くない感触でした。日本語キーボードと英字キーボードのオプション選択が可能。あえて英字キーボードを利用したい人のために英字版も用意されているのは嬉しいところ。
トラックパッドは汚れ防止コーティング付きの高精度ガラス仕様を採用。キーボード自体はコンパクトなサイズに収まっている一方、トラックパッドは目一杯の面積を確保しており好印象でした。マルチタッチジェスチャーにも対応しているため、マウスなしでの操作もストレスなくこなせそうです。


インターフェースはUSB 3.2 Gen2(10Gbps)のType-Cポートが2つ。HDMIやType-Aといった旧来のポートは搭載していませんが、松原氏は薄型化を実現するためにType-Cを選択したと説明。Type-C対応の外部ディスプレイが普及し、Type-C to HDMI変換ケーブルも一般化した現在の環境を考えると、現代的な使い方では特に困らないという印象です。Core Ultraモデルでは、このType-CポートがThunderboltにアップグレードされる点も見逃せません。

ACアダプターも大きな進化ポイント。従来のデル製品はパワーケーブルが太くて不便だと言われ続けていましたが、今回のXPS 13からプラグ一体型の65W ACアダプターに刷新。モバイルバッテリーのようにプラグを収納できるタイプで、付属する2mのType-Cケーブルとあわせて持ち運びの利便性が大きく向上しています。
新型「インテル Core 5 プロセッサー 320」を搭載。Wildcat LakeはCore Ultraと同じDNAを持つメインストリーム向け設計



インテルの太田仁彦氏(技術・営業統括本部 IA技術本部 部長)は、XPS 13に搭載される新型プロセッサー「インテル Core シリーズ 3」について技術解説を実施。まず、AI PCの出発点としてNPUを初めて搭載した「メテオレイク」から始まり、アローレイクを経て、今年のCESで発表されたコードネーム「パンサーレイク」のCore Ultra シリーズ 3がフラッグシップとして登場した経緯を紹介しました。

今回のXPS 13に搭載されるCore シリーズ 3(コードネーム:Wildcat Lake)は、そのフラッグシップCore Ultraと同じDNAを持つメインストリーム向け製品。太田氏いわく、明確な3つの目的を持って設計されたプロセッサーで、「1日中使えるバッテリー」「メインストリームでも妥協のないAI性能とプロセッサーパフォーマンス」「求めやすい価格帯とコスト競争力」を実現するとのこと。

CPUは最大6コア構成で、パフォーマンスコア2基と低消費電力Eコア4基を搭載。Core Ultraと同じCPU、NPU 5、Xe3 GPUのIPを採用しつつ、求めやすい価格帯に向けて規模をコンパクトにまとめた構成です。GPUは最大2コアまでとし、Thunderbolt 4を2系統まで搭載でき、Wi-Fi 7にも対応。OSとの調整も丁寧に行った設計であると説明していました。
Intel 18Aプロセスの2大革新技術「RibbonFET」「PowerVia」。電力効率15%・実装効率30%向上を実現

太田氏は、今回のシリーズ3プロセッサーがインテルにとって非常に大きな転換期を迎えた製品であると位置づけ、その理由として半導体の製造技術とプロセッサーアーキテクチャの2つが同時に大きく進歩した点を挙げました。製造技術には新たに「Intel 18A」プロセスを採用しています。
Intel 18Aの1つ目の革新技術は「RibbonFETトランジスタ」。従来のFinFETでは縦状のフィン構造だったトランジスタを、横向きの帯状、つまりリボンのような形状に変更することで、電流のエネルギー効率を15%向上。スイッチング速度の向上や、より低消費電力での動作を可能にしたとのことです。
2つ目は「PowerViaテクノロジー」。従来の半導体では信号線と電源・グランド信号が混在していましたが、PowerViaではこれを上下で分離し、上層に信号線、下層に電源電圧を提供する構造に。この裏面電源供給技術により、半導体の使える面積を30%効率よく向上させることに成功しています。先日のXPS 14/16発表会でも紹介された技術ですが、今回のCore シリーズ 3にも同じ製造技術が投入されているわけです。
2022年比で最大2.1倍のアプリ性能・2.7倍のAI性能。メインストリームでも妥協のない仕上がり

性能面では、2022年頃のインテル Core 7 プロセッサー 150Uを基準とした場合、Core シリーズ 3はアプリケーションベンチマークで最大2.1倍のパフォーマンス向上を実現。太田氏は、日常的に使うアプリケーションであればCore シリーズ 3のパフォーマンスに不満はないだろうと語っていました。AI機能については、AI専用の演算ユニットを搭載していなかった過去のプロセッサーと比較して2.7倍の性能を確保。

バッテリーについては、インテルのエンドユーザー調査でノートパソコンに求めるものとして依然として最上位に来る項目であると紹介。Core シリーズ 3は電力効率の高いRibbonFETトランジスタとインテルのプロセッサー技術を最大限に活用し、フル充電で1日使えるバッテリーライフを提供していると説明していました。XPS 13の公称値はNetflix再生で約17時間。通常のオフィス使用であれば丸1日持つレベルです。
太田氏のまとめとして、5年前のメインストリームPCと比較するとどの性能軸をとっても不安のない大きな性能向上を体感できる製品であるとのこと。SKUラインアップではほとんどが6コアCPU(一番下のみ5コア)で、NPU性能も15〜17TOPSを維持、内蔵GPUはほとんどが2コア(一番下のみ1コア)という構成になっています。
今夏投入予定の「Core Ultra 7 355」でNPU性能50TOPSへ進化。Copilot+ PC要件を上回るAI処理性能

発表会では、現行のCore 5 320搭載モデルに加えて、今夏投入予定のインテル Core Ultra 7 355搭載モデルの存在も明らかに。Core Ultra 7 355はNPU性能50TOPSを備え、MicrosoftのCopilot+ PC要件(40TOPS以上)を上回るAI処理性能を実現するプロセッサーです。メモリ構成も16GB/32GBのオプションに拡充され、インターフェースもUSB Type-CがThunderboltへアップグレードされるとのこと。
松原氏によると、Core Ultra 7 355搭載モデルは約1ヶ月遅れでの投入を予定しており、準備を進めている段階。AI PCの普及を見据えた上位モデルとして、現行のCore 5モデルとあわせてラインアップを充実させていく方針です。Copilot+ PCとして本格的にNPUを活用したい層にとっては、このCore Ultraモデルの登場を待つのも選択肢の一つかなと。
現行のCore 5 320モデルもNPU 16TOPSを搭載しているため、AI PCとしての基本的な機能は備えています。ただし、Copilot+ PCの認定要件を満たすのはCore Ultra 7 355搭載モデルのみ。用途に応じてどちらのモデルを選ぶか検討できるのは、ユーザーにとって嬉しいポイントです。
154,800円からの価格設定。MacBook NeoやASUS Zenbook SORA 14とも比較されるポジショニング

XPS 13の価格は154,800円から。米国での699ドル(約10万円)という発表価格はApple A18 Pro搭載の低価格Mac「MacBook Neo」を意識した設定とも報じられており、x86系プレミアムモバイルPCとしてARM勢と真っ向から競合するポジショニング。日本ではCore 5/16GB/512GB構成の184,800円がメイン価格帯になりますが、学割(最大6%)やDell Rewards 10,000ポイントキャンペーン(7/31まで)を活用すれば、もう少し手頃に購入できます。
競合として意識されるのが、ASUS Zenbook SORA 14(レビュー)。Snapdragon X2 Elite搭載で約990g・バッテリー約33時間駆動・NPU 80TOPS・259,800円(税込)という製品で、XPS 13とはまさに「x86 vs ARM」の軽量AI PC対決という構図です。重量はXPS 13の1kgに対してZenbook SORA 14が990gとほぼ互角。一方でバッテリー駆動時間はXPS 13の約17時間(Netflix再生)に対してZenbook SORA 14が約33時間と、ARMアーキテクチャの省電力性が際立つ結果に。
NPU性能もXPS 13のCore 5 320が16TOPS、今夏投入のCore Ultra 7 355でも50TOPSであるのに対し、Zenbook SORA 14のSnapdragon X2 EliteはHexagon NPU 80TOPSと現状ではQualcomm勢が優位。ただし価格はXPS 13が154,800円からと、Zenbook SORA 14の259,800円より10万円以上手頃で、x86の互換性というアドバンテージも健在です。どちらを選ぶかはARM版Windowsの互換性に対する許容度やバッテリー重視度で分かれるところかなという印象。
軽さとコストパフォーマンスを妥協できない方に最適な薄型軽量プレミアムノートPC

XPS 13は、154,800円からという価格で、インテル Core 5 プロセッサー 320、最大16GB LPDDR5x、512GB〜1TB NVMe SSD、13.4インチ 2.5Kタッチディスプレイ、52Whrバッテリー(約17時間駆動)という充実した仕様を、1kg・12.7mmのXPS史上最薄最軽量ボディに収めた製品でした。Intel 18AプロセスのRibbonFETとPowerViaという2つの革新技術を採用した新世代プロセッサーにより、2022年比で最大2.1倍のアプリ性能と2.7倍のAI性能を実現しています。
プロセッサーの進化は特に印象的で、Core Ultraのフラッグシップ技術をメインストリーム価格帯に落とし込んだWildcat Lakeの設計思想は、多くのユーザーにとって価値のある選択肢になるはず。今夏にはCore Ultra 7 355搭載でCopilot+ PC対応の上位モデルも追加される予定で、用途に応じて選べるラインアップの幅広さも魅力です。5年越しの要望に応えて日本市場に投入されたXPS 13は、デルの薄型軽量モバイルに対する本気度を感じさせるモデルです。
今回はタッチ&トライでの外観確認のみで、ベンチマーク測定やバッテリー実測は実施できていないため、実際の性能については今後の検証を待ちたいところ。ただ、会場で実機を手に取った際の軽さと薄さ、CNCアルミニウム筐体の質感は確かなもので、1kgクラスの軽量モバイルPCを探している方、x86互換性を保ちつつプレミアムな使い心地を求める方にとって、XPS 13はぴったりな製品といえました。














